日本へのF-35B初号機納入が遅れる(The Aviationist)―日本国憲法の高邁な理念と実態との乖離がここまできているのに憲法改正の動きがなぜ盛り上がらないのでしょうか。知的な怠慢と言われても仕方ない気がします。
2024年11月2日、東太平洋で海上自衛隊いずも型多機能護衛艦「かが」(DDH184)に垂直着陸するF-35BライトニングII。 (画像出典:F-35ライトニングII パックスリバーITF/ダリン・ラッセル)
中谷防衛大臣の発表によると、F-35BライトニングII戦闘機6機の日本への納入は、2024年度に予定されていたが、2025年度に延期された。
航空自衛隊への最初のF-35B戦闘機6機の引き渡しは、2024年度(2025年3月31日まで)に予定されていたが、2025年度に延期された。 具体的な納入時期については現在協議中だ。 防衛大臣は延期の理由を明らかにしていない。
同機の製造元ロッキード・マーティンは、国防総省が2024年7月にF-35の全生産ラインに対する1年間の一時停止を解除した後、納入を再開した。自国軍と海外の顧客両方への納入が一時停止していたのは、TR-3(テクノロジー・リフレッシュ3)のアップグレードが開発中で時期尚早だったためである。
日本は、F-35Bの最初のバッチを、現在F-15J/DJ迎撃ミサイルを装備している九州南部の新田原基地に駐留させる。これは、同基地が「かが」の母港海上自衛隊呉基地に近いためだ。F-35Bの導入に向けた臨時飛行隊の設置は、新田原で計画通り進められ、2024年度末までに実施される。
着艦したF-35Bを受け取る準備をする人員。 (画像出典:英国海軍)
中谷防衛大臣は、「今回の納入遅延による大きな影響はないと理解しているが、いずれにせよ、影響を最小限に抑えるため、配備に向けて米側と引き続き協力し、今年度中に設置される臨時F-35B飛行隊の配備受け入れに向けた作業を着実に進めていく」と述べた。今後の配備は、この遅れの影響を受けることはないはずだ」とも付け加えた。
F-35B
大人気のF-35のB型は、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)プラットフォームで、パイロットは垂直離着陸や非常に短い滑走路から離着陸ができる 当初はUSMC(アメリカ海兵隊)のために設計されたもので、USMCが主要なオペレーターである。
また、シンガポールのRSAF(シンガポール共和国空軍)も、航空自衛隊とともに、将来的にB型を受領する予定である。ステルス戦闘機F-35Bは、AV-8Bハリアー以外に唯一実戦配備可能なSTOVL戦闘機であるため、オペレーターは滑走路から、あるいは適切な滑走路のない場所からも飛ばすことができ、大きな利点と柔軟性が生まれる。
ホバリングするVMFAT-502のF-35B。 (画像クレジット:Kai Martin)
F-35Bは高度なマルチロール能力を発揮する設計で、パイロットはF-35Bを "ステルス戦闘機のスイスアーミーナイフ "と定義している。F-35は「戦闘装備を満載して約500フィートで離陸し、マッハ1.6以上で超音速飛行を行い、ステルス能力を活用する」ことができる。
F-35BのSTOVL能力の中心は、旋回ノズルとリフトファンを組み込んだ革新的な推進システムである。 この構成により、通常飛行と垂直飛行をシームレスに移行することができ、またAV-8BハリアーIIと比較して、より大きなペイロード容量と航続距離を提供する。しかし、F-35Bの武器ベイは、リフトファンによって利用可能なスペースが制限されるため、A型より小さくなっている。
F-35Aと同様に、F-35Bは先進の低観測技術、AN/APG-81 AESAレーダー、分散開口システム(DAS)、電気光学照準システム(EOTS)を統合している。これらのセンサーや多機能高度データリンク(MADL)を介し接続された他のF-35からのデータをコックピットの大型ディスプレイ(LAD)やパイロットのヘルメット・マウント・ディスプレイ(HMD)に融合させることで、激しい戦闘環境下でも高い状況認識が保証される。
日本で運用されるF-35B
海上自衛隊のいずも級DDH(ヘリコプター搭載駆逐艦)2隻は、F-35Bの運用を可能にするために改装を受けた。 新型機の到着に備え、日本はイタリア海軍やイギリス海軍など、すでにF-35を運用している他国のF-35運用を研究した。
F-35Bはこれまで2度、日本の艦艇を使った試験を行っており、「いずも」は2021年に飛行作戦を実施し、「かが」はつい最近、F-35Bが甲板に着艦した。これらのテストはいずれも、日本以外のジェット機とパイロットで実施された。「いずも」は2027年にF-35Bの運用を開始し、「かが」は2028年に運用開始する予定だ。
2024年11月2日、東太平洋で開発試験中の海上自衛隊いずも型多機能護衛艦「かが」(DDH184)に垂直着陸するF-35BライトニングII。
(Image credit: F-35 Lightning II Pax River ITF/Dane Wiedmann)
興味深いことに、F-35Bは海上自衛隊の艦艇で運用される予定だが、F-35B自体は航空自衛隊が運用する。海上自衛隊は、最大105機のF-35A CTOL(通常離着陸機)と42機のF-35B V/STOVL戦闘機を運用する計画だ。
海上自衛隊はまた、戦闘機は運用しないものの、固定翼機も運用している。 固定翼機は主に、P-3やその後継機である国産P-1などの哨戒機、C-130や新明和US-2水陸両用機などの輸送機で構成されている。」
日本の空母運用が始まる
「いずも」と「かが」両艦は、F-35BライトニングII STOVL(Short Take-Off Vertical-Lanning)を運用できるように飛行甲板を改修し、"ライトニング空母 "となる。「 いずも」は2021年に耐熱塗料で飛行甲板をコーティングする第1段階改修を受け、その後、米海兵隊と協力してF-35Bの初着艦を見た。
「かが」の改修工事は2022年3月に広島の呉造船所で開始された。その後、海上自衛隊は2024年に再整備後の画像を公開し、元の台形の飛行甲板に代わって新しい長方形の飛行甲板を示した。「 いずも」の新しい飛行甲板の工事は、2024年度末までに開始される予定である。
2024年6月21日、グアム近海で行われたノーベル・レイヴン演習で一緒に航行するJSいずもとUSSラファエル・ペラルタ。(Image credit: JMSDF/Japan MoD)
F-35B運用をサポートするため、2隻の内部コンパートメントとインフラを手直しするが。日本国憲法は空母含む攻撃的兵器の保有を禁じているため、作業終了後も両艦は「いずも型多機能護衛艦」と呼ばれる。
この艦船とF-35Bの防御重視の姿勢は、米国の専門家も強調している。「いずも級艦船からF-35Bを運用することで、海上自衛隊は監視・偵察と防衛兵器の射程を数百マイル伸ばすことができる。「攻撃してくる艦船や航空機が武器を発射する前に探知し、破壊することは、自衛艦隊を防衛する最善の手段である。短期的には、「いずも」級艦船をSTOVL戦術機運用用に改造することで、自衛隊、陸上自衛隊、米軍と連携して、制海権戦略に必要な攻撃戦術を実施する効果的な手段を自衛隊に提供することができる」。■
Delivery of the First F-35Bs to Japan Delayed
Published on: January 12, 2025 at 6:33 PM
https://theaviationist.com/2025/01/12/japan-f-35b-delivery-delayed/
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