民間トラックに偽装したロケットランチャーがロシアに出現(The War Zone)―ロシアと北朝鮮の結託も醜悪ですが、そのロシアが常任理事国という国連体制がもっと問題で、日本人の国連に対する信頼度も低下してしまいました
Via X/KCNA
民間トラックの中に隠された多連装ロケット発射システムは、ロシアに到着した北朝鮮兵器の最新例となった
民生トラックに偽装された北朝鮮の多連装ロケットシステム(MLRS)が、ロシアのクルスク地方に出現したようだ。このユニークな車両の現地到着は、モスクワへの平壌の軍事支援の一環だろう。本誌は昨日、北朝鮮がロシア、特にクルスク地方で使用するため砲兵部隊やハードウェアの供給を増やしていると報告したばかりだ。民生用トラックのプラットフォームをベースにした『見え隠れする』MLRSは、北朝鮮では以前にも見られているコンセプトであり、イラク民兵が戦闘で使用したこともある。
民間トラックをベースにした北朝鮮のMLRSを映したビデオが、今日ソーシャルメディア上で流通し始めた。ウクライナとロシアの軍事ブロガーは、MLRSがクルスクで目撃されたと述べているが、映像が撮影された場所は確認できていない。
この映像のMLRSは、本誌が当時報じたように、平壌での軍事パレードで最初に注目された北朝鮮のものと同一であるように見える。2023年9月、北朝鮮建国75周年を記念するパレードで、同国の準軍事組織「労農紅衛兵」Worker-Peasant Red Guardは、民間トラックに偽装したMLRSを公開した。
2023年9月9日、平壌でのパレード中、コンテナトラックに隠された労農紅衛兵のロケットランチャー。 KCNA
問題の兵器は、発射管12本を備えた箱型トラックをベースにしており、122mm砲のロケット弾用と思われる。
パレードには、ロケットランチャーや対戦車誘導弾をトレーラーに積んだ農業用トラクターとMLRSのダンプトラックバージョンも含まれていた。
ロケット砲を搭載できる北朝鮮の偽装ダンプトラック。 KCN
対戦車ミサイル、ロケット砲、高射砲を取り付けたトレーラーを引く北朝鮮の民間トラクター。 KCNA
この種の兵器は北朝鮮の作戦戦術で非常に理にかなっている。朝鮮半島で紛争が勃発した場合、民間車両を装い行動に移る。いったん戦闘が始まれば、MLRSはもっと自由に歩き回ることができる。普通のトラックのように見えて、素早く発射し、移動し、それを繰り返すことで、敵の照準計画をより複雑にすることができる。
ウクライナの戦場では、民間トラックに偽装したMLRSもかなりの価値を持つだろう。これは、昨年夏に攻撃を開始したウクライナ軍に対してロシア軍と北朝鮮軍が反攻作戦を展開しているクルスク地域だけでなく、ロシアが支配しているウクライナ東部の大部分にも当てはまる。
MLRSが戦闘が行われている周辺を、必ずしもあからさまな疑念を抱かせることなく移動できるという事実は、大きな意味を持つだろう。また、これらの地域には広範な道路網が存在し、場合によっては民間人の往来に紛れ込むのに事欠かないことも、これを後押しするだろう。
ウクライナ軍はすでに、戦闘に投入されたロシア軍部隊(特に大砲や防空システム)を識別し、交戦させるためにかなりの資源を投入している。カモフラージュや隠蔽がもう一段必要になれば、それはさらに複雑になる。
ウクライナ紛争の教訓のひとつは、戦場やその周辺での装備の脆弱性、特にドローン攻撃への脆弱性であり、装備をできるだけ視界に入れないようにするか、少なくとも敵が何を見ているのか混乱させ、その後に標的を定める優先順位をつけることが大きなプレッシャーとなっている。
そのため、道路を移動するトラックが、実はロケット砲を隠している可能性もあり、まったく新しい動きが生まれる。
その一方で、この種の砲は従来のMLRSに比べ、既存の道路以外での機動性がはるかに低く、小火器や榴散弾に対する防御があるかどうかも不明だ。しかし、122mm「グラッド」ロケットは10マイル以上離れた目標地域を飽和攻撃できるため、前線の後方や、多くの従来の無人ビデオドローンの実用的な射程距離の範囲内で使用することができる。
平壌でのパレード中にコンテナトラックに隠された北朝鮮のロケット発射台の別の写真。 KCNA
北朝鮮がこの種のMLRSをロシアに送ったのは、入手しやすさのためか、あるいは何らかの戦闘試験かもしれない。
当面は、この種のMLRSが本当にクルスク地方にあるのか、あるとすれば誰がどのように使用するのかを確認するため、さらなる証拠を待つ必要がある。
しかし、このタイプのMLRSが戦闘で使用された前例はある。
2023年に本誌は、イランにより支援されたイラク武装勢力が隣国シリアの米軍主導の連合軍に対し、改造タンクローリー車内に偽装した即席の発射装置で122ミリ砲ロケット弾を発射したことを報じた。以下のソーシャルメディアへの投稿に見られるように、この車両が作動している様子を映したビデオクリップが登場した。
イラク軍の改造燃料タンクローリー車内に設置された即席ロケット発射管の内部。 少なくとも3発のロケットが発射管の中に残っているのが見える。 CENTCOM
2003年の米国主導のイラク侵攻直後から、イラク武装勢力の手には即席ロケットランチャーが隠されているのが数回目撃されている。その過程で、長年にわたり各種商用トラックがこのように改造されてきた。
一方で、見た目が無害のコンテナに武器を隠すコンセプトは、世界中で支持を集めている。
特にイスラエルとロシアは、輸送用コンテナに偽装したミサイル発射装置を開発し、通常の甲板貨物に紛れ込ませたり、工業地帯に隠して攻撃を仕掛けたりしている。
ウクライナに話を戻すと、つい昨日、北朝鮮がクルスクに増援部隊を間もなく派遣するとの情報をお伝えしたばかりだ。キーウの軍事情報部長が本誌に独占的に語ったところによると、増援部隊は、ミサイル部隊と砲兵部隊で構成され、通常、平壌がモスクワに提供中のKN-23短距離弾道ミサイル以外に、発射管とロケット砲システム多数を運用しているとのことである。
大砲は北朝鮮とロシアの両方の作戦を支援するために使用されると見られるが、ミサイルはロシアの目標用に確保される。ウクライナの防衛情報総局(GUR)の責任者であるキリロ・ブダノフ中将も、これらのシステムすべてについて北朝鮮がロシア軍兵士を訓練するだろうと語った。
北朝鮮が現在、特にクルスク地方で投入している数千名は別として、平壌はすでにロシアに、切実に必要とされている砲弾やその他の様々な種類の弾薬を含む、数百万発にのぼる膨大な兵器を供給している。
本誌はまた、ウクライナ戦争に北朝鮮製の170mm自走砲M1989コクサンが投入されていること、さらに最近では、北朝鮮製の移動式地対空ミサイル・システムが投入されていることを報じている。
繰り返すが、これらが北朝鮮軍のみで使用されているのか、ロシアに供給されているのかは不明である。はっきりしているのは、北朝鮮がロシアのウクライナ戦争への軍事支援を強化していることだ。■
Artillery Rocket Launcher Disguised As Civilian Truck May Have Just Appeared In Russia
A multiple launch rocket system concealed inside a civilian truck appears to be the latest example of North Korean weaponry arriving in Russia.
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