2023年7月3日月曜日

ホームズ教授の視点:米潜水艦部隊は技術革新以上に文化面でも改革が必要。潜水艦部隊にも航空部隊と同様の価値観が求められる。

Image of Virginia-Class Submarine. Image Credit: Creative Commons.

Image of Virginia-Class Submarine. Image Credit: Creative Commons.


中国に勝てる潜水艦部隊の実現に向け改革を進めるべきだ。


世界の海は、高度なセンサーと処理方法により透明になるかもしれない。潜水艦の乗組員は、自分たちの世界が突然ひっくり返されることに気づくかもしれない。



軍作戦における水中例外主義の時代が終わろうとしている。潜水艦乗りの諸君、それに慣れ、備えよ。これが、ハドソン研究所の研究員ブライアン・クラークとティモシー・ウォルトンからの悲観的だが勇気づけられるメッセージである。両名による新しい報告書『Fighting into the Bastions』は、水中作戦における革命の呼びかけにほかならない。米海軍当局とその政治的指導者たちが耳を傾けるべきメッセージだ。


元潜水艦乗りのクラークは、テクノロジーと対潜戦術の進歩により、海底で革命が起きつつあると、何年も前から警告を発している。例えば2015年、彼は戦略予算評価センター(CSBA)で、世界の海は高度なセンサーと処理方法で透明になると主張するレポートを発表した。潜水艦乗組員は、自分たちの世界が突然ひっくり返ることに気づくかもしれない。


これは海底での新時代に相当する。水温、塩分濃度、圧力といった水の性質や水路条件を利用し、敵対する潜水艦や水上軍艦、航空機から身を隠し永遠に続くと思われていた利点を潜水艦が享受できなくなる。


1941年に米太平洋艦隊の潜水艦が深海に進出し、日本帝国の商船を打ちのめして以来、頼りにしてきたエースを米海軍は失うことになる。クラークの2015年版報告書は、科学的根拠に基づいて、大騒動を巻き起こした。海水は潜水艇を探知し、追跡し、標的にしようとする努力に逆らうものだ、というのが多くの反対意見であった。共著者たちは、新しい報告書では透明な海についての主張を繰り返すのを止めている。


その必要がないからだ。代わりに、両名は迫り来る問題の詳細を説明し、潜在的な解決策を提言している。これには説得力がある。


両名の主張を戦略用語に置き換えてみよう。事実上、二人は潜在的な敵、特に中国が基本的な戦略的真理を吸収していると主張している。必要なのは、敵の潜水艦を打ち負かすことだ。つまり、人民解放軍(PLA)の海軍・軍司令部幹部にとって受け入れがたい目標を、敵潜水艦に達成させないようにすることだ。潜水艦を混乱させるということは、しばしば北京が重要だと考える地理的空間から潜水艦を締め出すことを意味する。


言い換えれば、米潜水艦を撃破するためには、その破壊は必要はない。重要な意味で、対潜水艦戦は対反乱戦に似ている。対反乱軍の戦略は、物資、新兵、政治的支持を餌にする反乱軍から民衆を守ることが目的だ。このような支援なしに成功する反乱軍はほとんどいない。反乱軍から貴重な資源を奪い取るには、戦略的に防御の態勢が必要で、それは、反乱軍が民衆の中に居を構え、多かれ少なかれ見張り番としてそこに留まることを意味する。十分な陸戦資源があれば、反政府勢力を後背地まで追い回すことも望ましいかもしれないが、反政府勢力を殺すことが対反乱戦略の目的ではない。反乱軍の略奪から村人を守ることだ。


潜水艦も同様だ。世界大戦中の大西洋の戦いを考えてみよ。何もない広大な大西洋でドイツのUボートを発見し、撃沈することが可能なこともあった。当時のディーゼルボートは基本的に、戦闘のため短時間潜航できる水上軍艦だった。彼らは頻繁に浮上するかシュノーケリングしなければならず、水面上または水面近くにいるときは、特に上空から発見される可能性があった。無線周波数スペクトルの使い方に不慣れだったため、三角測量や照準にさらされる可能性があった。などなど。


そこで、Uボートが連合軍の輸送船団と接触する前に、その位置を特定し、攻撃することが望まれた。そうすることで、ハンターが獲物を狙うのを防ぐことができる。しかし、それは最重要目標ではなかった。重要な人員や物資を運ぶ輸送船や貨物船を守ることだった。船舶とその貨物が通過し、ヨーロッパでの戦争努力の原動力となれば、対潜戦の努力はその目的を達成したことになる。


そのため、効果的な護衛船団は、Uボートが魚雷攻撃を仕掛けるために武器の届く範囲に来たときだけ交戦し、彼らに託された船にとどまった。攻撃をかわした駆逐艦やコルベットの乗組員は、深度爆雷や砲撃が攻撃者をデイヴィ・ジョーンズのロッカーに突っ込ませるかどうかに関係なく、Uボートの目的を打ち破った。彼らは戦略的に防御の目的を達成したのである。


同様に、現代の中国共産党の司令官たちは、米国の原子力攻撃型潜水艦(SSN)を倒すため太平洋の深海を探し回る必要はないことに気づいている。任務を遂行する米軍SSNは、PLA司令官が守りたいもの、この場合はPLA海軍が南シナ海のような半閉鎖水域に作った要塞化された「堡塁」に近づかなければならない。冷戦時代にソ連海軍が目指したように、PLA海軍は地理的条件、海軍力、陸上対接近兵器を利用し、核弾頭を搭載した弾道ミサイル潜水艦が攻撃を恐れることなく抑止力パトロールを実施できるシェルターを築こうとしている。南シナ海を立ち入り禁止区域にすることは、北京がこの海域の領有権を主張することにもつながる。


敵対的なボートを堡塁に近づけないようにすることは、PLAが米潜水艦隊に対して戦略的に防衛的な目標を達成することであり、護衛艦や対反乱軍が敵を殺すのではなく、重要なものを守ることで目標を達成するのと同じである。クラークとウォルトンが指摘するように、このことを認識した中国の防衛軍は、音響・非音響センサーの数々を堡塁に張り巡らせ、これらのセンサー網を「接触者に襲いかかったり、高密度の機雷バリアを展開したりできる航空機や艦船」で補強している。


これが、西太平洋における海中戦の戦略的展望である。アクセス拒否は、アメリカの非対称的優位性を無効にするために海中に潜った。


さて、共著者は、海中戦における差し迫った革命の重要な側面について柔らかく述べている。すなわち、文化的側面だ。新技術や戦術を生み出すことと、創設以来まったく異なるやり方に染まってきた組織にそれを受け入れさせること、ましてやそれを使いこなせることはまったく別のことだ。革命の人間的側面を軽視すると重大な過ちになる。


クラークとウォルトン両名は、潜水艦の設計者、建造者、司令官に対して、潜水艦が海上の堡塁に接近し、侵入するための資産として、ノイズの利用を受け入れるよう促している。潜水艦乗りは、機械や船体を静粛化する受動的なアプローチであるステルス性を放棄すべきではない。しかし、将来の作戦は、受動的な手段だけでなく能動的な手段の展開にかかっていることを認識すべきである。


つまり、音は抑制すべき敵であると同時に、利用すべき味方にもなる。潜水艦は、船外の無人艇と連携して、意図的に周囲の騒音レベルを上げ、その存在を覆い隠すことができる。潜水艦は複数の場所から同じ音響シグネチャーを発信し、対潜水艦部隊にさまざまなおとりの標的を提示できる。米国の存在を偽装するため、偽の音響信号を発信することもできる。潜水艦の居場所を隠すために、深海に武器をばらまき、遠隔操作で発射することもできる。などなど。


実験で実現可能性の限界が明らかになるだろう。


つまり、将来の潜水艦作戦は、作戦手段こそ根本的に違いがあるにもかかわらず、重要な点で航空戦に似てくる。航空部隊は、有人航空機と同様に敵の防空を制圧するために、手の込んだことをする。ひとたび空を支配すれば、重要任務を遂行することができる。クラークとウォルトンは、海中戦線でも同様の力学が働くと予測している。実際、両名はワイルド・ブルーと比較し、潜水艦乗りにも飛行士から学ぶよう懇願して報告書を締めくくっている。これは、クラークが2015年に発表したCSBA報告書をきっかけに、私自身の著作でも時折描いてきたことである。


考えてみてほしい。どんなに独創的な形状やコーティングを施しても、レーダーはおろか、熱センサーや飛行機の位置を示すその他の潜在的な証拠から航空機を完全に見えなくすることはできない。そうならば、飛行士は、敵対的な防空ネットワークを妨害したり欺いたりするため電磁スペクトルを使用する電子戦のような能動的手段で、受動的で不完全なステルス性を補うべきだろう。電子攻撃は、海中領域における音響の戦術的・作戦的使用に対応する空中攻撃である。


能動的防御は何十年もの間、航空文化に刻まれてきたのに対し、海中の戦士たちが1世紀以上にわたって実践してきたことすべてに反している。クラークとウォルトンが潜水艦部隊のため考えているのは、技術的・戦術的革命と同様に文化的革命だ。一夜にして、あるいは命令されるままに、エートスを変革することはできない。


共著者たちはこのことを理解しているようだ。彼らは一応、自分たちが規定することが潜水艦部隊のパラダイムシフトを引き起こすと述べている。それは事実だが、彼らが言っていることの重大さを考えてみよう。パラダイムシフトは、困難で厄介なプロセスだ。潜水艦作戦の支配的なパラダイムには擁護者が存在し、その擁護者は、結局のところ、それ自体が沈黙のサービスであるかのようなキャリアを過ごしてきた上級指揮官に集中している可能性が高い。言い換えれば、潜水艦の将来に対して最大の権限を行使する将校は、旧来のパラダイムを最も信奉している可能性が高い。上層部からの根強い抵抗に直面した場合、作戦に関連した時間枠の中で、若い士官が自分たちの思い通りになるとは決して言い切れない。


まったく逆だ。潜水艦部隊のパラダイムシフトは痛みを伴い、その見通しは不確実であることを、歴史的前例が示唆している。また、旧来のパラダイムを否定し、必要な変化を起こすには、何らかの現実的な衝撃が必要かもしれない。戦間期の数十年間、米国の潜水艦乗りは敵対する戦闘艦隊を攻撃する訓練を受けたため、艦長は戦艦に立ち向かうために必要な習慣を学んだ。その結果、第二次世界大戦中に日本の商船を攻撃するよう命じられ、彼らの多くが失敗した。染み付いた習慣を捨てられなかったのだ。そのため、真珠湾の潜水艦司令部SUBPACは、時代遅れの水中戦法を艦隊から排除するため、厳しい措置を講じた。各艦長に2つの哨戒任務を割り当て、対日戦の結果を出させた。結果を出せなかった艦長は指揮権を失った。


多くの艦長が失敗した。


過酷ではあったが、SUBPACの人事政策は功を奏した。戦間期のドクトリンから解放された新世代将校たちは、最終的に潜水艦戦の戦術、技術、手順を正しく理解した。しかし、第二次世界大戦は、たとえ戦争の喧騒の中にあっても、文化の転換には時間がかかることも示した。さらには上級指導者の覚悟と冷酷さが必要である。


要するに、クラークとウォルトンが米海軍に課したプロジェクトとは、戦争という刺激なしに、つまり真珠湾攻撃のような衝撃なしに、旧来のパラダイムではもはや十分でないことを証明し、組織にそのやり方を改めさせるような革命的な変化を導入することである。このプロジェクトは、若い将校や下士官を今すぐ新鮮な方法で訓練・教育し、沈黙を守ってきた過去よりも航空戦を彷彿とさせる方法に慣れさせることを意味する。今日の若者たちが階級を上げるにつれて、彼らは新しい文化を持ち込むだろう。新しい文化は、受け入れられるパラダイムとなるだろう。潜水艦乗組員は、戦術的・作戦的効果のためにステルスと能動的手段をいかに巧みに融合させるかについて、海軍や空軍の飛行士に見識を求めるべきだ。潜水艦のコースと飛行学校の間のクロスオーバー訓練が役に立つかもしれない。


しかし、やはり革命にはリーダーシップが必要だ。制服組や文民の上級指導者を味方につけることは、サイレント・サービス以降の時代の潜水艦部隊を作り直す上で極めて重要な要素となる。海底戦力の変革をめざす政治が頓挫すれば、パラダイムシフトも頓挫するだろう。


クラークとウォルトンの次の報告書のテーマがこれらしい。■


Reinvent the Submarine Force to Beat China - 19FortyFive

By

James Holmes


Dr. James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and a Nonresident Fellow at the University of Georgia School of Public and International Affairs. The views voiced here are his alone.

 

2023年7月2日日曜日

チェコ共和国がF-35Aを24機導入へ。米国務省が販売案件を承認。ライトニングII導入の非パートナー国はこれで10カ国へ。

 

158 FW F-35A aircraft in Germany for Air Defender 23

A U.S. Air Force F-35A Lightning II aircraft taxis at Spangdahlem Air Base, Germany, June 9, 2023, in preparation of Air Defender 23. (U.S. Air Force photo by Tech Sgt. Anthony Plyler)

国務省は本日、チェコ共和国に対し、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機24機と、多数の武器、部品、装備を、最大56億ドル相当で売却する案件を承認した。



 国務省は同戦闘機で「この地域の基本的な軍事バランスが変わることはない」と声明で付け加えた。

 24機の戦闘機は、アメリカ空軍が使用しているF-35Aとして知られるCTOL(通常離着陸型Conventional Take Off and Landing)となる。チェコ共和国は1年前、F-16やサーブ製のグリペン戦闘機ではなく、アメリカの第5世代ジェット機を選んだと発表し、F-35への野心を明らかにしていた。チェコ空軍は現在、グリペンを使用中。

 「このオプションを選択する決定は、チェコ軍による分析に基づくもので、最新の第5世代戦闘機のみが将来の戦場における任務要件を満たすことができるということを明確に示している」と、チェコのヤナ・チェルノチョヴァー国防相はニュースリリースで当時述べていた。

 今日発表された潜在的な取引には、戦闘機本体に加え、ミサイル、爆弾、電子戦、無線機能、「機密ソフトウェア」、ソフトウェア開発なども含む。また、プラット・アンド・ホイットニーのF135-PW-100エンジン25基も含まれている。

 国務省は、同契約の最終コストは56億ドル以下になる可能性が高いと指摘した。また、アメリカ議会がこの取引に反対する可能性わずかながら残っている。

 ただし、売買が成立すれば、チェコ共和国は、アメリカにとってF-35プログラムの「パートナー」7カ国に加え、その他9カ国の軍事購入国に加わることになる。発表の前日、国務省はノルウェーのF-35に搭載する小口径爆弾の販売承認も公表していた。■


State approves $5.6 billion F-35 sale to Czech Republic - Breaking Defense

By   LEE FERRAN

on June 29, 2023 at 4:23 PM


「なぜ空軍と機材統一できないのか」実現しなかった空軍機材の空母運用構想;F-16、F-15、F-22,F-117それぞれ候補となった。空母搭載機材の仕様が陸上運用機と大きく異なる。F-35Cは例外的な存在なのか。

 


行のF/A-18スーパーホーネットとステルスF-35Cは巨大空母から並の国家以上の戦闘力を提供している。両戦闘機は厳しい発着艦に耐えるという点で特別に選ばれたが、アンクル・サムがフラットトップへの搭載を考えた全機種が空母運用に最適化されていたわけではない。



国防総省は長年にわたり、空軍の手入れの行き届いた長い滑走路用に設計された戦闘機を、グローバル展開する海軍航空の過酷な飛行運用に改造することで予算節約しようとしてきた。これが共用打撃戦闘機プログラムに結実した。JSFプログラムは、空軍、海軍、海兵隊、さらに海外のパートナー国に単一の多目的戦闘機を配備しようとする努力だった。その結果生まれたF-35は、最終的には技術上の驚異であることは証明されたが、予算超過と技術的な挫折は、国防総省が同じ過ちを繰り返さないよう脅すには十分すぎるものがある。


今日、米海軍と米空軍はともに次世代戦闘機を開発中であり、いずれも次世代航空優勢(NGAD)プログラムとして、モジュール式内部システム多数を共有する目標で設計されている。

 しかし、F-35は、議員や国防総省当局者が両軍に機能させようとした最初の戦闘機にはほど遠い。今回は、統合打撃戦闘機コンセプトへの道を開いたジェット機と、F-35が(ジェット燃料のように予算を使い果たすことで)成功した場所で、それらが最終的に失敗した理由を紹介しよう。


ヴォート1600: F-16を空母に搭載する構想

F-16ファイティング・ファルコンは、40年以上にわたり米空軍の主力戦闘機で、1975年時点で空母に搭載可能型が米海軍で同じことをするように見えた。

 海軍のニーズに応えるため、ヴォート1600はF-16Aを大型化した。主翼幅は33フィート3インチで、空軍の戦闘機より2フィート広い。低速時の安定性が向上した。胴体は少し平らになって幅が広くなり、キャノピーは前方に開放する設計となった。これはF-16と異なるが、現在F-35にも見られる。

 空母着艦に耐えるため、ヴォート1600の足回りには、着陸フックなど標準的な空母装備品とともに、より頑丈な着陸装置が取り付けられた。胴体自体も強化され、海軍が必要とする交戦距離を確保するため目視範囲外照準用のパルスドップラーレーダーも追加された。

aircraft carriers

 F-16をヴォート1600にするため必要な構造変更で機体重量は3,000ポンド以上増加した。ヴォート1600では胴体や主翼にも変更が加えられた。例えばV-1602型は、主翼面積が399平方フィートとさらに拡大され、重いGE F101エンジンが搭載された。


F-15Nシーイーグル

AIM-54フェニックス・ミサイルを搭載したF-15N-PHXシーイーグルの模型。(マクドネル・ダグラス)


F-14トムキャットは、1986年の『トップガン』でハリウッドが扱った伝説的な戦闘機だが、1970年代の一時期、海軍はトムキャットよりF-15をの空母運用を検討していた。

 F-15を空母任務に最適化するため、マクドネル・ダグラスはイーグルに変更を加えた。F-15Aは、多くの近代的な戦闘機と同様に、短い滑走路や緊急時の使用を目的としたテールフックをすでに備えていたが、空母戦闘機の着艦は毎回フックに頼る必要があるため、大型の強化フックを追加した。空母の甲板下に収納しやすくするため、シーイーグルの主翼は各先端から15フィート強の位置で90度で折り畳まれる。

aircraft carriers

 着陸装置も、揺れる空母への着艦の酷使に耐えられるよう頑丈なものに交換する必要がある。マクドネル・ダグラスは、海軍がこの機体を前進させることを望むなら、新型ギアの設計に着手すると述べた。

 これらの変更でもF-15はわずか3,000ポンドしか増加しなかったが、より優れた操縦性、より高い最高速度、はるかに低い価格と相まって、この新しいシーイーグルはかなり良い取引のように思われた。しかし、一つだけ目立った欠点があった: それは、F-15Nが高性能でも、アメリカの最新最強の空対空ミサイルAIM-54フェニックスを搭載すできず、果たすべき役割であったソ連爆撃機との長距離交戦能力が制限されていたことである。


NATF-22 シーラプター

ロッキード・マーチン NATF-22 レンダリング画像


米空軍のF-22ラプターは、世界最強の対空戦闘機とよく言われるが、海軍用に特別改良された姉妹機NATF-22も登場するところだった。

 ロッキードYF-22は、就役数年前からすでに有望視されていたため、議会は1988年に始まったNATF(海軍先進戦術戦闘機)プログラムで、新型戦闘機の可変翼バージョンの採用を検討するよう海軍に迫った。もし米海軍がF-22の空母搭載型を選択していても、克服すべき重要な技術的ハードルがあっただろう。空母作戦用の機は、陸上機とはまったく異なる離着陸の課題に対処しなければならず、ラプターのステルス性は外部設計の変更を複雑で高価なものにした。

 機体は、カタパルト発進や短距離着陸の際に航空機にかかる驚異的な力に耐えるため、物理的に頑丈にする必要があり、機体後部のテールフックで支える必要もあった。さらにNATF-22では、空母に安全に着艦できる低速飛行能力を持たせるために、F-14に見られる可変掃射翼を活用しなければならない。

NATF-22

 

可変掃射翼がステルス性をある程度損なうことは当然だ。可動翼の接続面が、航空機を兵器級にロックするのに十分な高いレーダー・リターンを生み出せば、このような戦闘機の価値が根本的に損なわれる。

 また、F-22は高速で機動性が高いとはいえが、F-14トムキャットの方が速い。おそらく最も不利なのは、維持費が高いにもかかわらず、海軍のフラットトップのための新しいステルス戦闘機を作るよりもF-14トムキャットがはるかに安かったことである。


F-117N

aircraft carriers

米空軍がナイトホークを世界に発表してから4年後の1993年、ロッキードは有名な「ステルス戦闘機」の空母搭載型の提案を米海軍に持ちかけた。F-117Nは、低視認性(ステルス)の全天候型攻撃機となる。当時、それはアメリカの航空戦力にとって論理的な進歩に思われた。

 運用中のF-117が高性能な戦闘機ではないことを認識していたようで、ロッキードの新提案は、このプラットフォームを劇的に改良し、当初の2倍の内部ペイロード容量を提供した。

aircraft carriers(ロッキード・マーティン)


 主翼はナイトホークの50度ではなく、42度のスイープが与えられ、さらに50%、64フィートまで伸ばす。機体尾部には水平エルロンを追加し、空母着艦に必要な低速でも扱いやすくなった。

 ナイトホークの最高速度時速680マイル程度では満足できず、ロッキードは後にスーパーホーネットに搭載された強力なF114エンジンに注目した。GE社製のアフターバーニング・ターボファンは、通常時で13,000ポンド、アフターバーナーを作動させると22,000ポンド推力を発生した。シーホークにこのエンジンを2基搭載すれば、空軍の姉妹機より格段に速くなり、超音速飛行に突入する可能性もあった。■




The best fighters America *almost* put on aircraft carriers - Sandboxx


Alex Hollings | June 23, 2023

Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.


2023年7月1日土曜日

ロッキードが極秘開発中のSR-72が姿を表す日が近づいてきた----ステルス極超音速大型機が航空機の概念を変える

 

SR-72. Image Credit: Lockheed Martin.


ロッキード・マーチンのSR-72「ブラックバードの息子」計画が実現すると判明する日が来るのだろうか



SR-72は、極超音速兵器含む投射物を運用する大型プラットフォームで極超音速に到達し維持する能力で極超音速飛行技術の新時代を切り開く野心的で驚異のコンセプトだ。有人または無人の大型完全極超音速偵察機は、極超音速飛行に関しては多くの課題があることから、おそらく驚異的な開発となる。 「境界層現象」のような複雑な気流と、前例のない高温で極超音速飛行を維持する熱管理はともに空軍の兵器開発者に大規模な焦点となっている。


SR-72の噂

史上最速の空気取り入れ型有人機として、SR-71偵察機は、国防総省で重要な役割を果たした、洗練された外観の高高度ステルス機として、航空史のあらゆる記録に永遠にその名を刻んでいる。

 1998年を最後に何度か退役したこの機体は、1960年代まで遡る。同機開発は、低視認性プラットフォームの構築を考えていたエンジニアたちが、早くから洗練されていたことを示唆している。

 ロッキード・マーチンの有名なスカンク・ワークス部門によって考案され、製造された同機は、時代を間違いなく先取りしていた。

 SR-71の機体は、鋭角のない丸みを帯びた胴体とわずかに湾曲した主翼のフォルムで、確かにステルスに見える。1964年に初飛行したこの航空機は、ロッキード・マーチンのエッセイ「ブラックバードの創造」によると、印象的なテクノロジー数点を備えている。同機のスペックには、マッハ3で飛行し、高度85,000フィートに達することができると記載がある。2006年に放送されたPBSドキュメンタリー番組では、歴史的なブラックバードはその比類なきスピードは地上のレーダーや防空網を凌駕したと説明されている。

 ブラックバードの乗員は2名で、高高度監視任務のためパイロットと偵察担当官が搭乗した。軍用機として活躍した後、ブラックバードは90年代後半まで長年NASAを支えた。『ビジネス・タイムズ』の興味深いエッセイでは、ブラックバードの任務は最終的に無人機や人工衛星に受け継がれたと説明している。


SR-72がまもなく登場?

しかし、ブラックバードのコンセプトは生き続けており、この有名なスパイ機の最も永続的な遺産は、その後継機である極超音速のSR-72の設計に現在急ピッチで進められている取り組みにインスピレーションを与えたことかもしれない。

 ロッキード論文によれば、「ブラックバードの息子」と呼ばれる新型機は2025年までに空を飛ぶ予定だという。極超音速飛行の可能性を可能にし、1960年代のブラックバードの登場以来数十年にわたる技術的ブレイクスルーを活用することを考えれば、ブラックバード後続機が無人であることは理にかなっている。

 1960年代のブラックバードのマッハ3という驚異的な速度が、その後続機のための舞台を整えたことは理にかなっている。極超音速のブラックバードの後継機であるSR-72が極超音速と認定されるには、単にマッハ5かそれ以上の速度まで伸ばす必要があるからだ。興味深いことに、オリジナルのブラックバードが純粋なスピードで防空を回避したのと同じように、極超音速弾は追尾が特に難しい。兵器やドローンのような物体は、あるレーダーの開口部や「視野」から別の開口部へと高速で移動するため、防衛側は「連続的な」軌道を確立できず、照準を合わられなくなる。

 極超音速ドローンの夜明けは、まさにパラダイムを変える画期的な出来事で、何年も前から空軍の科学者たちが予期していたことだった。元空軍主任科学者のグレゴリー・ザカリアスは数年前、極超音速の開発を階段状に進めることを想定しているとウォリアーに語っていた。約10年前だが、彼は2020年代に極超音速兵器が登場し、2030年代には極超音速ドローンが、2040年代には回収可能な極超音速ドローンが登場すると語っていた。

 ロッキードが2025年までに極超音速ドローンの製造に成功すれば、ザカリアスの予測を先取りすることになる。極超音速ドローンが、空戦と高高度偵察の戦術的方程式を根本的に変える可能性があることは想像に難くない。純粋なスピードで防空能力を凌駕し、前例のないスピードとスタンドオフ距離で前方偵察により敏感で危険性の高い地域を一網打尽にする能力は、確かにまだ存在しない優位性を提供する。ドローンが衛星、有人航空機、さらに地上管制ステーションとネットワーク化されている場合は特にそうだ。


未来はほぼ今...

SR-72の進歩は、熱管理の進歩により、ドローンのような大型プラットフォームが極超音速を長時間維持することを可能にする画期的技術と関係があるのかもしれない。極超音速飛行を実現する主な課題として、極超音速で発生する「熱」に耐え、発射体を取り囲む「境界層」すなわち気流を効果的に管理する能力がある。

 層流または「滑らかな」気流は、極超音速弾丸が目標までの軌道を確実に維持できるのに対し、分子が素早く移動する「乱流」境界層は、極超音速兵器をコースから外す可能性がある。プラットフォームが大きくなり、搭載ペイロードが増えれば増えるほど、空力的な課題と熱の課題を管理するのは難しくなる。

 熱管理、複合材料、冷却技術の分野でブレイクスルーがあり、ドローンなど大型プラットフォームが極超音速飛行を持続する日がくるかもしれない。■



Massive Breakthrough: Manned & Unmanned SR-72 "Hypersonic" Spy Plane by 2025 - Warrior Maven: Center for Military Modernization


by Kris Osborn, President, Center for Military Modernization


Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


プリゴジン暗殺指令、ロシアの動き、ウクライナ反攻作戦の現況などウクライナ国防情報局トップへのインタビュー

 Budanov

Photo by Yurii Stefanyak/Global Images Ukraine via Getty Images



ブダノフはワグネルはもはやウクライナの脅威でなく、プリゴジンが完遂していたらどうなっていたか訝しんでいる





グネルPMCのリーダーがモスクワに反乱を起こし、頓挫した数日後の今朝早く、『ウォーゾーン』はウクライナ国防情報総局(GUR)の責任者に状況評価などを聞いた。

 11月以来2回目のインタビューでキーロ・ブダノフ空軍少将Maj. Gen. Kyrylo Budanovは、ウクライナがエフゲニー・プリゴジンの反乱作戦を知った時期と、それが戦場での作戦にどのような影響を与えたかを語ってくれた。ブダノフは、ロシアのプーチン大統領のかつての盟友に対する暗殺計画が進行中であり、ワグネルはもはやウクライナの脅威ではないと明かした。ブダノフはまた、プリゴジンがモスクワに向け進撃したことを受けて、プーチンの将来についても語った。そしてもちろん、少将はキーウのオフィスからの電話会議で、他の問題多数を通訳を介して話した。会話はわかりやすくするため一部編集した:


プリゴジン反乱の情報はあらかじめ把握していた


TWZ:プリゴジンがモスクワに進軍すると最初に聞いて、どんな雰囲気でしたか?

KB:ロシア国内を不安定化させる行動は、ウクライナに有益だ。ムードは良かった。

TWZ:プリゴジンが反乱を企てていることは知っていたか?本人と連絡を取っていたのだろうか。そのような憶測もあった。

KB:噂は噂であり、コメントしません。そのような行動を取る計画について私たちは知っていたのでしょうか?はい、同じようなことをやろうという意図があったことは知っていました。かなり前から知っていた。

TWZ:どうやって知ったのですか?

KB:HUMINT(人的情報源)からです。


ウクライナのロシア軍にどんな影響が出たか


TWZ:プリゴジンのロシア侵攻は、ウクライナにおけるロシアの軍事作戦にどのような影響を与えたのでしょうか?

KB:こうした動きはすべてごく短期間に続いていたもので、深刻な影響を与えたとは言えません。しかし同時に、ロシア航空宇宙軍に何らかの損害がもたらされたことも事実です。第二のポイントは、ウクライナでPMCワグネルが独自作戦をとる独立組織として出現することは期待していないということだ。そして、この要素は我々にとって非常に重要だと考えている。というのも、残念なことに、ワグネル民間軍事会社はかなり強力な戦闘力であることを認めざるを得ないためだ。ロシア軍正規部隊とは違う。そしてまた、ロシア軍とは違い、彼らは正しい方法で適切に戦うことができ、任務達成のため犠牲を払う用意があることも認めなければならない。

TWZ:ロシア航空宇宙軍への損害について言及されましたが、もう少し詳しく説明していただけますか?

KB:記憶が正しければ、回転翼と固定翼の両方で8機が完全に墜落した。攻撃ヘリコプターも含む。また、空中司令部(送信機[IL-22M無線中継機]とも呼ばれる)も1機墜落しました。この8機は完全に破壊された。しかし、その他の機体もなんとか帰還しましたが、一定の損害を受けています。


スロヴィキン元帥について


TWZ:ロシア航空宇宙軍のトップであり、かつてのプリゴジンの盟友であったセルゲイ・スロヴィキン元帥の状況をご存知ですか?彼は逮捕されたのですか?

KB:現在のところ、何が起こっているのか完全に把握していない。彼個人に何が起こったのか、直接的に言うことはできない。プリゴジンの行動が始まった土曜日に身柄を拘束されたとの未確認情報がある。しかし、当方はその情報を確認も検証もできませんでした。

TWZ:『ニューヨーク・タイムズ』が報じたように、プリゴジンが反乱を計画しているときに、スロヴィキンが情報を提供していたかを知っていますか?

KB:回答は差し控えます。


ワグネルの今後について


TWZ:この事件はロシアの戦争遂行能力にどれほどのダメージを与えたのでしょうか?なぜですか?

KB:実は、冒頭で申し上げた、ロシア国内の不安定化はウクライナにとって有益であるという点に立ち戻る。主な結果として、PMCワグネルが独立部隊として活動することはもうないだろう。実際のところ、彼らは当方に相当の問題を引き起こす可能性があった。

TWZ:プリゴジンがベラルーシにいる間、ウクライナに何か問題を起こすと思いますか?その心配はありますか?(昨日、ポーランド当局はプリゴジンとワグネルへの懸念から要塞を強化すると発表した)。

KB:いや。ありません。

TWZ:なぜですか?

KB:ベラルーシへのPMCの大規模再編成は予定されていないからだ。ベラルーシに作るハブはロジスティック用だ。また、オフィスとリクルートセンターも設置される。そしてそのハブは、海外、主にアフリカでのワグネル活動のために作られる。

TWZ:海外事業は継続されるのですね?

KB:はい、海外での事業は主にアフリカで継続されます。そして次に起こることは、これまでウクライナでの戦闘に従事していた人員の大半は、アフリカでの作戦を構築するために、段階的にアフリカに移されるということです。

TWZ:プリゴジンは今、ベラルーシに何人の部隊を派遣しているのですか?

KB:前衛グループの数人だけだ。


プリゴジン暗殺の可能性について


TWZ:彼はプーチンに暗殺されると思いますか?

KB:FSBが彼を暗殺する任務を負ったことは知っている。彼らはそれに成功するのでしょうか?時間が経てばわかる。いずれにせよ、このような潜在的な暗殺の試みは、すぐに成功するものではない。適切なアプローチを持ち、大規模な作戦を加える準備が整う段階に到達するまで時間がかかるだろう。しかし、もう一度強調しておきたいが、それは大きな未解決の問題だということだ。果たして、彼らは成功するだろうか?彼らはその命令を実行する勇気があるのだろうか?


プリゴジンが氾濫に成功してれば


TWZ:11月時点では、プーチンが戦争を生き残るとは考えていないと話していましたね。今回の事態で考えに変化はありましたか?彼は生き残るのでしょうか?

KB:プリゴジンが最初の計画を遂行していれば、ロシアは今頃少なくとも2つに分割されていただろう。というのも、プリゴジンがあの日、誰もいないクレムリンに入っていれば、クレムリンは空っぽだと国民に示したことになるからだ。大臣もいない。本物の高官もいない。彼らはみな逃げ出し、現在ロシアに権力者がいないことを示すことになる。しかし、一方で、サンクトペテルブルクや他の場所から来た高官たちが、自分たちこそが正当な権力だと主張し始め、ロシア国内に2つの権力が存在する状況になる。

しかし、何とか合意に至った事実を考えれば、ロシア指導部やロシア当局には時間稼ぎになった。だが、プリゴジンによって、すべてを支配する権力の柱としての彼らの姿勢は大きく損なわれた。

TWZ:プーチンは打倒されるのでしょうか?

KB:多かれ少なかれ、合法的な方法で権力の交代が出てくるだろう。具体的にどうなるかは、これからわかる。


ウクライナ反攻作戦の現況について


TWZ:反攻に話を移したい。あなたの視点からはどうですか?

KB:反攻を担当する参謀本部の活動についてコメントする権限を与えられていない。ですから、この質問にはお答えできません。一般的に言えることは、現在進行形だということだ。我々は一定の成功を収めているが、まだ結果を語るには早すぎる。

TWZ:11月に私があなたへの質問に対する2つの回答についてフォローしたい。ひとつは今年中にクリミアを奪還するというもので、もうひとつは今年中に1991年の国境線に戻るというものでした。これらの予想に変わりはないのですか?

KB:いずれにせよ、1991年時点のウクライナの行政上の国境に到達するという点で、私たちの立場に変わりはありません。

TWZ:今年ですか?

KB:ですから、今年中に達成できるよう全力を尽くします。

TWZ:しかし、それは保証ではないですよね?明らかにロシア側はこの件にで言い分がたくさんあるようです。

KB:このような問題で保証を与えることができるのは神だけです。

TWZ:反攻が成功しなかった場合、米国がウクライナへの援助供給を打ち切ることを懸念していますか?

KB:その心配はありません。なぜなら、ウクライナがこの反攻作戦で一定の成功を収めることを確信しているからです。


ザポリツィア原発をロシアが破壊する可能性について

TWZ:ロシアがザポリツィア原子力発電所で大惨事を起こすとまだ信じていますか?

KB:ロシアは技術的な面で、ザポリツィア原子力発電所で技術的な災害を引き起こす準備をすべて整えている。彼らは人工的な技術的、人為的災害を起こすため必要なものをすべて準備している。決定が下されれば、彼らが爆破する可能性が最も高いのは、原発の敷地内にある冷却用の人工池だ。つまり、彼らがやろうとしていることは、システムのリンクを損傷させることで、その結果、誰も止めることも軽減することもできない技術的な災害状況が引き起こされる。戦闘地域での捜索救助活動は不可能だからだ。

TWZ:彼らはそれを実行に移すのでしょうか?

KB:彼らは完全に準備ができている。


ロシア国内のパルチザン活動について


TWZ:ロシア国内のいわゆる反プーチン・ロシアのパルチザン・グループによる攻撃について話しましょう。5月にあなたのスタッフの一人が、そうしたグループと協力関係があると言いました。あなたはそうした勢力と協力していないのですか?

KB:特殊部隊である以上、世界中の複数の組織と精通していることは理解できる。しかし、ロシア連邦領内でのロシア政権に対するロシア人志願兵の戦闘は、もっぱらロシア国内の問題です。

TWZ:あなたは何らかの形で彼らを助けているのですか?

KB:私たちは彼らを知っているだけです。

TWZ:協力はないのですか?

KB:協力関係があるとしても、それはウクライナ領土内でのウクライナ防衛における我々への援助以上のものではありません。彼らがウクライナの外でロシア連邦で行っていることは、すべて私たちには関係のないことです。


米国との関係について


TWZ:機密文書のリークには、全面侵攻の記念日にモスクワを攻撃しないよう米国が説得したという情報も含まれていました。そんなことがあったのですか?

KB:これはあなたのリークだ。なぜ私に尋ねるのですか?

TWZ:そのようなリークを考えると、米国と秘密を共有することに懸念はありますか?

KB:私は噂や情報源不明のリークについてコメントする人間ではありません。

TWZ:米国の秘密保持能力に懸念は?

KB:ない。米国はウクライナの信頼できるパートナーであり、同様にウクライナも米国の信頼できるパートナーです。

TWZ:他に米国がウクライナに提供できる支援はありますか?

KB:目新しいことは何もない。我々は、ウクライナへの武器供与の強化と拡大、そして規模拡大を期待している。


F-16パイロット訓練について


TWZ:F-16のパイロット訓練はいつ始まると予想していますか?

KB:F-16については長期的な問題だ。私が尋ねているのは、ここで必要とされているものだ。そして今だ。装甲戦闘車、戦車、長距離砲、長距離ミサイルシステムだ。そのリストに目新しいものは何もない。

TWZ:パイロット訓練がいつ始まるか知っていますか?それについて何か知っていますか?

KB:すみません、そのような情報は持っていません。すでに始まっているかもしれません。私はF-16を運用する部隊ではないし、F-16も持っていないのでわかりません。


イランの関与・ロシアのミサイル備蓄について


TWZ:前回お話したとき、ロシアはイランから短距離弾道ミサイルと、さらに多くの無人機を受け取る寸前だとおっしゃっていました。今もそうなのですか?

KB:今日のところ、ロシアにもウクライナにもイランの弾道ミサイルはない。無人機は大規模に使用されています。

TWZ:ロシアはイランからさらに多くの無人機を入手すると予想していますか?

KB:イランからのドローンの新しいバッチは、絶えずロシア連邦に来ている。

TWZ:どのくらいですか?

KB:通常、1バッチは1回につき50機から70機です。2週間に1回、時には3週間に1回と、かなり定期的にやってきます。

TWZ:ウクライナ攻撃を続ける分のミサイル備蓄がロシアはにあるのですか?

KB:最近の攻撃を見ればわかるように、彼らは毎回、先制攻撃用のミサイルの本数を減らしている。だから答えはノーだ。彼らはもはや、昨秋と同じ攻撃を行うことはできない。それではこれで失礼します。

TWZ:いつもありがとうございます。■



Russia Plotting To Assassinate Prigozhin, Ukraine's Spy Boss Tells Us

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JUN 29, 2023 1:02 PM EDT

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