リサ・フランケッティ海軍作戦部長は、2027年に台湾を巡り中国と紛争が起こる可能性に備えるよう米海軍に命じている。良くも悪くも、現在の米国海軍は2027年にもほぼ今のままの状態で存在しているだろう。フランケッティが直前にどのような準備を行うことができるかが、新年の焦点だ。
国防総省には3つの予算が存在する。(厳密に言えば、議会は2025年度の予算案をまだ可決していませんが、わかりやすくするために、3月までに可決されると仮定する)つまり、来年度の実行予算は2025年度予算、議会で審議中の予算は2026年度予算、国防総省で策定中の2027年度予算だ。言い換えれば、海軍は2027年までに艦隊編成に意味のある変更を加える予算サイクルをあと1回残すのみであり、その変更はまだ公表されていない。コネチカット州選出の民主党下院議員ジョー・コートニーが好んで言うように、「艦船建造は長期戦だ」ということだ。今月初めに議会予算局のアナリスト、エリック・ラブスが指摘したように、劇的な変化を起こすのに1年という期間は十分ではない。
それでは、中国との潜在的な紛争に備えて、それまでに海軍は何ができるだろうか?海軍が提示した答えは、フランチェッティ提督が最近発表した「ナビゲーションプラン」に由来する。この計画には、海軍の焦点を2027年に定める先導的イニシアティブである「プロジェクト33」が含まれる。フランチェッティ提督は目標多数を掲げているが、特に注目に値するのは、CNOが80パーセントの即応態勢に重点を置いている点である。
「9月11日を思い出してください。突如として、さまざまな任務を遂行するために艦船を出航させる必要があることが分かります。航空、水上艦、潜水艦の各コミュニティを通じて、戦闘即応態勢にある艦船を認定し、必要なスケジュール通りに艦船を出航させることができるプロセスを確立したいと考えています」と彼女は昨年初めに記者団に語っていた。
確かに、それは価値のある目標のように思えるが、平時でさえ、ましてや戦時下では、運用テンポにメンテナンスが追いつかない海軍の苦悩は、よく知られている。 CNOは、前任者の多く、あるいは全員が、司令官室のそれぞれの同僚とともに、指揮を執っていた時に苦労したであろう問題を、迅速に克服しようとしている。
また、フランケッティは「より多くのプレーヤーをフィールドに」という表現を好んで使用しており、これは伝統的な軍艦の建造だけでなく、無人船の建造など、その他の取り組みにも言及している。海軍は2020年代前半に、無人水上・水中船を艦隊に組み込むための手順にかなりの時間と費用を費やした。また、第4艦隊を支援し海上パトロールするSaildronesのような成功例もある。2025年に注目するのは、無人船を艦隊への追加の勢いを維持できるかどうか、そして、有人艦隊とともに実戦に投入される無人船のニュースがいつ頻繁に聞かれるようになるか、という点だ。紅海で空母打撃群とともにフーシ派を相手にする任務は、南米沿岸の監視任務とは大きく異なる。
最後に、予算の問題がある。フランケッティの計画では、より多額の予算がなければ、海軍は「深刻な戦略的制約」に直面すると率直に述べている。海軍は、この1年間の厳しい財政状況に直面した際、将来の近代化予算を大幅に削減して予算を捻出した。次世代攻撃戦闘機開発の予算削減もその一つだった。
トランプ政権は国防費増額を要求すると考えられているが、共和党内部だけでもさまざまな派閥が存在する議会が、それに見合うレベルの増額を行うかは、まだわからない。海軍がどのような予算で対応するのかは、2025年の重要なポイントとなるだろう。
フランケッティは2027年までの日数を示すカウントダウンタイマーをオフィスに置いていると言う。中国と台湾に対するその意図は、CNOにとって明らかに最優先事項だ。彼女はそれを海軍の最優先事項としており、新年における最優先事項でもある。■
For the Navy, all eyes will be on the China-Taiwan question: 2025 preview
The time left for the US Navy to prepare for a conflict with China is deceivingly short.
By Justin Katz
on January 02, 2025 at 9:03 AM
本当に2027年に米中戦争を戦うならば、何を重点的に準備、整備すべきか、別の指針があるのだろう!?
返信削除この記事に書かれていることは、絵にかいた餅に過ぎない。あと2年でできることは限られている。艦船の現有勢力は、ほとんど変わらない。予算があっても間に合わない。新しい兵器は、テスト中で使い物になるか疑問。これでは、ナビゲーションプランは、CNOの引退前のアリバイに見える(失礼!)。トランプ政権になって、交代となるだろう。
だから、この記事の論調は、過大な期待を負わされたCNOに同情しているように見える。
海軍長官の嘆き節は、ひどいものであったが、CNOもこの記事のようでは、いざ戦争ともなればPLAにしてやられることになるだろう。米国の覇権の源は、海軍にあり、海軍の敗北は、深刻な問題を引き起こす。
だけども、習が、経済を衰退させ、PLA幹部の粛清に励んでいることは救いになる。2027年は、もしかすると2030年になるかもしれない。習が、策士であれば、粛清は見せかけで、真のPLA幹部は、戦争に備えているかもしれないが、その兆候もなさそうだ。
米軍は、オバマ、準備不足のトランプ、そして老いぼれバイデンの各政権を経るうちに弱体化している。ここは根本的な立て直しが必要だろう。時間は、あまりないが。