2018年7月8日日曜日

特報 ノースロップ・グラマンがF-3開発に食指を動かしている

急に出てきたニュースです。まさかF-22に負けた意趣返しでF-23がここで復活すればゾンビーのような話になりますが、さすがに当時から数十年たった設計案をそのままもってくることはないでしょう。ノースロップが果たしてどんな提案をしてくるかが注目されそうです。F-3は国産開発を断念したようですね。


Exclusive: Northrop Grumman angles for role in Japanese stealth fighter program - sourcesノースロップ・グラマンが日本の次期戦闘機事業参画を狙っていることが内部筋から判明



TOKYO (Reuters) - ノースロップ・グラマンが日本の新型戦闘機開発に関心を示しており、ロッキード・マーティンに戦闘機選定で敗れてほぼ30年たち今回も高性能ステルス戦闘機で雪辱を狙う。
「ノースロップは関心を示している」と今回の選定に詳しい日本筋が述べている。ノースロップは日本の求めに応じ情報開示しており、日本側防衛関係者とも初回の打ち合わせをすましているという。
.同社は次世代戦闘機F-3開発で同社として提供可能内容のメニューを日本に示したものの具体的な提案は出していないと関係筋が述べている。
同社が参入すればF-35ライトニングIIとF-22ラプターの両機を原型としたハイブリッド型ステルス機案を提示するロッキード・マーティンに正面から挑むことになる。F-22はノースロップのYF-23ブラックウィドウ実証機を破り1991年に米空軍の制式戦闘機に採用されている。
F-22輸出は禁じられており米空軍のみで供用中だが、日本はF-35計42機を発注している。この発注機数は増やされる見込みで空母運用に向いた垂直離着陸型がここに含まれる。
ノースロップ・グラマン社から今のところコメントは出ていない。
同社とロッキード・マーティンはともに機体技術の機密内容を日本へ提示する前に米政府承認を得る必要がある。
日本はボーイングへも提案を求めており、欧州の防衛企業からも共同事業含む提案を期待している。このうちBAEシステムズはタイフーン高高度迎撃機実現の中心企業で同社からは提供可能な技術リストが日本政府に開示されたと内部筋が明かしている。
海外の共同事業体が確保できれば日本としても開発コストが400億ドルといわれるなかで負担軽減につながり技術も入手でき、一から開発しなくても済む。
ただし日本政府としても日本国内企業各社にF-3で一定の関与を実現させたいとし、エイビオニクスや飛行制御系のハードウェアでの作業を想定しており、このうちエンジンではIHIが開発中だ。
F-3開発に参加する海外企業は三菱重工と共同作業することになる。三菱重工の戦闘機開発事例は20年前のF-2が最後でロッキード・マーティンとの共同事業だった。
三菱重工が手掛けている日本向けF-35組立ではノースロップ・グラマンも機体表皮など一定の関与をしている。またE-2ホークアイ早期警戒機、グローバルホーク無人機も日本が導入した同社製品だ。
ノースロップ・グラマンはB-2スピリットステルス爆撃機を製造したほか、新型B-21ステルス爆撃機を米空軍向けに開発中だ。同社製戦闘機で最後の機材はF-14トムキャットで米海軍では2006年に用途廃止されたがイラン空軍が供用中だ。
今のところ日本がF-3開発をいつ正式スタートするのか不明だ。日本側関係者は中国やロシアの領空侵入を防ぐために2030年代中頃の配備を期待している。
F-2開発に携わった技術陣で多くが定年退職をまもなく迎えることもあり、日本は一両年中にも事業開始させ必要な技能を活用したいとする。■

Reporting by Tim Kelly and Nobuhiro Kubo; Editing by Gerry Doyle

2018年7月6日金曜日

米海軍の次期CODとしてCMV-22導入が実現に向けて進展

Navy Buys First V-22 CODs as Part of $4.2B Award to Bell-Boeing米海軍がCOD用V-22導入へ 42憶ドル契約がベルボーイングに交付


July 2, 2018 7:05 PM • Updated: July 3, 2018 12:19 PM

Artist’s concept of CVM-22s in flight. Bell-Boeing Image


海軍がCMV-22初号機を購入し、オスプレイを42億ドルで改修し空母補給用機材(COD)として導入する事業が動き始めた。


改訂版契約でベル-ボーイングがCMV-22Bオスプレイ39機を生産し海軍に納入する。その他海兵隊向けにMV-22Bが14機、CV-22B一機が空軍向け、日本政府向けMV-22Bが4機生産される。

このうち米海軍向け機材は現行のC-2Aグレイハウンド・ターボプロップ輸送機27機の代替用だ。C-2は1960年代から海軍のCOD機材として投入されている。米海軍はグレイハウンド後継機としてオスプレイ導入を2015年に決めた。

今回の改修作業は2016年交付のベル-ボーイング向け総額151百万ドルに続くものでV-22のCOD任務運用に向けた改装検討は終わっており、今回は航続距離延長用の燃料タンク追加や高周波見通し線越え無線交信装置の整備が含まれる。

米海軍はオスプレイCODの初期作戦能力獲得を2021年、艦体運用開始を2020年代中頃と期待する。10年未満で空母に向かう補給品、郵便物、航空機エンジンの他訪問者含む人員がジェットコースターと逆の方向に感じるあの爆発するような衝撃、つまりグレイハウンドが拘束フックをつかむ際のショックを感じずに着艦できるようになる。逆にオスプレイが波にもまれる空母艦上に着艦するのが今後は普通となる。オスプレイ導入で空母打撃群のCOD活用方法も変わる。

「V-22導入で艦隊の運用能力が拡大する。空母に加え小型艦にも貨物人員の搬送が可能となるからだ」と海兵隊運用テスト評価第一飛行隊(VMX-1)司令(当時)のブレット・ハート中佐が2016年語っていた。「空母の飛行甲板があいて、その分だけ空母は作戦支援機材の運用を増やせる」■

The following is the full text of the corrected Department of Defense contract announcement:
Bell Boeing JPO, Amarillo, Texas, is awarded $4,191,533,822 for modification P00008 to convert the previously awarded V-22 tiltrotor aircraft advance acquisition contract (N00019-17-C-0015) to a fixed-price-incentive-fee multiyear contract. This contract provides for the manufacture and delivery of 39 CMV-22B aircraft for the Navy; 14 MV-22B aircraft for the Marine Corps; 1 CV-22B for the Air Force; and 4 MV-22B aircraft for the government of Japan. Work will be performed in: Fort Worth, Texas (30.08 percent); Ridley Park, Pennsylvania (15.22 percent); Amarillo, Texas (12.73 percent); Red Oak, Texas (3.33 percent); East Aurora, New York (2.55 percent); Park City, Utah (2.20 percent); McKinney, Texas (1.33 percent); Endicott, New York (1.15 percent); Denton, Texas (0.91 percent); Rockmart, Georgia (0.80 percent); Irvine, California (0.78 percent); Rome, New York (0.76 percent); Crestview, Florida (0.72 percent); Erie, Pennsylvania (0.66 percent); Dublin, California (0.62 percent); Rockford, Illinois (0.62 percent); Tempe, Arizona (0.57 percent); Los Angeles, California (0.57 percent); East Hartford, Connecticut (0.55 percent); Minden, Nebraska (0.50 percent); Hazelwood, Missouri (0.50 percent); and various other locations within the continental U.S. (18.93 percent); and outside the continental U.S. (3.92 percent), and is expected to be completed in November 2024. Fiscal 2017 aircraft procurement (Navy, Air Force, and Marine Corps); and fiscal 2018 aircraft procurement (Navy) funding in the amount of $1,113,956,972 will be obligated at time of award, none of which will expire at the end of the current fiscal year. This modification combines purchases for the Navy ($2,847,293,666; 67.9 percent); Marine Corps ($1,038,248,567; 24.8 percent); Air Force ($75,705,989; 1.8 percent); and the government of Japan ($230,285,600; 5.5 percent), under the Foreign Military Sales program. The Naval Air Systems Command, Patuxent River, Maryland, is the contracting activity.

2018年7月5日木曜日

中国海軍の大型駆逐艦055型二隻が同日に大連で進水

China launches two destroyers with tech similar to US Navy’s Aegis system

By: Andrew C. Jarocki 

Fireworks explode next to China's new domestically built 10,000-ton Type 055 destroyer during a launching ceremony at Jiangnan Shipyard in Shanghai, China, on June 28, 2017. (Wang Donghai/Xinhua via AP)

WASHINGTON ― 中国が7月3日に遼寧省大連で新型駆逐艦二隻を進水させていたことが現地報道から明らかになった。
今回の駆逐艦055型(排水量10千トン)は人民解放軍海軍がめざす大洋型海軍戦力整備の一部だ。各艦は長距離防空、対水上戦、対潜戦に対応する設計だ。
両艦には米海軍イージスシステムに類似した多機能フェイズドアレイレーダーがつき、中国が空母戦闘群を整備した際の随行艦になるものとみられる。

中国の外洋海軍の実現に向けた野望は公然たる事実だ。2012年11月に胡錦涛主席(当時)は人民大会堂で「海洋資源開発とともに中国は海洋大国になるべく国力整備していく」と述べていた。■

2018年7月4日水曜日

ヘリコプター空母「かが」が南シナ海、インド洋へ派遣される


Exclusive: Japanese helicopter carrier to tour South China Sea, Indian Ocean for two months 特報 日本がヘリコプター空母を南シナ海、インド洋を二か月にわたり派遣


本が大型ヘリコプター空母一隻を南シナ海及びインド洋に昨年に続き今年も派遣する。戦略的に重要な同海域で日本のプレゼンスを強化する狙いがあると日本側関係者が説明している。
「自由で開かれたインド太平洋の強化に向けた日本の取り組みの一環だ」と関係者は述べ、今回の航海は9月から二か月に及ぶという。
派遣されるのは「かが」(全長248メートル)でインドネシア、インド、スリランカを歴訪すると匿名日本筋が述べる。護衛艦一隻が随行し、地域内の各国海軍部隊と現地で演習を行うという。
日本は姉妹艦「いずも」を昨年派遣しており、やはり南シナ海やインド洋を航行した。
海上自衛隊広報からは今後の作戦運用についてコメントできないとする。
日本が同方面海域で存在感を強めているのは中国の軍事プレゼンスが同海域で強まっていることへ米国とともに懸念を強めているためで、同海域の通商航路の確保が日米両国に不可欠なためだ。
中国は平和的な意図しかないと説明する一方で環礁等を埋め立てて基地に改造している。
米国は航行の自由を維持すべく海空で定期的な哨戒活動を実施している。5月にはハワイの太平洋軍司令部をインド太平洋軍と改称し、日本、オーストラリア含むより広範な地域戦略として西太平洋からインド洋までを管轄区域とした。
日本が米国による南シナ海の航行の自由作戦に参加しないのは中国を刺激して東シナ海で中国の軍事プレゼンスが強まるのを恐れるためだ。日中両国は日本が尖閣、中国が釣魚と呼ぶ無人島しょをめぐり対立している。

緊張が高まる南シナ海・インド洋

米国が台湾の自立を支援するのではとの疑念から習近平は訪中したジム・マティス国防長官に中国は平和を希求する一方で祖先から受けついだ領土は「たとえ一インチでさえも」手放さないと豪語していた。
マレーシア、ヴィエトナム、フィリピン、ブルネイの各国も南シナ海内で領有権を主張しており、漁業資源のみならず石油ガスの鉱脈も有望だ。台湾も同様に主張するが日本は全く主張していない。
インド洋では中国とインドの緊張が高まっているのは中国がモルディブでプレゼンスを高めていることで、長年にわたりインドが同国と政治安全保障面でつながりを維持してきたもののこのたび中国の一帯一路構想で中国と調印し、中国がアジアを横断しその先に繋がる通商輸送路の確保に乗り出したためだ。
同地域内でこれまでより広い役割を希求する安倍晋三首相率いる日本は戦後の平和主義憲法の成約から自由となり艦船航空機兵員を海外ミッションに派遣できるようになった。
「かが」は帝国海軍当時の空母に匹敵する大きさの艦容を誇りながら区分上では駆逐艦で現行憲法に違反しないとする。
呉が母港の「かが」は昨年3月に就役したばかりで対潜戦が主任務だ。南シナ海、インド洋に直近では揚陸輸送艦「おおすみ」が二か月にわたる航海をしている。■

2018年7月3日火曜日

日本がイージスアショア用高性能レーダー導入を決める

すみません当方は新聞を読まないので以下の記事はすでに報道ずみかもしれません。一つ言えることは今後中国が裏からイージスアショア反対運動を操ることで「住民運動」はじめ国会論戦でも野党議員の動きに要注意ですね。

Exclusive: Japan to buy advanced U.S. radar for missile defense system特報:日本が米製高性能レーダーをミサイル防衛用に購


TOKYO (Reuters) - 日本が来週にも(注 原記事は6月29日初出)米製高性能レーダー導入を決めミサイル防衛体制の実効力を高めつつ、米国との貿易摩擦を緩和しつつ北朝鮮や中国に対する備えを固めることが判明した。
日本政府関係者はイージスアショアについて「巨額の導入案件となりトランプ大統領によい贈り物になる」と述べている。
日本は早ければイージスアショア施設二か所向けにレーダー導入を決めるはずで2023年の稼働を目指す。この購入が8月に予定される次年度予算要求に入るとロイターは三か所の取材源から理解している。
選択候補としてレイセオンのSPY-6、ロッキード・マーティンの長距離判別レーダー(LRDR)があると消息筋が説明している。そもそも日本がイージスアショア導入を決めた時点でSPY-6を想定していたが、米側が同レーダー供与に難色を示している。
日本の予算要求はシンガポールで6月12日開かれた米朝首脳会談後に緊張が緩和する中で進められる。
日本側防衛当局は依然として北朝鮮を差し迫った危機と見ているが、中国の軍事力増強の方が長期的には深刻な脅威ととらえている。
人民解放軍ロケット軍は日本まで到達可能な弾道ミサイル数百発を管理下に置き、日本のミサイル防衛体制は世界有数の規模に整備されている。
日本側防衛関係者の試算はイージスアショアの二個施設導入を20億ドルとしている。さらにSPY-6あるいはLRDRまで含めれば総費用は軽く二倍に増えるとの見方がある。高性能レーダーは既存イージスシステムより数倍遠くの探知能力がある。
性能向上は当然のことながら高い出費を伴うが、トランプ大統領が望む米製軍事装備輸出拡大に沿うものだ。
トランプ大統領は昨年11月の訪日をきっかけに日本へ圧力を加え鉄鋼製品への関税引き上げ、自動車輸入への課徴金適用はじめ二国間貿易交渉を進めたいとしている。
6月の共同記者会見でトランプ大統領は安倍首相が「数百億ドル相当の追加製品購入」を約束したと発表した。
安倍首相は9月の国連総会で再度トランプ大統領と会見すると見られると日本政府関係者は説明したが、会談内容の推定は拒んだ。

レイセオンかロッキードか

レイセオンは三菱重工と共同でイージスアショア用のSM-3ブロックIIAミサイルを開発している。ロッキード・マーティンが主契約社だ。

SPY-6レーダーは米海軍のイージス装備艦艇向けに開発されており、LRDRは米国の地上配備中間過程防衛ミサイル迎撃システムと2020年までに統合される見込みだ。
ともに高性能レーダーであり日本は長距離迎撃ミサイルと併用して将来の中国ミサイルの脅威にも十分対応できるはずだ。
日本は5万名近くの米軍関係者を駐留させており、米海兵隊・海軍では世界最大の海外配備場所となっているが、北朝鮮が核兵器及び弾道ミサイルを永久に廃棄する明確な証拠が出るまでは現在の姿勢を崩さないとしている。
「イージスアショアは日本に必要であり導入を進めていく」と日本政府筋は述べている。
Reporting by Tim Kelly and Nobuhiro Kubo; additional reporting by Linda Sieg; Editing by Gerry Doyle

C-130供用期間は80年間に:米空軍の改修策の内容

記事を見ると現行J型でもすでに機体強化策が必要な機体が生まれそうですが、H型(航空自衛隊)さらに中古のR型(海上自衛隊)を運用中の日本も無関心ではいられない内容ですね。機体が頑丈なハーキュリーズもB-52やKC-135とならび「超高齢」機材の仲間入りするのでしょうか。



Massive Overhaul to Keep Classic Air Force C-130 Flying for 80 years into 2030s

米空軍はC-130を80年間供用し2030年代まで飛ばすべく大幅改修を実施




By Kris Osborn - Warrior Maven
空軍は実戦で実証済みの1950年代製ロッキード・マーティンC-130を2030年代まで運用する予定でその先でも稼働させるべく多段階の技術改修を実施し、兵員輸送や戦闘支援ミッションを今後も展開したいとする。
同機は初飛行の1950年代以降に数多くの技術改良や性能向上策を受けているが、供用期間が80年超となるのが空軍案からわかる。
空軍は新型プロペラ、無線交信装置、タッチスクリーン表示のグラスコックピット、デジタルエイビオニクス、衝突回避技術の採用に加え強化型「ウィングボックス」を同機に導入する。
中でも機体強度が重要で「センターウィングボックス」を交換・強化するという。
「C-130のセンターウィングボックス交換では現行機で耐用年数がなくなってきたものから対応します。旧型C-130で交換作業がはじまっており、C-130Jでも飛行時間に応じ今後実施します」と空軍広報官エミリー・グラボウスキ少佐が本誌に語ってくれた。
またC-130で保守点検改修を実施する際に機体状況の評価を行い、機体が供用期間で一定に達するとウィングボックスを交換しているという。
同機が実際の運用で受ける疲労摩耗状態は高度や運用の個別状況で異なるので個別評価が必要になる。低空飛行を続けると機体の負担が三倍四倍になるという。
エイビオニクス近代化には8.33無線交信装置があり、コックピット内のボイスレコーダーとデジタルデータレコーダーが付く。また空中衝突回避技術が進歩したことで安全性も高まる。
C-130は低空飛行性能のほか、より過酷な環境での稼働に耐え、悪天候下でも運用できる特徴がある。プロペラ方式のためエンジンにデブリなど飛行中のトラブルが少ない。
これに対しC-17の運用条件の幅は狭く、滑走路も長く整備されていることが条件だ。飛行中にデブリ他でエンジンに損傷が発生する可能性もあるが、C-130なら低空運用で高リスク戦闘状況での投入も可能だ。厳しい状況を「ホット」戦闘地帯と呼ぶがC-130は物資投下、補給輸送の他兵員投下まで幅広く行ってきた。
そこで空軍はC-130に導入ずみの流体力学応用のプロペラ制御を電動プロペラ制御方式Electronic Propeller Control System (EPCS)に変更する。
「エンジンはT-56の3.5、プロペラ8枚としEPCSを導入することは運用テスト中で評価をフロリダ州エグリン空軍基地で行っています。これまで個別の改良として試験してきましたが今や統合して運用上の効果があるかを検討しています」(グラボウスキ少佐)
州軍協会がまとめた論文では電動プロペラ制御方式への変更で以下の利点を伝えている。
「EPCSで加速反応時間が短縮されて安全性が向上しつつスロットルとの反応時間の差から生れた事故が回避できる。現在のプロペラ制御技術は1950年代のもので保守コストを押し上げている」と2015年に議会に向けて書かれたC-130推進系改修を訴えるペーパーにある。
加速性能が上がれば戦術面でも効果が生まれる。操縦性が高い機体は敵の対空ミサイル攻撃にうまく対応できるからだ。
EPCSのメーカーであるハミルトン・スタンダードは「EPCSはデジタルコンピューター方式のソフトウェアを使い信頼性が向上し精密な操作が実現します。EPCSはこの50年間で生まれたプロペラ制御技術の進歩を具体化したものです」と説明。
1999年にユナイテッドテクノロジーズによる米特許申請電子式プロペラ制御装置があり、プロペラのブレードで「ピッチアングル」制御を実現するとある。スロットルからの加速反応性が高まり、プロペラ制御部とブレードの連結性が最適化される。ピッチアングルの安定度は機体の水平軸-垂直軸間の角度で測り、機体性能の実現と飛行の安定性に不可欠な要素だ。
「同装置でプロペラの機械式入力および機体からの入力を電子信号に変換し、電子制御する。同装置は電子油圧サーボ弁で電子制御の指示を油圧や流体変化に受信・変換する」と同特許の要約説明にある。■


2018年7月2日月曜日

大西洋横断飛行に挑戦するMQ-9Bスカイガーディアン

MQ-9B SkyGuardian to Highlight Endurance With Trans-Atlantic Flight MQ-9Bスカイガーディアンが大西洋横断飛行で長時間飛行性能を実証へ


General Atomics’ MQ-9B SkyGuardian (Photo: General Atomics Aeronautical)
General Atomics’ MQ-9B SkyGuardian (Photo: General Atomics Aeronautical)

Military.com 26 Jun 2018 By Oriana Pawlyk

高度飛行用MQ-9Bスカイガーディアン無人機が初の大西洋横断飛行に挑戦する。これは7月のロイヤルインターナショナル・エアタトゥーに参加するためとメーカーのジェネラルアトミックスが発表した。

同社によれば遠隔操縦機(RPA)のスカイガーディアンは同社のノースダコタ州グランドフォークス飛行テスト施設から英国フェフォードRAF基地へ飛行する。

「RPA長距離飛行で新標準を示したい」と同社CEOリンデン・ブルーLinden Blueが述べている。

「RAF100周年に当社としてRAFのイノーベーションの戦闘を走る姿をこのフライトで祝いたい」

MQ-BとはジェネラルアトミックスのプレデターB型の派生機で海洋情報収集・監視偵察型のシーガーディアンの最新型だ。RAFはスカイガーディアンを導入予定と同社発表にある。

スカイガーディアンは最近のテストで連続48時間フライトに成功し、予定の40時間を上回った。

MQ-1プレデターやMQ-9リーパーとの比較ではMQ-9Bの時速は240マイルで損傷や悪天候に耐える設計となっており、飛行制御ソフトが一層強化されたのが特徴だ。

その一環でバードストライクや落雷でも飛行可能だ。

同機は英国航空当局や米連邦航空局の要求水準に合致しており、今後はNATO標準型式証明取得をめざす。

「型式証明取得は衝突回避システムの強化とともにあらゆる民間空域での無制限飛行に道をひらくことになります」と同社は発表している。■

-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @oriana0214.

2018年7月1日日曜日

★C-2のELINT改造機体が入間基地に飛来(6月26日)

C-2運用が始まったとたんに電子偵察機型が登場したのはISR機材の整備がそれだけ待ったなしということの裏返しでしょう。本ブログがかねてから主張しているISR機能の重要性がわかりますね。

Footage Of Japan’s New Kawasaki C-2 ELINT Variant Operating From Iruma Air Base Emerges

C-2ELINT改装機が入間基地へ飛来


Jun 27 2018 -


崎C-2電子偵察用改装機材「RC-2」の入間基地での運用をとらえた画像を入手した。



C-2戦術輸送機を原型とした同機では機首、尾翼上部に改装の他機体下部に各種アンテナがみられる。機体番号18-1202の同機が2018年2月から航空自衛隊飛行開発実験団および川崎重工工場がある岐阜基地でタキシーテスト、飛行テストをしている様子が目撃されていた。C-2ELINT機は老朽化してきたYS-11EBと交代する


C-2 ELINT試験機18-1202. フェアリングが追加されていることがわかる。このスクリーンショットでは機体下部の各種アンテナは見えない。 (Modified screenshot from video below).


6月26日、「RC-2]が入間基地に飛来した。同基地にNAMC製YS-11EB電子偵察飛行隊が本拠を置く。


このC-2改装機の実態は不明だ。ELINT/COMINT(電子情報収集・通信情報収集)機材と思われるが遠距離で信号を集めデータを加工し分類し発信地点を把握して情報をその他機材へ提供共有する機能があるはずだ。各国のスパイ機同様だろう。
C-2ELINTに交代するのがNAMC製YS-1EBだ。(Credit: Toshi Aoki – JP Spotters)


注目すべきは入間基地への初の移動がADS-B/Mode-Sトランスポンダーで追尾されたことだ。本誌の友人@CivMilAirが同機の岐阜基地から入間基地への6月26日フライト情報を入手したので次に示す。
The part of track showing the C-2 ELINT on its way to Iruma Air Base. (Credit: @CivMilAir)
Top image: screenshot from @amuro1415 video on Twitter.

トランスポンダーは途中から作動させたのでしょうか。YS-11EBはエンジン、プロペラを大幅改造していますね。