2019年5月4日土曜日

2020年大統領選レース始まる 民主党バイデンは中国にとって望ましい候補者のようですね

Biden Dismissive of China Threat: ‘They’re Not Competition for Us’

バイデン、中国脅威論は笑止千万 「競争相手ではない」


Joe Biden
Joe Biden / Getty Images
May 1, 2019 7:25 pm

前副大統領で民主党の大統領候補ジョー・バイデンが中国は米国の脅威だとの論調に疑念を示した。5月1日アイオワ集会でバイデンは「中国に出し抜かれる? いいですか皆さん、連中は悪い手合でありませんよ。わかりますか、わが国と競合していません」と発言したという。
発言を最初に伝えたのはワシントンエギザミナーのシモンソン記者とデモンズレジスターのグルーバー=ミラー記者だった。
シモンソンはバイデン発言をツイッターで伝えた。


biden apologizes for being "esoteric" before repeating his favorite kant quote
"china is going to eat our lunch? come on man" biden says before saying that the chinese "isn't in competition for us"


グルーバー=ミラーは「バイデンは中国の競争力を脅威とする見方に懐疑的で『中国に出し抜かれる? いいですか、皆さん、皆さん、わかりますか、連中はわが国の競争相手ではありませんよ』と発言したとツイッターで紹介した。


Biden: "We have to unify this country ... the other side is not my enemy, it's my opposition." #iacaucus
Biden is skeptical of the threat of competition from China.


"China is going to eat our lunch? Come on, man."


"They're not bad folks, folks. But guess what? They're not competition for us." #iacaucus


発言はトランプ政権の中国姿勢と好対照である。バイデンはトランプの対中貿易政策は過剰と見るが、トランプ政権は中国のプロパガンダに厳しい姿勢だ。
ホワイトハウスの貿易製造政策事務局が昨年6月発表の論考では中国の脅威は米国のみならず世界経済に影を落としていると指摘した。
中華人民共和国(中国)は急速な経済成長で世界第二位の経済大国になった一方で産業基盤を近代化しグローバル規模のバリューチェーンをのし上がった。ただし成長の相当の部分は世界的な規則や基準を無視した強引な行動、政策、手法で実現したものである。(これを総合して「経済侵略」と呼ぶ)中国経済の規模の大きさ及び市場を歪める政策の推進を鑑みると中国の経済侵略は米経済のみならず世界経済全体に脅威だ
論文では「中国のとる行為、政策、経済強硬策は世界規模で技術や知財を標的とし、米経済のみならず全世界の技術革新に有害」と結論づけた。
今週に入りウォール・ストリート・ジャーナルは中国が米情報機関職員を巻き込んで米政府の機密情報入手が活発化していると報じている。
「米法執行機関、情報機関の高官が相次いで警句を鳴らしており、中国の情報活動が長期かつ戦略的に脅威度が最高と指摘し、政府機密情報を盗むスパイ活動と企業、研究部門からの知的財産窃盗も相変わらず続いている」■
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コメント 2020年大統領選挙に向けた活動がいよいよスタートします。選挙による洗礼を笑い飛ばす中国は全て茶番と見ているのでしょうが、トランプ再選を阻むためにいろいろ画策するはずです。外国により選挙結果が左右されれば国家主権以前に民主政体そのものが危険になるためこれから米国は極度なまで中国の米国内での動きに神経質になるでしょう。それにしても日米問わず民主が名前につく政党はどうしてここまでダメダメなのでしょうか。

米空軍部隊のグアムから各地への分散配備演習の本当の狙いは....あの国ですね

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Airmen sharpen capabilities through dispersal exercise

分散配置演習で実戦能力の腕を磨く空軍部隊
Pacific Air Forces Public Affairs / Published April 23, 2019

JOINT BASE PEARL HARBOR-HICKAM, Hawaii --太平洋空軍(PACAF)は機材人材をアンダーセン空軍基地から分散退避演習で4月22日にマイクロネシア各地へ展開した。

演習はレジリエント・タイフーンの名称でPACAFが天候等の急変化に対応しつつ出動体制を維持し同盟国協力国への支援を支障なく実現できるかを試す目的があった。

演習で複数拠点からの飛行業務を実施し人員機材を運用できるかを試し、アンダーセンAFBの機材人員をグアム、サイパン、ティニアン、マイクロネシア連邦やパラウの各地に分散させた。

同時に飛行施設の救難消火活動、災害後の通信確保、人員貨物の迅速移動、器材の共同運用や各国との相互運用体制を試した。

「作戦環境やグローバル規模での脅威は急速に変化している」とマイケル・ウィンクラー准将(PACAF戦略立案部長)は述べる。「前方配備部隊すべてで事前通告なくても対応できるようにし、域内を柔軟に移動史いかなる場合も主体性を持って有効に対応できるようにしたい」

准将はさらにアンダーセンAFBが主要兵力投射の拠点であり、気象条件含む要素がPACAF活動にどこまで影響をあたえるのかを見たとする。これまでも悪天候の脅威から訓練活動が停止したことがヴィジラント・シールドやコープ・ノース演習で発生していた。

レジリエント・タイフーン演習に参加した部隊や機材には三沢航空基地から35戦闘航空団のF-16ファイティングファルコン、嘉手納航空基地18戦闘航空団のF-15Cイーグル、横田航空基地374航空輸送団のC-130Jスーパーハーキュリーズ、パールハーバー・ヒッカム共同基地の15航空団、154航空団のC-17グローブマスターIIIとF-22ラプターがあり、アンダーセンAFBの36航空団とアラスカのエルメンドーフ-リチャードソン共同基地の第3航空団が追加人員を派遣した。

グアムや北マリアナ諸島近辺での軍事活動や訓練は日頃から展開されている。

「太平洋空軍はこの地域から長年受けている支援を評価し、マイクロネシア各地の皆さんとはよき隣人でいたいと思い、これからも開かれた自由なインド太平洋の維持に努めます」「今回の演習で各方面との関係強化に繋がり、同時に貴重な訓練の場となり今後の対応体制の強化につながります。空軍部隊は身軽かつ機動性高い形で拠点展開を今後もつづけながら安全と環境面の基準を厳守してまいります」(ウィンクラー准将)■

台風通過に備える訓練というより中国の第一撃を逃れ分散展開しても戦力を維持するのが目的の訓練であるのはあきらかでしょう。日本の視点ではとりあえず那覇空港(基地)が標的となった場合の想定が心配ですね。下地島空港が運用を再開したようなのでここも重要拠点となり同時に中国もミサイルの照準を合わせてくるでしょうね。

2019年5月3日金曜日

憲法記念日に日本の安全を考える----中国ミサイル先制攻撃は日本を標的にしている。ではどう対応すべきか

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A Missile 'Pearl Harbor': How China Could Win a War Against America? ミサイル版の「真珠湾攻撃」で中国は米国に勝とうというのか。


国防戦略部門は中国の「空母キラー」弾道ミサイルや新型空母に目を取られがちだが最大の脅威は別にあると注意喚起する報告書が出た。
「米国の国益への最大の軍事脅威がなぜか認識されていない。それは中国のミサイル戦力で域内の米軍基地が脅かされている」と新アメリカ安全保障センター(CNAS)が先月発表したトーマス・シューガートとハビエル・ゴンザレスの共同執筆による報告書が指摘している。
ゴンザレス、シューガート両名はともに海軍中佐で後者はCNASに研究員として派遣中で、台湾あるいは尖閣諸島をめぐる対立への米軍介入を押し止めるため中国が域内米軍基地にミサイル奇襲先制攻撃を実施すると主張。「長距離精密攻撃兵器で先手をうち有利な立場を確保する考えが中国ミサイル部隊の運用構想や軍事戦略から浮かび上がる」とある。
中国指導部がミサイル戦力増強に動いたのは米軍がサダム・フセインに圧倒的勝利を収めた第一次湾岸戦争が契機だった。北京政府は第二砲兵隊と呼ばれていた部隊をロケット軍として主力核部隊に引き上げ、核および精密誘導通常兵器ミサイル(弾道及び巡航ミサイル)の運用部隊にした。この戦略は中国の地理条件やミサイル製造の低コストで大きな利点の獲得をめざす中国の発想が根底にある。
米軍基地への先制奇襲攻撃のため中国は大規模ミサイル戦力を整備してきた。陸上配備ミサイル戦力では中国が世界最大となった。ペンタゴンは中国の戦力を短距離通常弾道ミサイル1,200発、中距離弾道ミサイルを200ないし300発、巡航ミサイルも200ないし300発と試算している。多くが精密攻撃可能で核弾頭でなくても標的破壊は可能とする。Randコーポレーション報告書では中国ミサイルの「命中誤差半径は1990年代の数百メートルが現在は5ないし10メートルに縮小した」とある。よく話題に出るDF-21D「空母キラー」は再突入体が操作可能で更に精度が高まっておりミサイル防衛体制も回避できるといわれる。
シューガート、ゴンザレス両名は人民解放軍(PLA)の演習が米軍への先制攻撃を模擬していると指摘。その一つとしてPLAロケット軍が「係留中のアーレイ・バーク級駆逐艦と同程度の艦艇を標的にしたのは横須賀基地の想定」とし、その根拠として米艦艇3隻の同時攻撃は先制奇襲攻撃しかありえないからとする。
中国の軍事力と指導教義を検討した両名は実際の攻撃をシミュレートし効果測定した。興味深いことに在日米軍基地や一部自衛隊基地への攻撃を想定したものの韓国への攻撃は回避すると判明した。「朝鮮半島に第二戦線が生まれ軍事目標が分散するのを防ぐため」としている。このシミュレーションではグアムの米軍基地も最初は狙われないとし、その理由としてグアムが米領であり、中国としては米軍による中国本土空爆を招きたくないからとしている。
シューガート、ゴンザレスは先制攻撃のシミュレーション数例を試しながら米軍同盟国軍のミサイル防衛体制も盛り込んだ。いずれの場合でも「弾道ミサイル多数が発射されればすり抜けた数本でも米軍基地に大損害を与える」と判明した。以下想定での攻撃内容だ。
•  「固定式指揮命令所や補給処は開戦数分以内に攻撃を受ける」
• 「日本の母港内の米艦船ほぼ全隻が弾道ミサイル攻撃を受ける」
• 「日本の主要航空基地で滑走路や誘導路に弾道ミサイルが大穴を開ける」
• 「航空施設に損害が生まれ、司令部が破壊され、防空体制が劣化することで開戦数時間で200機が破壊される」
一つ希望の光は日本のミサイル防衛装備の強化として最終段階高高度防空(THAAD)やイージス弾道ミサイル防衛能力付与駆逐艦を在日米軍基地防衛にあたらせていることで奇襲攻撃の効果が減じられることだ。それでも相当数のミサイルが沖縄に命中するが損害は減らせる。もっと重要なのは日本国内の他の米軍基地は中国から更に遠い位置にありミサイル迎撃の間に機材を離陸させ、艦船を港外に移動させられる。両著者は米軍部隊で迅速基地避難訓練を普段から実施するよう提言している。
ここからもう一つ重要な点が浮かび上がる。両著者も中国専門家が中国が米軍に完全奇襲攻撃を仕掛ける意図があるのか懐疑的だが、両著者は米国は奇襲攻撃を受けた経験があり、真珠湾もその一つで、中国の積極的防衛構想を見ればその実行はありうるとしている。
ともに正しいと言える。真珠湾は米国と日本の緊張の高まりの中で実行されたが、中国の積極的防衛構想も同様に緊張時に実施されている。台湾あるいは尖閣諸島侵攻時で中国が先制攻撃に踏み切るとすれば事前に兵力移動が行われるなど緊張は相当高まるはずだ。であればシューガート=ゴンザレスの描く悪夢のシナリオの回避はずっと容易だ。つまり高度緊張時には米軍部隊を分散配備すればよい。米国が太平洋地区で第二次大戦時の基地で運用再開を進めているといわれるがこれを実行すればよく、艦船も確実に洋上展開させればよい。
いずれにせよ、シューガート=ゴンザレスがまとめた報告書は空母キラーミサイルのような奇異を狙う装備が必ずしも最大脅威装備にならないと国防関係者に示す点で大きな意義がある。つまるところ米軍がアジア各地の陸上基地に配備する軍事力は空母1隻の比ではないが、陸上基地はずっと簡単に破壊できる目標なのだ。■
Zachary Keck is the former managing editor of the National Interest. You can find him on Twitter: @ZacharyKeck.

報告書原文をご覧になりたい方は次のリンクをヒットしてください。https://s3.amazonaws.com/files.cnas.org/documents/CNASReport-FirstStrike-Final.pdf?mtime=20170626140814
ミサイル防衛が必要な理由がはっきりしますね。それだけに日本のミサイル防衛体制強化に必死に反対するのが中国やロシアであることがわかりますし、それに同調する国内の声は現実世界を直視していないことがわかります。
同じ弾道ミサイル戦力でも北朝鮮が子どもなら中国のミサイル戦力は大人並です。真剣に対応を考える必要があります。この記事によれば日本は被害を受けるのは必至となり、横須賀、大和、福生、岩国等の自治体は大被害を受けることになります。

ミサイル防衛に反対する庫会議員がありまして、その理由は迎撃に成功すれば破片が国土にふりかかるからだそうですが、とても真剣に議論するつもりにもなれない論理です。むしろ中国の攻撃を歓迎するとしか受け取れませんね

B-2パイロットは24時間以上のフライトを2名でこうこなしている

Here’s how B-2 bomber pilots pull off grueling 33-hour flights

B-2爆撃機のパイロットは33時間フライトをどうしのいでいるのか


By: Valerie Insinna

B-2パイロットになると世界唯一のステルス爆撃機での離陸時の興奮とともに兵装投下のプレッシャーを感じることになる。だが同時にコパイロットと丸一日以上におよぶフライトで仮眠をいつとるかの打ち合わせも必要だ。
「長時間フライトを数回こなすと20時間未満なんてたいしたものじゃなくなりますよ」と最近B-52からB-2へ機種転換教程を修了したばかりのクリス・「サンダー」・ベック大尉は語る。ベック大尉はミズーリ州ホワイトマン空軍基地を尋ねたDefense Newsのジェフ・ボルトンの取材を受けた。
ベックはB-2スピリットに搭乗し長時間耐久フライトをこなす予定だ。長時間ミッションはB-52操縦で経験があり、ルイジアナ州バークスデイル空軍基地から日本まで飛んで戻ってきたことがある。
「個人記録の最長は33時間ですが、フライト中はいつも大きな視点で達成すべき任務のこと、自分自身やクルーのことを考えていれば時間は通り過ぎてくれます」
B-2は米軍装備の中で敵領空に侵入し爆弾投下して生き残れる唯一の爆撃機だ。わずか21機しか製造されず、運用機材20機はすべてホワイトマンAFBに配備されている。
敵国境の内部に侵入するミッションのためB-2搭乗員は米国中央部から世界各地に飛ぶ訓練を繰り返している。
ベックによればB-52時代は長時間フライトの大部分を眠らず必要な対応に備えていたという。だがB-2パイロットに選択の余地はない。B-52は5名で飛行する。パイロット2名、航法士2名、電子戦担当1名だ。B-2ではパイロット2名が全部担当するので休憩時間の余裕がない。
「正念場でどうこなすか、最重要ポイントはなにか把握していきます」とマイク・ハフナー大尉が語る。13爆撃飛行隊のB-2パイロットでシミュレーター訓練を担当する。
「ミッション開始後はまやかしの安心感にひたってはいけません。目標地点まで12時間残っているのですから。十分に働けるよう準備を整えておく必要があり順番で仮眠をとって馬力を出せるようにしておきます」
ホワイトマン空軍基地には長時間飛行の人体への影響を熟知した航空医官や心理療法士が揃い、新人パイロットには長時間ミッションでも成果を落とさない方法や経験豊かなパイロットから疲労予防方法を聞ける。
「身体の24時間周期を自由に操作して適度の睡眠を確保しつつ食事摂取も含め睡眠時間の調整は可能です」とケイレブ・ジェイムズ軍医(509医療隊)は語る。
長時間ミッションでは医官が薬物を調合し、「ミッション集中を維持できるようにする」とジェイムズは言う。
パイロットはB-2ミッション開始直後にミッションの立案とともに離陸、兵装運用、空中給油、休憩といった通常業務でバランスをどうとるかを考えるのが通例だとニッキ・「ローグ」・ポリダー中佐(B-2パイロット兼509爆撃団安全主任)が述べる。
「24時間ミッションだと長時間ミッションでも誰がどの任務をこなすのか詳細を詰めて同時に睡眠も取る必要がある」と中佐は述べた。毎回の任務でタイミングを先に設定する必要があるのは「パイロットふたりとも座席で空中給油や兵装投下の段階や着陸など重要な仕事をこなせる体制にしておく必要があるから」という。
通常はパイロットは仮眠を数時間とりながら仕事をこなすが、「飛行ルートにより変わりますし、給油地点や兵装活動地点にも左右されます」(ポリドー中佐)
各パイロットにその人なりの長時間フライトでシャンとしておく秘訣がある。
「前日は暴食は避け早めに就寝しています」とハフナー大尉が述べる。「夜中に目がさめても体の向きを変えてなるべく長く寝るようにしています」
ベックは充分な水分摂取を重視しフライトには水やゲータレードのボトル数本を持ち込むという。
ハフナーの場合は洗面用具、着替え、スナック菓子だという。「長時間ドライブと似ていますね。ファストフード店に止めてダブルチーズバーガーやフライ、シェイクなんかを注文するでしょう。そうすると眠たくなりますよね。でもなにも食べないと惨めな気分です。なにか楽しくなるものがほしくなります」
環境も人体を覚醒させたり眠たくする。ベックの33時間B-52フライトで日本に行ったときは太陽を追いかける形となり乗員には暗闇は数時間しかなかった。
「なにも考えられなくなります。単に体が目覚めているだけですね」とベックは言い、このような状況では乗員は時間感覚を失うという。「着陸すると思わず感謝したくなります」■

Defense News partnered with independent journalist and long-time radio personality Jeff Bolton for a multimedia report that takes an up-close look at the U.S. nuclear enterprise by way of Bolton’s exclusive flights on military strike platforms and interviews with the leadership and military staff that support nuclear operations and missions.

2019年5月2日木曜日

4月30日、F-35Aが初の攻撃ミッションをイラクで実施



USAF F-35As Flew First-Ever Combat Strikes With Radar Reflectors And Sidewinders Fitted 米空軍F-35Aが初の実戦攻撃任務を実施 レーダー反射板とサイドワインダーミサイルを外部装着

The F-35As flew in a less than stealthy configuration as the aircraft's low observable capabilities weren't needed—at least not yet.

サイドワインダー等を搭載しステルス性を犠牲にしたのは必要がない状況だったため


BY TYLER ROGOWAYAPRIL 30, 2019


KC-10 supports F-35A's first air interdiction
U.S. AIR FORCES CENTRAL COMMAND—PUBLIC DOMAIN


空軍所属のF-35Aが初の兵装投下をした。UAEのアルダフラ航空基地を離陸したF-35Aの2機編隊は2019年4月30日イラク上空に到達し、GPS誘導方式の共用直接攻撃弾JDAMをISISの武器貯蔵地下トンネルがあるハムリン山地に投下した。この施設は連合軍に危険な存在でISISの再生の鍵になると見られていた。
388戦闘航空団、418戦闘航空団の所属機が今回投入されユタのヒルAFBから2019年4月15日に中東に移動していた。中東へのF-35A配備は今回が初めて。イスラエル、USMCがともに中東でF-35I, F-35Bをそれぞれ戦闘投入しているが、今回は9月以来初の戦闘投入になった。
第4戦闘飛行隊司令ヨセフ・モリス中佐がUSAF公式発表を以下伝えている
「相当の量の情報を収集、融合、共有し各機の残存性と戦力を高めている。...F-35Aは各所にセンサーを搭載しており、高性能レーダーがあり、戦闘地点の情報をリアルタイムで全て収集し融合できる。さらに集めた情報を僚機のF-35のみならず第4世代機と共有できる。...低視認技術がここに加わり統合軍部隊を補完し、AOR緊急事態の支援を常に行える」
USAF
KC-10から今回の戦闘任務で空中給油を受ける。AIM-9Xがパイロンにつき、レーダー反射板が垂直尾翼前に見える。


以上は正しいとは思うが今回の生来の決意作戦での戦闘ミッションではF-35は低視認(ステルス)性能を使用していない。今回の機体にもAIM-9X空対空ミサイルを主翼パイロンに装着しており、機体上部と下部にレーダー波反射装置をつけていた。この状態だとレーダー上で大きな姿をさらけ出すがイラクのような戦場では低視認性に大きな意味はないのでこれでいいのだ。
F-35Aを非ステルス機で運用すればAIM-9Xの外部装着も当然だろう。米軍戦術機が自機防御のためサイドワインダーを搭載するのは普通のことでアフガニスタンのように危険度が低くても搭載している。F-35はAIM-120AMRRAM二発を機内兵装庫に搭載できるが、視程内空戦ではAMRAAMはAIM-9Xの性能にかなわない。
非ステルス仕様でF-35を飛ばしたわけだがシリア上空への展開やこれまでF-22が果たしてきた「クォーターバック」任務をこなせば状況は変わるはずだ。完全低視認性の状態が必要になるのはロシアのような大国への投入時で最高性能の防空電子装備が配備されている空域への突入時で、相手方も同機の低視認性能を探ろうと躍起になるはずだ。ただし同じロシアでも東側となればここまで深刻な状態ではなくなる。
USAF
今回の中東ミッションでKC-10と並行して飛ぶF-35A編隊。AIM-9Xが主翼翼端パイロンについていることと機体下部のレーダー反射装置が視認できる

事実、対戦闘員攻撃ミッションでのF-35Aの威力はF-16より劣る。電子光学式標的捕捉装置EOTSを機首に装着しているがすでに15年前の技術であり、最新のスナイパーやライテニング照準ポッドをつけた第4世代機より見劣りがする。F-35のEOTSは実施未定のブロックIV改修で性能向上される予定で、ソフトウェアと一部部品を交換する。
USAF


ではF-35に高性能版のスナイパーポッド搭載が当面の近接航空支援任務や戦闘員掃討作戦で意味があるのではないか。今回の初の実戦任務でF-35Aは事前設定標的をJDAMで攻撃したが、これならEOTSを使うまでもない。今後も投入が続けば同機が航空支援に使えるかがわかるが、非ステルス仕様で飛ぶのなら第4世代機で威力のある照準ポッドを使うほうが理にかなっている。
つまりF-35を投入するミッションはステルス性能が不要な場合が大部分だということだ。そうなると共用打撃戦闘機の海外展開では外部兵装搭載の形で飛ぶ事が普通になりそうだ。

とはいえ、今回の任務達成はUSAFやF-35事業には大きな出来事になり、運に恵まれればF-35の中東での活躍ぶりを眼にすることも増えそうだ。ただしそのためには同機が現地の戦況に適合しつつミッションテンポが上向きになる必要がある。■

2019年5月1日水曜日

中国軍事力の本当の実力は?過度の評価は無用、張子の虎だ

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Not So Scary: This Is Why China's Military Is a Paper Tiger 恐れるにたらず、中国軍事力は張子の虎だ

China is a large but fragile power ruled by a vulnerable party that can’t afford any economic or foreign policy disasters, let alone war with America. 中国は広大だが実態は無敵とはいえない政党の支配下にある脆弱な国家だ。経済や外交で袋小路になる余裕はない。ましては米国との戦争の余裕はない。
October 15, 2015  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaPLAChinese MilitaryU.S.-China WarDefense


国の軍事脅威の高まりと米国の軍事力不足を強調する傾向が高まっている。この論調には1980年代中頃の旧ソ連が米国を軍事面で凌駕下との主張を思い起こさせるものがある。現在の中国がUSSRのように崩壊への最終段階にあるというつもりはないが、人民解放軍(PLA)には脆さがあり軍事組織としての職業意識は限りなく薄く、近代戦の経験が欠如し自慢する軍事装備も実戦の洗礼を受けていないのは事実だ
中国では経済成長の鈍化と社会経済構造の悪化が明らかで大国とはいえ脆弱な構造であり、統治する党も無敵ではなく経済あるいは外交面で難局が発生すればたちまち危機的状況に陥るのは間違いない。まして米国と戦争を試みる余裕はない。中国経済は国際交易とグローバルサプライチェーンがなければ成り立たない。中国にとって開戦の選択は経済社会面の破滅となろう。
さらに中国に役に立つ有力な盟友国は皆無に近く、戦略的に孤立しており、状況はむしろ悪化しつつある。
また近代戦の経験が欠如している。最後の交戦は1979年にヴィエトナムに「教訓」を教えてやろうとしたものの失敗した事例だ。インド、USSRとそれぞれ1960年代に国境をめぐり緊張し、1950年代には朝鮮戦争に派兵したのが近代戦としてかろうじて数えられる程度だ。
PLA戦力は共産党の権力に依存しており、党に忠誠を誓っても国家防衛は誓わない。PLA将校は陳腐な共産主義教義学習に相当の時間を費やし、軍事教練は二の次とする。そこに軍上層部の汚職が加わり昇進のため幹部の好意を買おうとする。
ここ数十年でPLAが驚くべき技術進歩を遂げたのは事実である。だが習近平主席が中国を海洋大国にすると述べているが、地理条件は逆に働いている。大陸国家の強国が海軍力でも強国になった実例はあっただろうか。USSR、フランス、ドイツいずれもあてはまらない。
オーストラリアでは中国の接近阻止領域拒否能力について議論をくりかえしている。中国への接近路が危険になっているのは事実だろう。とくに本国近辺で中国が動員可能な軍事力を見ればこれは正しい。だが米国はがこのままなにもせずに正視しているだろうか。また極超音速機、レイルガン、ステルス、無人機、サイバーアタックといった技術分野でなにも進展がないままでありえるだろうか。
重要な軍事技術で中国はいまだに米国から20年あまり遅れている。中国の対戦技術は限定的であり、保有する潜水艦多数は騒音がひどい。中国には推進系の静粛技術が不足しており、米ロ両国の原子力潜水艦とは隔たりがある。最新の「晋」級弾道ミサイル潜水艦は1970年代のソ連デルタIII級SSBN並みに騒々しい。今後登場する95型原子力潜水艦でさえソ連の1980年代後半のアキュラ型よりうるさいと米側が把握している。
中国の防衛体制では技術面で強力な敵に有効対応できない。さらに中国はロシア製装備のリバースエンジニアリングに大きく依存し、高性能ジェットエンジンではロシア頼みが明らかでここ30年かけても国産化に成功していない。
弾道ミサイル技術では確かに進展があるもののDF-21は未だかつて一度も移動水上目標に命中させていない。また目標捕捉には衛星や水平線超え長距離レーダーに依存したままだ。こうした装備はソフト目標と呼ばれ米軍の先制攻撃の前に脆弱だ。
ペンタゴンによれば中国に正確な標的情報を収集する能力、発射部隊に伝え遠隔地の海上を移動中の目標を破壊する能力があるのか不明だ。
ICBMではDF-5Bが複数独立標的設定再突入体(MIRVs)を搭載するがこれも革新的な技術と言い難い。1974年時点で国家情報解析部門の長として筆者はCIAから説明を受けソ連のSS-18ICBMが搭載するMIRVについて知った。40年前であれば画期的な技術だった。
中国の軍関係者や学識者で核戦闘能力を自慢する向きがある。二次攻撃能力は確保しているとはいえ全面核戦争となれば大国としては一番脆弱だ。人口密度とともに東側沿岸への集中が理由だ。人口14億といっても大規模核攻撃では生存はできない。このため米国にとって大規模核攻撃能力の維持の根拠となる。
あわせて中国に登場する軍事装備については米軍装備並びに歴史的な背景と分別ある形で比較する必要がある。米国がイノベーションで世界最先端を行く国であり、中国の軍事力整備を黙って見ているわけでないこと、あわせて中国の軍事装備の多くが深刻な能力不足であることを忘れてはならない。■
This piece first appeared in ASPI’s The Strategist here.
Image: Creative Commons.
米国にはいつも敵国が必要なのですね。特に国防分野ではどうしても「仮想敵国」の軍事力を実際以上に大きくし、警戒心から予算を確保してきた歴史があります。ただし、今回は初めて米国自身が国防予算の増額ができなくなりつつある事態となっており、その中で世界常識に反する国防予算増を毎年続ける中国(その経済の実態そのものが大いに疑わしいのですが)の不気味さが一層拡大している背景があります。本当に中国の軍事装備は張子の虎なんでしょうか。こればかりはやってみないとわかりません。

2019年4月30日火曜日

F-35A機体墜落地点が判明し回収作業が始まった、と発言してしまったPACAF司令官

コメントは下にあります。

Crashed F-35A fighter jet located, US general says 墜落したF-35Aの場所を特定できたと米将官が発言

Wreckage risked exposing military secrets if retrieved by China or Russia 機体残骸からロシアや中国に機密漏洩のリスクがある
ALEX FANG, Nikkei staff writer
APRIL 30, 2019 08:17 JST  UPDATED ON APRIL 30, 2019 14:33 JST




NEW YORK -米空軍高官が行方不明だったF-35Aが日本沖合で発見され、機体回収作業が始まっていると報道陣に29日伝えた。
「機体の場所を突き止めた。現在は回収に努力を集中している」と太平洋空軍司令官チャールズ・ブラウン大将がニューヨークで記者団に語った。
だが同日遅くNikkei Asian Reviewがジョン・ハッチェンソン大佐(在日米軍報道部長)に照会したところ大佐は「機体の場所は海底にあり把握できていない。米軍は航空自衛隊と墜落地点を特定しようとしているところだ」と答えた。.
日本で完成した同機は4月9日消息をたち航空自衛隊と米軍が機体捜索中だが、軍事機密の塊のため中国なりロシアが回収すれば大変だ。
中国、ロシアはF-35に応用してある技術の入手に躍起となっている。機体の残骸が手に渡ればレーダー波吸収材からステルス性能が露呈する。
日本側による機体回収を米国は支援中とブラウン大将は述べた。■

コメント 太平洋空軍司令官の錯誤なのでしょうか。フライングなのでしょうか。司令官の大将がとんでも発言をするとは考えにくいので、実は機体はすでに発見されているがメディアに情報規制しているのか、隠す必要があるのか、あるいは何らかのトラブルが現地で発生しているのか、意外に今回の墜落事故は複座な様相を示しているようです。日本メディアはこの発言をどこもとりあげていないようです。