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ケルソン解放後の見通し。ロシアの報復攻撃は? ウクライナ戦の最新状況 現地時間11月12日現在

 


(Photo by GENYA SAVILOV/AFP via Getty Images


 

ウクライナはケルソン市解放に歓喜しているが、前途は危うい

 

 

クライナ国民は、ケルソン解放に歓喜し、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は自らのテレグラムページで「歴史的な日」と呼んだ。

 

公式・非公式を問わず、ーシャルメディアアカウント多数が、勝利した軍隊に挨拶する住民の様子を撮影したビデオを投稿している。

 

ウクライナ国防省は、プーチン大統領とその軍隊がケルソンを失ったことを揶揄し、ロシアに「帰れ」と促している。

 

しかし、この重要な港湾都市と周辺で大きな危険が潜んでいる。東部では激しい戦闘があり、侵略者を排除すべき土地も多い。

 

ケルソン評議会副議長セリ・フランSerhii Khlanは、ウクライナ軍がケルソンに入った金曜日、自身のFacebookページで、「侵略者がケルソンに『驚き』を残す可能性がある」と述べている。「例えば、地雷が残っている。したがって、(ケルソン住民は)特に注意し、公式情報を待つ必要がある」。

 

ロシア国防省は、ドニプロ川西岸から約3万人を撤収させたと発表した。問題は、彼らがどうなるかだ。先月、ウクライナ国防情報局(GUR)の責任者キリーロ・ブダノフ少将 Maj. Gen. Kyrylo Budanovは、ケルソン守備部隊はロシアで最も優秀だとThe War Zoneに語っていた。

 

「最も訓練され、最も有能なロシア部隊がケルソンにいる」と彼は語っていた。「大部分は、ロシア連邦の空挺部隊、特殊作戦部隊、海軍の歩兵部隊で、ロシアが有する最も有能な部隊でグループの基幹を形成しています」。

 撤退後、部隊は「一部はザポリージャ方面に移動するが、一部は北上してベラルーシに移動し、そこで脅威となる可能性がある。だから、慎重にならざるを得ない」。

 

金曜日、ウクライナのオレクシイ・レズニコフOleksii Reznikov国防相は、ブダノフ少将のザポリージャ予測を支持し、部隊の一部が同地に移動する可能性があるとロイターに語った。

 

しかし、別の選択肢もある。ロシアはドネツクのバフムト市を奪おうと多大な努力を払っており、ルハンスクでは激しい戦闘が続いており、部隊の一部がそちらに移転する可能性がある。

 

 

ウクライナ方面軍司令官セルゲイ・スロヴィキン大将が、ある元ウクライナ国防相の提唱する避難勧告に応じたのは、そのためだったのかもしれない。

 

「スロヴィキンがプーチンにケルソン撤退のアイデアを現実的に売る唯一の方法は、東部での確実な成功を約束することだった」と、防衛戦略センター会長のアンドリー・ザゴロドヌクは大西洋評議会ブログで書いている。「したがって、ウクライナは今後数週間内にドンバス地方で大規模エスカレーションを覚悟すべきだ。ウクライナの民間インフラ空爆をロシアが拡大し、報復も予想される」。

 

ウクライナはクリミア奪還を視野に入れており、もしウクライナ軍がドニプロ川を渡れれば、すべてが変わるかもしれない。

 

ケルソンとドニプロ川西岸を占領したウクライナのHIMARSはクリミアを射程距離に入れ、2月24日以降に占領したケルソン南東部のウクライナ領のロシア軍大部分も射程距離に入る。

ケルソン市を占領したことで、ウクライナ軍はクリミアから約60マイルまで近づいた (Google Earth image)

 

 

最新情報

他の戦場では、激しい戦闘が続いている。ケルソン州とミコライフ州以外では、大きな領土の獲得や喪失はない。以下は、戦争研究所Institute for the Study of Warによる最新評価で判明した重要な点である。

 

  • ISWは、西側の誤った推測にもかかわらず、ウクライナ戦が冬の天候のため停止したり、膠着状態に陥ったりするとは見ていない

  • ウクライナが主導権を握っており、ケルソンで大きな勝利を収めている。停戦はクレムリンにとって、ロシア軍を再編成するため不可欠な小休止となる

  • ワグネルグループの財務担当者エフゲニー・プリゴジンは、サンクトペテルブルクでのワグナーグループの勧誘拡大で同市当局と紛糾中

  • ウクライナ空軍司令部のユーリー・イグナット報道官は、ロシア軍はウクライナのインフラに対する作戦のペースを落とす可能性が高いと述べた

  • ウクライナ軍は、スヴァトヴ-クレミンナ線での反攻作戦を継続中

  • ロシア軍は、Bakhmut、Avdiivka付近とドネツク西部で攻勢を継続中

  • ロシア軍はクリミアとウクライナ南部で第2要塞線の建設を開始した

  • ロシア市民は、抗議行動、ソーシャルメディア上の反対意見、軍からの脱走などを通じ、ロシアのウクライナでの戦争に反対し続けている

  • ロシアの動員でワグネルグループが人員を得ている

  • ロシア占領当局は、占領地の住民を動員しながら、ウクライナのナショナル・アイデンティティの浸食を続けている


ロシアの本格的な戦争は2月に始まったが、ウクライナとロシアは、モスクワが東部に侵攻し、クリミアを不法に併合した2014年から戦闘を続けている。

 

新しい研究では、「ウクライナの戦争被害地域外に住んでいる人よりも、戦争にさらされた青少年の方が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、不安症になりやすい」と示されている。トゥルク大学児童精神医学研究センターの研究は、「2014年のロシア・ウクライナ戦争が青少年のメンタルヘルスに与えた影響を調べた、標準測定法を用いた最大の疫学研究 」。

 

戦闘が続いても、両陣営は捕虜交換を行っている。今日も45人が自由になった。

 

イスラエルは、宿敵イランからの無人機流入に対抗するため、ウクライナに防空システムを提供しなかったことで多くの非難を浴びているが、ウクライナ兵器追跡OSINTグループは、このGAIA Amir MRAPのようなイスラエル製の軍用車両をケルソン州で初めて目撃したと指摘した。これらの車両がどのようにしてウクライナに持ち込まれたかはまだ分かっていない。

 

ウクライナ軍がケルソンへ反攻を進める中、以前の戦闘で破壊されたように、破壊されたロシアの軍事装備がさらに発見されている。そのひとつが、このTor-M1防空システム用9A331トランスポーターだ。

 

戦争は地獄であるだけでなく、どちらが本当の「ナチス」なのかをめぐるロシアの循環論議のように、奇怪なものとなっている。■

 

Ukraine Situation Report: What Comes Next After Kherson? | The Drive

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED NOV 11, 2022 9:55 PM

THE WAR ZONE


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