Chinese navy veteran warns training, not hardware is key to military preparedness
中国海軍の元士官から軍の即応体制の鍵は訓練、ハードウェアではないとの指摘
- 中国の軍事力拡大の一方で退役海軍士官が近代戦では数が全てではないとの指摘
- 「装備品を使いこなせる人員こそが重要だ」
PUBLISHED : Tuesday, 05 February, 2019, 6:01pm
UPDATED : Wednesday, 06 February, 2019, 12:50am
元中国海軍士官Wang Yunfeiは1月に沖縄を休暇で訪問し、那覇空港で自衛隊ジェット機やヘリコプターの訓練を見て、憂鬱な気分になった。
雲底は低く空はすっきりしていなかった。「地上200から300メートルまで雲が垂れ下がり、離陸したジェット機はすぐ雲の中に消えた」とWangは言う。
「中国では雲が地上400メートル以下だと訓練飛行しない」「その条件だと軍用機離陸でも危険なためだが訓練そのものは実施することが十分できる条件だ」
Wangは今は海軍兵装専門家で、近代戦では兵力の規模は決定的ではなく、米国や日本等の同盟各国に追いつこうとする中国にとってハードウェアがすべての条件ではないと指摘する。
「艦艇数を二倍にしても軍事力はそのまま二倍にならない」「大事なのは装備を駆使できる人員であり結局は訓練水準に行きつく」
「一部には我が国の軍用機のほうが進歩していると見る向きがあるが、わが軍の訓練の実態を見ると...とてもまだ向こうの水準に追いついていない」
マカオ在住の軍事専門家Antony Wong DongはPLAを研究し、Wangと同じ評価をしている。
PLAは朝鮮戦争以降の実戦経験がないがここ数十年で訓練内容を向上しているとWongは述べ、「即応体制」で大きく引き上げる余地があるという。
同じことを習近平主席が軍高官に対し戦争に備えて訓練、準備体制をひきあげることこそ2019年のPLAの最大課題だと12月の演説で述べていた。
沖縄県那覇市は航空自衛隊第9航空団の本拠地でF-15戦闘機40機を抱え3年前に編成された。当時は中国が東シナ海で強硬な態度になり、尖閣諸島をめぐり、日本が実効支配するものの、中国、台湾が領有主張していた。
日本の防衛省統合幕僚監部によれば2017年度に航空自衛隊は中国軍用機に500回スクランブル出撃した。2016年は851回であった。
ところが2018年度の最初の三ヶ月だけで476回もスクランブルしているのは習近平がPLAに訓練強化を求めたためで、本土から離れた地点でも訓練が増えた。
また中国が初の国産空母の試験公開を始めると日本はヘリコプター空母の改装でF-35B運用を可能とする方針を発表した。
このような背景でWangによれば中国は最新軍事装備への投資に加え全般的軍事力を深く理解する必要がある。
那覇空港で自衛隊の訓練状況を見て本人の気分が重くなったのはこのためだ。
「その日はF-15だけでなく、オスプレイやシコースキーのシーホークも盛んに離陸しており訓練は一日中続いていた」(Wang)
「これを見て日本軍を見くだしてはいけないとわかった。訓練の実態は有事の準備体制を反映していることを忘れてはいけない」
「わが方の艦艇や軍用機は数で日本を上回るが実戦になれば戦場は空でも海でも広くない」
「すべては限られた戦闘区域に展開できない。両陣営が同じ装備を戦場に投入すればこちらが楽勝できるとは思わないことだ」
新型装備が続々投入される中で中国軍で訓練が一層重い課題になっている。取扱方法や機構の理解といった技量が課題だ。
「いまだに方向を模索している。怠慢なのではない、新型装備があまりにも高度なのだ」「その例がJ-20や(艦載)J-15で性能を発揮させる方法が当初はわからなかった」
「最近になりJ-15の夜間離着艦をやっとマスターした。ただし重装備のまま機体が夜間運用できる体制になっているか確かではない」
軍事専門家WongによればPLAでは未解決課題が多い。そのひとつはがJ-15戦闘機の空母運用だ。
「PLA人員と兵装が有事にどこまでスムーズに機能するだろうか」「艦載機が搭載する兵装の質と量でギャップがあることがわかっている」■
コメント 中国を旅すると実に個性が豊かな人たち、物品に遭遇します。ビルはみんな個性的な建築様式で主張がはっきりしています。自分のやりたいことを自由にするのが中国流でそこには他人の気分や世間体を意識することはありません。また意外に外部の世界についても考察している人も多いのが特徴で、決して一枚岩の世界ではありません。(整形手術でみんな同じ顔になったり、空気を読みすぎて同調を最重要視する隣の国とは大違いです)そこで今回の記事ですがあらためて中国から見た日本の怖さを強調するのか、それとも自国の弱点をあえて指摘して関係者の奮起を求めているのかわかりませんが、改めて中国の怖さを感じさせます。だからこそ日本は抑止力としての軍事力の整備を今後も続けるべきです。
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。