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A400M拡販が進まずエアバスの現状は苦しい

エアバスからは今週に入り赤字続きのA380超大型機の生産中止のニュースも入りましたが、A400Mも巨額の赤字で回収見込みがなく、同社の脚を今後も引っ張る可能性があります。戦略級輸送機としては性能の価格が釣り合わないのでしょうね。ではC-2はどうでしょうか。ストレッチ型を開発すれば幅広いニーズに答えられそうですが、実績がないのが玉にキズです。


Airbus confident of A400M exports but says numbers may be modest A400M輸出に自信たっぷりのエアバスだが実績数字は控えめ

Gareth Jennings, London - Jane's Defence Weekly
14 February 2019

  
A400Mで30年で400機を販売すると強気だったエアバスだが最新の見通しでは100機未満の売上追加しか見込めまい状態になっている。 Source: IHS Markit/Gareth Jennings

アバスはA400M軍用輸送機の輸出に自信があるようだが、実際の販売が低迷の域を脱しないのは価格と機体完成度のためだろう。

ツールーズ本社で恒例の年次報道向け説明会に臨んだCEOトム・エンダースは2005年のマレーシア以来途絶えている新規海外受注の確保に今後も努力するとしながら同機の性能水準に相応な価格のため同社のその他小型輸送機とは違う課題だと認めた。
「A400Mの輸出は小型機とは全く違う。A400Mは原提携国計6カ国の要求内容を反映し、各国は世界の何れの国よりも洗練されている」とし、「輸出成約を楽観視しているがいきなり百機単位で売れるわけではない」

輸出実現にはエアバスとして政府の公式な後押しをフランス、英国双方から欲しいとエンダースも認める。「製品の成熟度が高く、輸出の実現は近づいている」

エアバスは計174機を受注し内訳はドイツ53機、フランス50機、スペイン27機、英国22機、トルコ10機、ベルギー8機でここにマレーシア4機が加わり、72機が引き渡し済みだ。

2018年3月にはインドネシアが2機導入の意向を確認しており、同国はエアバスの新規受注先で最も有望だ。これとは別に韓国がスペインと交渉中でスペインの余剰機材を引き受けたいとしているとの報道がある。■

コメント

  1. C-2も現状は、あまり変わらないのでは。単価250億で世界一高い輸送機ですから。生産終了した、C-17よりはるかに高価です。
    開発は、C-2も炎上しましたが、A400Mほどではなかったので、この点はちょっとマシかな。
    ストレッチなんかしたら、初期開発でも各部強度問題があったので、開発に苦戦しそうです。さらに単価もアップするでしょう。
    C-2は、2018年まで13機購入済みでもう、製造中止でいいのでは。
    C-2は海外展開用として、日本だとC-130J導入で十分では。

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  2. ユーロファイターやこの件を見ると、つくづく、共同開発が安くつくとは限らないことを実感させられます。F-3は日本単独で開発し、モジュールによっては外国製品の使用もあり、が結果的に費用や開発期間が安くつくと思います。

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  3. C-2は別に炎上していません。

    単価は高くはなりましたが、40機程度しか製造しないのでやむ終えない部分もあります。
    最初は製造単価が高いですが徐々に落ち着いてくる可能性もあります。
    また開発費は2,500億円と大変安く開発できてます。
    A400Mは大きな問題を抱えてドイツも本機を見放そうか?くらいの状態で、価格もどんどん単価が上がってます。
    トータル製造数も削減されそうじゃないですか。
    C-2の整備性は問題のあるエンジン4発のA400Mよりずっといいですし、基本性能も上、
    A400Mより重たいものを載せられて、遠くまで飛べて、国際線旅客機と同じ航路で高空を飛べるから気象の影響も受けづらいし、最短距離で飛べる。
    A400Mはエンジン問題の影響が大きく、初期の性能も見込めず、整備間隔もかなり短い模様。低空を遅い速度で、遠回りしながら飛行しなければならない。

    ただし、C-2は日本では特段さほど必要のない不整地離発着能力のテストをしていなのがたまにキズ。

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