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6月, 2024の投稿を表示しています

F-117ステルス戦闘機: アメリカ空軍の象徴はこうしてセルビアで撃墜された

  ステルス戦闘機F-117がセルビアでミサイルに撃墜された事件はショッキングでした。機体はロシア、中国により研究対象となり、その後両国でのステルス機開発を助けたのはご承知のとおりです。しかし、そもそもセルビアは旧式装備でどうやって驚異のステルス機を撃破できたのでしょうか。答えはNATO軍の慢心と、現地の防空部隊指揮官の型破りの運用方法にあります。National Interest記事からのご紹介です。 デール・ゼルコ中佐操縦のF-117ナイトホーク"サムシング・ウィキッド"は、セルビア上空での連合軍の作戦中に1999年3月27日、ゾルタン・ダニ大佐指揮下のミサイル部隊が発射したS-125Mネヴァにより撃墜された   -ステルス性にもかかわらず、同機は予測可能な飛行パターンのまま低帯域幅レーダーの革新的な使用で待ち伏せされた -この事件は、ステルス技術の課題と脆弱性を浮き彫りにした -ゼルコとダニは後に出会い、友人となった セ ルビア軍のミサイル司令官はステルスF-117ナイトホークを撃墜に成功した。  1999年3月27日午後8時、セルビア上空の夜空を黒塗りの飛行機が切り裂いた。F-117ナイトホークは、世界初のステルス機として運用された亜音速攻撃機で、コールサインはVega-31。その数分前、ユーゴスラビアの首都ベオグラード近郊の標的に2発のペーブウェイ・レーザー誘導爆弾を放ったばかりだ。スロボダン・ミロシェビッチ大統領がコソボ・アルバニア系住民を追放しようと残忍な民族浄化作戦を開始したため、ベオグラードに圧力をかけコソボ州から軍隊を撤退させることを目的としたNATOの爆撃作戦の一環である。  ユーゴスラビア国軍(JNA)は、1950年代から1960年代までさかのぼるS-75とS-125地対空ミサイル・システムに加え、最新の2K12カブ移動式SAMとMiG-29フルクラム双発戦闘機を保有していた。これらを合わせると、NATO戦闘機にとって中程度の脅威となり、より高い高度で飛行し、EA-6Bプラウラーのようなレーダー妨害機による護衛を余儀なくされた。  しかし、その夜、プラウラーは悪天候のため着陸していた。サムシング・ウィキッドと僚機は、レーダーで探知され、銃撃される可能性があったが、とにかく派遣された。  突然、ゼルコは眼下の雲を突き破り、音

イランを含む65カ国が紅海でのフーシによる攻撃の影響を受けている:米情報機関

  いつまでたっても衰えないフーシ派の攻撃により、スエズ運河経由ができず喜望峰経由という遠回りを強いられるなど、テロリスト勢力が世界経済にも影響を与えているのはご承知のとおりです。Breaking Defenseが現時点での影響の広がりをDIAによるまとめを紹介してまとめてくれましたのでお知らせします。 「フーシ派は地域の安全保障を損ない、国際人道支援活動を妨げ、世界の海上貿易にストレスを与えている」(DIA報告書) Imagery released by US Central Command shows what the command says was a deadly attack by the Houthis on a Liberian-owned vessel on March 6, 2024. (US Central Command) 紅 海におけるイランの支援を受けたフーシ派による攻撃は、65カ国とエネルギー・海運会社29社の利益に影響を及ぼしている。  イエメンが拠点のフーシ派は、エルサレムのガザ攻撃に対抗してイスラエルに関連する船舶を標的にすると公言しているが、報告書によれば、「攻撃の多くは、イスラエルとの関係が希薄な、あるいは全く知られていない民間船舶や寄港地に対するものである」という。報告書によれば、アメリカ、イギリス、トルコ、ロシア、中国、カタール、そしてフーシ派の主要な支援者とされるイランなど、数十カ国が銃撃戦に巻き込まれている。  2023年以来、フーシはミサイルやドローン、さらには無人水上艦船を使い、中東の重要な航路で商業船舶を攻撃している。  報告書は、「国際的な正当性を訴えているが、フーシの行動は地域の安全保障を損ない、国際的な人道支援活動を妨げ、世界の海上貿易にストレスを与えている」と述べている。  2023年12月、アメリカは「プロスペリティ・ガーディアン」作戦を開始した。これは商業船舶を防衛する多国籍作戦で、空や水上から脅威を叩き出すことも含まれる。一方、米英はイエメンのインフラにあるフーシ派の施設を積極的に直接攻撃の対象としている。欧州連合の防衛活動アスピデス作戦もあるが、フーㇱの攻撃は続いている。  攻撃は貿易や航路にも影響を及ぼし、主要な海運会社やエネルギー会社合計29社が航路を変更せざるを得なくなり、保険料が跳ね上がっ

東アジア東南アジアで潜水艦の調達が加速中。各国別の状況をまとめてみた。だが、そもそも潜水艦を求める動きの背景の理由とは

  Breaking Defenseがアジア太平洋地区での潜水艦調達のブームを短くまとめています。もっとなっているのが中国の軍拡であることに注目すべきでしょう。潜水艦運用は選択肢としては魅力的ですが、運用には相当のレベルの技術と経験が必要ですので、一部国にとってはハードルが高いと言わざるを得ません。この動きがあと20年後にどんな結果を生んでいるかが楽しみですね 。 2023年9月28日木曜日、台湾・高雄のCSBC Corp.で行われたイベントで公開された台湾海軍のハイクン潜水艦。台湾は、中国による侵略を食い止める準備として、自国建造で初の潜水艦を公開した。(I-Hwa Cheng/Bloomberg via Getty Images) 今年、新しい潜水艦を進水させる地域内の同盟国がある一方で、購入計画を立てている同盟国もある 中 国の潜水艦艦隊の増強やAUKUSの議論が長引く中、東アジア諸国が潜水艦への投資を続けている。地域で緊張が高まる中、ライバルに対抗し、自国の国益を守るため、潜水艦を増設したり、取得する動き我見k著だ。  こうした計画の多くは以前から動き出していたが、東アジアの安全保障の見通しが悪化するにつれ、その関心は強まるばかりだ。北東アジアと東南アジアによる大規模な投資によって、この地域は「海底戦争開発の温床」となっていると、国際戦略研究所(IISS)は2月に発表した最新の軍事バランス報告書で述べている。  世界最大の群島国が存在するこの地域では、潜水艦はシーレーンの制海権と防衛に役立つため、特別な関心を集めている。差別化を図る海軍にとって、潜水艦は威信の問題であったり、近隣諸国と歩調を合わせる手段であったりする。IISSの報告書によれば、この地域のある国々は「既存の能力を向上させるため」に、また「政治的な不確実性に対する保険として、海軍の海中兵力を増強するため」に、新たな潜水艦を望んでいる国もある。これらの国が運用している、あるいは建造している潜水艦の能力はさまざまだが、海へのアクセスによって定義される地域において、これらは大きな意味を持つ増強である。  北東アジアでは、アメリカの最も親密なパートナー数カ国が、先進的な潜水艦を海に投入している。その中で最も注目を集めたのは、 台湾 初のハイクン級潜水艦だ。2月下旬の海上公試開始まで港湾受け入れ試験が行わ

中国が「ドローン空母」艦艇を建造中でテストに使用? PLAの「学習」マインドを示すものと注目する アナリスト

中国は新興勢力であり、これまでの実績の延長にとらわれず、自由な発想が可能なのでしょう。空母に関しても超大型空母の概念から離れられない米国と違い、とんでもない装備が出現してもおかしくないわけです。一方で、米国のデッドコピーのような大型空母の建造も進めているのですが、これは色々試すと云う精神のあらわれなのでしょう。とはいえ、こうした観測記事で逆に米国に新しい発想をまきおこそうという意図もあるのかもしれません。Breaking Defense記事からご紹介しましょう。 Chinese president Xi Jinping and a PLA Navy honor guard await the King of Bahrain (Photo by Feng Li/Getty Images) その通りなら、習近平国家主席と部下は、「柔軟で革新的な真の能力を示している」ことになる。革新が全部成功する保証はないが、挑戦する意欲が重要だ」と中国の防衛専門家ディーン・チェンは語る 中 国がドローン専用と見られる小型空母を上海江蘇造船所で建造している可能性がある。  同艦は、ミッチェル航空宇宙研究所の上級研究員で元米海軍情報将校のジョン・マイケル・ダームの分析に基づくNaval News報道で今週明らかになった。双胴船で、どんな種類の空母にも似ていない。ダームは本誌へEメールで、同艦が「完成して運用されるまでは、おそらく真の目的はわからないだろう」と認めている。  しかし彼はまた、もし同艦がドローン空母であれば、「PLAN『青軍』は、これまで我々が船から発進させてきたヘリコプタードローンの代わりに、固定翼ドローンを海上で発射・回収できるようになる」と述べた。同艦は、「固定翼ドローンの運用試験と評価に貢献するかもしれない。これは、最終的に中国の新型075型ユーシェン級強襲揚陸艦にドローンを搭載するのをサポートするかもしれない」と述べた。  ダームは、中国では「PLAは "赤 "部隊であり、"敵 "または反対勢力は "青"部隊である」と説明した。つまり、実験やテストに使用されるということだろう。  外国の軍隊を監視する役割を担う国防情報局からは、本誌記事の発表時点で、コメントは得られなかった。  中国軍の専門家ディーン・チェン

A-50を空中で撃破していたのはやはりウクライナ国内から発射したペイトリオットミサイルであったことが判明

  前回お伝えしたようにここに来てロシア法廷はA-50は非武装機で無害の存在なのにウクライナ軍が撃墜したとし、部隊指揮官を欠席のまま訴追することで、ウクライナ軍ミサイル部隊の関与を認めています。そこに今回は米陸軍幹部からペイトリオットミサイルの使用を確認する発言が出たわけです。The War Zone記事からお伝えします。 The Beriev A-50U ‘Mainstay’ airborne warning and control system (AWACS) aircraft based on the Ilyushin Il-76 transport aircraft belonging to Russian Air Force in the air. ‘U’ designation stands for extended range and advanced digital radio systems. This aircraft was named after Sergey Atayants – Beriev’s chief designer. (Photo by: aviation-images.com/Universal Images Group via Getty Images). ロシアのA-50レーダー機はペイトリオット・ミサイルが撃墜したと米陸軍将校が確認 米陸軍大佐は、1月にウクライナのペイトリオットの「SAMbush」でA-50を墜落させたと説明してくれた 米 国製のペイトリオット防空システムが、1月14日にアゾフ海上空でロシアのA-50メインステイ空中早期警戒管制機(AEW&C)を撃墜した。この高価値の航空機は、ロシアが即座に入手できる数少ない航空機のひとつであり、5週間の間に2機が墜落した。以前、ウクライナの当局者が本誌に確認したところによると、2機目のA-50はソ連時代のS-200(SA-5ガモン)長距離地対空ミサイルで墜落されたという。  先週開催された米国野戦砲兵協会のファイヤーズ・シンポジウム2024のパネルで、第10陸軍航空・ミサイル防衛司令部参謀次長のロザンナ・クレメンテ大佐は、最初のA-50がドイツが提供したペイトリオット・システムにより墜落したことを確認した。  クレメンテ大佐は「ウクライナでは今、ペイトリオット

就航開始から70年、納入実績が2,700機となったC-130ハーキュリーズ

就役から70年、生産累計2千700機とダブルで記録を更新したハーキュリーズは自由世界の軍事輸送を支える文字通りの力持ちだ。メーカーのロッキード・マーティンの声明文とAlert 5から今回の記事を構成しましたのでご覧ください。 The 2,700th C-130 Hercules has joined the global fleet, marking a significant achievement in tactical airlift. This landmark aircraft is a KC-130J Super Hercules is now part of the U.S. Marine Corps Aerial Refueler Transport Squadron 252 fleet at Marine Corps Air Station Cherry Point, North Carolina. A KC-130J Super Hercules flies over Marine Corps Air Ground Combat Center, Twentynine Palms, California, Feb. 2, 2021. Marines with Marine Aerial Refueler Transport Squadron 252 (VMGR-252) trained in an unfamiliar environment in order to increase proficiency in critical mission skills such as aerial refueling, complex maneuvers, and logistical support. VMGR-252 is a subordinate unit of 2nd Marine Aircraft Wing, which is the aviation combat element of II Marine Expeditionary Force. (U.S. Marine Corps photo by Sgt. Servante R. Coba) 2 ,700機目のC-130ハーキュリーズが世界の航空機に加わり、戦術的空輸の世界で重要な功績を

ウクライナ戦の最新状況:ドローン対ドローンの空中戦が展開されており、新しい戦争の姿を示している

  戦争が新しい戦術や技術のテストの場となることはよくありますが、ウクライナではドローン対策として別のドローンが迎撃したりとドローン同士の戦いが展開されています。ここから次にどんな技術が生まれるのか、注目されますね。The War Zoneがウクライナ戦の最新状況をまとめてくれましたのでお知らせします。(元記事は6月19日に米国で発表されたものであり、ウクライナ現地時間で6月18日までの出来事をまとめているものと思います) A screencap from the Signum unit’s First Person-View (FPV) drone encounter with a Russian Lancet drone. Via Telegram wer, which you can see flaming in the video below. ウクライナ情勢報告: ドローン対ドローンの空中戦が活発化 ウクライナは一人称視点ドローンでロシアのドローンを空から叩き出しており、ドローンの空対空戦闘が過熱してきた ウ クライナは、部隊の機動性や防衛線の設置、防空システムの構築を非常に困難にするドローンの蔓延に対抗するため、高機動性のFPV(First Person-View)ドローンを使い、ロシアの空中ドローンへの攻撃を強めている。  「ウクライナのチーム複数が、FPVを使用して敵の偵察ドローンを迎撃するシステムに取り組んでおり、実際に公開されている動画が増えていることから判断すると(常に公表されているのは実際の出来事の半分以下)、進展があるというだけでなく、体系的な現象になりつつある」とウクライナ最高議会ヴェルホヴナラーダの国家安全保障・防衛・情報委員会副委員長のユリイ・マイシャギンが先週、自身のテレグラム・チャンネルで述べた。  ウクライナの第93機械化旅団「シグナム」は火曜日、ロシアのランセット弾を発見したFPVドローンが、接近していく映像を公開した。FPVがランセットに衝撃を与えた視覚的証拠はないが、ビデオの最後には地上で破壊されたランセットの静止画が映っている。  このビデオには、空中のランセットの驚くべきクローズアップ映像があり、そのスクリーンショットを下に掲載した。 シグナム部隊のFPVドローンとロシアのランセットとの遭遇のスクリーンショット。テレグ