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オスプレイの海軍版CMV-22Bに注目。空母以外にも分散運用する艦艇への補給に有益。ただし、オスプレイ生産ラインの終了が近づいている。

 

A CMV-22B Osprey, from the “Sunhawks” of Fleet Logistics Multi-Mission Squadron (VRM) 50, rests after landing on the flight deck of the aircraft carrier USS Nimitz (CVN 68). Nimitz is underway conducting routine operations. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class David Rowe)

現代の空母のロジスティクス課題に対処するために、海軍はオスプレイ購入を増やすべきだと、アナリストのロビン・レアードが主張。

本コラムは、ロビン・レアードが45年以上にわたる米国内外の防衛専門家のレンズを通して、現在の防衛問題に取り組む定期コラムの最新号。コラムの目的は、過去の疑問や視点を今日の意思決定にどのように反映されるべきかを振り返ることにある。

ローバルな競争と紛争の時代に、自由民主主義諸国は自衛能力を加速させ、中長期的にも抑止力を強化する方法を見出す必要がある。

筆者は最近、豪州を訪問し、来年の戦略的見直しに向けて、豪国防軍の新任の軍務部長やの国防アナリスト、政策担当者に会ったが、この点は強調された。豪国防軍の戦力設計責任者アンソニー・ローリンズ(Anthony Rawlins)空軍大将は、このように 述べた。「今夜の戦いは、今あるもの、そして短期間で入手・配備が可能なものを使って行うことを意味します」。

短中期的に能力を強化するためには、戦略的な再考と同時に、戦術調整も必要である。米海軍でこれを行うことができる1つの領域は、分散した艦隊向けのロジスティクスの強化、すなわち生存性と拡張戦域でより効果的に活動できる能力を強化だ。通常、このような話をロジスティクスから始めることはないが、米海軍は、より能力の高い艦隊を作るため、中期的に直接影響を与える重要な決定を下した。

その決定とは、固定翼機C-2Aをオスプレイ改良型、すなわちCMV-22Bに置き換えるだ。海軍は大型甲板空母への平時の補給用にCMV-22Bを48機(44機が現在発注済み)購入する契約を結んだ。現在、生産ラインが生きていることを考慮し24機の回転翼機を追加導入すると、大型空母だけでなく、より広い艦隊が厳しい条件の戦闘環境で動作するように物流能力を強化できる。

だが同機の生産ラインは、空母支援に必要なCMV-22Bをフル装備で購入可能となる前に、停止することになっている。生産ラインが停止すると、既存の航空機を維持する重要なサプライヤーまで削減されることになる。また、停止後に海軍が生産再開を決定した場合、CMV-22Bの新造のための効果的なサプライチェーンと生産ラインを再確立するため、遅延は避けられず、コストも大きくなる。

CMV-22Bは、ニミッツ級空母や新世代フォード級空母の攻撃能力と生存能力を高める効果を生む。

見逃しがちなのは、この能力が空母そのものの殺傷能力や生存能力に与える影響である。空母が脅威を受け、兵器のウィンチェスター化を余儀なくされたとき、兵器の運搬を日中だけに頼りたくない。CMV-22Bがあれば、その必要はない。また、空母にオンタイムで兵器を届けるためのスピードと航続距離がある。

フォード級(USSジェラルド・R・フォードは現在、大西洋でNATO同盟六か国と協力し、初の作戦展開中)については、さらに多くのことが行われる。フォード級は、ニミッツ級に比べてワークフローが増強されている。USSジェラルド・R・フォードのアイランドは140フィート後方に移動し、30%小さくなった。これにより、航空機の給油や兵器搭載作業のスペースが大幅に拡大し、アイランド前方により多くの戦闘機を収容できるようになった。CMV22-Bは、使用可能なスペースに駐機し、甲板に直接来る武器エレベーターに直接弾薬を降ろすことができる。つまり、CMV-22Bの夜間着艦能力と新空母のワークフローにシームレスに適合する能力は、大型甲板空母の攻撃能力と生存能力を向上させる。

しかも、これだけではない。CMV-22Bは、艦隊支援を強化するため、ポイント・ツー・ポイントの後方支援活動もできる。CMV-22Bは、C-2Aと異なり、航空母艦支援機というより、艦隊支援機だ。

機動基地とみなされる艦隊は、殺傷力を高めるために一致した攻撃能力を形成する分散型統合軍の一部として、未来に対応していく。これは、艦隊がそれ自身の分散型運用という点で異なる運用をする必要があるだけでなく、敵対者を危険にさらし、紛争で勝利することができる攻守一体の効果を提供するため、空と地上要素を含むモジュール式任務部隊の一部として運用されるべきであることを意味する。

CMV-22Bは分散型戦闘のチェス盤を横断して活動できまる。 また、海兵隊はMVV-22Bを先行して配備しているため、運用と維持の専門知識がすでに艦隊に備わっている。つまり、CMV-22Bは空母の中核的な兵站ニーズに応えつつ、艦隊全体で同じように運用することができるのです。CMV-22Bは、空母だけでなく、空母以外の艦船でも保守が可能だ。

また、軍事輸送司令船から艦隊に物資を供給するという課題では、新たなロジスティクスニーズをサポートする点で、航空機の役割は拡大している。CMV-22Bは、スピードと航続距離の点でユニークな能力を持っており、このような状況での戦闘支援のギャップを埋めることができる。

言い換えれば、海軍は重要な戦略的決断を迫られている。艦隊のために非常に予測可能な争奪戦のギャップを残すのか?それとも、CMV-22Bの生産ラインを整備して購入を拡大することで、ギャップを解消するのか?CMV-22Bを24機追加購入することで、紛争時の空母補給の備えは大幅に強化される。この決定は、中期的に艦隊の能力を向上させる効果を提供し、米海軍とオージーなど同盟国が同様に必要とする能力を提供するので、オスプレイはオージー艦にもポイント・ツー・ポイントのサポートを提供できるのだ。■


Accelerating capability for the fleet: The case of the CMV-22B

By   ROBBIN LAIRD

on November 15, 2022 at 1:17 PM

https://breakingdefense.com/2022/11/accelerating-capability-for-the-fleet-the-case-of-the-cmv-22b/?_ga=2.193512237.186751218.1668595442-1256044490.1668165814

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