スキップしてメイン コンテンツに移動

イランは西側に戦いを挑もうとしているのか、気になるホルムズ海峡はじめ国際水域でのイランの狼藉乱暴ぶり。民間商船の拿捕未遂事件をめぐり、米中央軍も警戒中。

ペルシャ湾でイランと戦争勃発か - オマーン湾は、ひとつ誤った行動がすぐ制御不能に陥り、遠大な影響を及ぼす紛争に発展しかねない潜在的な火種の場所であることに変わりはない。現地時間の水曜日未明、イラン海軍が石油タンカー2隻を拿捕しようとしたが、米海軍に撃退された。

 「7月5日、米軍はイラン海軍による2件の商業タンカー拿捕未遂を阻止した。オマーン沿岸でイラン海軍が発砲した事件のうちの1件である。イラン海軍艦艇 1 隻が、オマーン湾の国際水域で、マーシャル諸島船籍の石油タンカー TRF Moss に接近した。米海軍の誘導ミサイル駆逐艦 USS McFaul (DDG 74) が到着すると、イラン艦は現場を離れた。さらに、米海軍は、MQ-9リーパーとP-8ポセイドン海上哨戒機を含む監視資産を配備した」と中央軍海軍部隊(Naval Forces CENTCOM)は付け加えた。

 その約3時間後、米海軍はバハマ船籍の石油タンカー、リッチモンド・ボイジャーから2度目の遭難信号を受信した。同船はオマーンのマスカット沿岸から20マイル以上沖合にあり、アラビア海に向かい国際水域を航行中だった。米海軍によると、別のイラン海軍艦艇がリッチモンド・ボイジャーに停船を呼びかけながら、同船の1マイル以内に接近したという。

 米誘導ミサイル駆逐艦はその後、最大速度でタンカーに進路を向けたが、到着の前に、イラン要員が小火器で複数回、長いバーストを発射した。リッチモンド・ボイジャーに死傷者や大きな損害はなかったが、米海軍によると、乗組員の居住スペース付近の船体に数発の銃弾が命中したという。

 イラン海軍艦艇は、USSマクフォールが到着した時点でその場を離れていた。

 テヘランからこの件に関してコメントがないが、国営メディアは、いずれの船舶も拿捕しようとしていることをイラン政府が否定したと報じている。


海賊行為か?

イランによる商船拿捕が増加したことを受け、米国が地域やその他パートナー国とホルムズ海峡をパトロールする船舶や航空機のローテーションを増やしたのは、この5月のことだった。イランとオマーン間にあるホルムズ海峡は、世界の原油・石油製品供給の約5分の1が通過する重要海峡である。

 今回の増派は、国際海上安全保障構成法の下での多国間の取り組みを支援し、また商業海運に対する脅威を抑止し、地域の船員を安心させるために、パートナー諸国と二国間で行うものである。

 ブラッド・クーパー中将(米海軍中央軍司令官)は、「私は、(米海軍中央軍)チーム全体、特にマクフォール乗組員が並外れた努力で直ちに対応し、新たな拿捕を防いだことを、これほど誇りに思うことはない」と述べた。「我々は引き続き警戒し、この重要な海域における航行権を守る用意がある」。


戦争勃発か?

米国はイランと戦争するのか?

それは、1979年のイスラム革命が、ワシントンと緊密な関係を保っていたイラン政府を打倒して以来、数え切れないほど聞かれてきた質問だ。実際、1980年4月7日以来、アメリカはイスラム共和国と正式な外交関係がない。

 今回の事件は、テヘランによる挑発的な行動の連続であり、公然の衝突につながるものである。イスラム共和国は過去1年間で、20隻近くの各国商船に嫌がらせをしたり、攻撃したり、拿捕したりしてきた。

 イランの革命防衛隊がホルムズ海峡でパナマ船籍の石油タンカーを拿捕したのは5月のことで、このような拿捕はこの1週間で2度目である。米中央軍(CENTCOM)は、イランの行動は国際法に反し、地域の安全と安定を破壊するものと指摘している。■



Is Iran Getting Ready to Start a War with Joe Biden? - 19FortyFive

By

Peter Suciu



Author Experience and Expertise:

A Senior Editor for 19FortyFive, Peter Suciu is a Michigan-based writer. He has contributed to more than four dozen magazines, newspapers, and websites with over 3,200 published pieces over a twenty-year career in journalism. He regularly writes about military hardware, firearms history, cybersecurity, politics, and international affairs. Peter is also a Contributing Writer for Forbes and Clearance Jobs. You can follow him on Twitter: @PeterSuciu.



コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...