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F-35B搭載でアメリカ級揚陸艦を「強襲空母」に転用する実験で自信を深めた米海軍のねらいは中国への対抗だ。

 


USS Tripoli (LHA-7) departs Naval Air Station North Island, Calif., April 7, 2022. US Navy Photo


第7艦隊司令官は金曜日、揚陸強襲揚陸艦USSトリポリ(LHA-7)で今夏行った実験で、アメリカ級が空母打撃群と連携できるかを探ったと述べた。

カール・トーマス中将Vice Adm. Karl Thomasは、戦略国際問題研究所と米海軍協会共催のイベントで、「トリポリ」は数カ月間、F-35BライトニングII共用打撃戦闘機を搭載し、「強襲空母」コンセプトの実験を行った、と語った。

見学中の機雷対策艦USSパイオニア(MCM-9)の乗組員に1MCを介し話しかける米第7艦隊司令官カール・トーマス中将(2022年6月9日)。US Navy Photo

「ある日はF-35Bが飛行甲板に、ある日はMV-22が、そして別の日は海兵隊が上陸できる。そして、第5世代戦闘機14機が搭載され、信じられないほど高性能なセンサー能力を発揮します。まだ実験段階です。少なくとも、強襲揚陸艦と正規空母の統合を試してみたかったのです。どのようなミッションが可能になるのか」。

トリポリでの実験は、海軍と海兵隊の大型揚陸強襲艦での「ライトニング空母」コンセプトの進化の一部だった。6 月には、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72) と USSロナルド・レーガン(CVN-76) とヴァリアントシールド Valiant Shield演習に参加した。

ヴァリアント・シールドについて、トーマス中将は「三艦を一定期間、分散運用した」と述べている。

ヴァリアント・シールドについて、トーマス中将は次のように語ってた。「ヴァリアント・シールドにぴったりと思われるミッションがあります。また、効果を発揮できる地域があると思います。F-35の垂直離陸の特性から、F-35を『遠征前線基地』 "Expeditionary Advanced Base Operations "に配置し、メンテナンスのため艦に戻し、別の場所に移動させることもできます」。「空母と連携して、E2-Dアドバンスト・ホークアイやEA-18Gグラウラーの電子対抗機能も活用できます。まだ実験段階ですが」。

トーマス中将は、同型機を使用している同盟国の例として、イギリス海軍が空母HMSクイーン・エリザベス(R08)で米海兵隊F-35Bとイギリス空軍F-35Bを運用し実験していること、日本がヘリコプター駆逐艦JSいずも(DDH-183)からF-35Bを飛ばしていることを指摘した。

「同盟国協力国は、F-35Bを空母搭載することで実現する能力を確認できます」と述べた。

またトーマス中将は、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォーニア州選出)が今年台湾を訪問した際の北京の反応についても触れた。中将は、この訪問に対抗しての軍事訓練とミサイル発射を 「無責任」と評した。

「台湾関係法を通じ、台湾に防衛力を提供する責任があり、こちらは準備ができていることを確認する必要がある。われわれの願いは、両岸の相違を平和的に解決することだ」と述べた。「しかし、台湾上空へ弾道ミサイルを発射し、海上や航路に着弾させ、一部は日本の排他的経済水域に着弾させたのを見て、無責任という言葉がぴったりだ」。

トーマス中将は、北朝鮮が日本上空に中距離弾道ミサイルを発射したこと、先週日本海で行われた日米韓3カ国による弾道ミサイル演習についても言及した。

「弾道ミサイル防衛は、同盟国協力国を守るためだけでなく、われわれ自身を守るためでもあり、わがほうの艦船は非常に高性能です。そのため、弾道ミサイル防衛能力を持つことは、マルチドメイン能力という点から、巡洋艦・駆逐艦のすべてに望ましいことです」。

'Assault Carrier' Tests Show How Marine F-35Bs Can Operate with Navy Aircraft Carriers, Says 7th Fleet Commander - USNI News

By: Mallory Shelbourne

October 16, 2022 8:25 PM

Mallory Shelbourne is a reporter for USNI News. She previously covered the Navy for Inside Defense and reported on politics for The Hill.



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