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China is laying the groundwork for war with Taiwan 中国は台湾侵攻の基礎固めを続けている
By: Mike Yeo
H-6K爆撃機の戦闘演習を前に更新する航空兵 (Yang Ruikang/People's Republic of China)
中国は台湾侵攻に向け準備体制を強化している。多方面の軍事能力を強化すべく制度改革と予算投入を続けており台湾を屈服させる選択肢を模索しているとペンタゴンが報告書で指摘した。
選択肢には海空での台湾封鎖から全面侵攻まであるが、後者では揚陸艦船の大幅拡充ができていないと5月2日に公開の国防総省による年次中国軍事力報告書は指摘している。
とはいえ、報告書では人民解放軍PLAが部隊再編を続けており「結果として戦力を拡充した旅団連隊レベルの部隊が生まれる」可能性を指摘し、「陸軍航空戦力の拡充と航空強襲旅団2個の新編で台湾侵攻に向け航空強襲攻撃とともに近接航空支援能力が生まれる」としている。
PLAは空からの兵力投入能力の拡充のため空挺部隊を再編し航空強襲部隊を新設し、重要拠点の確保を狙う。組織改編で空挺歩兵旅団、特殊作戦旅団、航空旅団や支援旅団が誕生し、2018年の演習では長距離襲撃作戦や空挺作戦を実戦を意識した展開を示した。
2016年には統合補給支援部隊を新設し、台湾侵攻のような戦略的意義のある作戦への支援を目的とする。作戦の成否は統合補給活動の指揮統制や補給品の供給や各種軍民統合支援活動にかかる。戦略支援部隊は電子戦、サイバー作戦を台湾侵攻時に担当し、「戦場の情報統制を現代の情報戦の形で行う」のが目的だ。
報告書ではPLAが情報業務を統合し戦域レベルで情報収集監視偵察能力を活用する方法を模索していると指摘するが、こうした戦略的効果統合で障壁だった条件を取り除く戦略的組織改編にも触れている。
とはいえ、報告書は中国の現行戦力で全面侵攻が実施できるか疑問を呈している。水上艦艇、潜水艦は質量ともに拡充しているがPLA海軍に新規就役したドック型上陸舟艇はわずかで「当面の重点が上陸用艦艇の充実より小規模遠征ミッションに置かれているのはあきらかで大規模揚陸強襲作戦は実施できない」とする。
拡充続くPLA陸戦隊の即応体制も疑わしいとし、演習も大隊レベル以上はごくまれで、新設旅団も「必要装備を受け取っておらずミッションを完全実施できる状態ではない」とする。このため報告書ではこうした部隊の訓練題目は「基礎の域を脱せず装備未達の旅団では揚陸強襲作戦の実施は不可能」とし、台湾侵攻は政治的リスクも伴い「中国軍にとって実施の難易度は高い」と結論づけている。■
ということは中国はプロパガンダを強めても実際の揚陸強襲作戦は当面は実施できないということですか。これも張り子の虎現象でしょうか。ともあれ、台湾周囲を封鎖するとか強圧的な態度を示すとかいやがらせはつづくでしょうね。最大の危機は今年秋の総統選挙への干渉でしょう。揚陸作戦を実施せずとも台湾を支配すべくいろいろ悪いことを考えているのでしょう。そこに揚陸作戦能力が実現したらもう止められなくなります。貴重な今の期間をどう活用するかが台湾の運命を分けそうです。
米軍の強襲揚陸部隊を比較対象とすると、人民解放軍(PLA)の台湾侵攻の準備は未達成、との評価は当然である。ただし、PLAはペンタゴンと同じ考えでない。
返信削除もし、PLAが本気で台湾侵攻を行うなら、米軍式上陸作戦は行わないであろう。例えば、正規の強襲揚陸用艦艇を補う民間船舶や漁船を使った人海戦術を採る可能性があり、十分な数の強襲揚陸艦艇は必要ないかもしれない。
台湾への侵攻を起こさせないことが最善であるが、PLAの台湾侵攻を抑止する最大の力は、米国の軍事力でなく、台湾国民の民意である。今秋の総統選挙でどのような主張を持つ総統が選ばれるかが当面の課題となろう。郭台銘のような中国本土に利害関係を持つ候補が当選すると、中国が台湾侵攻するまでもなく、屈従する可能性がある。そうなると独立派は弾圧の対象になるかもしれない。
中国の歴史を見ると、現在の中国は、領土を最も拡大している。領土の維持は、強力な中央集権が必要であり、弱まると分裂や収縮が起きる。台湾が明らかに中国の領土であった時期はそれほど長くはないことを考えると、台湾の独立は十分可能であり、独立できるのは中国が弱体化した場合となるだろう。台湾がその時が来るまで辛抱できるかが鍵になるが、意外とチャンスは近いのかもしれない。