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米空軍T-7Aレッドホークの生産段階を2026年に先送り、ボーイングの苦労を増やしている同機の最新状況について(The Aviationist)―日本も導入を検討していると言われる同機ですが、やはりボーイングの遅延に悩まされかねません


T-7 Milestone C delay

カリフォーニア州エドワーズ空軍基地上空を飛ぶT-7レッドホーク試作機2機。 (画像クレジット:Christian Turner/U.S. Air Force)


空軍がボーイングT-7Aレッドホーク練習機を取得するための調整プロセスを発表し、生産開始の決定が1年延期された事が判明した。

 米航空宇宙大手のボーイングとスウェーデンのメーカーであるサーブの合弁事業であるT-7レッドホークは、2018年に米空軍の将来のジェット練習機として選定された。この共同事業では、KAIと組んでT-50ゴールデンイーグルを提供するロッキード・マーティン、M-346から派生したT-100を提供するレオナルドを押さえ、ボーイングがT-Xプログラムの競争を勝ち抜いた。

 当初は2023年から24年に就役する予定だった同機の初期運用能力(IOC)は、現在2027年に予定されている。T-7はノースロップT-38タロンの後継機となる。

 2025年度米空軍予算が2024年に承認された際、T-7レッドホークのロット1生産契約は2025年に締結の予定だったが、生産仕様の機体購入は2026年まで延期されることが最近明らかになった。2025年予算では、発注予定数は14機から7機に減少していた。

 空軍は生産仕様機体の前に、2025年度に4機の生産代表試験機(PRTV)を調達し、2026年度に納入される予定である。この試験機材により、ボーイングは運用可能な量産機の製造開始前に、製造プロセスを改良することができる。また、航空教育訓練本部(AETC)がIOCに先立ち、同型機でさらなる試験を実施し、より詳細な情報を得た訓練カリキュラムを開発するためにも活用される。

 このマイルストーンに向けた準備はPRTVで継続できるため、2027年に予定されているIOCは、生産プッシュバックの影響を受けない見込みだ。

 アンドリュー・ハンター空軍次官補(取得・技術・ロジスティクス担当)によると、今回の修正計画は「リスクを軽減し、航空機設計への信頼を高める」ために実施されるという。

 ハンターはさらに、「これらの取得アップデートは、テスト容量を拡大し、AETCのカリキュラム開発活動の開始を可能にし、2018年に署名された契約に含まれていなかった緊急の問題に対処し、プログラムの要素を加速するためにボーイングにインセンティブを与える管理アプローチを使用することを含む」。と付け加えた。


T-7のトラブル

レッドホークでは、サプライチェーンの遅延、品質管理、射出座席システムのトラブルなど、顕著な問題数点で影響を受けている。 また、高い迎角でロールが不安定になるという問題も報告されている。ボーイングによると、これはソフトウェアのアップデートによって改善されたという。

 当時、本誌が考えていたのは、2024年12月にアメリカ空軍に引き渡されたT-7Aの最終試作機であった。その時点では、生産契約を結ぶかどうかの決定は2025年2月までに行われる予定だった。

 米空軍は、2034年までに合計351機のT-7Aレッドホークを調達したいとしている。生産合計が1,189機のT-38タロンのうち、約500機が現在も米軍で使用されている。 これではT-7の発注規模が不足しているように見えるが、レッドホークの主な目的は空軍のパイロット訓練要件を満たすことであることに留意すべきである。一方、T-38タロンは、装備品の試験、テストパイロットの指導、脅威のシミュレーションなど、さまざまな役割を担っている。

 U-2ドラゴンレディとB-2スピリットのパイロットが、それぞれ貴重な最前線機の機体寿命を犠牲にすることなく飛行時間の要件を維持できるようT-38タロン多数がビール基地とホワイトマン基地に配備されている。

 ボーイングの望みは、米国および海外の顧客向けに相当数のT-7を製造することであるが、これまでのところ、米空軍向けを超える確定注文は確保できていない。日本、オーストラリア、セルビアへ売却の可能性があると言われている。

 スペインはT-7を、KAIのT-50およびレオナルドM-346とともに、ノースロップSF-5M練習機の後継機として検討した。 F-5をベースにした練習機は、T-38タロンと同じ系譜を受け継いでいる。スペイン空軍はトルコのヒュルジェットHürjetを採択した。

 イギリスに売却される可能性もある。航空参謀総長でイギリス空軍のトップであるリッチ・ナイトン空軍大将は最近の講演会で「ホークから必要なものを得ていない。ホークT2は、大成功を収めたBAEホークの設計を発展させたが、ロールス・ロイスのアドゥール・ターボファン・エンジンで問題に直面し、機体が使えず地上待機の原因にさえなっている」とし、 公式には2040年に供用収量とされているが、ナイトンは「できる限り早くホークT2を置き換えたい」と述べた。

 しかし、この契約は他のメーカーとの激しい競争を引き起こすだろう。レオナルドのM-346は、イタリアとイギリスによるグローバル・コンバット・エア・プログラム(テンペスト)戦闘機の将来的な運用だけでなく、同国における同社の既存のプレゼンスを活用することができる。

 T-7の軽戦闘機バージョンは、ノースロップF-5のようなタイプを現在も運用している国の代替機となる可能性があるとして、ボーイングが提案しているが、生産可能な構想はまだ示されていない。■


USAF T-7A Red Hawk Production Phase Pushed Back to 2026

Published on: January 15, 2025 at 9:23 PMFollow Us On Google News

 Kai Greet

https://theaviationist.com/2025/01/15/t-7a-red-hawk-production-pushed-back-to-2026/





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