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ロシア空軍の戦績不調はISRを織り込んだ作戦、統合作戦に程遠い現状のためか ウクライナ戦

 

2020年10月5日、米中央軍責任地域上空で空中給油を終えた米空軍E-8C統合監視目標攻撃レーダーシステムが米空軍KC-135ストラトタンカーから遠ざかろうとしている。E-8CジョイントSTARSは、空中戦管理、指揮統制、情報、監視、偵察のプラットフォーム。 (U.S. Air Force photo by Senior Airman Duncan C. Bevan)



ウクライナで航空優勢を確保したいロシアだが、ISR支援をうけるべき攻撃で大きく失敗している



NATO高官がロシア航空戦力に厳しい判断を下しており、モスクワは同盟国に比べISR主導の攻撃能力が大幅に劣っており、情報データを活用する標的プロセスが不十分であると主張している。

 NATO連合航空軍副司令官を務める英空軍のジョニー・ストリンガー空軍中将Air Marshal Johnny Stringerは、英国の防衛・安全保障シンクタンク王立連合サービス研究所主催の11月3日講演で、ウクライナ戦争を評価した。

 2月に始まったロシアの不法な侵攻では、モスクワが一貫して航空優勢を達成できず、ウクライナの新たな抵抗がプーチン大統領に懸念を抱かせる兆候が強まり、消耗戦に移行している。

 イランのうろつき弾への新たな依存や、30万人の予備兵を徴兵し、訓練を受けないままの民間人を戦争に参加させる決定は、すべてプーチン側の絶望と軍事戦略の失敗の例として一般に見られている。

 また、オープンソース報告書やソーシャルメディア上で広く共有されているビデオには、ロシアのヘリコプターが至近距離や低高度で撃墜される様子が数々記録されており、ソ連時代の航空機は最新の防御装置を備えておらず、戦闘作戦には適さないことが示唆されている。

 ロシアのヘリコプターやミサイルが撃墜される映像に大衆が魅了されているにもかかわらず、ストリンガー中将はロシアのISR機材の性能不足に焦点を当て、標的の追尾捕捉の問題がここまでの侵攻で最も重要な側面の1つだと示している。

 「過去50年間の米国とNATO航空戦力の変革は、VKS(ロシア空軍)に匹敵するものがなく、ロシアはNATO空軍のISR主導の攻撃能力も、それを活用するためのターゲティングプロセスも持っていない」と述べた。

 さらに、NATOの資産のマルチドメイン統合が「我々の戦い方を支え続ける」とし、ウクライナ支援で同盟国による情報共有が「前例がない」レベルに達していることを示唆した。

 「プーチン軍が(ウクライナの)国境を越えて1時間以内に、NATOの東側フランクを保護し、保証するために、戦闘航空パトロールの計画的展開が送られた」とストリンガー中将は述べている。

 それ以来、NATOの抑止態勢を維持するため、航空パトロールが「調整」されていることを確認した。

 同盟と欧州空軍が考慮すべきその他の「教訓」に話を移すと、中将は、「500ドルの兵器付きドローン」から極超音速滑空機まで、これまでの紛争よりも幅広い「範囲」の脅威から防衛する必要があると話した。

 ストリンガー中将は、「脅威対象には、高性能の戦闘機、地対空ミサイルシステム、地上のレーダー、電子戦能力がある」と説明した。「20年にわたる対反乱戦を通じて、空と宇宙は争いのない安全環境と見なされていた。一時的とはいえ、歓迎すべき状態だったが、もはやそうではない」。

 また、武器がウクライナ軍の手に渡り、ロシアの標的を攻撃するために使用されるまでのスピードが異常に速いことも語った。

 この点について、ストリンガー中将は、米国のAGM-88高速放射線ミサイルがウクライナ空軍のMiG-29およびSu-27戦闘機への搭載を「8週間」で完了したという期間に特に言及した。

 またストリンガー中将は、イーロン・マスクの衛星サービス「スターリンク」の利用や、アプリによるC2およびISR能力を構築する「中小・大技術」の統合など、「集中イノベーション」アプローチが、ロシアに対抗するウクライナ軍の成功に大きく貢献していると述べた。■


Russia's air campaign hampered by poor ISR based strikes and target processing: NATO official - Breaking Defense

By   TIM MARTIN

on November 04, 2022


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