USAF F-35As Flew First-Ever Combat Strikes With Radar Reflectors And Sidewinders Fitted 米空軍F-35Aが初の実戦攻撃任務を実施 レーダー反射板とサイドワインダーミサイルを外部装着
The F-35As flew in a less than stealthy configuration as the aircraft's low observable capabilities weren't needed—at least not yet.
サイドワインダー等を搭載しステルス性を犠牲にしたのは必要がない状況だったため
BY TYLER ROGOWAYAPRIL 30, 2019
U.S. AIR FORCES CENTRAL COMMAND—PUBLIC DOMAIN
米空軍所属のF-35Aが初の兵装投下をした。UAEのアルダフラ航空基地を離陸したF-35Aの2機編隊は2019年4月30日イラク上空に到達し、GPS誘導方式の共用直接攻撃弾JDAMをISISの武器貯蔵地下トンネルがあるハムリン山地に投下した。この施設は連合軍に危険な存在でISISの再生の鍵になると見られていた。
388戦闘航空団、418戦闘航空団の所属機が今回投入されユタのヒルAFBから2019年4月15日に中東に移動していた。中東へのF-35A配備は今回が初めて。イスラエル、USMCがともに中東でF-35I, F-35Bをそれぞれ戦闘投入しているが、今回は9月以来初の戦闘投入になった。
第4戦闘飛行隊司令ヨセフ・モリス中佐がUSAF公式発表を以下伝えている。
「相当の量の情報を収集、融合、共有し各機の残存性と戦力を高めている。...F-35Aは各所にセンサーを搭載しており、高性能レーダーがあり、戦闘地点の情報をリアルタイムで全て収集し融合できる。さらに集めた情報を僚機のF-35のみならず第4世代機と共有できる。...低視認技術がここに加わり統合軍部隊を補完し、AOR緊急事態の支援を常に行える」
USAF
KC-10から今回の戦闘任務で空中給油を受ける。AIM-9Xがパイロンにつき、レーダー反射板が垂直尾翼前に見える。
以上は正しいとは思うが今回の生来の決意作戦での戦闘ミッションではF-35は低視認(ステルス)性能を使用していない。今回の機体にもAIM-9X空対空ミサイルを主翼パイロンに装着しており、機体上部と下部にレーダー波反射装置をつけていた。この状態だとレーダー上で大きな姿をさらけ出すがイラクのような戦場では低視認性に大きな意味はないのでこれでいいのだ。
F-35Aを非ステルス機で運用すればAIM-9Xの外部装着も当然だろう。米軍戦術機が自機防御のためサイドワインダーを搭載するのは普通のことでアフガニスタンのように危険度が低くても搭載している。F-35はAIM-120AMRRAM二発を機内兵装庫に搭載できるが、視程内空戦ではAMRAAMはAIM-9Xの性能にかなわない。
非ステルス仕様でF-35を飛ばしたわけだがシリア上空への展開やこれまでF-22が果たしてきた「クォーターバック」任務をこなせば状況は変わるはずだ。完全低視認性の状態が必要になるのはロシアのような大国への投入時で最高性能の防空電子装備が配備されている空域への突入時で、相手方も同機の低視認性能を探ろうと躍起になるはずだ。ただし同じロシアでも東側となればここまで深刻な状態ではなくなる。
USAF
今回の中東ミッションでKC-10と並行して飛ぶF-35A編隊。AIM-9Xが主翼翼端パイロンについていることと機体下部のレーダー反射装置が視認できる。
事実、対戦闘員攻撃ミッションでのF-35Aの威力はF-16より劣る。電子光学式標的捕捉装置EOTSを機首に装着しているがすでに15年前の技術であり、最新のスナイパーやライテニング照準ポッドをつけた第4世代機より見劣りがする。F-35のEOTSは実施未定のブロックIV改修で性能向上される予定で、ソフトウェアと一部部品を交換する。
USAF
ではF-35に高性能版のスナイパーポッド搭載が当面の近接航空支援任務や戦闘員掃討作戦で意味があるのではないか。今回の初の実戦任務でF-35Aは事前設定標的をJDAMで攻撃したが、これならEOTSを使うまでもない。今後も投入が続けば同機が航空支援に使えるかがわかるが、非ステルス仕様で飛ぶのなら第4世代機で威力のある照準ポッドを使うほうが理にかなっている。
つまりF-35を投入するミッションはステルス性能が不要な場合が大部分だということだ。そうなると共用打撃戦闘機の海外展開では外部兵装搭載の形で飛ぶ事が普通になりそうだ。
とはいえ、今回の任務達成はUSAFやF-35事業には大きな出来事になり、運に恵まれればF-35の中東での活躍ぶりを眼にすることも増えそうだ。ただしそのためには同機が現地の戦況に適合しつつミッションテンポが上向きになる必要がある。■
AIM-9Xを主翼翼端パイロンに付け、機体下部のレーダー反射装置を付けて作戦を実行したということは、今回のF-35A投入は「巨額の費用をかけた戦闘機が実戦でちゃんと役に立ってますよ」というお披露目みたいなものでしょうか。そうでなければ、F-15やF-16でも十分投入できそうな状況ですからねぇ。
返信削除軍事作戦であっても、議会と国民に説明できるように配慮しなければならないというのも、厄介な足枷ですね。それが必要なことで、チェック機能が働かないと別の問題がおきることも理解していますが、こうした配慮で兵士に無駄な犠牲がでないと良いですが。。。