スキップしてメイン コンテンツに移動

英軍のフォークランド奪回作戦(1982年)から台湾防衛など米海兵隊が目指す前線分散展開が学べる教訓とは....

 

裁国家が島国の隣国を侵略するのをどうしたら阻止できるだろうか。侵略勢力が海岸に上陸したら、主要な拠点から何百、何千マイルも離れた場所で活動し、地元の数的優位を持つ敵をどうしたら撤退させられるか。1982年、アルゼンチン軍事政権が、英国の海外領土フォークランド諸島の主権を長年にわたって主張してきたため、英国はこの問題で解決を迫られた。アルゼンチンからフォークランドを奪還するため英国が実施した長距離遠征作戦「コーポレート作戦」の勝利と、中国から台湾を守ることに焦点を当てた課題には、不穏ながら類似点がある。

 

 

米海兵隊は、インド太平洋で激化しつつある大国間競争への対処すを優先課題としている。フォークランドで英軍は、海兵隊司令官が将来の活動として想定しているのと同様の方法で活動した。広大な海洋地形に分散した小規模な編隊、比較的限定的な間接火力支援、限定的な近接航空支援だ。南大西洋で英国の機動力と後方支援を可能にするためには、垂直上昇機が不可欠であった。しかし、海兵隊の新しいコンセプトには、こうした航空機がほとんど見られない。

これらの矛盾に対処するため、コーポレート作戦で学んだ関連する教訓を簡単に概観しよう。教訓を把握してから、現在および将来の垂直上昇能力の最大化に重点を置き、海兵隊の概念にうまく取り入れる方法を考察する。

コーポレート作戦

1982年4月2日、アルゼンチン軍が南大西洋にあるフォークランド諸島の英国領に侵攻した。歴代英国政権は、アルゼンチンによる上陸されれば既成事実化を意味すると結論づけていた。しかし、マーガレット・サッチャー政権は、フォークランド諸島を奪回すると即座に決定した。数時間後には、岩だらけの島々からアルゼンチンを追い出すための「コーポレート作戦」が開始された。最初の海軍艦艇は、侵攻から3日も経たないうちに英国を出港した。急速に編成された統合任務部隊は、障害を乗り越え、8,000マイル以上を横断し、6月14日までに諸島の領有権を取り戻した。しかし、勝利が約束されていたわけではない。機動部隊が出港した瞬間から、垂直上昇の必要性を予測できなかったこと、指揮系統が曖昧だったこと、水陸両用作戦を軽視した部隊設計が、最終的な成功を脅かすことになった。

英軍作戦は、広大な距離とそれに伴う困難双方の克服を迫られた (Source: Department of History, US. Military Academy)

英機動部隊は空母戦闘群を中心に構成され、制空権と制海権を確立し、第3コマンド旅団含む水陸両用攻撃隊による島の奪回を任務とした。英軍機動部隊の迅速な展開は印象的だったが、当初は軍事解決は不要と考え、政治解決を強いるべく行われたものだった。英国機動部隊は、フランシス・ドレイク卿とホレイショ・ネルソン卿の歴史的な港から出航したが、兵站物資と装備は、最終的な水陸両用作戦を考慮せず大部分が収納されたままだった。英国が利用できる唯一の中間基地であるアセンション島では、物流の大幅な再編成が必要だった。水上艦を利用した装備の整理は英海軍にとって簡単な作業であったはずだが、海岸の急勾配、柔らかい砂、激しい波のため、艦から陸への移動にはヘリコプターを多用する必要があった。アセンション島上陸後も、荒れた地形のため、内陸部への輸送にはヘリコプターが欠かせなかった。最小限の休息とスタッフの調整を終え、機動部隊は目的地に向かい出撃したが、容赦ない気候と地形のため、さらに多くの航空支援が必要となった。

コーポレート作戦では、防空が重要な課題であった。空母戦隊が制空権を確立してから第3コマンド旅団の部隊を上陸させるとの決定は、最終的に非現実的と判断され、アルゼンチン航空機のリスクを受け入れることになったのである。アルゼンチンは英国機動部隊の6倍の航空機を保有し、英国海軍の防空システムは上陸部隊に十分な戦力保護を提供できなかった。地上配備型のレイピア防空システムは、航空優勢がない場合の航空攻撃のリスクを軽減するためのものであった。しかし、レイピアに最適な地形は地上車両が入れない場所であり、またシステム自体も重く、手で持ち運べない。その結果、水陸両用戦闘団のマイケル・クラップ司令官は、「レイピアに物資と発電機用のガソリンを供給するために、シーキング1機を常時待機させる」ため限られた資産を捧げざるを得なくなった。英国が水陸両用から陸上での攻撃作戦に移行するにつれ、ヘリコプター部隊は大きく負担を強いられ、航空機への依存度は増すばかりだった。

フォークランド諸島の地理的条件から、上陸に適した場所は限られていた。東フォークランド北西部のサンカルロス水域が上陸地点として選ばれた。5月21日、第3コマンド旅団の最初の部隊が上陸したが、後方支援物資の非効率性が解消されず、またサンカルロス海域に出入りする水上艦艇を常に動かすという戦力保護措置のために、橋頭保の構築は遅れた。このような状況下で勢いを維持する唯一の手段は、ヘリコプターの常時使用だった。最初の上陸から6月14日のアルゼンチン降伏まで、「東フォークランドは起伏の多い地形なので、戦時中の兵站活動にヘリコプターが欠かせなかった」。5月25日、空から発射されたエグゾセミサイルがSSアトランティックコンベヤーを沈めたとき、重要な積荷の追加ヘリコプターが1機を除いてすべて失われ、地上部隊の限られた機動性がさらに試された。岩だらけの湿地帯を横断する道路がないため、限られたヘリコプター部隊ですべての大砲と重装備を輸送することになり、英国海兵隊と兵士は容赦ない風景の中を行進することになった。ヘリコプターの必要性を端的に示す例として、105ミリ榴弾砲6門と弾薬を輸送するのにシーキング出撃が82回必要であったことが挙げられる。このような機動部隊の減少は、ヘリコプターの大半が人員ではなく、装備輸送に割り当てられたため、間違いなく紛争を拡大させた。

フォークランド作戦 (Source: Department of History, U.S. Military Academy)

 

部隊間の指揮系統の違いや、一個旅団にヘリコプターの配備が不十分なことは、機動部隊の規模が大きくなるにつれて摩擦の種となった。英海兵隊の旅団は約4600名で、国防省はフォークランドにいる1万人のアルゼンチン軍を相手にするには少なすぎると判断した。第5歩兵旅団が加わり、ジェレミー・ムーア少将が機動部隊内の師団司令部を指揮することになった。この旅団の大隊のほとんどは、作戦行動と儀礼的な警護に時間を割かれ、水陸両用作戦の訓練を受けていない兵士で構成されていた。この旅団の投入は全体的な数の増加を意味したが、指揮系統の混乱を招き、第二次世界大戦以降で唯一最大の英軍の損失を生む一因となった。

まだ政治的解決が可能だと思われていた頃、第5歩兵旅団の正確な役割を定義する努力はほとんどなされなかった。この部隊をどう使うという疑問は、第3コマンド旅団がサンカルロスウォーターに上陸後、最初の攻撃行動を行ったときに答えが出た。グースグリーン集落での最初の成功は、パラシュート連隊第2大隊の後方支援を大幅に前進させ、迅速な増援の可能性なしに敵の攻撃に対して脆弱な状態に陥ることになった。支援要請のプロセスが不適切で、水陸両用幕僚にヘリコプターの専門知識がなかったため、野心的な大隊は、他の場所で切実に必要とされていたヘリコプター支援を要求することができた。これに対し、第5歩兵旅団はブラフコーブとフィッツロイの集落に上陸して、孤立した空挺部隊を救援することになった。ヘリコプター配備を誤ったため、水陸両用の経験がないにもかかわらず、これらの兵士を輸送するため水上輸送船が必要となった。南大西洋の寒さとアルゼンチン空襲にさらされながら、35マイルを上陸用舟艇で移動するのに数時間かかった。6月8日の日没後、水上艦数隻が攻撃され、LSL Sir Galahadは沈没、51名の兵士と水兵が死亡し、46名が負傷した。

なぜこの悲劇が起こったのか、その背景を知るには、第二次世界大戦直後にさかのぼることが重要である。1966年に空母の更新計画が中止され、1979年に英国最後のカタパルト空母であるHMSアークロイヤルが退役するなど、この時期の英国海軍は特に各軍との競争にさらされた。このことは、その後の海軍の水陸両用戦能力に連鎖的な影響を及ぼした。固定翼機運用が可能な空母は、HMSハーミズとHMSインヴィンシブルの2隻だけとなり、小さなデッキではヘリコプターの運用を犠牲にしてまで、垂直離着陸型のシーハリアが運用された。

サッチャーは予算の制約を受け、英国海軍の目的をますますニッチにとらえるようになっていた。1981年の国防白書では、1984 年までに水陸両用艦を全部撤去することが提言されていた。イギリスは、水陸両用戦力は NATO の大規模な作戦の一部としてのみ使用されると考えていたため、イギリス海軍の即応性は低下していた。2隻の固定翼空母は外国への売却が予定されており、上陸用プラットフォーム・ドックのHMSイントレピッドはすでに退役の過程にあった。イギリスに幸運なことに、アルゼンチンは、イギリスの水陸両用戦力の変化が予測される影響を完全に受けるまで待たなかった。空母売却は延期され、HMSイントレピッドの退役は、付随する上陸用舟艇と中型輸送ヘリコプタの使用のために逆転された。

今から見れば、イギリスとアルゼンチンの能力の差は必然だった。しかし、イギリスとフォークランド諸島の間の8,000マイルの隔たりを埋めるには、現地に到着するだけでなく、人を寄せ付けない地形を越えて部隊、物資、機材を移動させる適切な手段なしには、無理だっただろう。もし紛争が数カ月遅れていたら、水陸両用船とそれに付随するヘリコプターが完全に不足し、フォークランド諸島の奪還は不可能だっただろう。英空母が最終的に譲渡される前に侵攻したタイミングの偶然性については、多くが書かれている。しかし、空母戦闘団は、主要任務である制空権を達成できなかった。結局、フォークランド諸島を英国支配下に戻したのは、垂直上昇航空機が提供した機動性だった。 

戦力設計2030年構想への示唆 

海兵隊司令官の2019年の計画指針は、ご核戦力を有する新興敵の脅威を軽減するため、野心的だが必要な計画を示している。それ以来、毎年行われる部隊設計2030の更新は、最初のガイダンスに基づいて行われており、ホワイトハウスと国防総省の戦略的ガイダンスに直接合致する道を歩んでいる。司令官指針は、概念文書複数から導き出されている。遠征型前進基地作戦のコンセプトは、「重要な海上地形に対する機動力と支配力を向上させることで、敵の潜在的な優位性を緩和する」ことを目的としている。フォークランドでヘリコプターを使用した英国の経験の教訓を取り入れることは、海兵隊が分散した部隊の機動と維持に際して、同様の誤りを繰り返さないようにするために重要だ。

垂直離着陸機を海上機動にうまく組み込むことが重要である。水上艦艇を利用し人員や装備を上陸させる作戦の成功は保証されていない。軽水陸両用艦のコンセプト画では、手つかずのビーチに装備を降ろすことが描かれているが、アセンション島事例では問題があることが示されている。フォークランド紛争でも、機動性要件が海岸線にとどまらないことが示された。軽戦車4両を除くすべての物資、大砲、防空システムはヘリコプターで輸送できるほど軽量であり、航空がもたらす迅速な機動性を示した。特にインド太平洋の島々では、大規模な飛行場や整備された道路インフラがないことが多く、内陸部地形に制約があり、既存の飛行場がないことは、海兵隊の立案部門にとって依然として考慮すべき点である。CH-53E/Kヘリコプターは、レーダー、機動防空システム、長距離精密砲を迅速に輸送する能力を備えており、新コンセプトに欠かせない存在だ。また、空中給油が可能なため、長距離での作戦が可能だ。太平洋に駐留する現役のKC-130タンカー輸送中隊を100%増員すれば、CH-53E/KやMV-22オスプレイの航続距離が伸び、第1列島線の外側から内側の分散型遠征基地に自己展開するオプションが提供できる。垂直上昇機における距離の暴虐を克服する能力は、前例がないわけではない。1989年に2度、MH-53ヘリコプターが空中給油を使い、グアムから台湾まで約1,400マイルを無着陸で移動し、パナマで戦闘行動を行った。このような距離での作戦は明らかに例外だが、脅威や地形、あるいは代替的な戦力配分が困難と判断されれば、垂直上昇航空を迅速に採用する選択肢を海兵隊司令官に提供する。 

海兵隊の指揮系統は、1982年に英機動部隊が経験したような摩擦を反映し、垂直上昇航空機材の利用が課題になる可能性がある。海兵隊沿岸連隊は、遠征型前進基地作戦を念頭に置いた戦力設計2030プロセスで開発された。司令官は、新部隊がそのような作戦を実施できる唯一の存在ではないことを明らかにしているが、現在および将来の海兵隊沿岸連隊が太平洋に拠点を置くことで、この新コンセプトの実施が保証されている。暫定ドクトリンでは、沿岸部隊むけの一般支援としての航空について、大まかに説明されているだけで、これらの航空機の出所については概説されていない。暫定ドクトリンや「駐留軍構想」では、垂直上昇よりも航空火災や情報・監視・偵察に重点が置かれており、1982年に英国が行ったヘリコプターの非効率的な利用を再現する恐れがある。さらに、垂直上昇能力機材がないため、海兵隊沿岸連隊の作戦を海兵隊遠征部隊の複合飛行隊に依存することは、持続不可能だと明らかになるだろう。両部隊にある唯一の航空機は、海兵隊遠征部隊の作戦を支援用に意図的にサイズ調整されているため、両部隊の作戦を同時に支援するための垂直輸送力が十分に存在しない。現在の展開サイクルに飛行隊を割り当てている航空団は、特に35%削減されたCH-53部隊において、追加任務の調達が困難であることを知らされることになる。削減は、同時に行われた歩兵大隊の13%削減と意識的に一致するよう設計されたものだ。

海兵隊の指揮系統は、1982年の英国機動部隊に生まれた摩擦同様に、垂直上昇機材の利用で課題になるる可能性がある。海兵隊沿岸連隊は、遠征型前進基地作戦を念頭に置いた戦力設計2030プロセスで開発された。司令官は、新部隊がそのような作戦を実施できる唯一の存在ではないと明らかにしているが、現在および将来の海兵隊沿岸連隊が太平洋に拠点を置くことで、この新コンセプトの大部分を実施することは確実だ。暫定ドクトリンでは、沿岸部隊への一般的支援となる航空部隊について、大まかに説明されているだけで、航空機の出所は概説されていない。暫定ドクトリンや「駐留軍構想」では、垂直上昇より航空機による攻撃や情報・監視・偵察に重点が置かれており、1982年の英国同様のヘリコプターの非効率的な利用の再現となる恐れがある。さらに、垂直上昇能力機材がないため、海兵隊沿岸連隊の作戦を海兵隊遠征部隊の飛行隊に依存することは、持続不可能であることが明らかになる。この2つの部隊の間にある唯一の航空機は、海兵隊遠征部隊の作戦を支援するため意図的にサイズ調整されているため、2つの部隊の作戦を同時に支援するだけの垂直輸送力が十分に存在しないことになる。現在の展開サイクルに飛行隊を割り当てている航空団は、特に35%削減されたCH-53において、追加任務の実施が困難だと思い知らされることになる。この削減は、同時に行われた歩兵大隊の13%削減と意識的に一致する設計だった。しかし、1982年の英国機動部隊の成功を脅かしたのは、単に垂直上昇機材の数だけでなく、場当たり的な指揮関係であった。上陸部隊の司令官と沿岸部隊の司令官間の支援関係が、現在の教義や暫定的な出版物で定義されていないことが各組織の合併を複雑にしている。原因が何であれ、遠征前進基地作戦における航空支援、特に垂直上昇機材の明確な配分を今後定義するべきであろう。 

「待機部隊の概念」に含まれる機動性の圧倒的な強調は、米海軍が資金提供をためらっている水上艦艇向け提案と比較し、速度、航続距離、柔軟性における著しい格差を無視したものである。実際、海上機動性が重要な役割を果たすと予想されているにもかかわらず、同文書では垂直上昇機材についてまったく触れれていない。現在配備されている空中給油可能な長距離垂直上昇プラットフォームを継続的に統合せず、存在しない後方支援ドローンに依存することは、新しいコンセプトの実行可能性をさらに危険にさらすことになる。攻撃・偵察用無人機は、海兵隊が実施した運用試験だけでなく、ウクライナ戦でも有用性を力強く実証している。司令官が想定する環境下で、無人プラットフォームが海兵隊をロジカルに維持できるかは、あまり定かではない。最近の無人化コンセプトも提案されているが、高性能無人垂直上昇プラットフォームとして、カマンのK-MAXヘリコプターがある。2011年にアフガニスタンで行われた33ヶ月間の実証では、反政府勢力の敵に対し能力を発揮したが、80ノットの速度、片道267海里の航続距離、6000ポンドの積載量は、MV-22とCH-53E/Kの両方に圧倒的に劣る。有人垂直離着陸の何分の一かの価格で、無人システムは後方支援の何分の一かを提供するだけだ。太平洋全域で海兵隊を維持する代替案を引き続き開発すべきだが、現在のところ、能力ギャップにより、選択肢は支援的役割に限定される。

結論

「技術の進歩は、防衛環境を大きく変えつつある。長距離で目標を正確に発見し、強力な打撃を与える近代兵器の威力が急速に高まっているため、航空機や水上艦など主要プラットフォームの脆弱性が増している」。この一節は、現在の世界環境の描写と思われるかもしれないが、サッチャー政権の防衛相の言葉で、海兵隊での検討事項の多くが、40年前と関連していることを証明している。

海兵隊は、コーポレート作戦における英国の経験から学ぶために、具体的な手段を講じるべきだ。まず、海兵隊沿岸連隊は、海上地形における長距離での完全統合訓練を通じ、垂直上昇航空に固有の機動性と柔軟性を生かすべきだ。次に、分散型作戦における航空部隊と地上部隊の実行可能な指揮関係を構築し、進化するドクトリンに明確に成文化する必要がある。最後に、海兵隊は、これらの技術が完全実用化されるまでは、既存のシステムを活用する必要があると理解した上で、革新的な無人地上・航空プラットフォームの開発を継続すべきだ。海兵隊司令官の構想に垂直上昇型航空をうまく組み込むのは困難であるが、代替移動手段のみに依存する悪影響は、耐え難いものであると証明されることになろう。■  

 

How Can the Marines Learn From the Falklands War?

NOLAN VIHLEN

NOVEMBER 23, 2022

COMMENTARY

 

Nolan Vihlen is a CH-53E instructor pilot currently assigned to Marine Aviation Weapons and Tactics Squadron One and a recent graduate of Expeditionary Warfare School. The opinions expressed are those of the author alone and do not reflect those of the U.S Marine Corps, the Department of Defense, or any part of the U.S. government. 


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM