スキップしてメイン コンテンツに移動

中身はとにかく米中国防トップが直接会談を再開したことの意味はある。一方、不人気のハリス副大統領もフィリピンで得点をあげようとしたが....

 


ロイド・J・オースティン3世国防長官は2022年11月22日、カンボジアのシェムリアップで開かれた東南アジア諸国連合国防相会議-プラスで、中華人民共和国のウェイ・フェンヘ国防部長と会談した。国防総省写真DoD Photo

イド・オースティン国防長官は中国の魏鳳和Wei Fenghe国防相と会談し、オープンなコミュニケーションラインを維持し、責任を持って競争を管理する必要性を強調した。

オースティン長官は、カンボジアのシェムリアップで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議(ADMM-Plus)の傍らで、魏と会談した。両氏の会談は6月にシンガポールで開催されたシャングリラ・ダイアログで会談し田野が前回だった。

米国防総省発表によると、オースティン魏は米中防衛関係や地域・世界の安全保障問題について話し合い、オースティン長官は責任を持って競争を管理する必要性を強調したという。

米国防長官はまた、戦略的リスクの低減、危機管理コミュニケーションの改善、作戦の安全性向上に関する実質的な対話の重要性を提起した。また、インド太平洋地域で人民解放軍(PLA)の航空機がますます危険な行動をとり、事故の危険性を高めていることに懸念を示した。米国は国際法が許す限り、飛行、航行、作戦を継続する、とオースティンは述べた。

オースティンは会談で、ロシアのウクライナ戦争について議論し、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の最近の挑発行為に懸念を表明した。長官は中国に対し、DPRKの非合法な兵器プログラムに関する既存の国連安全保障理事会決議を完全に執行するよう呼びかけた。

米国防部長は魏に対し、米国は台湾関係法、米中3カ国共同声明、6つの保証を指針とする長年の「一つの中国」政策に引き続きコミットしていると述べた。発表によると、オースティンは台湾海峡の平和と安定の重要性について語り、現状を一方的に変更することへの反対を強調し、中国に対し、台湾に対するさらなる不安定化行動を控えるよう呼びかけた。

中国国防部も会談に関するリリースを発表し、魏は、台湾問題は中国の核心的利益中の核心であり、中米関係において越えてはならない最初のレッドラインであると強調したと述べている。

「台湾は中国の台湾である。台湾問題の解決は中国人民自身の問題であり、いかなる外部勢力も干渉する権利がない。中国軍は祖国統一を断固として守るための気概、決意、自信、能力を持っている」と発表した。

発表によると、会談で双方は、両軍が両首脳の合意を履行し、意思疎通と連絡を維持し、危機管理とコントロールを強化し、地域の安全と安定の維持に努力することで合意した。双方はまた、国際情勢や地域情勢、ウクライナ危機、南シナ海、朝鮮半島問題などについて意見交換を行った。

ADMMプラスは、ASEANと対話パートナーであるオーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、韓国、ロシア、米国の8カ国(以下、「プラス諸国」と総称)が、地域の平和、安定、発展のために安全保障と防衛協力を強化するプラットフォーム。ASEANの現議長であるカンボジアがホスト国として開催した。

国防長官が中国側と会談する一方で、カマラ・ハリス副大統領はフィリピンを訪問し、米国のフィリピンに対するコミットメントを改めて表明した。

ハリス副大統領は、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領に対し、南シナ海に関連する国際ルールと規範を守るため、米国はフィリピンと共に立ち上がる、と述べた。

南シナ海でフィリピン軍、公船、航空機が武力攻撃を受けた場合、米国の相互防衛の約束が発動される。「これはフィリピンに対する揺るぎない約束だ」とハリス副大統領は述べ、今年7月のアンソニー・ブリンケン国務長官の同様の発言を繰り返した。

火曜日に副大統領は、ブルネイ、中国、フィリピン、マレーシア、台湾、ベトナムが領有権を主張しているスプラトリー諸島から約320km離れたフィリピンのパラワン島を訪問した。ブルネイを除くすべての領有権主張国がこの地域の軍事基地を維持しており、中国は近年、同地の軍事基地の機能を拡大している。ハリスはパラワン島で漁業関係者、地元関係者、フィリピン沿岸警備隊と懇談した。

フィリピン沿岸警備隊(PCG)の巡視船BRPテレサ・マグバヌア号(MRRV-9701)でのスピーチで、副大統領は、南シナ海での脅迫や威圧に直面するフィリピンに対し、同盟国として米国は共に立ち向かうと述べ、米国のコミットメントを繰り返した。

ハリス副大統領は、「私たちは、南シナ海、そしてインド太平洋全域において、主権と領土の尊重、妨げられない合法的な通商、紛争の平和的解決、航行と上空の自由といった原則を守るために立ち上がる必要があります」と述べた。

副大統領はまた、「中国の拡張的な南シナ海の海洋権主張を断固として否定した」国連仲裁裁判所の2016年の判決を米国が支持していると述べ、同裁判所の判決は拘束力があり、尊重されなければならないと付け加えました。米国は、不法で無責任な行動に対して同盟国やパートナーを結集し続け、国際的なルールに基づく秩序が脅かされれば、それはどこでもありえると、ハリスは述べた。

米国は、フィリピンの海上法執行機関に新たな資金を提供し、IIU漁業との戦いやその能力の強化、監視システムのアップグレードを可能にすると、ハリスは述べた。

ホワイトハウス発表によると、フィリピンの海上法執行機関の能力を強化するために750万ドル追加支援を提供し、米国貿易開発庁は議会通知を待ち、フィリピン沿岸警備隊が船舶交通管理システム(VTMS)を改良・拡張して海上安全や環境監視を改善する支援を提供するとした。

日曜日、ホワイトハウスは、米国とフィリピンが新たに特定された防衛協力強化協定(ECDA)拠点に関するリリースを発表した。

現在、ルソンのセサール・バサ空軍基地とフォート・マグサイサイ軍事保留地、ミンダナオのルンビア飛行場、パラワンのアントニオ・バチスタ空軍基地、セブのベニート・エブエン空軍基地の5カ所で合意している。

フィリピン国軍(AFP)のバルトロメ・ビセンテ・バカロ中将は11月14日、フィリピンのニュースチャンネルGMAネットワークとのインタビューで、AFPはEDCA追加施設として5カ所を特定し、カガヤンに2カ所、パラワン、ザンバレス、イサベラにそれぞれ1カ所あると述べた。■

SECDEF Austin, Chinese Defense Minister Meet, Agree to Keep Lines of Communication Open - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

November 24, 2022 9:39 AM

Dzirhan Mahadzir

About Dzirhan Mahadzir

Dzirhan Mahadzir is a freelance defense journalist and analyst based in Kuala Lumpur Malaysia. Among the publications he has written for and currently writes for since 1998 includes Defence Review Asia, Jane’s Defence Weekly, Navy International, International Defence Review, Asian Defence Journal, Defence Helicopter, Asian Military Review and the Asia-Pacific Defence Reporter.


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...