DDG(X)次世代駆逐艦の能力とコストが固まる(The War Zone)―ことごとく新型艦の建造でトラブルとなっている米海軍があれもこれもと要求しているのでしょうが、スムーズな建造にこぎつけそうもない気がしませんか。
海軍の水上戦責任者は、DDG(X)では発電容量、耐久性、先進兵器を優先するのが「クリーンシートの必須条件」だと言う
DDG(X)と呼ばれている米海軍の次世代駆逐艦がコンセプト設計の段階にあるが、同軍の水上戦担当ディレクターは火曜日、将来の艦船が多様な兵器システムを搭載し、同時にほぼ前例のないレベルの発電能力を備える必要性を改めて強調した。DDG(X)は、その前身であるアーレイ・バーク級を上回るシステムやアップグレードに対応できるようにする必要がある。
海軍は、DDG(X)の取り組みが現在どんな状況にあるのかについて口を閉ざしているが、本誌が参加したSurface Navy Associationの年次会議で、ビル・デイリー少将Rear Adm. Bill Dalyがプログラムの最新情報を発表した。
「DDG(X)は、作戦上、戦術上、造船上で必要だ。「DDG(X)の設計は、耐久性、発電容量と貯蔵、C5I(コマンド、コントロール、コミュニケーション、コンピューター、サイバー、インテリジェンス)、そして極超音速や指向性エナジーなど兵器技術を更新するクリーンシートの必須事項となる。
デイリー少将は、現在の主力駆逐艦の初号艦USSアーレイ・バーク(DDG-51)が1980年代後半に建造された当時と比較して、米国の家庭が消費する電力は40%増加しており、消費量の増加は艦船にも及んでいると指摘した。この電力需要の一環として、2025会計年度の国防授権法で、海軍は40メガワットの発電システムを調査するよう求めていると述べた。
「これは、DDG(X)で、迅速に正しく実現しなければならない必要な進化です」と彼は言い、海軍は法律で義務付けられているように、陸上で推進システムのテストを進めていると付け加えた。USNIニュースは2023年に、1億2200万ドルのフルスケールのDDG(X)統合推進システムがフィラデルフィアの海軍水上戦センターでテストされると報じていた。
TWZは過去に、DDG(X)の統合動力システム(IPS)が何を提供するかを報じた:「IPSは、指向性エナジー兵器と強力なセンサー・アレイの両方の発電需要の増加に対応するためにも不可欠である。IPSの背後にある技術は、ズムウォルト級駆逐艦に見られるものと同じで、先進的なターボ電気駆動システムが従来のガスタービン推進装置に取って代わる。ズムウォルト級は3隻しか建造されず、成功作とは言えないが、その推進システムは75メガワット以上のパワーを出す強力なものである」。
デイリー少将はDDG(X)に搭載される正確な兵器システムはまだ未定であることを示唆したが、本誌は長距離地対空ミサイルや極超音速ミサイル、指向性エナジー兵器が含まれる可能性が高いことを報告している。 現在までのところ、このような高レベルの発電が可能な唯一の海軍水上戦闘艦はズムウォルト級のみで、中距離通常即攻撃(IRCPS)極超音速ミサイルを発射するランチャーを装備している最中である。
駆逐艦USSズムウォルト(DDG-1000)は先月、極超音速ミサイルの発射を可能にするアップグレードを受けて艦隊に復帰した。 (HII)
海軍海上システム本部(NAVSEA)は、将来の艦艇デザインの進化に関する本誌の問い合わせに回答していない。しかし、海軍のプログラム・エグゼクティブ・オフィス(PEO)の餞別パーティーに関するLinkedIn投稿で、ケーキの上のDDG(X)の写真が掲載されており、Mk45 5インチ主砲はもはや艦首にはなく、海軍が過去に公開した未来艦の画像と対照的である。
ネイヴァルニュースのカーター・ジョンソン記者は、DDG(X)のケーキのレンダリングに主砲がないことを最初に報告し、Mk41垂直発射システム(VLS)ミサイルモジュールの配置換えや、正面を向いた艦橋の窓の変更なども示している。現時点では、このケーキが艦の現在のデザインを反映したものなのか、ケーキ職人の自由な発想によるものなのかは不明だ。
いずれにせよ、DDG(X)はバーク級以上の大型艦として計画されており、12月の議会調査局(CRS)の報告書によれば、最新フライトIIIアーレイ・バークの9,700トンより40%近く大きい13,500トンになる。
DDG(X)は、フライトIIIイージス戦闘システムと、航空ミサイル防衛レーダー(AMDR)またはエンタープライズ航空監視レーダー(EASR)としても知られる高出力AN/SPY-6レーダーを搭載するが、DDG(X)はフライトIII以上に成長する余地がある。
USSジャック・H・ルーカス(DDG-125)のAN/SPY-6レーダー。 (RTX)
海軍関係者はCRSに対し、「DDG51フライト(FLT)III(の設計)は高い能力を持つが、40年以上の生産と30年以上のアップグレードを経て、[DDG-51]の船体形状は、これらの将来の能力をホストするのに十分なスペースと重心マージンを提供していない」と述べた。
DDG(X)はまた、赤外線、音響、水中電磁シグネチャーの低減を特徴とし、生存性を高める。さらに、燃料効率向上により航続距離が長くなり、洋上給油の必要性が減少することが期待されている。DDG(X)は、その前身と比較して武器容量も増加する予定である。
「海軍は、ベースラインDDG(X)の設計は、フライトIII仕様のDDG-51と同様に、96個の標準垂直発射システム(VLS)セルを含み、96VLSセルのうち32個の代わりに大型ミサイル発射セル12個を組み込むことができると述べている」とCRSの報告書は述べている。「また、21セルのローリング・エアフレーム・ミサイル(RAM)発射装置を2基搭載し、駆逐艦ペイロード・モジュールと呼ばれる船体中部を追加することで、さらなるペイロード容量を提供することも可能である。
水陸両用ドック艦USSアンカレッジ(LPD-23)から発射されたRIM-116ローリング・エアフレーム・ミサイル(RAM)。 (米海軍)
それでも、CRSによれば、DDG(X)での海軍の野心的な計画は、中国が今後数年のうちに台湾に侵攻する可能性があると警告しているにもかかわらず、犠牲を伴うものだ。 海軍の2025年造船計画では、DDG(X)の建造開始は2032年となっていたが、海軍は後にCBOに対し、建造開始は2034年以降になると報告している。
CBOによれば、海軍は28隻のDDG(X)を1隻あたり平均33億ドルで購入したいと考えている。しかし、DDG(X)に搭載されるサイズと新技術を考慮すると、CBO評価では、各艦は平均44億ドルかかるとしている。 CBOはまた、フライトIIIでは1隻あたり25億ドルに膨れ上がり、将来的にはさらに大幅なコスト増が見込まれるとしている。
DDG(X)の最終的なサイズと能力に関する不確実性は、最終的なコストが海軍とCBOとで見積もりが大幅に異なる可能性があることからわかる。
DDG(X)は、水上艦隊の現在の能力と比較して、ゲームを一変させるプラットフォームであることを示している。しかし、DDG(X)が具体的にどのような分野に活用されるのか、また海軍と産業界が予算内で期限内にDDG(X)を納入できるのかは、まだわからない。■
DDG(X) Next-Generation Destroyer’s Capabilities And Costs Are Solidifying
The Navy’s head of surface warfare says DDG(X) is a "clean-sheet imperative" that will prioritize electricity production, endurance and advanced weapons.
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