アラスカの新しい空軍分遣隊は、太平洋におけるRC-135V/Wリベット・ジョイント・スパイ機の需要増に対応する
米空軍はこれらの作戦を管理するための新部隊をアラスカに創設する。エルメンドルフ・リチャードソン統合基地から、リベット・ジョイントは、太平洋の北端とあわせ、ますます戦略的に重要になってきた北極圏地域に関する情報を収集する。
空軍は昨日のプレスリリースで、アラスカ南東部のアンカレジにあるエルメンドルフ・リチャードソン統合基地に、第55作戦群第1分遣隊を「最近」創設したと発表した。第55作戦群は、ネブラスカ州オファット空軍基地の第55飛行隊に属している。
「新しい分遣隊は...この地域でのRC-135V/Wリベット共同作戦や演習で戦略的な発進・回収地点として機能する」と空軍は述べている。
空軍のリベットジョイント機は、強力な多目的情報収集プラットフォームであり、各種信号と発信源を検出し、地理的位置を特定し、分類し、監視する。そのため、同機は防空レーダーや指揮統制拠点など、各種発信源に関する情報を収集し、それらの資産の能力や配置を詳述した、いわゆる「電子戦闘命令」の作成に役立つ。また、通信傍受にも利用できる。信号と電子戦のスペシャリスト、言語専門家が登場するため、収集したデータは機内で即座に処理することができる。
エルメンドルフ・リチャードソン統合基地はアラスカ方面の空軍最高司令部である第11空軍司令部と、F-22ラプター・ステルス戦闘機、E-3セントリー空中警戒管制システム(AWACS)レーダー機、C-17グローブマスターIII空輸機、C-12小型実用機を運用する第3航空団を擁している。また、アラスカ州兵航空第176飛行隊の本拠地でもあり、C-17のほか、HC-130コンバットキング救難機やHH-60ペーブホーク救難ヘリコプターが配備されている。
第55作戦群の新分遣隊がいつ正確に設立されたのかは不明だが、飛行追跡ソフトを使用する飛行機スポッターは、少なくとも5月以来、統合基地エルメンドルフ-リチャードソンからリベットジョイントフライトに気づいている。
以前は、インド太平洋地域の大部分を横断するRC-135V/W出撃の主な発進地点は、日本の嘉手納基地だった。同基地はまた、RC-135Sコブラボール、RC-135Uコンバットセント、WC-135コンスタントフェニックスなど、第55飛行隊にのその他のタイプの情報・監視・偵察(ISR)機を含む太平洋を中心とした作戦の主要拠点でもある。
空軍はまた、過去に他のRC-135やWC-135によるものと同様に、ジョイントリベットの限定的な運用場所としてアラスカのエイルソン空軍基地とインド洋の海軍支援施設ディエゴガルシアを使用してきた。冷戦時代、アラスカのアリューシャン列島にあったシェミヤ空軍基地(現在はエアレクソン空軍基地に改名)は、太平洋におけるRC-135の運用に頻繁に利用された。
エルメンドルフ・リチャードソン統合基地に第55作戦群第1分遣隊が創設されたのも、リベット・ジョイントのような大型機の作戦をよりよく支援するために、2本の滑走路のうち1本を延長する「メガ・プロジェクト」を米空軍が進めている最中だ。
「滑走路16/34は2,900フィート延長され、滑走路の長さは10,000フィートとなり、滑走路の南側のしきい値は飛行場の設計要件を満たすために400フィート北側に移動する。「滑走路16/34の現在の長さのため、特に悪天候時の大型機の飛行任務で制約になっている」。
滑走路延長工事を支援する米陸軍工兵隊アラスカ地区の責任者、デイモン・デラロサ米陸軍大佐は昨年、「滑走路延長工事では、1200万立方ヤード近い掘削物の山を移動させる必要がある」と述べた。「この資材はダンプトラック約80万台分に相当する。バンパーからバンパーまで駐車すれば、JBER(エルメンドルフ・リチャードソン統合基地)からテキサス州サンアントニオまで伸びる」。
空軍のリベットジョイントにとって、アラスカに恒久的な運用基地ができることは、運用で大きな恩恵をもたらす期待がある。
第55作戦群の責任者であるデレク・レイチェル空軍大佐は昨日の声明で、「新拠点は柔軟性を提供し、情報要件の増大に対応し作戦を拡大することを可能にする」と述べた。 「我々のすべてのプラットフォームは、世界規模の作戦のため常に任務を与えられている。この場所が常に利用可能で準備万端であることは、これまで以上に迅速な対応を可能にする」。
平時であっても、国際水域から覗き込んだり、友好的な領土の上空を飛行している間、リベットジョイントがエルメンドルフ・リチャードソン統合基地から到達できる関心領域には事欠かない。これには、ロシアの極東部や北極圏の島々にある主要な空軍基地や海軍基地も含まれる。中国北部と朝鮮半島の一部も、容易に射程内に入るだろう。
さらに空軍によれば、エルメンドルフ・リチャードソン統合基地の新しい分遣隊は現在、リベットジョイント作戦の支援に重点を置いているが、将来的にはコブラボール、コンバットセント、コンスタントフェニックスの航空機を含む飛行にも対応できるようになるという。これは、こうした機種でも重要な柔軟性を提供することになる。空軍はRC-135Sを3機、RC-135Uを2機保有しているが、これらはそれぞれミサイル発射や電子信号に関する情報収集に特化した構成となっている。最終的には、核・放射能情報収集を行うWC-135Rを3機保有する予定である。
この他にも、空軍は一般的に、特にインド太平洋地域における基地の選択肢を広げようと積極的に取り組んでいる。中国とのハイエンド戦など、実際の紛争時に、高需要で低密度のISR資産含む部隊を分散できれば、脆弱性を減らし、非常に困難なシナリオであっても、ある程度は重要な作戦を継続できるようになる。とはいえ、エルメンドルフ・リチャードソン統合基地は、大規模な紛争の初期段階において、近接する敵国にとって優先ターゲットのリストの上位に入る可能性のある、大規模で確立された施設だ。と同時に、比較的遠隔地にあることが、さらなる安全保障を提供する可能性もある。
米国と中国、さらに世界的なロシアとの間の地政学的摩擦は、太平洋と北極圏におけるISR資産と同様に、リベット・ジョイントの出撃の需要増加の背後にある明確な理由である。ここ数年、中国軍やロシア軍による米軍ISR飛行に対する攻撃的な反応が再燃してきた。これには、中国の戦闘機による太平洋でのRC-135の危険な迎撃も含まれる。
太平洋では、中国とロシア以外にも、北朝鮮が依然として懸念の種で、米軍も厳しく監視している。これらの地域には、制裁違反、違法麻薬の流入、石油や天然ガスから魚に至るまでの天然資源の権利など、国家安全保障上の問題が他にもある。あまり知られていないが、リベットジョイントを含む米軍のISR機材は、こうした不法活動の監視にしばしば採用されている。
リベット・ジョイントだけでなく、他のISRプラットフォームに対する需要が太平洋地域で高まる一方であることは驚くにはあたらない。エルメンドルフ・リチャードソン統合基地は、そうした情報収集のニーズを満たす重要拠点になる。 ■
RC-135 Rivet Joint Spy Flights From Alaska To Grow Thanks To New Unit
BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED JUL 26, 2023 7:54 PM EDT
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