スキップしてメイン コンテンツに移動

ロッキードが極秘開発中のSR-72が姿を表す日が近づいてきた----ステルス極超音速大型機が航空機の概念を変える

 

SR-72. Image Credit: Lockheed Martin.


ロッキード・マーチンのSR-72「ブラックバードの息子」計画が実現すると判明する日が来るのだろうか



SR-72は、極超音速兵器含む投射物を運用する大型プラットフォームで極超音速に到達し維持する能力で極超音速飛行技術の新時代を切り開く野心的で驚異のコンセプトだ。有人または無人の大型完全極超音速偵察機は、極超音速飛行に関しては多くの課題があることから、おそらく驚異的な開発となる。 「境界層現象」のような複雑な気流と、前例のない高温で極超音速飛行を維持する熱管理はともに空軍の兵器開発者に大規模な焦点となっている。


SR-72の噂

史上最速の空気取り入れ型有人機として、SR-71偵察機は、国防総省で重要な役割を果たした、洗練された外観の高高度ステルス機として、航空史のあらゆる記録に永遠にその名を刻んでいる。

 1998年を最後に何度か退役したこの機体は、1960年代まで遡る。同機開発は、低視認性プラットフォームの構築を考えていたエンジニアたちが、早くから洗練されていたことを示唆している。

 ロッキード・マーチンの有名なスカンク・ワークス部門によって考案され、製造された同機は、時代を間違いなく先取りしていた。

 SR-71の機体は、鋭角のない丸みを帯びた胴体とわずかに湾曲した主翼のフォルムで、確かにステルスに見える。1964年に初飛行したこの航空機は、ロッキード・マーチンのエッセイ「ブラックバードの創造」によると、印象的なテクノロジー数点を備えている。同機のスペックには、マッハ3で飛行し、高度85,000フィートに達することができると記載がある。2006年に放送されたPBSドキュメンタリー番組では、歴史的なブラックバードはその比類なきスピードは地上のレーダーや防空網を凌駕したと説明されている。

 ブラックバードの乗員は2名で、高高度監視任務のためパイロットと偵察担当官が搭乗した。軍用機として活躍した後、ブラックバードは90年代後半まで長年NASAを支えた。『ビジネス・タイムズ』の興味深いエッセイでは、ブラックバードの任務は最終的に無人機や人工衛星に受け継がれたと説明している。


SR-72がまもなく登場?

しかし、ブラックバードのコンセプトは生き続けており、この有名なスパイ機の最も永続的な遺産は、その後継機である極超音速のSR-72の設計に現在急ピッチで進められている取り組みにインスピレーションを与えたことかもしれない。

 ロッキード論文によれば、「ブラックバードの息子」と呼ばれる新型機は2025年までに空を飛ぶ予定だという。極超音速飛行の可能性を可能にし、1960年代のブラックバードの登場以来数十年にわたる技術的ブレイクスルーを活用することを考えれば、ブラックバード後続機が無人であることは理にかなっている。

 1960年代のブラックバードのマッハ3という驚異的な速度が、その後続機のための舞台を整えたことは理にかなっている。極超音速のブラックバードの後継機であるSR-72が極超音速と認定されるには、単にマッハ5かそれ以上の速度まで伸ばす必要があるからだ。興味深いことに、オリジナルのブラックバードが純粋なスピードで防空を回避したのと同じように、極超音速弾は追尾が特に難しい。兵器やドローンのような物体は、あるレーダーの開口部や「視野」から別の開口部へと高速で移動するため、防衛側は「連続的な」軌道を確立できず、照準を合わられなくなる。

 極超音速ドローンの夜明けは、まさにパラダイムを変える画期的な出来事で、何年も前から空軍の科学者たちが予期していたことだった。元空軍主任科学者のグレゴリー・ザカリアスは数年前、極超音速の開発を階段状に進めることを想定しているとウォリアーに語っていた。約10年前だが、彼は2020年代に極超音速兵器が登場し、2030年代には極超音速ドローンが、2040年代には回収可能な極超音速ドローンが登場すると語っていた。

 ロッキードが2025年までに極超音速ドローンの製造に成功すれば、ザカリアスの予測を先取りすることになる。極超音速ドローンが、空戦と高高度偵察の戦術的方程式を根本的に変える可能性があることは想像に難くない。純粋なスピードで防空能力を凌駕し、前例のないスピードとスタンドオフ距離で前方偵察により敏感で危険性の高い地域を一網打尽にする能力は、確かにまだ存在しない優位性を提供する。ドローンが衛星、有人航空機、さらに地上管制ステーションとネットワーク化されている場合は特にそうだ。


未来はほぼ今...

SR-72の進歩は、熱管理の進歩により、ドローンのような大型プラットフォームが極超音速を長時間維持することを可能にする画期的技術と関係があるのかもしれない。極超音速飛行を実現する主な課題として、極超音速で発生する「熱」に耐え、発射体を取り囲む「境界層」すなわち気流を効果的に管理する能力がある。

 層流または「滑らかな」気流は、極超音速弾丸が目標までの軌道を確実に維持できるのに対し、分子が素早く移動する「乱流」境界層は、極超音速兵器をコースから外す可能性がある。プラットフォームが大きくなり、搭載ペイロードが増えれば増えるほど、空力的な課題と熱の課題を管理するのは難しくなる。

 熱管理、複合材料、冷却技術の分野でブレイクスルーがあり、ドローンなど大型プラットフォームが極超音速飛行を持続する日がくるかもしれない。■



Massive Breakthrough: Manned & Unmanned SR-72 "Hypersonic" Spy Plane by 2025 - Warrior Maven: Center for Military Modernization


by Kris Osborn, President, Center for Military Modernization


Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ