2014年10月24日金曜日

米海軍:次期攻撃型原潜の建造準備に入る


ヴァージニア級建造が続く中、次世代の攻撃型原潜の準備が始まっているようです。潜航中の潜水艦から無人機を発進させるのには弾道ミサイルと同様に圧縮空気で泡を作り、水面上で機体を展開するのでしょうか。相当小さいサイズでしょうが、潜水艦が空も活動領域に加えようとしているのですね。

Navy Starting Work on New SSN(X) Nuclear Attack Submarine
By: Dave Majumdar
Published: October 23, 2014 3:45 PM
Updated: October 23, 2014 3:45 PM
Virginia-class attack submarine Pre-commissioning unit (PCU) John Warner (SSN 785) on Sept. 1, 2014. US Navy Photo
ヴァージニア級攻撃潜水艦ジョン・ワーナー(SSN-785)が9月1日に進水式を迎えた US Navy Photo


米海軍は次期原子力攻撃潜水艦の建造準備に着手する。現行のヴァージニア級(SSN-774)の後継艦として戦力化を2044年と想定し、それまでにヴァージニア級最後のブロックVII建造が終わる予定。

  1. 「長期にわたるSSN新型の建造計画を想定している」と海軍海洋システムズ本部で潜水艦計画を取り仕切るデイヴ・ジョンソン少将Rear Adm. Dave Johnson,が海軍潜水艦連盟Naval Submarine League 主催のシンポジウムで発表した。

  1. 「2034年というと、はるか先のようですが、艦体設計開発部門は今からアクションを取る必要があります」

  1. 次期攻撃型潜水艦はSSN(X)の名称でこれから10年のうちに各種案の検討を完了させておく必要がある。

  1. そうなると新型潜水艦の要求性能、設計、新技術の実証に使えるのは正味9年程度となり、ジョンソン少将は小チームを編成し、5年計画で作業を開始させたと発言。このチームは民間産業の意見も取り入れ同艦が作戦を展開する2050年以降の世界での脅威の中身を想定する。

  1. SSN(X)では艦外のシステムとの統合化が求められるとマイク・コナー中将(大西洋潜水艦隊司令官) Vice Adm. Mike Connor, Commander of Submarine Force, Atlantic (COMSUBLANT)は語る。またヴァージニア級とSSN(X)各艦はネットワーク化され超長距離兵器を運用すると予測。

  1. 新型魚雷推進システムの構想があり、ペンシルヴァニア州立大で研究中で魚雷に搭載すれば200カイリ先の目標を攻撃できるという。

  1. 「射程200カイリの魚雷を運用する心の準備ができていないが、これは実現に向かうでしょう」とコナー中将は述べた。また、ヴァージニア級やSSN(X)の攻撃潜水艦の魚雷発射データが外部から入る可能性を示唆している。

  1. そのため潜水艦から無人機を発進させたり、ボーイングP-8ポセイドンのような航空機が活用される。潜水艦が魚雷を発射しても最終段階の誘導は外部から行うかもしれないとコナーは説明した。■


2014年10月23日木曜日

ISISの操縦するミグ2機を撃墜したと主張するシリア政府発表



ISISの軍事運用能力がどこまでになっているのか、(なるのか)予断を許すさないところがあり、これまでのテロリスト集団とのちがいが日増しにあらわれている気がしますがいかがでしょうか。ロシア製ハードウェアは苛酷な環境での使用にも十分かもしれませんしね。

Syrian Military Claims to Have Destroyed Two ISIS MiGs

By: Dave Majumdar
Published: October 22, 2014 11:22 AM
Updated: October 22, 2014 3:58 PM

シリア政府から同国空軍がISISの手に落ちたソ連製MiG戦闘機3機のうち2機を撃墜したと発表。しかしながらこの発表の裏付けがない。
  1. 「SyAF(シリアアラブ空軍)がISISによりアルジャラー空軍基地al-Jarah airbaseで捕獲された戦闘機2機を撃墜した、とフェイスブックにシリア軍が書き込んだ。「SyAF所属スホイ戦闘爆撃機はT4空軍基地から発進しアルジャラ空軍基地でISISが捕獲したジェット機をアレッポ上空で撃墜した」
  2. 旧ソ連はシリアにSu-22フィッターとSu-24フェンサーを供与している。シリア政府はISISの手に落ちた上記基地を2日前に攻撃したとしている。
  3. 反政府勢力のシリア人権監視団Syrian Observatory on Human Rights (SOHR)がISISがMiG-21とMiG-23を運用していると報告したが、合衆国は即座にISISに軍用機運用能力はないと発表している。これに対しISISはL-39練習機兼軽攻撃機を飛行させている写真を意図的に発表している。
  4. SOHRは旧イラク空軍戦闘機パイロットがジェット機を操縦しており、訓練もしているとする。米空軍によればベテランのイラク人パイロットは職務規律が緩く、テロリスト集団内で操縦教官になるのは時間がかかり、実質的に困難と見ている。
  5. ISISの活動環境ではパイロットを新規に訓練しMiG-21やMiG-23のような戦闘機の運用は不可能に近いと見てよい。■


2014年10月22日水曜日

スウェーデンが捜索中の謎の小型潜水艇はロシアのもの?


スウェーデンで怪しい潜水艦(潜水艇)が見つかり大騒動になっています。ロシアがまたもや関与していれば大変なことになりますね。まずUSNIから。


Swedes Could be Searching for Covert Russian Midget Sub

Undated photo of the Soviet-era Project 865 Piranha-class submarine.
ソ連時代のプロジェクト865 ピラニア級小型潜水艦 撮影日付不詳

ストックホルム近くのスウェーデン領海で金曜日に見つかった謎の潜水艦はソ連時代の小型潜航艇でバルト海の母艦から運航されているもので大型ロシア海軍の潜水艦ではない模様だ。
  1. 先週金曜日に「外国水中艦が活動中」との報告を受けたスウェーデン海軍は大規模捜索活動を行っており、パトロール艇多数とヴィスビュVisby型海防艦を動員中。
  2. 捜索範囲は二倍に広げられ、「潜水艦あるいは小型潜水艇で、ダイバーがモペッドのような水中移動手段を使っているか、我が国領海に関係のないダイバーかもしれない」とスウェーデン海軍アンダース・グレンシュタッド少将Rear Adm. Anders Grenstad は話していた。
  3. ロシアは関係を否定しているが、ロシア船籍の貨物船コンコルドConcordがバルト海で怪しい動きをしていること、ロシア緊急チャンネルで暗号通信がロシア海軍のカリニングラード基地宛に送信されたことでロシア小型潜航艇の活動が疑われている
  4. 「スウェーデンが探知したのが小型潜航艇ということは大いに可能性がある。小型潜航艇は大型船舶の船体から気づかれずに発進可能」と21日付のJane’s Defence Weeklyは解説している。
  5. コンコルドはスウェーデン領海でジグザグ航行しているのを目撃されており、回収地点をさがしているようだとJane’sは報道している。「事件が明るみに出るとコンコルドは方位を変え、北東方向、ロシア領海に向けて進んだ」
  6. 同船はエストニア沖合にあり、サンクトペテルブルグ方向に21日午後に向かっているのがMarine Traffic.comで確認できた。
  7. 容疑対象はソ連時代の小型潜航艇で特殊部隊を送り込むために使われるもので、ロシアは輸出しようとしている。
  8. 「ロシアが小型潜航艇に再び関心を寄せており、プロジェクト865ピラニア級Piranha-class(NATO名ロソスLosos)は2隻がバルト海沿岸に配備されていた。同級は非常に静粛で探知されにくく、発信音が低いのが特徴」とJane’s.は書いている。

なるほど、Defense Newsは次のように伝えています。

Swedish Navy Widens Search for Mystery Submarine

Oct. 20, 2014 - 02:28PM   |  
By AGENCE FRANCE-PRESSE   |   Comments
Swedish corvette HMS Stockholm patrols Oct. 20 at Jungfrufjarden in the Stockholm archipelago.
スウェーデンの海防艦HMSストックホルムがストックホルム島しょ部をパトロール中、10月20日  (Anders Wiklund / AFP)
STOCKHOLM —スウェーデン海軍が怪しい外国潜水艦の捜索活動を増強しているが、冷戦時代に逆行するようにロシアを名指しで疑っている。
  1. 捜索範囲は首都ストックホルムの南東方面で近年では最大規模。国民には安全のため接近を禁じ、初の飛行制限も発表。
  2. 9月にはロシアのSu-24戦闘爆撃機が二機でスウェーデン領空を侵犯し、カール・ビルト外相が「ロシアによる深刻な領空侵犯」とこの十年ほどではじめて非難している。
  3. バルト海では冷戦期間を通じて両陣営が海軍部隊を運用していたが、スウェーデンはとくにソ連海軍の動きに注視していた。
  4. よく知られているのは1981年にはカールスクロナ海軍基地付近でソ連潜水艦が座礁した事件だ。
  5. ソ連崩壊後もスウェーデンは外国潜水艦の動きに注意を払っている。
  6. 20日には軍が捜索範囲を広げたため今回探知された艦の所在を巡り観測が高まった。だ。
  7. 捜索範囲の拡大に合わせ軍からは作戦海域から10キロメートル以内への立ち入りを警告するとともに同海域上空の不要不急の飛行を禁止している。
  8. 「人工物」の手がかりが先週金曜日に探知されてから、大規模な探索活動が展開されていた。
  9. 捜索活動が月曜日に入ると、問題の艦がロシアのものとの観測が広がった。
  10. ロシアはは逆に艦はオランダ所属だと主張。
  11. オランダ政府は直ちにこれを否定、自国潜水艦はスウェーデンとの海軍演習終了後に海域を去っていると発表。
  12. スウェーデン国防大学のトーマス・リースTomas Riesは艦がロシア製だとほぼ確信している。
  13. 「ロシアのものだと示す証拠は多いです。その他の国がスウェーデンに小型潜航艇を派遣するとは考えにくいです」
  14. 19日日曜日にスウェーデン軍が写真を発表し、同日にストックホルム東50キロメートル地点で撮影された「外国船」だという。
  15. リースは今回の事件は領空侵犯とは異なる性格だとする。ロシア機の領空侵犯はむしろ外交活動の一環だとする。
  16. 「相手方が秘密のままにしておきたいのは秘密工作活動をスウェーデン領海で行っていたことを示しています」
  17. ウクライナ危機のさなかでヨーロッパ安全保障への影響も危惧される中、スウェーデン事件はバルト海で緊張を増やす。
  18. ラトヴィア外相エドガルス・リンケヴィッチ Edgars Rinkevics はスウェーデン領海で進行中の事態を注視している。
  19. 「バルト海全体の安全保障の構図を塗る変える事態に発展するかもしれない」
Swedish Ministry Defense Handout Photo given to reporters on Saturday of the, “foreign underwater activity.”
スウェーデン国防省が報道陣に18日土曜日に公開した「外国潜水活動」の写真

  1. 可能性のあるロシアのピラニア級は潜水時390トンで乗員9名で6名の戦闘員を運ぶと米海軍協会の艦艇年鑑は述べている。ディーゼルエレクトリック推進で10日間の航海が可能という
  2. ソ連時代に作られたピラニア級は1980年代に完成し、ロシア艦隊から1997年に除籍されたが、一隻が海外向け販売用に改修されているという。
  3. 別の専門家からはプロジェクト908トリトンIIダイバー運搬艇(LSDV)ではとの声もある。6トンで戦闘ダイバー6名を60カイリ運ぶことができる。
  4. だが捜索が続く中トリトンの可能性は消えつつある。12時間も先行したままだからだ。■

2014年10月21日火曜日

シリア空爆拡大から一か月、分かれる専門家の評価と今後の行方




空爆開始から一か月、期待された大きな変化は発生せず、高価な兵器で安価な車両等を攻撃する事例が報告されていますが、これは泥沼化するのではと冷や汗をかく高官が多いでしょうね。しかしISISに占領された(されかかっている)住民が自ら蜂起しISISの教義に真っ向から立ち向かう日が来るでしょうか。筆者はそう思いませんが。

One Month In, Mixed Reviews on Iraq, Syria Airstrikes

http://www.defensenews.com/article/20141019/DEFREG02/310190006/One-Month-Mixed-Reviews-Iraq-Syria-Airstrikes
Oct. 19, 2014 - 03:03PM   |  
By AARON MEHTA   |   Comments
Syria airstrike
F-22 ラプターがシリア空爆に備え格納庫からタキシ―中。9月23日撮影。民間人被害を懸念して空爆には制約が課せられているのがイラク、シリア作戦の現状だ。 (Tech. Sgt. Russ Scalf / US Air Force)

WASHINGTON —シリア国内のイスラム国(IS)戦闘員を標的にした空爆を9月23日に開始した際に、バラク・オバマ大統領はじめ指導層は作戦は当分継続する見込みと発言していた。
  1. しかし米軍の空爆作戦には空軍力の信奉者含め批判的な見方が日増しに強くなってきた。一方でIS部隊はコバニなど各地で進軍を続けており、戦術変更を求める圧力が強くなっている。
  2. 一ヶ月経過したがシリア、イラクの状況は混沌のままで、合衆国は長期間かつ複雑な戦闘に巻き込まれてた観があることで全員が意見を同じにしている。
  3. ペンタゴンによるとイラク空爆は対ISミッションが始まった8月8日以来10月15日現在で合計294回。これに対しシリアでは9月23日から10月15日までに計229回の空爆を実施している。
  4. 「アフガニスタンでは同じ期間で近接航空支援3回あれば武器投下は一回だった」と軍関係者は明かす。
  5. 8月8日以来の弾薬投下回数は延べ1,300回ほどで、合衆国は同盟各国と一日平均100機出撃のうち25機が一発以上の兵装を投下している。
  6. 数字を聞くと相当の規模と思えるが、空軍力の専門家は不十分とする。「ISISを相手にした不誠実な航空戦」“The Unserious Air War Against ISIS”の題で戦略研究予算評価センターCenter for Strategic and Budgetary Assessments の研究員二名が今回の作戦と類似した1999年の対セルビア軍作戦と比較している。当時は一日平均138回の攻撃を実施しており、今回の対IS作戦より規模が一段大きい。
  7. 著者のマーク・ガンジンガーMark Gunzingerとジョン・スティリオンJohn Stillionは状況が複雑なことは認めつつ空からの攻撃に増強の余地があると主張する。
  8. 「空軍力を出し惜しみするとイラクでもシリアでもイスラム国戦闘員に制圧された領土の奪回は不可能だ」
  9. 退役米空軍中将デイヴィッド・デプチュラ David Deptula は2001年にアフガニスタンの航空作戦を主導したが、この意見に賛成で「問題は空軍力に制約があることではなく、空軍力の活用が不十分なことだ」とする。
  10. 「ISILのいるイラク・シリアの状況はタリバンのいたアフガニスタンと同じではない。今われわれが目にしているのは航空作戦を支援用にしか使ったことのない地上部隊指揮官中心の司令部が主導権を握る最後の戦争だ」
  11. それでは航空作戦をさらに増強すべきか。意見は分かれ、専門家は複雑さを指摘する。
  12. シリア作戦はシリア国内体制の変化をねらうよりもイラクのIS勢力向け支援を断ち切ることが目的で開始されたものだ。
  13. 「短期的にはまずイラクを叩く戦略だ」と作戦遂行に詳しいペンタゴン関係者がDefense Newsに語っている。「イラク軍が反撃しイラクを奪回するのを助ける。シリアではISILの戦闘能力を妨害、除去するのが目的だ」
  14. イラクが中心なら退役陸軍中将デイヴィッド・バーノretired Army Lt. Gen. David Barno(新しいアメリカの安全保障を考えるセンターthe Center for a New American Securityの上級研究員)は対応はやさしいと見る。
  15. 「とても複雑な構造です」と言い、「シリアの方がイラクよりも難易度が高いです.....合衆国にとってシリアは困難で長期にわたり問題となるでしょう」
  16. これが課題2番目のシリアで、合衆国が作戦展開中の地域はすでに内戦で荒らされているのでISとシリア大統領バシャ・アル-アサドの双方に今の段階で主導権を握る意欲がない。
  17. 上記ペンタゴン関係者もアサドを計画立案上は考慮しているが、空爆が間接的にアサドを強くするとの観測は軽視しているという。
  18. 「現在交戦中の各地ではアサド側が敗北ずみで奪還は不可能でしょう」と言うのだ。「そこに軍事力を投入すれば短期的にアサドによい効果となります。しかし長期的にはわれわれは反対勢力をテコ入れしますのでISILだけでなくアサド政権とも対決することになるでしょう」
  19. 三番目の要素は一般市民の死傷者を発生させないことだ。今回の取材では全員同じくIS勢力が民間市民にまぎれこんでいるので合衆国が目標を狩りたて攻撃することへの大きな制約となっていると認めている。
  20. 「軍は最大限に注意し正確・精密に目標捕捉に努めています」と同上ペンタゴン関係者は語る。「これができないと失うものが得るものより多くなります。地元住民の支援は絶対に必要です」
  21. バーノも空軍力から自らを守る方法をISは熟知していると指摘。「それに対し当方は制約を大きくせざるを得ない、一般市民で負傷者を発生させたくないからです」と言う。「このため思い切った作戦が実施できません」
  22. このため目標設定は限定的で、ISR強化を求める向きがあるが、上記ペンタゴン高官は「ISR機材は不足していません」とし、「もしそうなら、爆弾を積んだまま帰還する例が発生しているはず。目標が指定されていなければ投下できませんからね。そんなことは発生していません」
  23. デプチュラも巻き添え被害を恐れる傾向に異議を唱える。真の意味でIS打破に効果的なら一部緩和してもいいのではないか。
  24. 「交戦規則も変更し、下級の指揮権限にも目標攻撃を許すべきで、「誤爆」の可能性が増えますが、効果を引き上げるにはリスクも受け入れないと実現しません」
  25. 「反面で地上戦の効果を増やすためリスクはやむを得ないとの意見が大勢を占めれば継戦決意が高くなり、クルド人部隊やイラク軍から大きな歓迎を受けるでしょう」
  26. もうひとつ大きな疑問は地上戦部隊を投入するまでに空爆がどこまで成果をあげられるのか、と言う点だ。
  27. 重鎮議員のジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ)Sen. John McCain, R-Arizやバック・マケオン下院議員(共、カリフォーニア)Rep. Buck McKeon, R-Califはこの問題でペンタゴンを空爆開始当初から追求している。
  28. 「地上部隊を派遣しないと、連合軍を形成できず、占領された地方を奪還するのは不可能」とマケオンは10月9日に発言。
  29. 「地上部隊が必要で、合衆国でなくてもよいが、これがないと勝利はやってこない」とバーノもいい、先月は「空軍力の限界が明らかに示された」とする。
  30. そこで再びデプチュラが登場、問題は空軍力ではなく、その使い方だと主張する。
  31. 「空軍力は雷雨のように使うべきなのに今は小雨のようだ」
  32. 上記ペンタゴン関係者もイラク、シリアで領土保全のため地上部隊の必要を認める。そこで現地軍の訓練を急いでいるところだ、そして現地住民が蜂起し、ISの教義に立ち上がるべきという。
  33. 「空軍力だけでは不十分、軍部隊だけでも不十分です」と言い「ともに広範な戦略構想の要素に過ぎませんし、最終的にもし該当地域の住民がISの思想に反撥しなければ、軍の作戦は成功できないのです」■

2014年10月20日月曜日

米海軍 イージス駆逐艦2隻を日本へ追加派遣


BMD対応を日米が強化するとのは脅威対象が引き続き拡大する必要があると日米が理解していることを意味するのでしょう。経ヶ岬レーダーは北朝鮮をにらむ大事な拠点となりますが、反対運動が出ているのはどれだけ安全保障の意味を理解しない人たちがいるかを示していると思います。


Navy Moving Two Additional BMD Destroyers To Japan

By: Sam LaGrone
Published: October 17, 2014 10:38 AM
Updated: October 17, 2014 10:38 AM
USS Benfold (DD 65) is at anchor off Koror, Republic of Palau in 2012. US Navy Photo
USS ベンフォード(DDGー65) パラオ共和国コロール沖にて。2012年. US Navy Photo

米海軍の最新鋭弾道ミサイル防衛駆逐艦二隻が日本に追加派遣され、ると米太平洋艦隊が16日発表。
  1. USSベンフォード Benfold (DDG-65) とUSSミリアス Milius (DDG-69) は母港をサンディエゴからそれぞれ2015年、2017年に横須賀へ変える。
  2. 一方、USSラッセン Lassen(DDG-82)はUSSバリー   Barry(DDG-52)と交代し横須賀の前方配備海軍戦隊 Forward Deployed Naval Forces (FDNF)からメイポート基地(フロリダ州)へ移動する。
  3. 「バリー、ベンフォード、ミリアス各艦は近代化改装で性能はトップクラスとなる」と声明文がうたう。
  4. 上記三隻はアーレー・バーク級駆逐艦でイージス・ベイスライン9改修でBMDに加え通常戦能力が上がる。コンピュータ処理能力の向上で複雑なBMD脅威へ対応し、対空戦・BMDのミッション切り替えが容易になる。
  5. 「各艦は海上自衛隊のイージス艦と共同し、経ヶ岬(京都府)で今年末に稼働開始のTPY-2レーダーも加え米日両国による地域内ミサイル防衛能力の即応性を高める」(太平洋艦隊声明)
  6. ニミッツ級空母USSロナルド・レーガンRonald Reagan(CVN-76が前方配備戦隊に加わり、USSジョージ・ワシントン(CVN-73)に交代する準備が進んでいる。■

2014年10月19日日曜日

☆ ロッキード・スカンクワークスが発表した小型核融合炉技術の概要



(ターミナル1共通記事)以下ご紹介する記事はインパクトがあり、興奮させられます。本当に核融合が実現するのかぜひ知りたいものです。さっそく航空機や艦船に搭載した場合を想像する向きもあるでしょうが、まず実用に耐える核融合発電が運転する様子を見たいですね。それをスカンクワークスが発表したというのはどういう意味があるのでしょう。当面要注意な話題です。翻って日本ではなんといっても反核ですから頭から融合炉も否定されてしまうのでしょうか。本当に使える技術なら世界を大きく変える可能性があり、日本は鎖国している余裕があるのでしょうか。真偽はともかく興奮しませんか。


Skunk Works Reveals Compact Fusion Reactor Details

Lockheed Martin aims to develop compact reactor prototype in five years, production unit in 10
Oct 20, 2014Guy Norris | Aviation Week & Space Technology
ロッキード・マーティンのスカンクワークスといえば極秘研究で有名だが、ひっそりと研究してきた核エネルギーの利用方法は世界のエネルギー事情を変える可能性を秘めている。
  1. 小型核融合炉compact fusion reactor (CFR)と命名され、これまでより安全で、廃棄物が少なく出力ははるかに大きい。現在の核動力は核分裂で原子を割りエネルギーを得る。これに対し核融合では原子を組み合わせ安定を高めてから余剰エネルギーを放出する。
  2. ロッキード提案は小型ながら拡大可能で惑星間宇宙船、輸送船、都市発電などの用途に最適だという。大型の核動力航空機の構想が復活し、事実上無給油で飛行が可能となるかもしれない。この構想が50年以上前に一度中止されたのは危険性と核分裂炉関連の複雑な構造のためだった。
  3. ところで核融合は新規の概念ではない。1920年代以降、核融合が宇宙旅行の動力源に想定されていたが、実用に耐える装置が完成していなかった。各種研究機関や企業が世界中で核融合を実現しようとしたが、実験レベルを超える装置は存在していない。困難な課題にブレイクスルーが実現しようとしているようで、パラダイムシフトが世界のエネルギー事情に発生すると予想される中、ロッキードは事業提携先、資金、研究人員を集めるべく自社プロジェクトを公表した。
プラズマが放出する中性子(紫色)が熱を反応炉側壁から発電タービンに伝えるCredit: Lockheed Martin
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  1. 同社は2013年にもCFRの一部を公表したが、今回は詳細を公開した。Aviation Weekは単独取材をスカンクワークスでの実験(「T4と呼称)で許された。主管するのは航空工学エンジニアのトーマス・マクガイア Thomas McGuire でスカンクワークスの中で革命的技術開発事業部Revolutionary Technology Programs とぴったりの名称の部門に所属。現在のは格納容器の開発中で大きさはビジネスジェット機のエンジンぐらいだ。センサー類、注入器、ターボポンプがついて、内部を真空にし、大量のバッテリーで接続したステンレススチール製の格納容器を見ていると、これまで何十年も核物理学で難題だったものががこれで解けるとは見えない。融合反応の制御方法は未解明のままだった。.
  2. 「NASAの研究課題で火星に早く到達する方法を模索してました」とマクガイアマサチューセッツ工科大で博士号を取得)は語る。核融合動力の宇宙推進関連の文献を調べたが、失望したという。「そこで自分で各構想を検討し、問題点を一つに集約して問題が恩恵になるように置き換えてみたわけです。すると一歩先に進み、ここロッキードで完全に新しいものに変わり、これを今テストしているところです」
  3. ロッキード構想のブレイクスルー内容を理解するには融合の原理とともに融合反応の制御で反応炉で得るエネルギー量と炉の大きさがどう変わるかを知っておくとよい。まず核分裂の燃料は水素アイソトープ重水素hydrogen isotopes deuterium と三重水素トリチウム tritiumが原料で、まず格納容器にガスとして注入される。そこにエネルギーを加えるとガスはイオンと電子に分かれプラズマが発生する。
  4. 超高温度のプラズマを制御するのは強力な磁場でこれにより容器側面にプラズマが接触するのを防ぐ。またプラズマ閉じ込め状態が十分でないと、イオン同士が衝突し融合していく。この過程で発生するのがヘリウム-4で、中性子を解放し、中性子がエネルギーを磁場を通じて運んでいく。中性子が反応炉の側面を加熱し、熱交換器を通じタービン発電機を運転する。
  5. これまでは融合炉にはプラズマ制御装置としてトカマクtokamakと呼ぶ装置が使われてきた。これは1950年代にソ連物理学が発明したもので、地場でプラズマを環状帯 torus あるいは指輪の形に保持し、反応の維持には別の電磁石でプラズマ内部の電流を誘導した。この方法での課題は生まれるエネルギー量が融合反応の維持に必要なエネルギー量とほぼ同じとなることだ。
超電導磁石を入れたリング多数が反応炉内のプラズマを封じ込める

  1. そこで発展型の融合炉として国際熱核融合実験炉 International Thermonuclear Experimental Reactor (ITER) がフランスのカダラッシェCadarache, Franceに建造され、500MW出力となる予定だった。しかしプラズマは2020年代末まで形成されず、十分な出力が得られるのは2040年代以降の見込みだ。
  2. トカマクの問題は「保持できるプラズマの量が限られることで、これをベータリミット beta limit と呼んでいます」とマクガイアは説明してくれた。プラズマの圧力を電磁圧力に換算すると、平均的なトカマクのベータリミットは低く「閉じ込め圧の5%程度」だという。環状帯を自転車のタイヤに例えると、「大きくしすぎると、最終的に封じ込め用タイヤが破裂しますので、安全運転のために近づけない方がよい」とマクガイアは言う。この問題とは別にトカマクでの物理原則では巨大な規模と莫大なコストが必要だ。ITERは建造費500億ドルで完成すると高さ100フィート、総重量23,000トンとなる。.
  3. CFRではこの問題を回避すべく全く違う方法でプラズマ封じ込めをする。プラズマをチューブ状の輪の中に封じ込めるのではなく、超電導コイルで磁場配列を形成しここにプラズマを反応炉全体に保持する。超電導磁石が各コイルの中にあり、外部に磁場を形成する。「自転車タイヤではなく壁側面に広がるチューブとしたわけです」とマグガイアは言う。「このシステムだと自動調整式のフィードバックがはたらき、プラズマが離散しようとすると磁場が強くなりプラズマを引き戻し封じ込める。CFRのベータリミット比は1となる見込みで、「100%以上も狙う」という。
  4. 決定的に違うのは同じサイズならCFRでトカマクの10倍の出力を得られることだ。つまりCFRは10分の一にできることになる。この寸法上の変化は生産加工と価格で大きく地図を塗る変える可能性があるとマクガイアは説明する。「ここに将来の経済を塗り変える開発の可能性があります」と言い、「大きさが10分の一というのがカギです。物理学ではそれでも十分であり、当社がこの技術が有効だと信じる理由はこれまで十分に安定した構成を実現してきたためです」 安定性を確保できた理由の一つが超電導コイルの配列位置であり磁場ラインの形状だ。「当社の例ではいつも均衡をとってきました。そこで圧力を弱めると、プラズマは小さくなり、常時磁場の中に納まっていました」という。
  5. 全体としてロッキード案は「これまでの成果の良い点をたくさん採用している」とし、ベータを高くする機器構成、環状に配置しプラズマを封じ込めるようにした磁場ライン、軸対象ミラーを実現した技術簡素化があるという。このうち軸対象ミラーは各容器の端近くに強力な磁場を置くことで形成され、CFRの軸から抜け出るプラズマ粒子の多くを反射するものである。「また再循環もありこれはポリウェル Polywell 構想と似ています」といい、核融合で有望なもう一つの構想に触れている。ポリウェル融合炉では電極で電磁場を作り、電子を閉じ込め、負の電圧をつくることで陽イオンを集める。その結果としてイオンがどんどん負電圧に集まる際に衝突と融合を実現する構想だ。
  6. ロッキード開発チームは開発は初期段階であり、課題が残っており、試作機の制作はまだ先だという。ただしマクガイアは進展は速いだろうと見る。スカンクワークスの考え方がその背景にあり、「ここで働く人は仕事がすごく早い」と言う。「試作品は五世代で完成させたい。予定通り毎年設計製造試験のサイクルを一年でこなせば、5になりますね」 試作品は点火状態を実証し、注入が終わっても10秒間の安定状態を維持するのが目標で、「その意味では全出力運転ではないですが、物理的な作動状態はすべてお見せできるでしょう」
  7. 5年後には生産型が登場する見込みだ。「これは大規模な作業になりますね」と言い、商業生産に移すとなると素材関連や熱転送、ガスタービンの専門企業の関与を想定しているという。まず100 MW クラスで米国の住宅向けなら80千戸相当に十分な電力を供給でき、「船も動かせる」という。
  8. ロッキードの予測では25 kg 未満の燃料で年間運転が可能とみる。燃料の供給は心配がない。重水素は海水から生成し、無限にあるといってよく、三重水素トリチウムはリチウムから「繁殖させる」のだという。「すでに世界規模の反応炉向けに十分な供給量を確保できるリチウムを採掘していますのでトリチウムを過剰生産することを避けて安全を確保できます。トリチウムは空中に広がると健康上のリスクがうまれますが、少量なら安全です。また反応炉の運転には少量で十分です。なぜなら化学反応より百万倍強力ですからね」
  9. 第一世代の反応炉も運転の最終段階で放射性廃棄物を生むが、汚染度は現時点の核分裂系よりはるかに少ないとマクガイアは予想する。「まず長期間残留する放射性物質はありません。核分裂では永遠に残る放射性廃棄物がでますが、核融合では100年というところでしょうか。」
  10. また核融合の放射能汚染レベルも今後の素材研究で改善されると見ている。「鶏と卵のどっちが先か、と言う状況で、運転型核融合システムが完成するまでは素材研究に回せる資金がないでしょうね。そのため第一世代から時間をかけて改良していくという考え方です」 使用済みのCFR用鋼材は「砂漠に埋め立てるので今日の医療廃棄物と同じ扱いです。それでも核分裂系とは大きな違いがあります」
  11. 運用が開始されれば多面的な恩恵が生まれる。たとえばメルトダウンののリスクがない。「放射性トリチウムの量はごくわずかで、数グラム単位ですのでもし外部に漏れても被害は最小限です。さらに核拡散のリスクが少ないです。トリチウムは核兵器にも使用されますが、想定する使用量をはるかにうわまわる在庫がすでにあります」という。
  12. 事前シミュレーションと実験結果から「非常に有望で可能性がある」ことが判明したとマクガイアは言う。「最新結果では磁性化イオンの封じ込め実験をし、初期測定で正しく作動していることがわかりました。次はプラズマ封じ込めを開始します。今回当社のプロジェクトを公開したのは、チーム作りでもっと大きな課題にとりかかるためです。当社には外部支援が必要であり、外部人材も巻き込みたいと思います。これは世界規模の事業であり、その中で主導的な立場をとれるのをうれしく思います」
Video ロッキード・マーティンの小型核融合研究開発の状況をビデオでご覧ください。: AviationWeek.com/CFR
From the Archives 原子力動力の航空機についての1958年記事を検索できます。AviationWeek.com/Archives
Digital Extra スカンクワークスのCFR主任技術員トーマス・マクガイアはこんな人: AviationWeek.com/McGuire


2014年10月18日土曜日

ISISはジェット戦闘機を運用しているのか 米中央軍は否定するが....


ISISがミグ戦闘機を運用中との報道が出て、中央軍がすかさず記者会見でこれを否定していますが、ほっておけば本当にISISが限定的とはいえ空軍力を使う日がやってきそうです。状況がどんどん進展していく中、日本ものんびりと遠い世界のことと無関心ではいられませんね。

U.S. Central Command Casts Doubts On Claims ISIS Operating Captured MiGs

By: Dave Majumdar
Published: October 17, 2014 4:35 PM
Updated: October 17, 2014 4:35 PM
U.S. Central Command Commander General Lloyd J. Austin III on Oct. 17, 2014. Defense Department Photo
米中央軍司令官ロイド・オースティンIII大将、10月17日
Defense Department Photo

米中央軍はイラク・シリアイスラム国(ISISあるいはISIL)が軍用機を運用中とする証拠はないと発表。

  1. 「ISILがジェット機で地上作戦を支援しているとの報告は現場から入っていない。またこれを確認できない」と米陸軍ロイド・オースティン大将Gen. Lloyd Austinがペンタゴン記者会見で発言した。「パイロットが脱走しISILに加わったとの情報もない」

  1. シリア人権監視団Syrian Observatory on Human Rights (SOHR)はISISがソ連製戦闘機3機(ミコヤンMiG-21フィッシュベッドとMiG-23フロッガー)を入手したという。もしISISが独自に航空機を運用すれば、テロ集団で前例がない。

  1. SOHRによれば操縦士はイラク脱走者かISISが新たに訓練したものであるという。「イラク軍から脱走した将校がイスラム国に加わり、戦員を訓練し操縦できるようになった」とSOHRは報告している。

  1. 「訓練過程はアル・ジャラ al Jarrah 空軍基地で行われている。同基地はアレッポ Aleppo 東部にありシリア内のイスラム国で最重要基地と見られる」

  1. しかしテロリスト集団に軍用機の運用力はあるのか。軍用機を飛ばすには訓練を積んだ搭乗員以外に支援部隊や整備施設が必要だ。ISISは全て整備していないとみられる。

  1. まして最小限の支援インフラで新規に乗員訓練は容易ではない。ソ連時代の頑丈なハードウェアでもこれは変わらない。通常なら戦闘機パイロット養成は2年間かかる。しかしテロリスト集団が自殺攻撃に使う程度の訓練を施す可能性はあるが、ありえないだろう。

  1. それでもアルジャラ飛行場で航空機運用目撃されているとSOHRが公表している。

  1. 目撃談では戦闘機各機は低空飛行していたという。SOHR報告はイスラム国戦闘員がアレッポとアルラッカ al Raqqa で政府軍基地を占領し、機材を入手したとしている。「イスラム国が各機に搭載するミサイルまで取得しているかは不明」(SOHR報告)■


X-37Bが秘密ミッションを完了し675日の軌道飛行から帰還


謎の無人シャトルX-37Bが長期間軌道飛行から無事帰還しました。相変わらず米空軍は秘密を守っていますが、今後に使える技術が実用化されればいいですね。しかしこれだけ長期間の無人飛行で自律的に地上に戻ってくるというのはすごい技術だと思います。

USAF’s Secretive X-37B Lands Successfully

Oct 17, 2014Guy Norris | AWIN First

USAF
LOS ANGELES—米空軍のX-37B宇宙機がヴァンデンバーグ空軍基地(カリフォーニア州)に10月17日着陸し、軌道飛行675日の新記録を樹立した。
  1. 今回のミッションは第三回目で米空軍はX-37Bを2機運用中。前回のミッションは469日飛行しヴァンデンバーグに2012年6月に帰還している。
  2. 全長29フィートのX-37Bはボーイング製で主翼のついた形状はスペースシャトルを縮小したようにみえる。初回飛行2010年4月以降の毎回の目的は非公表。空軍は極秘宇宙配備ISR情報収集監視偵察装置のテストをしている、衛星を捕獲、破壊するテストをしているとの観測を否定している。空軍の説明はあくまでも飛行技術の実験というもの。
  3. 評価対象の技術分野には高性能誘導、航法、制御技術、耐熱システムズ、エイビオニクス、高温耐久密閉構造、一体型再利用可能の絶縁、軽量電子機械式飛行システムズおよび自律式軌道飛行・再突入・着陸システムズがあると説明。
  4. 長期間の軌道飛行の目的は謎のままだが、初回ミッションの軌道が地上から追跡されていた。三回目のミッションの軌道高度は前回より低くなって218マイル、飛行経路は北緯43度5分から南緯43度5分の間と報道されている。
  5. ところで今回がヴァンデンバーグ基地を利用する最後のミッションになりそうだ。四回目ミッションはフロリダのケネディ宇宙船た0のシャトル運用施設を利用すると空軍は以前に発言している。ボーイングは同施設の改良にすでにとりかかっており、年末までにX-37B運用が可能となる。■

対ISIS作戦名称は「不滅の意思」



勢いが止まらないISISですが、地上ではイラク保安隊が無様な様子を示し、頼みの綱は勇猛果敢なクルド人生力だけということでしょうか。作戦名称がやっと決まったのももともとやりたくなかった作戦だからでしょうね。ISIS封じ込めには戦略の仕切り直しが必要なようですね。報道では『不動の決意』としているようですね。ちょっと訳が難しいと思います。

Campaign Against Islamic State Named 'Operation Inherent Resolve'

Oct. 15, 2014 - 02:11PM   |  
By JEFF SCHOGOL   |   Comments

イスラム国との戦闘に作戦名称がついた。「不滅の意思」作戦“Operation Inherent Resolve”である。
  1. 統合参謀本部の発表はイラクその後シリアのイスラム国勢力を標的にした作戦開始から10週間後となった。
  2. ウォールストリートジャーナルは10月3日付で米軍上層部は一度「不滅の意思」の名称を却下したと報道。語感が平凡だったと軍関係者が漏らしていた。
  3. 中央軍によれば名称は「合衆国および同盟各国による断固とした決意および深い責任感が同地域と全世界に対してあり、テロリスト集団ISILがイラク、同地域さらに広く国際社会にもたらす脅威を撲滅する目的を示す。同時に有志連合国が地域内友好国と密接に行動し、すべての国家の持つ外交・情報・軍事力でISILを最終的に除去する意思と献身ぶりを象徴する名称でもある」
  4. 15日午前現在で米国主導の連合軍は空爆510回を実施しており、このうち294回がイラク、216回はシリア向けだったことが国防総省報道官エリッサ・スミス海軍中佐から発表されている。このうち米国の実施は445回でイラク274回、シリア171回だった。
  5. 最近の米国による航空攻撃はトルコ国境に近いシリアのクルド人居住地コバニ Kobani に集中しており、クルド人民防衛隊がイスラム国の蛮行から防御しようと奮闘中である。米関係者はコバニ陥落の可能性を警告しており、B-1爆撃機まで投入してコバニ近郊の陣地を攻撃している。
  6. ただし爆弾投下、巡航ミサイル発射でもイスラム国がイラク西部アンバー地方を引き続き支配している事実にかわりなく、バグダッド近くまで侵攻しようとするのを食い止められない。
  7. それでも退役空軍将官チャールズ・ウォルド Charles Wald にいわせれば空爆作戦は効果があり今後も継続すべきという。
  8. ウォルドは空爆作戦でイスラム国を寸断し攻撃力を弱めるには時間が必要であると発言している。ウォルドは不朽の自由作戦でアフガニスタンの航空作戦を統括した経験がある。
  9. 特殊作戦部隊を展開し空爆と連携させる以外の地上兵力の投入にウォルドは反対の姿勢だ。
  10. 「地上兵力投入が必要と言う主張が完全に間違っている。boots on the ground とは「体制変更のための作戦を展開には地面が必要だ」と言っているのと同じだ。まず、対象となる体制が存在しない。二番目に戦う相手の法的な実態が存在しない。
  11. 三番目に地上部隊が必要となっても陸軍の通常部隊である必要はない。JFACs(Joint Forward Air Controllers統合前線航空管制官)であったりJTACs(Joint Terminal Attack Controllers統合最終攻撃地点統制官)でいい。所属は陸軍でも特殊兵科でも、空軍でもCIAでもよい。何らかの措置で現地で生き残る必要はあるでしょう」■