ロシアのキーロフ級巡洋戦艦の悲惨な状況はさらに悪化しつつある(19fortyfive)―なんでも大きければいいと単純に考えるのがロシアや中国で特徴的な思考スタイルですが、格好の標的になっていることに気づかないのでしょうね。
キーロフ級巡洋戦艦。 クリエイティブ・コモンズの画像。
キーロフ級戦闘艦は、かつて最大最速の水上艦艇として冷戦期に恐れられていた。現在はアドミラル・ナヒモフだけが残る。
同艦は20年に及ぶアップグレードを経て、1999年以来初めての海上試験が行われている
極超音速ジルコンミサイルや先進的な防空ミサイルで重武装のナヒモフだが、実戦での有効性について懐疑論に直面している
専門家筋は、旧式原子炉と、宣伝されている新システムの不確かな性能から、現代の紛争での同艦の実効性を疑っている
ロシアは戦闘で同艦を喪失するリスクを冒すより、北極圏で運用し領土主張の一助となると多くが予想している
ロシアのキーロフ級巡洋戦艦は冷戦の遺物か、それとも恐るべき敵か?
キーロフ級巡洋戦艦は、冷戦時代に空母を除けば、最大かつ最重量の水上艦艇だった。ロシアは当初5隻の建造を計画していたが、4隻に減らした。
建造された4隻のうち、残っているのはアドミラル・ナヒモフ1隻だけだ。 ナヒモフは20年以上にわたり大規模なアップグレードが施され、兵器と防御手段の大規模アップグレードを経て、ようやく海上公試を受けている。
合格すれば、1999年以来初めて艦隊に復帰することになる。
キーロフ級は、CONAS(原子力と蒸気の複合)推進システムを採用している 2基の従来型ボイラーが原子炉故障時のバックアップとして機能する。どちらのコンポーネントでも2つのギア付き蒸気タービンを駆動することができ、2つの支軸で120,000馬力(89MW)を発生する。キーロフの速力は31ノットを超えた。
米海軍に行動を迫ったキーロフ
当時、キーロフは世界最速の水上艦艇だった。ソ連海軍は、アメリカの空母戦力に対抗し、アメリカの潜水艦を攻撃するためキーロフを設計した。
米海軍はキーロフ級に匹敵する大きさの水上艦艇を持っていなかった。 冷戦時代、"空白地帯 "については常に話題に上っていた。しかし、米海軍はアイオワ級戦艦の復活を決定した。 一時期、ソ連海軍もアメリカ海軍も、第二次世界大戦初期から空母の時代が海を支配していたことを忘れていた。しかし、1980年代が終わると、ソ連は崩壊し、ロシアはキーロフ級巡洋戦艦を放置した。
戦艦の復権となるのか?
アドミラル・ナヒモフは、カリブ、オニキス、ジルコンの各ミサイルで重武装している。このうちジルコンは極超音速ミサイルで、ロシア側はマッハ8.0)を出すと主張している。
ロシアの主張が事実ならこれは世界最速のミサイルとなる。ロシアは、艦船防衛のためにS-350ミサイル防衛に加え、最新のS-400ミサイル防衛システムの海軍バージョンを追加した。プーチンは黒海で打撃を受けたブルーウォーター海軍の復権を狙っているようだ。
極超音速ミサイル「ジルコン」を搭載しているとはいえ、ナヒモフは現代の戦争でどれほどの効果を発揮するだろうか? 手短に言えば、あまり有効ではない。 現在行われている海上試験は、耐用年数を迎えようとしている古い原子炉に依存したままだ。
キーロフ級巡洋戦艦。 画像出典:クリエイティブ・コモンズ
海上公試に合格しても、プーチンが黒海で同艦や動かない空母を危険にさらすとは思えない。 ウクライナは黒海でロシア海軍の艦船を沈めることに長けている。そのような大規模な損失の恥ずかしさは、おそらくプーチンを窮地に追い込むだろう。
キーロフ級ナヒモフの今後
海上試験に合格しても ロシアはナヒモフを北方艦隊の一部として北極に配置するだろう。同艦は北極圏で力を発揮し、ロシア北端を守るだろう。
ナヒモフは供用期間を過ぎており、近代兵器を搭載することはプーチンにとってエゴの旅に過ぎない。1980年代のジョー・モンタナではなく、2025年のジョー・モンタナに、今年2月のスーパーボウルで優勝してほしいと頼むようなものだ。
ナヒモフは現代の戦闘艦でなく冷戦時代の遺物だ。現代の紛争では、フッドやビスマルクといった過去の戦艦と同じく海の底に沈むことになる。■
About the Author: Steve Balestrieri
Steve Balestrieri is a 19FortyFive National Security Columnist. He served as a US Army Special Forces NCO and Warrant Officer. In addition to writing for 19FortyFive, he covers the NFL for PatsFans.com and is a member of the Pro Football Writers of America (PFWA). His work was regularly featured in other military publications.
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