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ロシアのステルス爆撃機PAK DAは完成するのか、飛行するのか、専門家でも分かれる評価

 PAK DA

PAK DA. Image Credit: Artist Rendition/Creative Commons.

国防総省高官が19FortyFiveに語ったところによると、ロシアで計画中の新型ステルス爆撃機PAK DAは「決して飛ばないだろう」という。別の国防総省の高官は、モスクワはおそらく「リソース、技術基盤、専門知識、そしてもちろん、資金」がないと主張している。

米軍も疑問視する「PAK DA」

情報源や情報収集方法が明らかになるのを恐れ、具体的な詳細には触れたくないが、米国防総省高官は明らかにPAK DAへ深刻な疑問を持っており、ある高官は、爆撃機は「インターネット上の防衛サイトで見るソーシャルメディア投稿やアーティストレンダリングではとても良く見えるが、実態は図面にあるだけ」とまで大胆に述べている。

PAK DAとは?

PAK DAは、ロシア空軍が製造を狙うステルス長距離戦略爆撃機だ。

ロシア国営メディアのタスの8月報道では、情報筋がPAK DAは「極超音速兵器で武装され」、「その飛行はドローンが支援する」と指摘していた。

また同じ情報源を引用して、2023年までに「実験」または「実証モデル」が準備されるとも主張していた。

EurAsian Timesによる最近の報道では、ロシアはPAK DA用の新型エンジンの開発に懸命に取り組んでおり、「テストの結果、エンジンは設計パラメータに適合していることがわかった」と説明がある。

PAK DAは飛ぶのか?専門家の見解

ケンタッキー大学上級講師ロバート・ファーレイ博士:「ロシア航空産業は現在、ウクライナで発生した損失を補う必要がある一方で、海外から輸入できなくなった先端部品を再調達する必要があり、重大な課題に直面している。PAK DAがロシアの航空機購入の優先順位の最上位になることはないだろう」。

ネブラスカ大学国家戦略研究所の戦略的抑止プログラムディレクター、アダム・ローサー博士、米戦略軍大学付属研究センター。「PAK DAが飛ぶかという問題ではない。飛ぶ。機体の中身が本当の問題だ。アメリカのステルス機と20%、50%、80%、100%同等になるのかが問題だ」。 

ヘリテージ財団主任研究員ジョン・ヴェニーブルJohn Veneable 「ロシアは人類を初めて宇宙に送り出し、初めて超音速輸送機(ツポレフTu-144)を開発し飛行させた国だ。米国のステルス技術の起源は、ロシアの優秀な物理学者の概念と数学的方程式に基づく。 

ツポレフにステルス爆撃機の開発ができないと考えるのは傲慢の極みであり、ましてやそれが飛ぶことはないと考えるのは無理がある。問題は、それがいつ空へ飛び立つかで、プログラムがどれだけ成功するかだ。

 

Artist Renderings

PAK DA

PAK DA stealth bomber. Image Credit: Artist Render.

PAK-DA

PAK-DA possible image. Image Credit: Yandex.

PAK DA

PAK DA stealth bomber. Image Credit: Russian Social Media.

PAK DA

Computer rendering of what could be Russia’s PAK DA stealth bomber. Image Credit: Russian Social Media.

PAK DA

Image Credit: Russian Social Media.

PAK DA

Image: Artist rendition. Image Credit: Russian Social Media.

ヘリテージ財団シニアフェロー ジョン・ヴェニーブル氏 「ロシアは人類を初めて宇宙に送り出し、初めて超音速輸送機(ツポレフTu-144)を開発し飛行させた国である。米国のステルス技術の起源は、ロシアの優秀な物理学者の概念と数学的方程式に基づくものである。 

ツポレフにステルス爆撃機の開発ができないと考えるのは傲慢の極みであり、ましてや飛ぶことはないと考えるのは無理がある。問題は、それがいつ、そして空へ飛び立ったときに、プログラムがどれだけ成功するかだ。■

Russia's PAK DA Stealth Bomber 'Will Never Fly', U.S. Defense Officials - 19FortyFive

ByHarry Kazianis

Expert Biography: Harry J. Kazianis (@Grecianformula) serves as President and CEO of Rogue States Project, a bipartisan national security think tank, and Senior Editor for 19FortyFive. He has held senior positions at the Center for the National Interest, the Heritage Foundation, the Potomac Foundation, and Pacific Forum. Kazianis has also worked as a defense journalist, serving as Editor-In-Chief of the Diplomat and Executive Editor of The National Interest. His ideas have been published in the New York Times, Washington Post, Wall Street Journal, Newsweek, CNN, CNBC, and many other outlets across the political spectrum. He holds a graduate degree focusing on International Relations from Harvard University and is the author of the book The Tao of A2/AD, a study of Chinese military modernization


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