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一般公開が12月2日と迫る中、プロトタイプ機が量産型に極めて近いB-21の開発は今後の新型機開発にも影響を与えそう。

 First B-21 Raider Test Jet Aims To More Closely Mirror Production Examples

Northrop Grumman

公式発表に先立ち、ノースロップ・グラマンは、ほぼ量産型のB-21プロトタイプでテストを効率化すると自信たっぷりだ

週金曜日の新型ステルス爆撃機B-21の公開を前に興奮が高まる中、ノースロップ・グラマンの航空システム部門社長トム・ジョーンズTom Jonesは、試作機の生産型と近い設計を称賛している。米空軍にとって30年以上ぶりの新型爆撃機となるB-21には確かに多く期待が寄せられているが、ジョーンズは、この機体が今後のプログラムの取得スケジュールの短縮を達成する上で重要な役割を果たすと主張している。

Defense Newsの取材に応じたジョーンズは、2015年にB-21の開発契約を獲得したノースロップ・グラマンが、実験モデルではなく、生産仕様の爆撃機で飛行試験を行うという空軍の希望を優先させたと語っている。この包括的な目標は、今年10月に空軍調達チーフのアンドリュー・ハンターが、B-21の飛行試験に生産仕様型機を使用することで 「初飛行に向けた配当が得られる 」と説明したときにも繰り返されていた。基本的に、空軍はこの方法論により、生産仕様と異なる試験機で通常必要とする長大な試験期間が短縮できると期待している。

12月2日に公開されるB-21レイダーのレンダリング画像。 Credit: U.S. Air Force

 

テストを、未成熟のプロトタイプ機で行うと、見つかった障害がプロジェクトの開発スケジュールに悪影響を与える可能性がある。例えば、先行するB-2プログラムの6機の量産前試作機は、運用開始が決まってから運用基準に合わせるため比較的大規模改造を施さなければならなかった。他の多くの開発機材も、前線に出ることなく、多くの手直しが必要で、結局は限られた能力しか発揮できない。

1988年に初めて一般公開されたB-2スピリット。Credit: Goretexguy/Wikimedia Commons

それ以上に、これらの機体で行われる試験の忠実度は、生産仕様の後継機から大きく逸脱している場合、効果が低くなる。これはまた、後々、より生産に近い機体でより多くのテストを行うことを意味する。したがって、ジョーンズは、最終的に完成する設計とほぼ同じB-21プロトタイプを使用することで、迅速かつ効率的な調達の未来への流れを作ることができると楽観視している。

Defense Newsのインタビューで、ジョーンズは、「希望は、将来の調達の多くがこの方法で行われることです」と述べた。「空軍長官フランク・ケンドールや他の軍首脳の話を聞くと、スピードと現場への能力投入が重要であることがわかります」。

デジタル・テストは、ノースロップ・グラマンがB-21開発を通じて、B-2のように生産が短縮されないように利用している最先端技術の一つだ。競合他社と同様、同社はデジタルエンジニアリング領域に精通している。つまり、飛行試験中ではなく、仮想環境でミスを見つけ、対処することができるということです。

B-21については、デジタルエンジニアリングとフライトシミュレーションが、ノースロップグラマンが5月に行った実際の負荷較正試験と、爆撃機の風防構成を改良する際に著しく役立ったと、ジョーンズはDefense Newsに説明しています。

「今後の航空機の購入では、より忠実度の高いデジタル・モデルに依存し、製造工程への肉付けを重視することを希望しています。B-21のコンパクトな飛行試験スケジュールは、この考えに対するストレステストになるはずです」。

もしすべて計画通りに進めば、B-21は空軍がこれまで大規模生産に投入した航空機で最も先進的な航空機となる。ジョーンズはメディアに対して、構想から飛行まで、ステルス爆撃機の開発を通じて使用される技術によって、「第6世代システムの第一号」になると主張した。これには、B-21のオープンアーキテクチャーシステムの活用、ステルス性能の向上、全領域のセンサーやシューターとの接続を可能にするJADC2互換システムの追加などのブレークスルーが含まれている。

B-21開発に関してジョーンズが提供した情報の断片は、おそらく今週金曜日、カリフォルニア州パームデールの空軍42工場にあるノースロップ・グラマン施設で爆撃機が公式に発表されるまで、待機しなければならないだろう。この発表だけでも画期的なこととはいえ、同爆撃機の初飛行は来年まで行われないと予想されている。

空軍がT1(機体番号001)と呼ぶ機体に加え、さらに5機の生産前B-21が現在さまざまな組み立て段階にあり、空軍が購入予定のB-21合計100機に対して割り当てられる。最終的に何機購入されるかは正確には不明だが、国防総省の2023年度予算要求資料を見ると、空軍は2023年度から2027年度にかけてB-21機に191億ドルの支出を目指しているという。

The War Zoneは今週金曜日、B-21の公式発表に出席する。影のステルス爆撃機の物語と航空戦闘の歴史における大きな章となるであろうこの事件の報道にご期待ください。■


First B-21 Raider Test Jet Aims To More Closely Mirror Production Examples


BYEMMA HELFRICH|PUBLISHED NOV 28, 2022 7:56 PM

THE WAR ZONE


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