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機密解除 1960年代末から中国上空をスパイしたマッハ3無人機D-21



What a Secret: The U.S. Used Super Fast Mach 3 Drones to Spy on China's Nuclear Weapons

Between 1969 and 1971, the U.S. National Reconnaissance Office deployed super-fast spy drones over China in an abortive attempt to spy on Beijing's nuclear program.
March 25, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: D-21D-21 DroneChinaMilitaryNuclear WeaponsTechnology

1969年から1971年まで米国家偵察局(NRO)が超高速スパイ無人機を中国上空に飛ばし核開発の状況を探っていた。


2019年3月21日NROが50年前の記録文書を機密解除し「タグボード」無人機の開発、運用、稼働終了の様子がわかった。


タグボードとはロッキード制作のD-21無人機で、当時の技術で強引に作った機体だった。


チタン製の12トン翼幅19フィートのD-21は特殊型のA-12の上部に搭載し運用する構想だった。A-12はCIA運用のSR-71だ。A-12をブースターとして高度80千フィートまで上昇しマッハ3.3でD-21を分離した。


D-21はラムジェットに点火しマッハ3で3千マイルを飛翔した。重量300ポンドのHucon HR335カメラを機体下部に搭載し幅16マイル長さ3,900マイルに及ぶ範囲で5,600枚を撮影した。


無人機は事前プログラムずみ経路を飛び、発射機に乗る操作員が監視し無線交信で経路を維持した。最終ウェイポイントに到達するとD-21はフィルムを収めたカプセルを放出し自爆した。


フィルムはパラシュート降下し特殊仕様JC-130輸送機が空中で回収する段取りで、これに失敗したときは海軍艦艇が洋上でカプセルを回収することとした。


1960年代末の軍と各種情報機関はD-21で戦略目標を衛星より正確にしかも人命を危険にさらさずに偵察できると期待した。


「タグボード無人機でほかで得られない技術効果が実現し画像偵察分野の要求を満たし、米国にとって敵対的あるいは敵対する可能性のある標的を偵察できる」と統合参謀本部が1969年にまとめていた。「有人機による中国含む問題地域上空の飛行には政治的に微妙な問題があり、衛星による情報収集に限界があることからタグボードの作戦能力を開発し有人機運用では危険な状況が触発される地域で国益にかなう情報収集にあたらせる」


だが同機は複雑で高価な装備だった。A-12母機を2機、無人機を20機そろえて2019年価格で440百万ドルだった。1966年7月に発生した事故でA-12とD-21の組み合わせは頓挫した。NROはD-21にロケットブースターを追加し、軽量化したB-52Hに搭載した。
1969年にD-21は投入可能になった。中国は1964年に原子爆弾第一号を起爆させた。ワシントンには中国南部の核施設への関心が高まった。当時の衛星では充分な偵察ができなかった。「中国南部の高優先度施設の93パーセントが二ヶ月にわたりまったく把握できなかった」と上記統合参謀本部メモにある。


統合参謀本部は中国レーダーでD-21の接近は探知可能と見ていた。だがSA-2対空ミサイル装備は「タグボード無人機の脅威とならないと考えられる」とした。


NROは中国上空にD-21を四回飛ばした。だがすべて「不成功」と判定した。三番目は1971年3月4日に発進させ同事業の成果の代表だ。同機は偵察に成功したがフィルムの入ったカプセル射出に失敗した。


「パラシュートが一部予定通り作動せずJC-130で回収できなかった」とNROは国防総省に報告した。「弁の作動異常でパラシュート部分の冷却が適度に行われなかった可能性が高い。その結果、加熱状態が一時間続きパラシュートの張力が低下したのだろう」


「主パラシュートのキャノピーがペイロードを水面におろしたが、海軍艦艇が回収に失敗しペイロードは海に沈んだ」


NROは3月20日に再度D-21を飛ばしたが、これも失敗に終わった。1971年中頃にNROは空中偵察活動を終了し、衛星による情報収集に絞ることを決定した。「衛星による活動の改善に集中すべきと確信し、空気取り入れ式機材の運用は止めるべきと考える」とNRO長官ジョン・マクルーカスが1971年にメモをまとめた。


マクルーカス長官は新型スパイ衛星は軌道上に長く滞空できると述べ、コロナ、ギャンビット、ヘキサゴンの各スパイ衛星は181日を軌道飛行した。この傾向から1974年までに279日まで伸びると予測した。


危険かつ信頼性に欠ける無人機は戦略上空偵察に不要になったとNROは結論を出した。だがマクルーカス長官は無人機がいつの日か復活すると予測し別ミッションに投入されるとした。「無人機に兵装を搭載させる任務を開発すべきだ」


残存するD-21は米国内の博物館数カ所に展示されており、中国は自爆したD-21一機を回収し北京で展示している。■


David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels   War Fix , War Is Boring  and Machete Squad .

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