スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月, 2024の投稿を表示しています

ヨーロッパ3カ国の空軍が太平洋にメガ展開する演習を開始

  ヨーロッパ三カ国の空軍部隊が世界を一周する展開を開始し、日本にも立ち寄り共同演習をするのは中国やロシアを睨んだものですが、邪悪な両国はこの展開を真面目に受け取らないでしょう。ヨーロッパ各国にとっては米国の独占だった世界規模での部隊運用能力があることを証明する意味もあるのでしょう。The War Zone記事からのご紹介です。 約36,000マイルをカバーするPacific Skies 24では、ドイツ、フランス、スペインの航空機がアジア太平洋全域を飛び回る。 ド イツ、フランス、スペインの空軍が、各種機材をアジア太平洋地域に派遣し、現地の航空部隊と協力し合うという前例のない演習に乗り出す。ウクライナ戦争の戦略的影響に注目が集まる中、パシフィック・スカイズ24は、とりわけ中国の軍事的主張の強まりにより推進されている「アジアへの軸足」が、少なくともある程度はヨーロッパのNATO同盟国にも適用されることを改めて示している。 6月27日パシフィック・スカイ24に参加する航空機はヨーロッパを出発し、まず大西洋を越えて米国に向かい、アラスカで行われる北極防衛演習に参加する。 パシフィック・スカイズ24に参加する主な航空機は、ドイツのユーロファイター8機、スペインのユーロファイター4機、フランスのラファール戦闘機4機、ドイツのトルネード攻撃機12機、A400M輸送機9機(ドイツ4機、フランス3機、スペイン2機)、スペインのA330輸送機1機、ドイツのH145Mヘリコプター4機である。3カ国の約1,800人の軍人がサポートする。 空中給油を支援するのは、ケルンの多国籍MRTTユニット(MMU)のドイツを拠点とする部隊のA330マルチロール・タンカー輸送機(MRTT)4機と、フランスの3機のA330 MRTTである。 ドイツ空軍にとって、これはトルネードを国際演習に投入する最後の機会となる。同機はすでにアラスカに到着しており、7月上旬のアークティック・ディフェンダーへの参加前の低空訓練に参加している。これは主に空対空の戦闘訓練で、実弾射撃も行われる。非公開の米軍の第5世代戦闘機が、欧州の3空軍とともに参加する。ドイツのトルネードは、核攻撃はF-35A、電子戦は特別装備のユーロファイターに取って代わられる。 アークティック・ディフェンダーの後、パシフィック・スカイズ24は太...

イスラエル・ヒズボラで緊張が高まる中、米強襲揚陸艦が地中海東部に展開中

  今度はイスラエルとレバノンを実効支配するヒズボラとの関係が緊張していますが、米国はまず強襲揚陸艦を地中海東部に派遣しました。イスラエルには南部の戦役に注力しており、同時に二戦線を展開する余裕があるのか不明ですし、ヒズボラにはイランの後ろ盾があり、かつてイスラエルも対応に苦労した経緯があり、戦闘には及び腰のはずですが、ワシントンが米海軍艦艇の展開を決定したのは情勢が怪しくなってきたと判断しているのでしょう。あいかわらずわが日本はこの地域の情勢を正確に把握しておりませんが。 USS Wasp(LHD-1) レ バノン国境沿いでヒズボラとイスラエル間の緊張が高まる中、米国防総省は海兵隊を乗せた強襲揚陸艦「ワスプ」を地中海東部に派遣したことを米欧州軍司令部(EUCOM)が6月28日金曜日に確認した。  ワスプと第24海兵遠征部隊(約2200人)は、水曜日に地中海に入っていた。  EUCOMは、同艦はこの地域における抑止力として機能し、イスラエルとハマスの戦争がより広範な地域紛争に発展しないようにすることを目的としている、と付け加えた。  国防総省のサブリナ・シン副報道官は金曜日、同艦の動きについて質問され、配備は予定されたものであり、アメリカはレバノンからアメリカ市民を非戦闘目的で避難させる準備はしていないと強調した。  「その目的は、......軍事的な退去支援ではありません」と同報道官は記者団に語った。「地域の安定を確保し、侵略を抑止するためにある。USSワスプには他にも多くの能力があり、そのひとつは、何らかの出国の必要が生じた場合、それを支援するためにそこにいることができるということです」。  ワスプは地中海東部で、すでに同海域に進出しているUSSオークヒルと、大西洋で活動中のUSSニューヨークと合流する。この3隻がワスプの水陸両用準備グループを構成している、とシンは述べた。  水陸両用準備グループと海兵隊は、紛争地域からの米国民の避難を含む多種多様な任務のために訓練されている。  レバノン・イスラエル国境を挟んで9カ月近く銃撃戦が続いた後、本格的な紛争に発展する恐れが高まっている。この反目は、昨年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃したことに起因しており、これによりイスラエルはハマス討伐のため、ガザ地区で無慈悲な空爆と地上作戦を開始した。  イスラエルと...

航空機の自律運行は予想外に技術が成熟しつつある。NGADの見直しもこれが一因か。まず、KC-135に応用し、パイロット一名運行を実現する見込み。

NGADの運命を変えたのはケンドール空軍長官がAI操縦のF-16に搭乗したことがきっかけだったようです。つまり、過去の延長線上の戦闘航空機では次の戦争を戦えないという認識が原因だったようです。自律運行を可能とする技術を有する新興企業2社が合体し、無人航空機含む各種記機材の自律運行が実現しそうです。先年伝えられていたKC-135の一人運行もこの技術の実現が前提だったのですね。Defense One記事からお伝えしましょう。 スタートアップ企業2社が手を組み、自動飛行タンカーやドッグファイトAIを実現する AIを搭載したKC-135のテストを1年以内に目指すMerlin Labsは、 F-16用のAIドライバー開発企業EpiSciを買収する K C-135タンカーとC-130輸送機を自律飛行させる契約を空軍と結んでいるスタートアップと、DARPAのドッグファイト・プログラムで活躍するAIパイロットを生み出したスタートアップ。この二社が力を合わせようとしている。  ボストンを拠点とする マーリン・ラボ は先週、カリフォルニアを拠点とする EpiSci を買収すると発表した。EpiSciのAIは先月、フランク・ケンドール空軍長官をF-16で飛行させ、注目を集めた。  EpiSciとそのサブ企業PhysicsAIは、AI戦闘機パイロットを開発するDARPAの取り組みの3つの章(2020年AlphaDogfight Trials、2020-24 Air Combat Evolution Program、そして先週の時点ではArtificial Intelligence Reinforcements program)すべてに参加している唯一のチームだ。ケンドール長官のフライトでAIエージェントを作動させた4社のうち、EpiSciの、自社のものが "最も信頼され、最高のパフォーマンスを発揮した "とボー・リュウCEOが述べた。  独自にAIパイロットを製造するマーリンは、来年中に空軍のKC-135タンカーに搭載してテストする予定だとマット・ジョージCEOは語った。この "コア"パイロットによって、空軍はパイロットを1人に減らすことができ、多くの航空機乗務員を解放することができる。  EpiSci社との契約が今後2~3ヶ月の間に予定通り完了すれ...

第一回大統領選挙討論会で惨敗したバイデンに対し、民主党内から大統領候補としての資質に疑問が投げかけられる展開。

  6月27日のCNN主催の討論会でバイデンが失点を重ね、大統領候補としての資質に疑問が出ています。そもそも、両名とも所属政党の全国大会での指名を正式に受けていない段階で討論会が今回開かれた事自体が異例であり、しかも進行のルールもバイデンの指示で決まったにも関わらず、バイデンは老いぼれぶりを露呈し、リーダーとしての資質を疑われる事態になっていまいました。POLITICOがとりあげており、まず、討論会の総括です。 バイデンの討論会惨敗にトランプが重要な役割を果たしていた トランプは、司会者の質問を無視してまで、攻勢に出た 木 曜日の討論会は、ジョー・バイデンにとって最悪の結果となった。しかし、それは本人だけのせいではない。 90分間の討論を通じ、大統領はドナルド・トランプに何度も出し抜かれ、バイデンが太刀打ちできないような罵詈雑言を浴びせられ序盤から主導権を握られた。 ひどいパフォーマンスが民主党にパニックを引き起こし、バイデンは金曜日にノースカロライナで開かれた集会で、討論が手に負えなくなったかを認めた。 金曜日の集会では、木曜日の討論会と明らかに異なる動きがあった。決定的な違いはドナルド・トランプがいなかったことだ。 討論会を仔細に観察すると、トランプの戦略は初期段階から、攻撃、攻撃、そしてまた攻撃するというものだった。バイデン自身はついていくのに必死で、彼の年齢と能力に対する長年の懸念で増幅された。 ディベートの間中、トランプはバイデンを次々と狙い撃ちすることで優位を主張し、バイデンのフレーズをキーにして現職大統領が言葉で勢いをつけるのを妨げた。彼は、自分の台詞を発するのも、バイデンの台詞に反応するのも軽快で、現職大統領と鋭い対照を示した。 トランプ大統領の攻撃は真実や政策に根ざさないものもあったが、問題はそこではない:バイデンは常時守勢に立たされた。バイデンはそれに応えようとする一方で、攻撃的な台詞をゆっくり、時には躓きながら発した。 トランプが2020年の選挙結果や各州で可決された中絶政策について予測可能なデマに傾倒しているときでさえ、バイデンは前任者を非難することも、自分でアレンジしルールを決めた討論会の主導権を取り戻すこともできないように見えた。 その差は歴然だった。トランプは、普段の虚勢を張った態度とは裏腹に、冷静に相手を串刺しにした。バイデン...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...

注目 中国の横暴さにフィリピンの忍耐も限界に近づいてきた。重傷者が発生し、マルコス大統領がさすがに遺憾砲では対応の限界と公言。相手によって対応を変える中共はヤクザ国家そのものだ

  日本を取り巻く海上安全保障問題でひんぱんに報道してくれるUSNI Newsがフィリピンと中国の海上対立の最新状況を伝えています。そしてマルコス大統領の直近の発言をWarrior Mavenが伝えています。遺憾とだけ繰り返している日本政府はこの事態をどう見ているのでしょうか。重症というのが本当なら、死亡発生を戦争行為と捉えるフィリピン政府の定義に一歩近づいていたことになり、安全保障条約で米国が巻き込まれる可能性が生まれかねません。それにしても中国の行為はまるでヤクザとで大国としての品格は全く感じられません。 中国沿岸警備隊の船舶21555と21551は、5月4日、フィリピン海軍が運営する民間チャーター補給艇ウナイザ号に対し、第2トーマス浅瀬への補給任務中に水鉄砲を使用。フィリピン沿岸警備隊のビデオからのスクリーンショット フィリピン船員が重傷、中国による南シナ海ミッション阻止で船舶が損傷 米 国防総省当局者がUSNIニュースに確認したところによると、中国軍が南シナ海でのフィリピン国軍の補給任務を妨害し、フィリピン水兵が重傷を負った。第2トーマス浅瀬のBRPシエラマドレ(LT-57)前哨基地に補給するフィリピン空軍の任務は、未知の数のフィリピン船舶に損害を与える結果にもなった。  フィリピンの船員が負傷したのは、「PRCの船舶が危険かつ故意に放水銃を使用し、突進し、妨害工作を行った」結果であると、USNIニュースに国防長官室報道官ピート・グエン米陸軍少佐が月曜日の声明で述べている。  第2トーマス浅瀬の海兵隊前哨基地への補給任務で、フィリピン軍関係者が中国軍によって負傷させられたのは、3例目となった。南シナ海では、中国とフィリピンの間で数々の事件が起きている。これらの衝突は、フィリピン人兵士の負傷を含むまでにエスカレートしており、最初に報告された事件では、3月の補給任務中に4人の船員が負傷した。  国防総省の声明では、どの船舶が関与していたかは明言されていないが、スタンフォード大学の国家安全保障革新ゴルディアン・ノット・センターのSeaLightプロジェクトのディレクターレイ・パウエルは、フィリピン沿岸警備隊の船舶BRP Bacagay(MRRV-4110)が第2トーマス浅瀬付近で活動しており、中国船に群がられているのを目撃した。この事件の報告時間中、他のフ...