F-35がAI対応ドローン・コントローラー能力の実証に成功(The War Zone)―有人機による無人機編隊の統制機能で開発が進展しており、F-35の存在が重要になるというロッキードにとって好都合の記事ですね。
Lockheed Martin
F-35とF-22のパイロットが共同戦闘機他のドローンを制御する新たな能力が生まれる
ロッキード・マーティンによると、ステルスF-35統合打撃戦闘機は現在、人工知能対応システムの助けを借り、米空軍の将来の連携戦闘機(CCA)のような高度な無人機の飛行中の「クォーターバック」として機能する能力を実証しているという。同社のテストでは、タッチスクリーンタブレットのようなデバイスで、F-35やF-22ラプターのコックピットから無人航空機編隊を同時にコントロールするための実用的なインターフェースであることも示されているという。米空軍にとって、乗員付き航空機のパイロットが作戦中にどのようにCCAを管理するかが重要な問題として浮上している。
F-35とF-22に関連する乗員-非乗員チーム編成の開発に関する詳細は、ロッキード・マーティンが昨日発表したプレスリリースに含まれており、2024年における同社の各種成果をまとめている。
F-35は「米空軍の将来の共同戦闘機の艦隊を含むドローンを制御する能力を持っています。ロッキード・マーティンと業界パートナーは、将来のF-35飛行試験用に構築されたハードウェアとソフトウェア・アーキテクチャを利用して、飛行中のドローンを制御するAI技術のシームレスな統合を含むエンドツーエンドの接続性を実証しました」とプレスリリースは述べている。「これらのAI対応アーキテクチャにより、ロッキード・マーティンは、パイロットドローンチーミング能力を証明するだけでなく、それらを段階的に改善し、米空軍のシステムファミリーのビジョンを実現することができます」。
「ロッキード・マーティンは、F-35またはF-22のコックピットから複数のドローンを制御可能なドローン向けチーミングインターフェースを実証しました」。「この技術は、パイロットが第5世代航空機のコックピットでタッチスクリーンタブレットから複数のドローンを指示し、敵と交戦することを可能にします」。
ボーイングMQ-28ゴーストバットと一緒に飛ぶF-22ラプターステルス戦闘機を描いた米空軍の画像。 アメリカ空軍 F-22ラプターと一緒に飛行するMQ-28ゴーストバットを描いたアメリカ空軍のイメージ。 アメリカ空軍
プレスリリースはまた、ロッキード・マーティンの有名なスカンクワークス先端プロジェクト部門が、アイオワ大学のオペレーター・パフォーマンス研究所(OPL)と共同してサロゲート・プラットフォームで行った、乗員・非乗員のチーム化作業にも焦点を当てている。OPLは米軍だけでなくシールドAI含む他企業とも協力し、高度な自律性とドローン開発の取り組みを支援している。
2024年11月、ロッキード・マーティンは、L-39アルバトロス・ジェットに乗った人間コントローラーがタッチスクリーン・インターフェイスで、代理ドローンとして機能するAI対応飛行技術を搭載した2機のL-29デルフィン・ジェットに命令し、模擬敵戦闘機と交戦させるテストをOPLと実施した。これは、同社が現在F-35で実証しようとする制御アーキテクチャに非常に似ているようだ。
L-39ジェットの後部座席で、ドローンに模したL-29えh指令を出す「バトル・マネージャー」。 ロッキード・マーティン
空軍のCCAプログラムに関しては、この取り組みは現在、反復開発サイクルを中心に構成されており、アンドリルAndurilとジェネラル・アトミックスGeneral Atomicsがインクリメント1と呼ばれる開発サイクルのもと、ドローンを開発している。その他請負業者数十社は、自律技術や制御システムを含む補助的な開発に取り組んでいる。空軍はまだインクリメント2の要件を絞り込んでいる段階だが、より能力の高い無搭乗機の設計を求める傾向が強まり、コストも上昇する見込みだ。ロッキード・マーティンは昨年、インクリメント1で非常にステルス性の高い「金メッキ」ドローンを売り込んだが、それ以降は低コストで消耗品設計に焦点を絞っていると述べている。
ジェネラル・アトミクス(上)とアンドゥリル(下)がCCAプログラムのインクリメント1の一環で開発中のドローンの模型。 ジェネラル・アトミクス/ジェイミー・ハンター
空軍関係者によると、同軍は最終的にインクリメント1のCCAを100機から150機、すべてのプログラム・インクリメントで数千機のドローンを購入する可能性があるという。F-35はまた、無人偵察機で予想される最初の有人機として特定されている。ロッキードのスカンク・ワークスは、CCAコンセプトが公的に成文化される以前から、友人無人機のチーム編成に関する構想を明らかにしていた。
空軍はまた、CCAドローンを作戦的に使用する新しい作戦概念や戦術、技術、手順を編成しようとしている。ドローンがどのように空軍の戦力構造に適合し、日常的な訓練やその他の平時活動で活用されるのか、またメンテナンスやロジスティクスはどうなるのかも、まだ見えていない。飛行中の指揮統制に関する疑問は、近い将来に答えを出すべき特に重要なものとして浮上している。
フランク・ケンドール空軍長官は、昨年9月に開催された航空宇宙軍協会(AFA)の年次総会で、本紙含む記者団に語った。「我々は今、もっと大きな数を話している。航空優勢を達成し、他のミッションを行うために、乗組員のいるプラットフォームと協力して、乗組員のいない航空機への依存度を高める方向に進んでいる。
「CCAを使用し、武装させ、......殺傷力を持たせるのであれば、厳重に管理しなければならない。そして、その要素のひとつが、安全で信頼性の高い見通し通信で重要だと思う。航空機が無制御のまま出撃して交戦する事態は避けたい」と空軍の文民トップは付け加えた。「通信が途絶えた場合、デフォルトで基地に戻ることになり、戦闘から離脱することになる。そうなってほしくない。そして、戦闘に参加するときは、厳重な管理下に置きたい。だから、有人機と無人機を混在させるのが、当面の正解だと思う」。
ロッキード・マーチンがタブレットベースのコントロール・インターフェースに関する研究を宣伝しているように、現在、パイロットがコックピットから物理的に命令を出したり、ドローンを管理する方法について、重要な議論が行われている。
ジェネラル・アトミクスが公開したタブレット型デバイスのドローン制御システム。 GA-ASI
「空軍内部でも、(他の航空機からドローンを制御する)正しい方法については、さまざまな意見があります」と、当時スカンクワークスのトップだったジョン・クラークも、2024年9月のAFAの集まりで、本誌などに語っている。「しかし、普遍的な考えとしては、タブレットやその他のタッチベースのインターフェースが、実験を開始する最も早い方法かもしれません。ただし、最終的な状態ではないかもしれない。
「負担を最小限に抑えるオプションとしてタブレットさえ廃止したものに取り組んでいます」 とクラークは付け加えた。
「航空戦闘司令部とは、タブレットから始まりました...空軍には控えめながらコントロールを確保したいという考えがありました」と、ジェネラル・アトミクスのアドバンスド・プログラム担当副社長マイケル・アトウッドは、2024年にThe Mergeポッドキャストに出演した際に語っていた。「タブレットを搭載したジェット機で飛行したことがありますが操縦は本当に大変だった。ましてや、機内の兵器システムを操作しながら、別のことを空間的、時間的に考えるのは」。
F-35のコックピットには、先進的なワイドエリア・デジタル・タッチスクリーン・ディスプレイが搭載されている。F-35のテクノロジー・リフレッシュ-3(TR-3)コンフィギュレーションは、来るべきブロック4のアップグレードをサポートするソフトウェアとハードウェアのバックボーンを提供するもので、強化されたパノラマ・コックピット・ディスプレイも含まれる。レイセオン(現在の正式名称はRTX)の一部門であるコリンズ・エアロスペースは昨年、以下のような派手なCGビデオを公開した。これには、F-35のコックピット内ディスプレイがこの目的に使用されることも含まれていた。タブレットのようなデバイスを使った指令発信の様子も描かれている。
近くのドローンに指令を出すためにF-35のコックピット内ディスプレイが使用されていることを示すコリンズ・エアロスペースのビデオのスクリーンキャプチャー。
さらに、CCAや同様のドローンを含む作戦をサポートするため、またF-35やF-22が空中管制官の役割で効果的に運用するために必要となる安全な通信アーキテクチャについては、まだ多くの疑問がある。F-35は、この目的のために一般的な無指向性のリンク16ネットワークを使用できるが、これにより対戦相手は同機とドローンを探知しやすくなる。長い間、リンク16によるデータの送受信しかできなかったF-22も、同様の問題に直面している。
JSFとラプターは、それぞれ多機能アドバンスド・データリンク(MADL)と飛行中データリンク(IFDL)という、特殊な指向性の低迎撃確率/低検知確率(LPI/LPD)データリンクを搭載している。しかし、MADLはIFDLと「会話」ができず、その逆もまた然りで、どちらも他のリンクと直接通信することはできない。ロッキード・マーティンと米軍は近年、MADLとIFDLの間、およびこれらのリンクと他のリンク(他の乗員・非乗員の航空機に搭載された通信ゲートウェイノードを経由したものを含む)の間で「翻訳」する方法を集中研究している。いずれにせよ、ドローン自体にMADLやIFDLを装備することで、高度に安全で妨害耐性のあるコマンド・リンクを直接結ぶことが可能になる。例えば、XQ-58がMADLを装備しているのを試験中に見たことがある。ドローンをトランスレーターや再ブロードキャスト・ノードとして使用することも同様に機能する可能性がある。
IFDLとMADL間の一般機能を説明するブリーフィングスライド。 DARPA
ともあれ、ロッキード・マーティンがこの議論においてF-35(およびF-22)を中心に据えたことは、次世代航空支配(NGAD)構想の一環となる乗員付きの新型第6世代ステルス戦闘機の計画をめぐり不確実性が生じていることを考えると、興味深いことでもある。NGADはCCAプログラムも含む。空中のドローンコントローラーとして行動することは、NGAD戦闘機の重要な役割として長く想定されてきた。さまざまな代替案が評価されたが、その中にはF-35の後続機として、ドローンの制御任務に主眼を置いた、大幅に縮小されたコンセプトも含まれている。空軍はまた、F-22を退役させる時期も前回の発表を別途撤回した。
はCCA計画や将来のステルス・タンカー計画など、空軍の最優先計画の各種プログラムの予算について深刻な懸念が広がる中で、NGAD戦闘機をどう進めるか、あるいは進めないかを決定する任務を担うのはドナルド・トランプ政権だ。空軍は以前、特にセンチネル大陸間弾道ミサイル計画の費用が膨れ上がっていることが、NGAD戦闘機計画の見直しを決定する重要な要因になったと述べている。
特にF-35にドローンコントローラーの役割を果たす能力を拡張することは、空軍のCCAプログラム以外にも影響を及ぼす可能性がある。空軍と海軍は将来の作戦中にCCAとそれぞれの軍に属する他のドローンの制御をシームレスに交換できるシステムで協力している。米海兵隊は、クレイトスXQ-58ヴァルキリーの実験を通じて、独自の忠実なウイングマン型ドローンを追求しているが、空軍のCCAプログラムとも正式につながっている。 この3軍はすべて、統合打撃戦闘機を飛ばしている。
米軍が、少なくとも10年近く前から、戦術ジェット機が空中でドローンを能動的に制御する能力を公に実証してきたことも、ここで注目に値する。2015年には、米海兵隊のAV-8Bハリアー・ジャンプジェットが、クレイトスの無人戦術空中プラットフォーム-22(UTAP-22)ドローンと「戦術データリンクを介したコマンド&コントロール」含むテストで一緒に飛行させていた。それ以来、米軍全体で他の実験が行われたことが知られており、機密領域での追加作業が別にあってもおかしくない。
CCAのインクリメント2段階には、同盟国やパートナーも含まれる可能性がある。高度な制御アーキテクチャを必要とする同様のドローン開発をすでに進めている国もある。制御アーキテクチャの共通化は、特に将来の連合作戦において、運用上のメリットをもたらすだけでなく、開発を加速させ、コスト負担を分散させるのに役立つ。米国、英国、豪州の3カ国が、自律型技術や関連開発を含む非搭乗員能力に関して明確な協力と連携を行うことは、3カ国間のAUKUS安全保障パートナーシップでの特筆すべき要素である。
ロッキード・マーチンの昨日のプレスリリースによると、「2025年に向け、特にドローンとF-22およびF-35の実飛行テストとの統合を進め、短期間で実行に移せる迅速なテストと学習の実現に重点を置き、緊急に作業が続けられている。「これらの能力は、アメリカとその同盟国が、将来の防衛作戦で進化する要求に迅速に適応する柔軟で拡張可能な技術を実装し、アメリカの空の優位性を確保し、準備万端な状況の維持を保証するものです」。
F-35は空軍のCCAなど無人機にとって重要な存在になりそうだ。■
F-35 AI-Enabled Drone Controller Capability Successfully Demonstrated
The F-35, along with the F-22, are gaining new capabilities to help pilots control Collaborative Combat Aircraft and other drones.
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