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最新鋭USSジェラルド・フォードはじめ空母5隻を各方面に同時展開中のNATOのねらいはロシアだ。

 

USN

 

 

NATOは、空母5隻の展開中で、海軍部隊の大規模な協調作戦を実施する能力を誇示していると述べている

 

 

海軍の最新鋭スーパーキャリア、USSジェラルド・R・フォード含むNATO加盟4カ国の空母5隻が、護衛艦多数と、現在ヨーロッパ周辺の水域を航行中だ。NATOは、同時配備が、将来の大規模紛争で想定される主要な海軍資産の別個活動を調整する手順の実証として貴重な機会になっていると述べている。

 もちろん、このような事態は、ロシアがウクライナで続けている戦争に鑑み、NATOが戦力態勢を強化し続ける中で生じたものだ。今週、ウクライナとポーランドの国境をミサイルが誤って通過し、NATO加盟国ポーランドの農場で2人が死亡したことで、紛争が近隣諸国に波及する可能性への長年の懸念が現実現実になった。

 NATOの空母運用については、本日時点では、米海軍のフォードが11月14日に初入港したイギリスとワイト島の間にあるソレント海峡(両端がイギリス海峡に繋がっている)に停泊したままだ。同空母には、F/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機、EA-18Gグローラー電子戦ジェット、E-2ホークアイ空中早期警戒管制機、C-2グレイハウンド空母搭載機(COD)、MH-60RとSシーホークヘリコプターなど飛行隊が乗組んでいる。

 タイコンデロガ級巡洋艦USSノーマンディNormandy、アーレイ・バーク級駆逐艦3隻、米国沿岸警備隊のレジェンド級国家安全保障カッターUSCGCハミルトン Hamiltonを含むフォード打撃群のその他艦は、各種ニュース記事によると、現在同地域の別の場所にいるようだ。

 フォードは、海軍に正式に引き渡された後、技術的な問題に悩まされていたが、今や、最初の正式な作戦展開中だ。同空母は10月に母港バージニア州ノーフォーク海軍基地を出港した。

 米海軍のニミッツ級空母USSジョージ・H・W・ブッシュは、「米国、同盟国、パートナーの利益を守る」使命を掲げ、予定ずみ展開としてアドリア海で別行動をとっている。ブッシュ打撃群は、CVW7(フォードのCVW8とほぼ同じ編成)と、タイコンデロガ級巡洋艦USSレイテガルフ、アーレイ・バーク級駆逐艦4隻で構成されている。

 ブッシュは8月に現地に到着し、USSハリー・S・トルーマンを支援した。トルーマン空母打撃群は、2月のロシアのウクライナへの全面侵攻を受け、欧州海域での展開が延長されていた。

 2022年10月、ブッシュ空母打撃群はネプチューン・ストライク22.2演習で、NATOの管理下に置かれた。トルーマン打撃群は、1月以前のネプチューン・ストライクの反復でNATO管理下で運用され、冷戦終結後、同盟がアメリカ空母を直接指揮統制するのは初めてだった。

 また、米海軍の空母打撃群には通常、潜水艦が含まれるが、その配置は通常発表されない。フォードとブッシュ両打撃群でも同じかは別として、ここ数ヶ月、ヨーロッパ周辺でのアメリカ潜水艦の活動は顕著だった。

 また、今月初めには、イギリスが空母HMSクイーン・エリザベスを北海に派遣し、表向きは演習を行っている。しかし、この派遣は、ウクライナ戦争を含む現在の出来事を踏まて欧州の安全確保に焦点を当てた、より広範な英国軍の作戦「Op Achillean」の一部でもある。

 現在、クイーン・エリザベスと共に行動している護衛艦が何であるかは、すぐには明らかにならない。しかし、英海軍は、ステルス性の高いF-35B統合戦闘機とマーリンおよびワイルドキャット・ヘリコプターが、今回の展開のために同艦に搭載されていると発表している。

 イタリア空母ITSカヴールは、今も地中海で活動しているようだ。F-35Bのほか、AV-8ハリアージャンプジェットやAW101ヘリコプターを搭載できる同空母は、NATOや欧州連合(EU)の部隊も参加するマーレ・アペルト22-2演習に参加し、10月初めに母港のタラントから出発していた。その際、イタリア海軍が公開した写真によると、少なくともオリゾンテ級駆逐艦「ITS Caio Duilio」とベルガミニ級駆逐艦「Luigi Rizzo」が、常設NATO海上群2(SNMG2)の各種同盟軍艦と空母に随伴していたようだ。しかし、現在、どのような艦がカヴールと一緒に航行しているかは不明。

 今週初め、フランス海軍は、同国唯一の空母「シャルル・ド・ゴール」が母港トゥーロンを離れたと発表した。同空母打撃群は、フランス当局が「海上におけるフランスの目に見える存在感の維持」に焦点を当てたと説明するミッション・アンタレスに参加する。

 現在わかっているところでは、シャルル・ド・ゴールのアンタレス展開は、同空母と他のフランス軍および同盟軍が東地中海で活動し、紅海やインド洋でも活動する可能性がある。同空母の航空団には、ラファールM戦闘機、NH90カイマンとAS365ドーファンヘリコプター、E-2ホークアイ空中早期警戒管制機などが含まれる。また、陸上配備のアトランチック2型哨戒機もサポーする。同空母の護衛には、ホライズン級駆逐艦とアキテーヌ級フリゲート、潜水艦を含むフランス海軍と同盟国の艦艇が付く。

 NATOは、空母配備はいずれも大規模な連携活動の一環ではないと強調しているものの、5つの攻撃隊が同時に活動することは、海上戦力の重要な誇示と見なさないわけにはいかない。さらに、NATOは、各部隊が一度にヨーロッパ周辺で活動することは、将来、実際の紛争やその他の大規模かつ不測の事態において、海軍作戦をどのように調整するかを試す絶好の機会と考えている。

 NATOのプレスリリースによると、空母5隻と付随する打撃群が欧州を中心に活動していることについて、「各国部隊は各自の任務で活動しているが、高度な協力は同盟国の集団防衛に向けた結束を示している」と述べている。「この出来事は、連合国が大西洋地域全体で信頼できる戦闘力を調整する機会を提供し、NATOの結束と相互運用性を示すものである」。

 NATO連合海上軍司令官のキース・ブラウント英海軍中将Royal Navy Vice Admiral Keith Blountは声明で、「NATOは日常的に、複数の国際海上資産を同時調整することで結束力を発揮している」と述べた。「この機会は、欧州大西洋地域の安定と安全に対する我々の鉄壁のコミットメントならびに集団能力の強さを示すものだ。

「我々の作戦区域内に空母5隻があることは、防空、領域横断的な協力、海陸統合へのアプローチを強化するさらなる機会を提供する」と付け加えた。

 ウクライナ紛争で地政学的な摩擦が高まる欧州で、NATOの空母部隊の実力が発揮されている。■

 

 

 

Five NATO Aircraft Carriers Are Currently Operating In European Waters

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 17, 2022 7:55 PM

THE WAR ZONE


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