2020年4月25日土曜日

コメント機能について


厳しい状況が当面続きますが、皆様お変わりありませんか。

さて、当ブログへのコメント記入がしにくくなっているとのご連絡をいただいています。ロボットではないことを証明するのが大変とのことで、当方でも調べてみましたが、Bloggerの設定のようで当方ではコントロールできません。

あるいはこの点で知識がある方がいらっしゃれば、ご教示いただきたく思います。

当ブログでは多様な意見を歓迎しますので、コメントはすべて掲載しています。

今後もよろしくご指導ご鞭撻ください。

令和2年4月25日
Moneyfreedom


主張 金正恩死亡に世界はどこまで備えているか

金正恩が死亡した、あるいは植物人間状態との報道が世界を驚かせています。韓国政府のみちがう反応を示しているのが妙ですが。


朝鮮の緊急事態に「外部世界」の準備態勢は整っているだろうか。

金正恩の死去あるいは重篤な健康状態により国家指導者の機能を果たせなくなった場合、北朝鮮政策はどうなるか。▶状況が一変した場合には、めぼしい成果を上げていない北朝鮮対策のどこに手を加えるべきか。▶朝鮮半島で再度危機的状況が発生した場合にどう対応すべきだろうか。▶北朝鮮体制に変化が発生すれば、同国を注視してきた専門家は今でも困難な状況がさらに悪化する。▶北朝鮮はあいまいさ、隠蔽、錯覚を日常茶飯事に使い存続してきた国だ。▶北朝鮮で緊急事態が発生しても「鏡に映る姿は現実より大きかったり、小さかったり、楽観あるいは悲観的に写り、現実より小さかったり、実際より混乱して見える」ことがありうる。▶すべてを疑ってかかり、客観視し、誇張せずにとらえるべきだ。■

この記事は以下を再構成したものです。

Why We Really Don't Know What Happens If Kim Jong-un Dies

There are more questions than answers.
by Soo Kim 
April 23, 2020  Topic: Politics  Region: Asia  Blog Brand: Korea Watch  Tags: North KoreaKim Jong-unSuccessionKim Yo-jongDPRK

Soo Kim is a Policy Analyst at the RAND Corporation.

2020年4月19日日曜日

日本の金融機関も北朝鮮のサイバー脅威に対策を打つべきだ。



北朝鮮の悪辣なサイバー作戦が金融機関を標的にしている。


米連邦捜査局(FBI)、国務省、財務省、国土保安省は北朝鮮による悪辣なサイバー脅威へ注意喚起する文書を4月15日公表した。▶北朝鮮が金融システムの混乱を狙っていると米政府が警告している。

「北朝鮮のサイバー脅威は国際社会、ネットワーク管理者、一般社会で現実になっていると警告する」とあり、「朝鮮民主人民共和国(DPRK)による悪辣なサイバー活動は米国のみならず広く国際社会に脅威で、とくに国際金融システムの機能、安定性に大きな脅威だ」▶国家情報局による世界脅威評価の昨年版では北朝鮮のサイバー犯罪による被害額は金融界だけで11億ドル相当とある。▶北朝鮮はサイバー攻撃で得た財源で大量破壊兵器や弾道ミサイルを製作していると米政府は分析。▶「北朝鮮によるサイバー犯罪行為に米国は強い懸念を示し、こうした活動をHIDDEN COBRAと呼称している」「DPRKにはサイバー妨害行為・破壊工作で米国の重要インフラに被害を与える能力がある。DPRKはサイバーで金融機関から資金を盗む能力もある」

北朝鮮はサイバー犯罪集団を国家的に支援し、ハッカー、暗号化専門家、ソフトウェア開発者を使い「スパイ活動、サイバー窃盗を金融機関やデジタル外貨為替を狙い展開し、海外メディアには政治的な情報操作を狙っている」と同上文書は解説。▶北朝鮮のサイバー犯罪活動能力は向上しており、各種マルウェアによる世界各地でのサイバー攻撃の手口は巧みになっている。▶「国際社会、ネットワーク管理者、一般社会は北朝鮮のサイバー脅威への警戒を緩めず、損害を広げない協調行動をとるべきだ」(米政府)▶国務省ではDPRKによる悪意ある行為がサイバー空間で見つかった場合の通報へ報奨金制度を提供している。

国土保安省のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティー庁(CISA)による報告書ではDPRKのサイバー攻撃の手法や仕組みの詳細を解説し、サイバーリスク管理の向上に役立つ情報を各機関に提供している。▶FBIは民間産業向け公告を出しており、サイバー脅威の最新情報を提供している。またサイバーセキュリティ専門家やシステム管理者向けにはデジタル脅威への対応策を開示している。▶国防総省は米サイバー司令部で、DPRKによる悪意あるサイバー活動を積極的に追跡中で、金融機関を標的とするマルウェアも見つけた。同本部によるマルウェア情報は@US_CYBERCOM and @CNMF_VirusAlertのツイッターアカウントで公開されておりサイバーセキュリティの強化に利用できる。■
この記事は以下を再構成したものです。

United States Warns of Increasing Cyber Threat from North Korea

The Cyber Edge
April 15, 2020
Posted by Kimberly Underwood


F-3は国内開発へ舵を切った

日本単独で戦闘機開発が完了できるのかというご意見もありましょうが、軍用機の常識を破る開発事例になれば日本の技術力としても腕の見せどころとなるでしょう。期待しましょう。

F-2後継機を米国をパートナーとして開発すると見られていた航空自衛隊が方針転換し、国産開発に向かう。

日本の防衛産業は開発で中心の役割を最初から想定し、2030年代中ごろまで数百億ドル規模の事業になると見ている。日本政府は昨夏から米国、英国と協議し、両国の主要企業ロッキード・マーティン、ボーイングBAEシステムズがパートナー候補といわれていた。

先月末時点で日米協力が深化すると思われていた。日本は英国を主要パートナーから排除し、日米同盟の枠組で技術先進性を追求する方が得策と判断していた。

「日本主導の開発としつつ国際協力の可能性も排除しない」と防衛装備庁はJane'sに3月に述べていた。「防衛省は相互作戦態勢、費用対効果、技術信頼性の観点で米英両国と協議を続けている。両国との協力の可能性は引き続き模索していく」

ところが日本は西側同盟国との共同開発ではなく自力での第6世代機開発を目指す。「F-3」と呼ぶ新型機はF-2「4+世代」小型機と交代する。事業規模は400億ドルとの試算がある。

日本はF-1攻撃戦闘機、F-2軽量多任務戦闘機の二機種を製造している。前者は英国のジャギュア、後者は米F-16ファイティング・ファルコンとの関連がある。このうちF-1は2006年に退役ずみだ。F-2は新型機の供用開始まで現役にとどまり、1990年代に三菱重工を主契約企業としロッキード・マーティンを筆頭協力企業として開発された。

単独態勢のままだと日本は研究開発費用含む巨額コストを自己負担することになる。
F-3戦闘機の機体単価は185百万ドル超となる見込みで、開発費用の回収のため日本は機体輸出をねらいそうだ。政権与党の自民党は次期戦闘機の輸出可能性で検討を開始した。■

この記事は以下を再構成したものです。

Sorry, F-35: Japan to Develop Sixth-Generation Fighter on its Own

And we can tell you all of the reasons why.
April 18, 2020  Topic: Technology  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: Sixth-Generation FighterJapanSecurityMilitaryF-35

2020年4月18日土曜日

空飛ぶ自動車の実現は米空軍が先行、3年で本生産開始で新しい産業が生まれる


ウーバーによる飛行車コンセプト

動垂直離着陸(eVTOL)技術による「飛行車」の本格生産が三年以内に始まると、米空軍で調達を統括するウィル・ローパーが述べている。
この性能で軍のミッションは「従来の二次元から三次元へ」拡大し、「機動性」も強化されるとローバーは述べ、空軍は民間企業への資金提供で「最高度機動車両」 “Agility Prime” と呼ぶeVTOL装備の実現を目指している
今月末にも各社の構想案が空軍に披露される。現在想定中のeVTOL車両は小型で輸送能力は数名程度。
eVTOL車両の性能でミッション実施が可能か見極めてから今後の調達規模を決めるとローパーは述べており、「兵站任務に投入可能となれば大量購入するが、保安救難用途なら小規模調達になる」
ローパーは大型飛行車で貨物、小型車では特殊部隊の輸送を想定していると以前語っていた。
ローパーは空軍の安全認証を民間企業に付与し、最高度機動車両の飛行時間を計上させることで「新型車両の利用を後押しし、FAA型式証明の取得が早まる」と見ている。
空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)の発表では最高度機動車両について4月27日に「仮想立ち上げ式典」を行い、各社の構想発表とともに、官民の投資機関を模索する。ローパーが基調講演を行うが、COVID-19のパンデミックにより予定を変更し仮想イベントとして実施すると説明。「イベントでは空軍と業界のつながりを強め、組織横断で新しい航空宇宙分野の立ち上げをめざす」(AFLCMCによる説明)
最高度機動車両構想ではeVTOL車両メーカーの競作から本生産委託先を決める。同構想のウェブサイトで公表中の文書では空軍は12月17日までに飛行試験の実施を求め、第1段階で以下の性能諸元の実現を各社に求めている。
  • 3-8名の搭載
  • 航続距離100マイル以上
  • 時速100マイル以上
  • 連続使用60分以上
第二段階で大型の貨物人員車両を目指す、とローパーは述べている。
最高度機動車両構想は軍の各種組織が共同推進する点で他に例を見ない。AFLCMC以外に空軍研究本部(AFRL)、空軍戦闘統合性能実現部門(AFWIC)、AFWERX、AFVenturesが関与する。後者はヴェンチャーキャピタルと各社を結ぶ機能を果たす。
ローパーはこの動きにより有望な市場で米国の立場が有利になる以外に米空軍が期待する「イノベーションパートナー」として民生部門が機能できるか実証する狙いもあると解説。
ローパーにより民生部門の研究開発成果を活用し中国に差をつける効果がDoDに生まれており、今や技術革新が新しい戦場になっている。■
この記事は以下を再構成したものです。

Roper Sees Air Force ‘Flying Cars’ In Production By 2023

"We are going to accelerate this market for domestic use in a way that also helps our military," Roper stressed. "The Air Force is all in."

on April 16, 2020 at 7:15 PM

2020年4月16日木曜日

野心的な英国ステルス戦闘機テンペストに実現の芽はあるのか

ンペストは英国が2030年代の供用開始をねらう国産双発ステルス戦闘機だ。同機には第6世代機の技術が盛り込まれ、無人飛行、極超音速兵器、指向性エナジー兵器、小型無人機の大群の運用が可能となる。だが、ブレグジット後の防衛協力としてドイツ、フランスとの連携も想定する。

英政府は「チームテンペスト」に20億ボンド(26億ドル)で初期開発作業を進めさせる。主契約企業BAEシステムズが中心となり、英空軍、ロールスロイス(エンジン)、MBDA(兵装)、レオナルド(センサー、エイビオニクス)が参画する。

 設計は2020年代始めに完成し、試作機が2025年に飛行し、2035年に第一線に投入される。RAFでは第4世代機タイフーン戦闘機の後継機となり、F-35ステルスジェット戦闘機を補完する。開発期間の17年という設定はステルス戦闘機の複雑さと高価格を考えれば野心的と言える。
  テンペストのモックアップは大型単座双発の機体でデルタ翼で尾翼はF-22並に内側に傾斜している。飛行制御に資する設計でステルスよりも動的性能を重視しているとみるアナリストもいる。大型機体は航続距離とともに兵装搭載量でテルスモードのF-35がスより有利だ。だが、最高速度、航続距離、レーダー断面積などの性能諸元は非公表だ。
 ロールスロイスはテンペストのエンジンは適合サイクルターボファンで軽量複合材で作るという。タービンコアの磁石で大容量発電を実現する。
 余裕ある発電容量は指向性エナジー兵器の動力源に最適で、レーザーから高周波まで各種が想定されているのだろう。テンペストでは指向性エナジー兵器を「非運動性」用途に使う想定のようで、敵のセンサーを妨害または破壊するだろう。
 ミーティア長距離空対空ミサイル、SPEAR-3巡航ミサイルがモックアップと合わせて展示され、次世代「深部攻撃」ミサイル(音速の5倍で飛翔する極超音速兵器で迎撃は極めて困難)、さらに大量の小型無人機を攻撃手段とする。パイロットの負担軽減のため、基地には人工知能を搭載し、無人機の制御を最適化するようマシンが学習していく。
 F-35同様にテンペストはパッシブ、アクティブ双方の各種センサーを搭載し、パイロットはヘルメットを通じ状況把握し、これまでのコックピットディスプレイパネルはなくなるかもしれない。「協調型交戦」技術でテンペストはセンサーデータを友軍の機材艦船あるいは地上部隊と共有し、「設定可能」通信装置やデータリンクを使う。これにより一機のセンサーデータが共有され、敵に探知されず別の機体がミサイルを発射できる。
 ただし、F-35のネットワーク接続コンピュータでハッキングの恐れがあらわれたため、テンペストの発表では「サイバーアタックへの対応」が特に強調されていた。テンペストが「有人操縦を選択」した場合にこれが課題となる。つまり同機は遠隔操縦で飛行可能で、パイロットが搭乗する必要はない。無人航空戦闘機材がこれからの航空戦で重要となると見られ、有人操縦は必要な場合に実施される。危険なミッションでパイロットの生命を守る効果が生まれる反面、価格面や性能で有人機より不利となる。
 テンペストが思惑通りに実現するか予断を許さない。テンペストの前にBAEには複座スルス戦闘機構想レプリカがあったが、2005年に打ち切りとなった。そこでの技術的知見からBAEはF-35事業で重要な事業者になった。英国はF-35Bの48機受領をめざし、クィーンエリザベス級空母での運用を予定している。英空軍向けにF-35を90機別途調達する予定もある。テンペストでF-35調達に影響はないと英空軍は強調するものの予算動向は予測し難い。
 ただし、現時点のテンペストはブレグジットで欧州市場から締め出される英国には政治ゲームの駒だ。わずか数ヶ月前にドイツとフランスがダッソーエアバスの共同作業で第6世代ステルス戦闘機「次世代戦闘航空システム」(FCAS)を提唱し、英国企業の参加も呼びかけていた。
 ともに他国へ売り込みが実現しないと高額すぎる事業になる。20億ポンドは大金だが、テンペスト開発が順調に進んだ場合の費用の1割相当に過ぎない。望ましいシナリオは「欧州型」ステルス戦闘機として両事業の統合だ。FCASの想定性能を見るとテンペストに近いことがわかる。
 そうなるとテンペストとは英国の航空宇宙産業にステルス戦闘機を製造する基盤を残しながら、EU加盟国に次期戦闘機開発に加わる誘いの手段となる。現にエアバス・ディフェンスCEOダーク・ホークはテンペスト事業を「歓迎する」と述べている。英国がスウェーデンと提携する可能性の観測が度々でており、BAEがトルコのTAIと提携し同国のTF-Xステルス戦闘機の生産に協力する合意をしたことに注目だ。
 英国、フランス、ドイツが同時に第6世代ステルス戦闘機の実現に向かう格好だが、各国政府が長期に渡る財政支出に耐えられるのか、国際協力のゆくえ、ヨーロッパ初のステルスジェット戦闘機開発との技術課題に応えられるかは時がたたないと答がでない。■

この記事は以下を再構成したものです。

Why Britain's Tempest, And Not The F-35, Is The Future Of Air Combat

Drone swarms, lasers, and more.
April 16, 2020  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJetsF-35Tempest


2020年4月15日水曜日

自衛艦に衝突した中国漁船の背後に中国の特異な地政学的野望がある



3月30日、東シナ海公海で海上自衛隊の駆逐艦が中国漁船と衝突した。台湾の沿岸警備隊も中国漁船と同様の衝突事案に遭遇している。中国海警がヴィエトナム漁船に衝突し沈没させた事件が数日前にパラセル諸島海域で発生していた。中国は何を企んでいるのか。
 SF界の巨匠ロバート・ハインラインが読者にこう警句を与えていた。
 敵の行動を愚行と片付けてはいけない。理解に苦しむ行動を相手が取るのは背後に悪意があるからであり、自然発生したわけではない。初期段階は無難な説明を探してもよい。ハインラインには悪いが、筆者は若干手を入れたい。見方が狭すぎる。愚行や意図的な悪意以外の選択肢もある。能力不足、役所仕事の延長、純粋な事故で人の考えや行動に歪みが生まれる。ハインラインはすべて愚かさに分類した。
こんなのはどうか。敵意ある行動をすべて人的エラーで片付けるな。これならハインラインの智慧の本質のまま現実に対応できる。
 そこで今回の日中海上衝突事件を見てみよう。偶然事故の可能性はある。発生時間は夜間で海域は混雑していた。2017年の米海軍衝突事件の教訓から第一線の軍艦の乗員でさえ、過労や訓練不足で危険を招くことがあるとわかる。技術が進歩しても人的エラーの撲滅は不可能だ。日本側あるいは中国の乗員、または双方が暗闇の中衝突したのかもしれない。
 ハインラインの命題に修正が必要だ。「敵意の存在を排除してもいけない」というのはどうか。
 相手が中国共産党(CCP)であればなおさらだ。中国政府は民兵を漁船団に編入し、海洋戦略の一環としてきた。海上民兵は非正規海軍部隊の扱いだ。人民解放軍海軍(PLAN)と海警が正規部隊として拡充されてきた。中国が海上民兵を実際に投入したのは1974年のことで、南ヴィエトナムからパラセル諸島を奪い、短期ながら流血の事態を発生させた。民兵の乗る漁船を海警が支援する形式は南シナ海で2009年から続いている。中国政府は「譲る余地のない国家主権」を広大な南シナ海で主張しており、条約で他国が保有する海域もここに含めている。非正規部隊は2012年にフィリピン海軍とスカボロー礁でにらみ合いを演じ、フィリピンの排他的経済水域に深く入り込んだ。CCPが認めた海域に漁船団が大挙入り、現地国の海軍沿岸警備隊が退去を求めても怖いもの知らずだ。現地で抗議の声が上がれば、海警が民兵の支援にやってくる。事態がこじれればPLANが支援する構図だ。
 民兵は共産中国にとって弱小国対応用の戦略的先兵の扱いだ。相手は弱小国に限らない。尖閣諸島で民兵の乗る漁船や海警艦船はこの10年で当たり前の光景になっている。そのあげく、CCP高官は尖閣の共同管理を提案している始末だ。その先に同諸島の占拠があるのは明らかだ。中国の揚陸作戦能力を恐れ日本も海上、航空の両自衛隊のプレゼンスを同地区で強化してきた。日本の主権を守りつつ侵略は抑止するという考えだ。陸上自衛隊も島しょ移動型の「動的統合防衛部隊」として南西諸島部侵攻を排除する作戦構想を打ち立てた。
 こうした動きはPLA指揮官に都合がよい。日本が中国に匹敵するプレゼンスをしても中国軍は数の上でまだ優位だ。海警、海上民兵、PLANの組み合わせがあれば汗を流さずに紛糾する海域で大きなプレゼンスを実現できる。他方で日本の海上保安庁、海上自衛隊は歩調を合わせるのに苦労を強いられる。ただでさえ隻数が限られるのに多数を現地派遣することになる。常時配備すれば乗員、装備でしわ寄せが避けられない。艦船の保守整備に時間が割けられなくなる。PLAは現地にプレゼンスを置き日本の疲労困憊を待てばよい。
 この方式は中国の伝統的戦略と合致する。孫子は敵に「緊張・疲労」を発生させる配備、欺瞞の策を推奨した。敵を疲弊させた方が勝者だ、と孫子は述べた。消耗した敵に一撃を加えれば決定的な打撃となる。島しょ部防衛に当たる日本がこの立場で、長期間に渡り高密度の作戦を維持する必要がある。
 欺瞞ではCCPの設立者毛沢東の思想がPLAに染み込んでおり、戦役で欺瞞はつきもの、これで十分と言う水準は存在しないとある。毛は孫子思想を参考に敵を完敗させるには「通常」「特別」双方の部隊が必要とka考えた。通常部隊が正面で戦い、特別部隊は敵の弱点をつき、通常部隊を優位にする。「戦いにおいて、双方の部隊の組み合わせは無限にある」(孫子) PLAはこれで敵を劣勢に追い込む。
 PLANが通常部隊、海警・海上民兵は特別部隊だ。平時には特別部隊が前面に立ち、通常部隊は待機し、有事に通常部隊が活躍する。双方に保護の傘を差し伸べるのが沿岸配備のミサイル部隊や航空部隊で、双方あるいはいずれかの部隊がトラブルとなれば火力を提供する。この陸上装備がPLAには第二の特別部隊となり、残りを補助できる。孫子、毛ともにしたり顔であろう。
 欺瞞理論の大家バートン・ホェーリーがCCPの東シナ海戦略が日本に与える危険性をこう説明している。「欺瞞作戦の構成要素は常に2つだ。本心を偽る、隠すかのいずれかだ」とし、本心を偽り相手に真実を見えなくさせながら、本心を隠し虚偽を示す。敵に真実と違うイメージを植え付ければ成功だ。戦術、作戦、戦略の各段階で優位性が強まる。
 ホェーリーは隠蔽策の例として「リパッケージ」を上げる。これは「偽装して真実を隠すことで、物事を別の言い方に変更してしまうこと」だという。揚陸部隊のリパッケージ策としてPLA海兵隊を海警艦艇や漁船に乗せる可能性がある。尖閣諸島周辺を巡行する非正規部隊が正規部隊の攻撃効果を与えるかもしれない。中国が尖閣諸島周辺での作戦を強化して悪意を隠すかもしれない。これはここ十年で実行されている。この結果としてCCPは尖閣諸島の統治権をめぐる対立に軍事力を使わず解決を模索しているとの印象が生まれる。ホェーリーは中国は海警や民兵で通常さを装うはずという。尖閣諸島近辺で中国ののプレゼンスを普通に日本に感じさせられれば、決定的な一撃を突然与えるチャンスがひろがる。
「おとり」も欺瞞作戦の典型とホェーリーは述べる。「注意を反らせ虚偽の姿を示すこと」で、中国は尖閣諸島から日本の関心を反らすため、別の場所で手をうつ、あるいは同時進行でなにかはじめるかもしれない。海上自衛隊艦船への衝突もこの一環の可能性がある。おとり作戦は特別部隊の役目で、尖閣諸島への日本の目をそらせなくても、日本に資源投入を続けさせればよい。孫子・毛の伝統を引き継ぎ、民兵・海警隊員で現場に日本部隊を釘付けできれば中国が決定的な一撃を加える前に優位な状況が生まれる。
 中国の欺瞞作戦の目的は日本の海上部隊を消耗させ、自己満足させ、本来の主戦場から注意を反らせることにある。その後、一発発射するわけだ。
 今回の中国漁船が海上民兵だったのか日本が解明していないのなら全力をあげて答を出すべきだ。仮に答えがイエスなら、中国は東シナ海で企んでいることがわかる。逆に関係なかったら、それでおわりだ。中国は周辺海域で海上交通を活発にするのには戦略的な意味がある。一部船舶は日本側艦船と接近し、誤った行動につながることもあろう。日本は防御姿勢を強めるしかない。CCP首脳部は現時点は中国に有利と理解しているのかもしれない。米海軍が西太平洋に配備中の空母2隻がパンデミックで戦力を発揮できなくなっており、米海軍のトップも混乱している。
 敵を孤立させることが限定戦に先立ち必要となる。対決の前に事態を簡単にしておき、戦力バランスを自軍に有利にすれば、決定的な勝利を短期間で実現できる可能性が増える。日米同盟は外交面で健全だが、軍事的にほころびがあると中国が判断する可能性もある。米国がウィルス対策に追われ、艦船や航空機を投入できなくなっているからだ。絶好の機会が来たと中国が判断する可能性がある。機会が消える前に行動を取る誘惑に駆られる可能性がある。誘惑がこのまま残るのかはわからない。
ハインラインのCCP向け警句にも修正が必要だ。悪意の存在で説明がつく中国共産党の行為を人的エラーのせいにすべきではない。だが、人的エラーを排除してもいけない。ここ数年の中国政府の悪行を習近平一味のしわざと証明できれば勝ち目が増える。この解決方法なら安全だし、警戒態勢を維持できる。

注意せよ、日本!

ホームズ教授はハインラインがお好みのようですね。このブログのオーナーも同様です。TANSTAAFL!(この記事は以下を再構成したものです。)

 

Is China Getting Ready for an East China Sea Showdown?

April 11, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaEast China SeaU.S. NavyA2/adTaiwan

James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and coauthor of Red Star over the Pacific, a fixture on the Navy Professional Reading List. The views voiced here are his alone.



2020年4月12日日曜日

メディアにショック、米国人過半数が中国ウィルス名称に違和感なし。

ウィルス流行で社会も生活も変わってしまいました。今回の騒動がどこから発生したかは明らかです。米国では中国への集団訴訟もあり、大統領も歯に衣着せぬ発言をしています。同じ調査を日本でしたらどうなるか、性善説の日本ではウィルス流行は自然現象と見る向きが多いのでしょうか。いえ、国民はそこまで無知ではないです。中国人がWHOトップとなり、発生地名称が使えなくなったのをいいことにメディアは人種差別だの、レイシストだの言いたい放題で、中国を擁護していますが、もう少ししたら中国共産党やWHOへの批判が一斉にでるか、注目です。

国成人の大多数が「中国ウイルス」の名称が適正と考えている。世論調査で判明した。メディアは反対に、ドナルド・トランプ大統領がこの表現を使うのを批判している。

ハリス世論調査で米国人50%以上がトランプ大統領の使う「中国ウィルス」に強く共感すると回答している。▶調査結果は全国メディアが「中国ウィルス」示す反応と大きく乖離している。▶MSNBCアンカーのジョン・ハイルマンはトランプが「中国ウィルス」と呼ぶのは「人種差別主義そのものでありレイシストと自ら認めるものだ」と3月に放送で語った。▶CNNのジル・フィリポヴィックも「中国ウィルス」は「外国人排斥のレイシズム」とし、ヨーロッパで黒死病の原因としてユダヤ人へ濡れ衣を着せた史実と比較した。▶だが米国一般の見方は違う。

ハリス社の世論調査は3月から4月にかけ3回行われ、トランプ大統領に賛同する米国民はそれぞれ52%、54%、52%だった。▶直近のハリス調査は成人1,993名を対象に4月3日から5日にかけ行われ、圧倒的多数の米国民がウィルス流行は中国政府の責任と見ていると回答。これは病理学調査の結果とも合致する。

中国政府があと3週間早く行動していればCOVID-19の流行は95%予防できたとの調査結果もある。▶「中国はウィルス被害を他国に賠償すべき」と考える米国人は58%と最新のハリス調査にある。■

この記事は以下を再構成したものです。

Poll: Most Americans Are Okay With Calling the Coronavirus the "China Virus"

CCP-19 would be better.
April 11, 2020  Topic: Politics  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaCOVID-19CoronavirusAmericaTrump

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