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2025年12月29日月曜日

小型ドローン100機を発進させる空中空母ドローンでPLAは米空母への飽和攻撃をねらっている

 

小型ドローン100機を発射する中国の新型「空中母艦」

ウォーリア・メイヴン

クリス・オズボーン

中国の巨大ドローン母艦「九天」Jiu Tianが初飛行した。100機の小型ドローンの群れを空中放出し、空中戦の様相を一変させかねない

「飛行空母」とは小型ドローン多数を同時に輸送・展開する中国の新鋭無人機を指す呼称だ。これは疑いなく新たな戦術的・戦略的要素をもたらし、脅威の全体像に影響を与える。 多数の報道(ミリタリーウォッチ、など)によれば、巨大な「九天」は中国北西部の陝西省で初飛行に成功したとされる。公開された仕様では、ドローン発射機は航続距離7,000km、翼幅25メートル、全長16.35メートルと記載されているが、最も重要なのはその運用能力と潜在的な応用範囲だ。純粋な大きさで言えば、九天は米空軍のグローバルホーク無人機とほぼ同サイズだが、大量の小型無人機を同時に発射する能力を持つ点がちがう。

一度に100機のドローンを発射できる能力は相当なものに聞こえるかもしれないが、九天は米空軍のC-130やC-17輸送機のサイズに比べれば小規模に過ぎない。米軍プラットフォームは既にドローンの群れ発射を実験しており、同様の任務を遂行する態勢にある。 この可能性に加え、中国が行ったように、同様の任務を遂行可能な大型「ドローン」あるいは「無人」プラットフォームを開発することも十分に考えられる。近年、米国防総省は定期的に公の場で、より安全な距離から空襲作戦やステルス機を強化できる、ドローン発射・兵器搭載型の「兵器搭載機」の開発について言及していた。今日の技術環境では、あらゆるサイズの航空機を無人任務用に確実に構成できる。

ドローン群による攻撃

中国のドローン攻撃プラットフォームについては懸念と同様に、多くの疑問点や未知数も存在する。しかしこの航空機は、航空攻撃の可能性に新たな基準をもたらす。ドローンの群れは当然ながら、ISR(情報・監視・偵察)で地域を覆い尽くし、敵防空網をテストまたは「妨害」し、さらには自ら爆発物となり、広範囲の標的を襲撃・破壊するよう設計されている。「九天」とそれが発射するドローンは、明らかに生存性の計算式に影響を与える。単純に、人間なしで発射・攻撃が可能だからだ。これは、高リスクの敵環境下でも、人間を危険に晒さずに空中ドローン発射を運用することを可能にする。 

これらの無人システムを大量に同時発射すれば、地上砲火の射程内に人員を配置せず数百マイルの地域を攻撃できる可能性がある。このような群れ攻撃は、より大規模な有人航空攻撃作戦を補完・先行しり、ミサイル攻撃を支援できる。「大量」という特性自体が冗長性を生み出し、攻撃を阻止したり、空中のシステムを探知捕捉し、実際の目標を囮や味方航空機から識別することを極めて困難にする。

この方程式を踏まえると、ドローン母艦を運用する中国は、台湾・フィリピン・日本に対し、近接のEO/IR(可視光/赤外線)センサーデータを取得するため人員を危険に晒すことなく、ドローンの標的捕捉と攻撃を実行できる。しかし核心的な疑問は、ドローン自体の相互連携能力や技術的高度さに関わるだろう。それらはAIを搭載し、相互に緊密に連携し、変化する情報に応じて進路や任務を調整できるのか?どのようなセンサーを統合するのか、つまり攻撃用キネティック兵器、電子戦、高出力マイクロ波とセンサー機能を組み合わせるのか?

太平洋の脅威

こうした可能性は、太平洋における脅威シナリオに新たな変数を加える。特に、ドローンの群れが地上防衛システム、レーダー、あらゆる空・地・水上兵器プラットフォームに与える特有の課題を考えるとそうだ。水上艦艇は、数百機の小型空対艦ドローン爆弾に覆われ、群れをなして襲われる可能性がある。これによる冗長性から「大量」攻撃が実現し、米軍や同盟国の艦艇を攻撃・破壊できるのだ。

九天は中国の海上攻撃射程を延伸し、海上発射型航空攻撃分野における米国との現行の格差解消に寄与しうる。中国は現在、空母発射型ステルス戦闘機J-35を生産中だが、現時点で少数しか存在せず、米国のF-35CやF-35Bに相当する海上戦力を有していない。■

クリス・オズボーンは軍事現代化センター「ウォリアー・メイヴン」の代表である。オズボーンは以前、国防総省で陸軍次官補(調達・兵站・技術担当)室の高級専門官を務めた。オズボーンは全国ネットのテレビ局でアンカーおよび軍事専門家としても活動した。フォックスニュース、MSNBC、ミリタリーチャンネル、ヒストリーチャンネルに軍事専門家ゲストとして出演している。またコロンビア大学で比較文学の修士号を取得している。


China's New "Aerial Mothership" Drone Will Launch 100 Drones

Warrior Maven 

Kris Osborn

https://warriormaven.com/news/china/china-s-new-aerial-mothership-drone-will-launch-100-drones


2025年8月21日木曜日

中国の新型連携戦闘機が9月の軍事パレードの前に初公開された(The Aviationist)

 


トラック後部に搭載された未命名CCAと、回転翼無人航空機や無人水上艇と見られるシステム。 (画像提供: REautomaton/SDF via Andreas Rupprecht )

中国は軍事パレードで新型装備を披露する伝統があるため、この新型UCAVはほぼ確実に中国人民解放軍(PLA)の採用につながるだろう

2025年9月3日の勝利記念パレードに向け準備中のトラックの後部に搭載された、中国のCCA(Collaborative Combat Aircraft)の最初の非公式画像が、おそらく公開された。粗い映像には、UCAVと回転翼無人航空機、Wing Loong型ドローンが一緒に映っている。


このUCAVは、2022年から展示会で内部ベイから弾薬を投下する姿がスケールモデルで公開されてきたFH-97とFH-97Aと関連していると考えられる。これにより、CCAはFH-97を何らかの形で派生させた可能性が高く、いずれにせよJ-20ステルス戦闘機と共に飛行する予定であることが示唆される。

後述するように、一部のアナリストがFH-97自体の存在を疑問視している点は別問題だ。この設計は、ジェネラル・アトミクスのYFQ-42Aにも似ている。YFQ-42Aは、アンドゥリルYFQ-44Aと共に、有人戦闘機と連携して戦闘する米空軍の最初のCCAの一つとして計画されている。

どうやら、9月のパレードに向けて準備が進められているトラックに乗せられたCCA/UCAVの1機について、ようやく少し詳しく見ることができたようだ。

(Via REautomaton/SDF) pic.twitter.com/Ab0itdz5Gi

— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) 2025年8月16日

新しいCCA

FH-97と比較すると、新しい未命名のCCAは、より厚く短いノーズコーンが特徴的だ。新しい機体は、FH-97やYFQ-42Aよりも「太い」ため、内部容積が大きく見える。ただし、角度や照明のせいで、目立つキールラインが隠れている可能性もある。

bsdnf/SDFによるもう1つの興味深い発見:

「Kaman K-MAX/CQ-24Aのような相互噛み合いローター式UAVか?非常にコンパクトで折りたたみ可能なローター設計のため、船に搭載可能。大型の機体はK-MAXのような輸送任務に使用される可能性がありますが、Z-20に近く、より現実的です。」 https://t.co/RUKU2ECRtk pic.twitter.com/tBoWY4vv0B

— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) 2025年8月16日

ただし、新しいCCAとFH-97は、広範な設計構成を共有している。これには、上部搭載エンジンと、GA-ASIのMQ-20アベンジャーUCAVに似たクランクド・カイト型翼が含まれる。傾斜した垂直尾翼も共通の特徴だ。ピクセル化された画像では、排気配置のタイプは判別できない。

FH-97ステルスUAV/ロイヤルウィングマンと、内部武器ベイから発射されるFH-901ローリングミサイル

また、電気光学センサーも搭載している

— Húrin (@Hurin92)

FH-97とFH-97A

FH-97Aは、2024年11月に別のフルスケールモデルとしてオンラインで最後に公開された際、J-20と同様に側面に吸気口と顎部にEOTS(電光追跡システム)を搭載していた。これは、2022年11月の珠海航空ショーで展示された他のFH-97Aスケールモデルとは異なり、EOTSが上部に取り付けられており、搭載弾薬も異なっていた。

FH-97の忠実な僚機である艦載型FH-97A無人機が中国珠海航空ショーで公開された。これは、076型および福建級航空母艦に搭載されるJ-35戦闘機と並んで戦闘を行う予定だ。

— Eason Mao☢ (@KELMAND1) 2024年11月12日

中国の軍事航空研究の第一人者アンドレアス・ルプレヒトは、元のFH-97が「実際に製造され飛行したかどうか」を疑問視しており、それは「単なる航空ショー用モデル」だった可能性があると結論付けた。実際のパレードとより明確な写真がショー当日までに公開されれば、新しいCCAがFH-97とどれほど共通点を持っているか、あるいは仮の名称が想定していた無人CCAとどれほど共通点を持っているかが明らかになるだろう。

さて、FH-97Aについて確認しておきたいのだが…元のFH-97は実際に製造され、飛行したのだろうか?筆者の見解では、そうではなく、これまで単なる派手な航空ショー用モデルだったと思う。

それとも私の認識が間違っているのでしょうか?🤔

(画像:@太湖啥个、Weibo) pic.twitter.com/zZIKPIENGx

— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) 2022年11月2日

より詳しい情報が明らかになるまでは、これらは 2 機の別々の航空機であると想定している。それでも、このプロジェクトは、ここで見られるCCA(中国製無人戦闘機)の何らかのインスピレーション源となっている。CCAはパレードで展示される予定なので、既に飛行可能なモデルが存在する可能性が高い。

リック・ジョー、もう一人の主要な中国軍事アナリストは、展示トラックの頂上に搭載された複数の新型無人システムの画像を共有した。これらは、勝利の日パレードにおける専用の「UAV部隊」の一部である可能性がある。ジョー氏は、PLAが「水面下で静かに」CCAと空中戦闘専門のUCAVの開発を進めており、FH-97とそのFH-97A変種は「その方向性における産業努力のほんの一部に過ぎない」と付け加えた。

6月のGEは、9月の勝利日のパレード(2019年のパレードと同様)にUAV部隊が参加する可能性を示している。

GJ-11パターン(赤枠)と、?MALE機体(黒)が見える。

CCAである可能性のある複数の新しい機体(青)も確認できる。

展示用トラックは、大きさを比較するために12.5mの長さだ。pic.twitter.com/5oucbzRwpf

— Rick Joe (@RickJoe_PLA) 2025年7月17日

J-20

J-20は急速に進歩し、新型のJ-20Aは、ロシアのサターンAL-31と中国のWS-10ターボファンエンジンに代わって、国産の第5世代WS-15スーパークルーズ対応エンジンに切り替えられた。2人乗りのJ-20Sは2022年8月に公開され、7月上旬に流出した画像から、おそらく実戦配備も開始されたと思われる。実際、塗装パターン、マーキング、尾翼番号から、プロトタイプ試験段階から移行し、運用部隊への配属が検討されている可能性が示唆されている。

運用部隊への配属を示唆するシリアル番号と塗装パターンを持つ双座型J-20Sジェット機2機が飛行中。(画像提供:Telegram/Sina Weibo)

5世代ステルス戦闘機として初めて双座型を採用したJ-20Sは、より高度な電子戦、目標捕捉、ネットワーク機能に加え、協力型UCAVの制御に適している。興味深いことに、CCTVでJ-20の忠実な僚機として描かれた別の機体は、GJ-11 Sharp Swordだ。

現在、中国人民解放軍空軍J-20Sの最も良い画像の一つ pic.twitter.com/q0ahylT5Os

— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) 2025年7月8日

しかし、GJ-11のモックアップが、昨年12月下旬に衛星画像で捉えられた実物大の空母試験施設と、2024年6月に上海の張興島にある訓練施設で確認されたことから、この組み合わせは実現の可能性が低くなったようだ。

ACuriousPLAFan/SDF経由:😮

最近の画像ではないが、武漢の空母モックアップと試験施設に新たな航空機が追加された。飛行甲板には、J-15、J-35、KJ-600、GJ-11Hのモックアップがはっきりと確認できる。

(画像:@伏尔戈星图 from Weibo) pic.twitter.com/UL6uk81zh4

— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) 2023年12月19日

このモックアップは、中国の新型Type 076 LHD(着陸ヘリコプタードック)が建造中の場所からわずか1マイル離れた場所にあり、中国の軍事観測筋は、試験施設の寸法がType 076の飛行甲板に近似していると指摘している。そのため、GJ-11は同施設から運用される可能性があるとみられる。それ以前、GJ-11は2024年2月のシンガポール航空ショーで初公開された。

GJ-11 Sharp Swordが上空を飛行する動画のスクリーンショット。ボックス内には、2019年10月の中国建国70周年記念パレードでトラックに搭載され、正式に公開されたGJ-11が写っている。(画像提供:X/Telegram)

結論

展示ブースで公開された6か月後にタクシー試験飛行を行った巨大なCH-7や、Global Timesの報道で試験と開発段階を完了し、運用開始が間近だと報じられた他の中国のUCAVも目撃している。9月のパレードで登場するかはまだ不明だ。

2019年10月のパレードで初めて公開されたGJ-11も、飛行モデルとして登場した。これは、トラックに搭載されたCCAが確実に採用される予定であり、今後の非公式動画で飛行シーンが捉えられる可能性があることを示している。

🇨🇳FH-97A UCAVモデル(異なる弾薬:FT-8B、FT-8C、FT-8D、FT-9またはFH-901ローリング弾薬)2022年珠海航空ショー

(via wb/艺伟影像) pic.twitter.com/JYTt8obYfg

— Jesus Roman (@jesusfroman) 2022年11月3日

中国は、J-36およびJ-XDSに続き、3機目となる次世代ジェット機を飛行させた。これが宣伝目的のパフォーマンスだと結論付けたとしても、新世代の有人および無人システムの導入が急速に進んでいる中、単なる政治的発言として一蹴できる「飛行例」は多すぎる。

China’s New Collaborative Combat Aircraft Breaks Cover Ahead of September Parade

Published on: August 17, 2025 at 8:51 PM

 Parth Satam

https://theaviationist.com/2025/08/17/chinas-new-cca-breaks-cover/

Parth Satam

Parth Satam のキャリアは、2 つの日刊紙と 2 つの防衛関連出版物で 15 年間に及ぶ。彼は、戦争という人間活動には、どのミサイルやジェット機が最も速く飛ぶかといったことを超えた原因と結果が存在すると考えている。そのため、軍事問題を外交政策、経済、技術、社会、歴史との交差点で分析することを愛している。彼の著作は、防衛航空宇宙、戦術、軍事教義と理論、人事問題、西アジア、ユーラシア情勢、エネルギー部門、宇宙まで、幅広い分野を網羅している。



2019年5月1日水曜日

中国軍事力の本当の実力は?過度の評価は無用、張子の虎だ

コメントは下にあります。

Not So Scary: This Is Why China's Military Is a Paper Tiger 恐れるにたらず、中国軍事力は張子の虎だ

China is a large but fragile power ruled by a vulnerable party that can’t afford any economic or foreign policy disasters, let alone war with America. 中国は広大だが実態は無敵とはいえない政党の支配下にある脆弱な国家だ。経済や外交で袋小路になる余裕はない。ましては米国との戦争の余裕はない。
October 15, 2015  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaPLAChinese MilitaryU.S.-China WarDefense


国の軍事脅威の高まりと米国の軍事力不足を強調する傾向が高まっている。この論調には1980年代中頃の旧ソ連が米国を軍事面で凌駕下との主張を思い起こさせるものがある。現在の中国がUSSRのように崩壊への最終段階にあるというつもりはないが、人民解放軍(PLA)には脆さがあり軍事組織としての職業意識は限りなく薄く、近代戦の経験が欠如し自慢する軍事装備も実戦の洗礼を受けていないのは事実だ
中国では経済成長の鈍化と社会経済構造の悪化が明らかで大国とはいえ脆弱な構造であり、統治する党も無敵ではなく経済あるいは外交面で難局が発生すればたちまち危機的状況に陥るのは間違いない。まして米国と戦争を試みる余裕はない。中国経済は国際交易とグローバルサプライチェーンがなければ成り立たない。中国にとって開戦の選択は経済社会面の破滅となろう。
さらに中国に役に立つ有力な盟友国は皆無に近く、戦略的に孤立しており、状況はむしろ悪化しつつある。
また近代戦の経験が欠如している。最後の交戦は1979年にヴィエトナムに「教訓」を教えてやろうとしたものの失敗した事例だ。インド、USSRとそれぞれ1960年代に国境をめぐり緊張し、1950年代には朝鮮戦争に派兵したのが近代戦としてかろうじて数えられる程度だ。
PLA戦力は共産党の権力に依存しており、党に忠誠を誓っても国家防衛は誓わない。PLA将校は陳腐な共産主義教義学習に相当の時間を費やし、軍事教練は二の次とする。そこに軍上層部の汚職が加わり昇進のため幹部の好意を買おうとする。
ここ数十年でPLAが驚くべき技術進歩を遂げたのは事実である。だが習近平主席が中国を海洋大国にすると述べているが、地理条件は逆に働いている。大陸国家の強国が海軍力でも強国になった実例はあっただろうか。USSR、フランス、ドイツいずれもあてはまらない。
オーストラリアでは中国の接近阻止領域拒否能力について議論をくりかえしている。中国への接近路が危険になっているのは事実だろう。とくに本国近辺で中国が動員可能な軍事力を見ればこれは正しい。だが米国はがこのままなにもせずに正視しているだろうか。また極超音速機、レイルガン、ステルス、無人機、サイバーアタックといった技術分野でなにも進展がないままでありえるだろうか。
重要な軍事技術で中国はいまだに米国から20年あまり遅れている。中国の対戦技術は限定的であり、保有する潜水艦多数は騒音がひどい。中国には推進系の静粛技術が不足しており、米ロ両国の原子力潜水艦とは隔たりがある。最新の「晋」級弾道ミサイル潜水艦は1970年代のソ連デルタIII級SSBN並みに騒々しい。今後登場する95型原子力潜水艦でさえソ連の1980年代後半のアキュラ型よりうるさいと米側が把握している。
中国の防衛体制では技術面で強力な敵に有効対応できない。さらに中国はロシア製装備のリバースエンジニアリングに大きく依存し、高性能ジェットエンジンではロシア頼みが明らかでここ30年かけても国産化に成功していない。
弾道ミサイル技術では確かに進展があるもののDF-21は未だかつて一度も移動水上目標に命中させていない。また目標捕捉には衛星や水平線超え長距離レーダーに依存したままだ。こうした装備はソフト目標と呼ばれ米軍の先制攻撃の前に脆弱だ。
ペンタゴンによれば中国に正確な標的情報を収集する能力、発射部隊に伝え遠隔地の海上を移動中の目標を破壊する能力があるのか不明だ。
ICBMではDF-5Bが複数独立標的設定再突入体(MIRVs)を搭載するがこれも革新的な技術と言い難い。1974年時点で国家情報解析部門の長として筆者はCIAから説明を受けソ連のSS-18ICBMが搭載するMIRVについて知った。40年前であれば画期的な技術だった。
中国の軍関係者や学識者で核戦闘能力を自慢する向きがある。二次攻撃能力は確保しているとはいえ全面核戦争となれば大国としては一番脆弱だ。人口密度とともに東側沿岸への集中が理由だ。人口14億といっても大規模核攻撃では生存はできない。このため米国にとって大規模核攻撃能力の維持の根拠となる。
あわせて中国に登場する軍事装備については米軍装備並びに歴史的な背景と分別ある形で比較する必要がある。米国がイノベーションで世界最先端を行く国であり、中国の軍事力整備を黙って見ているわけでないこと、あわせて中国の軍事装備の多くが深刻な能力不足であることを忘れてはならない。■
This piece first appeared in ASPI’s The Strategist here.
Image: Creative Commons.
米国にはいつも敵国が必要なのですね。特に国防分野ではどうしても「仮想敵国」の軍事力を実際以上に大きくし、警戒心から予算を確保してきた歴史があります。ただし、今回は初めて米国自身が国防予算の増額ができなくなりつつある事態となっており、その中で世界常識に反する国防予算増を毎年続ける中国(その経済の実態そのものが大いに疑わしいのですが)の不気味さが一層拡大している背景があります。本当に中国の軍事装備は張子の虎なんでしょうか。こればかりはやってみないとわかりません。