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オマーン沖タンカー襲撃事件はイラン製シャヘド無人機によるものと米第五艦隊が発表。カタールで開催中のワールドカップサッカー大会への妨害?

 


 

11月16日、M/T Pacific Zirconに乗船した米海軍爆発物処理班が収集した破片。破片から、民間タンカーを攻撃した無人機がイラン製Shahed-136であることを示している。 US Navy graphic

 

2022年11月24日発表の米第5艦隊の声明によると、オマーン沖の石油タンカーへの無人機攻撃で、残された破片の分析から、無人機はイラン製だと確認された。

 

 

 11月15日、爆発物を搭載した無人機Shahed 136が、タンカー「M/T Pacific Zircon」の船尾部に命中し、船体に穴を開け、「その後、内部区画を貫通し損害を与えた」とされている。このUAVは、「船内のボイラー、飲料水タンク、救命いかだを破損させた」と声明にある。

 翌日、米海軍は爆発物処理班2名をリベリア船籍タンカーに送り、船体の損傷を評価し、残骸を分析した。

 「2時間の調査と証拠収集の過程で、技術員はラボ試験のための爆発物残渣サンプルも入手した」と、第5艦隊声明にある。

「第5艦隊は収集した証拠品をバーレーン本部の研究施設に移送し、イランと攻撃の関連を確認した。民間タンカーを攻撃した無人機はShahed-136無人機と特定され、中東全域でイランが直接または代理勢力を通じて殺傷能力を使用する歴史的パターンに合致している」。

 

 

 

11月16日、M/T Pacific Zirconに乗船した米海軍爆発物処理班が撮影した、イラン製無人航空機(UAV)の攻撃でM/T Pacific Zirconの外板を貫通した場所を示す図版と画像(11月15日撮影)。UAV攻撃により、船尾右舷側、メインデッキのすぐ下の外壁に30インチ幅の穴が開いた。 US Navy graphic

 

 

海軍は、パシフィック・ジルコン船内で発見された攻撃による破片(衛星航法誘導アンテナ、ハッチ、スタビライザーなど)がシャヘド136と一致することを示す画像を公表した。

 発表では、無人機がイランから発射されたとは言っていない。USNI Newsはシャヘド136はイエメンのフーシ派反乱軍が使用しており、昨年7月30日のタンカーMercer Streetへの攻撃(乗組員2名が死亡)に結びついていると報じていた。

 ジェイク・サリバン国家安全保障顧問は記者団に対し、「イランが、中東全域で直接または代理勢力を通じて採用している高殺傷能力UAVを使用して今回の攻撃を行った可能性が高いと確信している」と語った。

 イスラエル政府関係者はCNNに対し、今回の攻撃はカタールで開催中のワールドカップサッカーを妨害するのが狙いと語った。

 「イスラエルへの攻撃ではない」と、同当局者はCNNに語った。「彼らが湾岸で行っているのと同じで、安定を乱し、ワールドカップイベントに影響を与えようとするものだ」。

 イランは、進行中のウクライナ侵攻でロシアにもデルタ翼ドローンを輸出している。■

 

U.S. 5th Fleet Reveals New Details on Iranian Drone Attack on Tanker - USNI News

By: Sam LaGrone

November 22, 2022 12:38 PMUpdated: November 22, 2022 4:31 PM

 

   

 

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Article Keywords: Iran, israel, Mercer Street, Pacific Zircon, U.N., US 5th FLEET, US Central Command

Categories: Aviation, Foreign Forces, Iran, News & Analysis, Russia, U.S. Navy

Sam LaGrone

About Sam LaGrone

Sam LaGrone is the editor of USNI News. He has covered legislation, acquisition and operations for the Sea Services since 2009 and spent time underway with the U.S. Navy, U.S. Marine Corps and the Canadian Navy.


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