2015年8月14日金曜日

強襲艦のロシア売却取り消しに成功したフランスとまったく痛みのないロシア


結局ロシアが損をしなかったことになりそうですね。ロシアは制裁の意味がないことを政治的に宣伝しそうです。今やフランス艦となった二隻をこれからどうすのかが焦点ですが、一度ロシア仕様として建造してしまった艦ですから買い手は言いたい放題でしょうね。


Mistral Dispute With Russia Settled, France Eyes Exports

By Pierre Tran 11 a.m. EDT August 9, 2015
Mistral warship Sevastopol(Photo: Georges Gobet/AFP)


PARIS — ロシアはミストラル級ヘリコプター空母2隻の前金として893百万ユーロ(978百万ドル)を支払っているが、オランド大統領とプーチン大統領が正式に商談を破棄した結果、フランスは全額以上を払い戻すことになりそうだ。
フランス大統領府から8月5日にミストラス商談は破棄され、ロシアは前金分の払い戻しを受けるとの発表があった。ロシアが支払った400名の水兵訓練費用や装備品を撤去してロシアへ返送する費用もフランスが負担する。総支払額は12億ユーロになるとオランド大統領が8月6日に発言したとAFPが報道している。フランス政府は詳細を議会に説明し了承を受ける。総支払額は12億ユーロになるとオランド大統領が8月6日に発言したとAFPが報道している。フランス政府は詳細を議会に説明し了承を受ける。
今回の交渉が成立しないとフランスは窮地に追いやられるところだった。ロシアは払い戻しに違約分を加えるよう求めていた。国際仲裁手続をとっていれば 2年3年かかりフランスの支払総額は20億ユーロになっていただろうと関係者は語る。
ミストラル級への引き合いが高いため、ロシア向け商談が流れてもフランスにとっては関係がないとオランド大統領は発言している。「多くの国が各艦に関心を示しているので、買い手を見つけるのは難しくないし、フランスにとっては余分なコストも発生しないはず」
エジプトがサウジアラビアの支援をうけて二隻の購入に意欲を見ている。どエジプトは域内での海軍力整備に動いているとルモンド紙が伝えている。「エジプトがサウジアラビアとともにミストラル級2隻を引き受ける準備ができているとエジプト政府関係者が発言した旨ルモンドが伝えている。サウジアラビアはエジプトによる海軍兵力整備を期待しており、紅海から地中海に兵力投射を実施させようとしている。
エジプトが取得した場合、2隻あれば1,000名の兵員、装甲車両、ヘリコプターを搭載しイエメン、リビア他へアラブ連合部隊を展開できる。サウジアラビアとエジプトは密接な関係にあり、サウジ政府は40億ドルをエジプトに供与している
保守・極右政治家は商談取り消しを批判しているのは武器輸出国としてのフランスの信用が傷つくことだ。
オランド大統領はこれに対しロシアから支払い済み前金と訓練費用だけを返金しペナルティはないと主張。支払い面の詳細は9月に議会に伝えるという。
オランド発言はエジプトでスエズ運河拡張工事完成を祝う式典に参加した際のもの。フランスはエジプトにラファール戦闘機、DCNS製多用途フリゲート艦1隻、ゴーウィンド海防艦4隻を売却している。エジプトはさらに海防艦2隻を追加購入する交渉中だという。
カナダ、インド、シンガポールがエジプト以外に関心を示しているとフランス複数のウェブサイトが報告している。
「両艦合わせての当初の価格は12億ユーロほどだった。合意内容の価格はこれを下回り、ロシアは前金とほぼ同額を受取る」と国防相ジャン・イブ・ルドリアンが8月6日に語っている。フランスは785百万ユーロで示談を申し出たが、ロシアは1,163百万ユーロの支払いを求めてきたとロイターが伝えている。
今回の払い戻しにより国防産業がどんな悪影響を受けるのか危惧する向きがある。「財源はどこにあるのか。だれが払い戻すのか」と国会議員フランソワ・コムジェンティルが問う。国防省だけに負担を求めれば他の地装備調達が狂うというのが議員の論点だ。
国防省からは商談取り消しと払い戻し問題は政府最高レベルが関与すべき事柄であり、財政負担は広く政府が負担すべき、軍だけに求めるべきでないと言ってくるだろうと国防専門家は見ている。
ミストラルは多用途艦で、人道救難援助には軍民両用で使えるとジャック・ゴーティエ上院議員(国防・外交・軍事委員会副委員長)は説明。「医療用スペースも式発令所用にも大きく使える設計のためブラジルやインドネシアと言った地域内大国も関心を示している、と説明。
フランス海軍はミストラル級3隻を運用中であるが、厳しい予算の中、さらに2隻追加導入する予定はない。今回の2隻の維持費用は最低でも一ヶ月百万ユーロかかかるとDCNS会長エルヴェ・ジローは報道陣に語っているが、同社は論評を避けている。保守維持費用には両艦のエンジンを始動し防錆効果の実施もふくむと業界筋は説明している。
輸出交渉は難航しそうで買い手は値引きを期待するはずだ。ミストラル級二隻がロシアの技術仕様に合わせて建造されているためだと同筋は説明。
軍は通常は自軍の仕様で装備を調達する。ロシアは自国用装備をすべて艦内から撤去するが、艦自体は寒冷海域の運用を想定し、ヘリコプター甲板には暖房装置もついている。格納庫はカモフの攻撃ヘリ運用を想定し拡張されている。ここまで作りこんであるので、艦は非常に特定化されているといってよい。
そのためそのまま売却するのが困難で、実現してもフランスは損をすることになると専門家筋は見ている。
契約書で取消の場合はロシアは前金を受け取り、装着済みロシア製装備は返還することになっており、両艦はフランスが保有管理することになっている。フランス大統領府はこう発表している。
ロシア政府からはフランスが前金返還で本件は終了したとの発言がああった。「フランスからはすでに返金があり、装備品が返却されれば完全にフランスは艦のオーナーとして自由に両艦を処分できる」と声明が出ている。「ロシア政府としてはミストラル問題は完全に解決したと見ている」
フランスは西側同盟各国に加え東欧やバルト海諸国からも両艦の引き渡しを中止するよう圧力を受けていた。ウクライナ危機が申告になり、ロシアがクリミア半島を併合したため猜疑心が強まっていた。ただフランスはロシアと良好な関係を維持しようと画策し、国内にはミストラル級引き渡しを求める動きもあった。■

2015年8月13日木曜日

★8月12日 米陸軍UH-60が輸送艦着艦に失敗



事故は残念ですが、死者が発生しなかったのが救いですね。しかしこの些少な事故(こういうとまた反発を招きます)を政治的に利用する動きがあるのもっと残念なことです。


「USNI News」の画像検索結果

Several Injured After U.S. Army Helo Has ‘Hard Landing’ on MSC Ship off Okinawa

By: Sam LaGrone
August 12, 2015 11:13 AM

米陸軍のシコルスキーUH-60ヘリコプターが海軍輸送司令部の輸送艦への着艦に失敗し、負傷者が発生したと在日米軍が発表した。

事故はUSNSレッド・クラウドRed Cloud (T-AKR-313) で沖縄本島から20マイル沖合で発生した。発生時刻は現地時間午後1時46分だった。

負傷者数は在日米軍は6名、ロイターおよびAPは7名と伝えているが、状況は不詳だ。米国内のMSCへ送付した照会には回答がない。

負傷者はキャンプフォスター内の米海軍病院へ搬送された。機内には他に10名が搭乗していたが負傷していない。

艦は損傷したヘリコプターを甲板に乗せたまま事故調査を待ち、沖縄沖合に停止している。

レッド・クラウド(排水量62,000トン)はワトソン級大型中速ロールオン・ロールオフ(LMSR)事前物資集積艦でディエゴ・ガルシアに配備されている。■


2015年8月11日火曜日

★海上自衛隊>次期イージス護衛艦DD27



Congress Notified of Potential $1.5B Sale of Aegis Combat Systems for New Japanese Ship Class

By: Sam LaGrone
August 10, 2015 6:47 PM

An artist's concept of the planned Japanese 27DD guided missile destroyer. Image via Navy Recognition
An artist’s concept of the planned Japanese 27DD guided missile destroyer. Image via Navy Recognition

イージス戦闘システム、対潜交戦システム、協調型交戦能力(CEC)の各装備を日本が計画中の駆逐艦2隻に15億ドルで有償対外軍事援助を通じ供給する案が国防安全保障協力庁(DSCA)から議会に8月7日に通告された。新型艦は米海軍の戦闘情報ネットワークと接続され情報のやりとりが可能となる。

DSCA通告は海上自衛隊が27DDと呼称され2020年代に就役する新型誘導ミサイル駆逐艦(DDG)(艦名未定)をさしているとNavy Recognitionが報じている。

今回通告は二隻分で米海軍が進める海軍統合火器管制防空 (NIFC-CA)システムと互換性を有する次世代兵装システムが導入される。

米海軍からは「日本は引き続き艦艇の近代化を進め、統合防空ミサイル防衛(IAMD) 任務や特殊任務の要望に答えようとしている。イージス型DDG二隻が追加されると日本がめざす弾道ミサイル防衛能力を有する艦8隻体制が完成し、米海軍との相互作戦実施能力が拡充する」と声明が出ている。「今回提案の日本向け装備売却は米日双方の外交安全保障の高い目標の実現をめざす米政府にとって重要な一歩だ」

27DDは米海軍のベイスライン9型アーレイ・バーク級DDGと同等の性能となり、ロッキード・マーティンのSPY-1DレーダーMk 7を搭載する。弾道ミサイル防衛(BMD)任務に加え、巡航ミサイルと航空機に同時に対処できる他、標的情報を友軍の艦艇・航空機にCECデータリンクで共有できる。

またあたご級駆逐艦の改修も予定されており、これで同級2隻も米日のネットワーク化された戦力の一部に組み込まれる。

DSCAからは6月に総額17億ドルでノースロップ・グラマンE-2Dアドバンストホークアイ4機の販売も通告済みである。また5月にはベル=ボーイングV-22オスプレイ17機を30億ドルで売却する案件も議会に伝えられている。

なお、27DDには上記Mk 7イージス戦闘システム、CECに加え、AN/SQQ-89A対潜戦闘装備一式も搭載される。

以下は8月7日にDSCAが通告した装備一覧である。
Major Defense Equipment (MDE) includes:
-AEGIS Weapon Systems (AWS) MK 7 x2
-J7 AWS Computer Program x1
-Multi-Mission Signal Processor (MMSP) x2
-AN/MK8 MOD4 AEGIS Common Display System (CDS) x2
-AN/SPQ-15 Digital Video Distribution System and Common Processor System (CPS) x2
-AWS Computing Infrastructure MK 1 MOD4 x2
-Operational Readiness Test System (ORTS) hosted in AWS computing infrastructure x2
- MK 99 MOD 8 Fire Control Systems x2
-AN/SPG-62A Radar, Ballistic Missile Defense (BMD) including Mission Planner blade server processors hosted in the CPS x2
-Kill Assessment System/Weapon Data Recording Cabinets (KAS/WDRC) x2
-Mode 5/S capable Identification Friend or Foe (IFF) System x2
-MK 36 MOD 6 Decoy Launching System x2
-AN/SQQ-89A (V) 15 Underwater Surveillance and Communication x2
System x2
- Global Positioning Satellite (GPS) Navigation systems with OE-553/U antenna x2
-AN/SSN-6F (V) 4 Navigation Sensor System Interface (NAVSSI) x2
-WSN-7(V) Inertial Navigation System (INS) x2
-AN/URC-141(V) 3(C) Multifunctional Information Distribution System (MIDS) Radio Set x2
-AN/UYQ-86(V) 6 Common Data Link Management System (CDLMS) x2
-AN/SQQ-89A (v) 15J UWS x2
-Gigabit Ethernet Data Multiplex System (GEDMS) x2
-Maintenance Assist Modules (MAMs) cabinets for Fire Control and Combat Systems equipment x2
-Multi-Function Towed Array (MFTA) and associated OK-410(V)3/SQR handling equipment x2
-Vertical Launching System (VLS) x2
-MK41 components for Direct Commercial Sales (DCS) launcher to support BMD missions employing the Standard Missile 3 (SM-3)
-Launch Control Units (LCU) MK 235 Mod 9 with Vertical Launching
System (VLS) Global Positioning System (GPS) Integrator (VGI)
-VLS launcher components including twenty-four (24) MK 448 Mod 1 Motor Control Panel -Programmable Power Supplies MK179 Mod 0 x4
-Launch Sequencers MK 5 Mod 1 x24
-Fiber Optic Distribution Boxes (FODB) x4
-Single Module Junction Boxes x24
-Gun Weapon System MK 34 x2
-MK 20 Electro-Optical Sensor System (EOSS) x2
-Cooperative Engagement Capability (CEC) x2
-Global Command and Control System-Maritime (GCCS-M) x2
-AN/SPQ-9B Radar x2
-Enhanced AEGIS Combat Systems Trainer (ACTS) with communication suite x2
-technical documentation x2

2015年8月10日月曜日

F-35>イタリア空軍KC-767からの空中給油に成功

なるほどイタリアは4機しかないKC-767を少なくとも一機カリフォーニアに派遣したわけですか。航空自衛隊も同様に4機を保有していますが、南西方面が平穏と言いがたく、派遣する余裕はないのでしょうね。

F-35 Gulps Fuel from Italian Tanker

by BRENDAN MCGARRY on AUGUST 6, 2015
http://defensetech.org/2015/08/06/f-35-gulps-fuel-from-italian-tanker/
An American JSF AF-4 from the 461 FLTS, Edwards AFB, CA, piloted by Maj. Charles "FLAK" Trickey performs the first contact and fuel transfer from a KC-767 foreign partner Italian Tanker.

F-35がイタリア空軍機から空中給油を受けた。これでまた同機はひとつの節目を通過したことになる。
  1. 先週、エドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)でイタリアのKC-767が米空軍のF-35Aに給油ブームで数十回の給油手順を実施し、合計16千ポンドの燃料給油に成功した。
  2. 「米空軍所属機以外の海外給油機が給油認証取得の試行をしたことになる」とF-35開発室広報は説明。さらに今月通じテスト実施が予定されている。
  3. イタリアはF-35を90機導入する予定で、うち30機はF-35Bだ。
  4. またイタリアはKC-767A給油機を4機運用中で、プラチカディマーレ空軍基地(ローマ近郊)に配備中。■

★経済制裁解除で新規機材調達に動き始めたイラン空軍



イラン制裁の解除で石油収入を期待できるイランが大幅な装備の更新に向かうのは必至ですが、湾岸諸国やイスラエルは神経質になるでしょうね。核開発合意=制裁解除が本当に西側とイランのあらたな時代の幕を開けることになるのか、しばらく静観すべきと思うのですが、やはり中国は商機と見て動き始めたようです。

Analysis: Boom time beckons for Iranian air force, with sanctions set to be lifted

Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
05 August 2015

イラン・イスラム共和国空軍の機材はほとんどが米国製で、グラマンF-14Aトムキャットもあるが、調達時期はイラン王政時代まで遡る。36年間に及んだ精細が解除され、イランは旧式機の修理あるいは更新が視野に入っており、すでに数カ国がイランに接近している。
ir wares ahead of an expected recapitalisation process. Source: Mehr news agency
イランは中国、フランス、ドイツ、英国、米国と経済制裁の解除の代償に核開発を制限することで7月14日に合意した。
  1. イラン・イスラム共和国空軍(IRIAF)にとって今回の進展は願ってもない装備更新の機会になる機材はイラン革命前に米国から導入したり、旧イラク保有機を湾岸戦争で捕獲したものが大半だが老朽化が進み、使用できなくなっている。
  2. 戦闘喪失や自然消耗によりIRIAFの陣容は1979年当時より相当縮小している。 IHS Jane's World Air Forces によれば高速ジェットが370機あることになっているが、実際に飛行可能なのはこの数分の一だといわれる。
  3. 歴史的な合意から一ヶ月も立たないうちにIRIAFは中国、フランスから新型戦闘機材の調達を検討している。成都航空機(CAC)のJ-10Bやダッソー・ミラージュ2000を想定している。報道によれば中国はJ-10Bを最大150機に武装も合わせて提示し、フランスは余剰機材のミラージュ2000の提供を提案したという。
  4. ロシアは動きが鈍い。ロシアもMiGスホイの余剰機材または新造機材の提供を検討していると言われる。
  5. イラン革命の1979年以前には米国は国王におよそ500機の当時の新鋭航空機を提供している。(グラマンF-14Aが79機、マグダネル・ダグラスF-4Eが177機、F-4D32機、RF-4E16機、F-5E141機、F-5FタイガーIIが28機) それにロッキード・マーティンC-130E/H多数とボーイング707輸送機、ロッキード。マーティンP-3Fオライオン哨戒機、ボーイングCH-47Aチヌーク、ベルUH-1イロコイ、ベルAH-1ヘリコプターがある。
  6. 革命後は米国の支援はなくなり、自国で整備せざるを得なくなった。中国製機材やイラク戦闘機の捕獲で補ってきたが、国際経済制裁によりイランは各機の整備に相当苦労してきた。
  7. 武器等の禁輸措置で IRIAFは部品が手当できなくなり、一部機材から部品を取り外して辻褄を合わせてきたほか、リバースエンジニアリングで部品を作成したり、闇市場を活用したほか、国産化も試みている。
  8. イランは多数の部品をリバースエンジニアリングで製造している。国内の航空宇宙産業のHESA社およびイラン軍航空産業機構(IAFAIO)が実施してきた。イラン政府によれば部品の7割を国内生産できるという。
  9. それ以外に海外の闇市場で部品を確保しようとしてきた。2009年には第三国経由で入手しようとする動きが表面に出て三名が英国で刑務所に入った。2011年にはベル212ヘリコプター9機(部品含む)をスペインから輸入しようとしている。
  10. さらにイランは戦闘機を自国開発しようとし、F-5を元にしたアザラクシュ(電光)、サエゲ(雷電)、シモー(不死鳥)がある。しかし、F-313カヘール(征服王)「ステルス戦闘機」が2013年にロールアウトしているが、戦闘投入できるレベルではなかった。
  11. 今回の制裁解除でイランはこれまでできなかった機材の更新を通常の形で追い求めることができる。すでに各国が列を作っている状態で、IRIAFは国王時代の調達規模を上回る調達に乗り出そうとしている。■


2015年8月9日日曜日

上院軍事委員会で中国への態度を問われたリチャードソン大将


どうも後日の歴史家はオバマ政権が明確な態度を示さなかったことが西太平洋のバランスを中国有利にした原因だと批判しそうな気がします。中国の既成事実の積み上げに対して米、および同盟国側の抑止力が全く働いていないとの愕然たる事実があります。しかしそれはそれとしても言葉と言葉、知性と理性が真っ向勝負する上院の討論の雰囲気にはスリルを覚えざるを得ません。なおリチャードソン大将は無事上院審査を通過し、海軍作戦部長に就任できるようになりました。

Adm. Richardson Dodges SASC Questions On China

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on July 30, 2015 at 2:35 PM

Chinese artificial island landing strip
CAPITOL HILL: ジョン・リチャードソン海軍大将は上院審査を本日乗り切った。しかし大きな2つの問題が浮上し、政権と議会共和党議員の間に中国への見方で意見対立が深まっていることをあらためて示した。
リチャードソン大将は潜水艦勤務出身で次期海軍作戦部長に推挙されているが、上院軍事委員会メンバー各議員からの難しい質問を手際よく回避していた。米中核協力は中国の軍拡に貢献しているか、米国は中国による南シナ海領有にどう立ち向かうべきか等々で、リチャードソンは中国と米議会からの圧力の中いつまでも逃げの答弁はできなくなる。
トム・コットン上院議員は単刀直入に「提督、中国は敵ですか」と尋ねた。
Adm. John RichardsonAdm. John Richardson
これに対しリチャードソンは「中国は複雑な構造の国家です。実行している内容の多くは自国国民自身に敵対的な内容です」と述べ、南シナ海で進めている人工島の問題に言及している。
上院議員は、ではなぜ核兵器を運用する艦隊の編成を我々が助けなければならないのか、と聞いた。.
米政府にはレーガン時代から『1.2,3合意』と呼ぶ中国との民間核共同開発があり、当時は中国をロシアへの対抗勢力として利用しようとしていたのだった。この合意が更改時期に来ているが、コットン議員と保守派マーク・ルビオ議員が反対している。民生原子炉が中国へ引き渡されれば軍の手に落ちる、というのが理由だ。カーティス・ライトのAP-1000型ポンプが実際にウェスティングハウスの中国側提携先に手渡されている。本来はウェスティングハウス製の原子炉冷却用のポンプがわたった提携先は中国の新型原子力弾道ミサイル潜水艦のポンプを製造している。原子力潜水艦でポンプが一番大きな騒音を発生するので、ポンプの性能が向上すればそれだけ潜水艦の探知が困難になる。”
「この点については注意深く観察しています」とリチャードソンは原子力潜水艦畑出身でもあり、回答している。詳細は極めて技術的かつ極秘内容だと提督は続けたが、海軍は民間の原子力開発を「注意深く」観察している。「合意を廃棄するよりも、更新した新規合意のほうがましだ」という。
コットン議員が更に追求した。「PLA海軍が民間向け原子力技術を海軍用のシステムに流用するとの疑いあるいは事実確認があってもそうなのか」
「自信を持って合意がないままよりあったほうがましだと言えます」
提督が書面で準備した答弁書はもう少し詳細に触れている。「リスク(民生技術が軍用に転用されること)が全くないと言い切れないが、米中原子力エネルギー法のセクション123合意では米国が中国の原子力施設に立ち入ることを認めており、核の保安と安全でベスト・プラクティスを尊重する考え方の醸成を認めるほか、中国の不拡散政策が国際社会の非拡散方針と首尾一貫していることを確実にしている」 また米国製原子炉を世界で一番エネルギーが不足している国に売りつけることには魅力がある。
本日午前の聴聞会と書面回答の両方でリチャードソン大将は中国が進める南シナ海での土木事業は「安定を損なう効果」があるとする。ただし現政権がこの状況にどう対応しようとしているかについて提督は明確にせず、委員会は提督に明確に述べるよう求めたがやはり変わらなかった。
ホワイトハウスと太平洋軍の間に重要な問題で意見の不一致があるとの噂がある。つまり新規中国基地の12カイリ以内で飛行あるいは航行を実施すべきかどうかという問題だ。中国の主張は建設中の基地は永続的な施設であり、各島に居住民があるので周囲の海域は中国の領海かつ領空で12カイリすべての方向に広がるというものだ。米国は島は全て人工建造物であり、一時的な建造物にすぎない。つまり国際法上では他国の海上及び上空の通行権への影響は全く有さないとする。 中国は各建造物の12カイリ以内を飛行あるいは航行すれば自国主権への明白な挑戦だと明言している。
「12カイリ以内を航行するのは航海の自由原則を掲げ中国の人工島主張を排除するための重要な要素だ」とある上院議員のスタッフが記者に語った。「カーター国防長官がシンガポールで行った演説はすばらしかったが、今やその強い語調の演説を目で見える行動で支えるべき時だ」
「わが国の政策に混乱が見られる」とダン・サリバン上院議員は公聴会で発言している。同議員はシンガポールのシャングリラ会議の席上でこう発言していた。『カーター長官は今後も飛行、航行、作戦展開を国際法が許す範囲であればどこでも行うと発言していた。これは海中の岩礁を飛行場に変えても主権の主張はできず、飛行・航行の自由を制限できないという意味だ。しかしPACOMハリー・ハリス司令官がわずか2週間前にアスペン安全保障フォーラムで米政策では12カイリの制約を南シナ海全体で認めており、島嶼に加えすべての地形が対象だとしていると指摘している。
「この地域に海軍がプレゼンスを維持することがどうしても必要」とリチャードソン大将は発言。「しかし、合法的に形成された領土境界線を尊重する必要もある」
「つまりこれを認めるということなのか」とサリバン議員はフィアリークロス礁の上に建設された中国の滑走路の写真を指さした。
「相手方の主張のどの部分に合法性があるのか正確に検討したい」とリチャードソンは留保しようとした。「状況はどんどん動いています。主張も対立しています。真実を現地で確認し、明らかにしなければなりません」
「委員長」とサリバン議員はジョン・マケイン議員(オバマ政権の外交方針には賛同していない)に向いた。「記録に残すため一連の質問を提出し、米国の政策をはっきりさせたいと思います」
委員長は不機嫌に「がんばってください」と唸るように言った。■


★南シナ海>ベトナム漁船を追尾し衝突してきた中国海軍艦船



海洋法が定めるルールは世界各国が尊重するべきものですが、中国は別のようです。さらに海上衝突をしかけてくるというのはどういうメンタリティなのでしょうか。この報道は日本ではされていないようなので、お伝えすることにしました。中国国内で報道されているのか知りませんが、報道しても不当なベトナム漁船を排除した、とか都合のよい内容になっているのでしょうね。

Report: Chinese Navy Warship Rammed Two Vietnamese Fishing Vessels

By: Sam LaGrone
August 7, 2015 3:52 PMUpdated: August 7, 2015 4:14 PM

An undated photo of a Chinese Type Yuting II Type 072A tank landing ship (LST). PLAN Photo
An undated photo of a Chinese Type Yuting II Type 072A tank landing ship (LST). PLAN Photo


人民解放軍海軍(PLAN)の揚陸艦がスプラトリー諸島付近で7月にベトナム漁船2隻に意図的に衝突を試みたことが現地報道で伝えられているとし、海軍情報部は域内を通航する船舶に注意喚起している。

  1. 漁船乗組員の証言が Nguoi Lao Dong 現地新聞にあり、7月21日にスプラトリー諸島西15カイリ地点で「艦船番号994の中国船が突然姿を現し、警笛を鳴らしながら接近してきた」中国船は漁船に放水しつつ30分にわあたり追尾してきた。
  2. 「衝突しそうになったので遠ざかるよう操舵したが、なぞの艦はそのまま追跡してきて右舷側に衝突してきた」と船長Nguyen Nhat Ngocが同紙に語っている。同船長は重武装の中国艦は二回衝突をしてから追尾をやめたという。
  3. 「もうひとりの地元漁民Thanh Ninh によれば7月23日にも同様の攻撃を同じ中国艦(艦番号994)がしかけてきたという」(Thanh Nien新聞)
  4. 海軍情報局(ONI)によれば艦番号994は4,800トンの宇霆 Yuting II タイプ072A戦車揚陸艦の Daiyun Shan  (994)だ。同艦の全長は100メートル超。
Screen grab of ONI's Chinese ship identification guide. ONI Image
Screen grab of ONI’s Chinese ship identification guide. ONI Image


  1. 今回の報道は7月に発出されたONIによる世界対象の海運脅威報告(WTS)と照合している。その報告によればPLAN艦船とは断定していなかった。
  2. ベトナム漁業関係者は中国の海警および民間船舶との対立が2014年に中国がベトナム領海内に石油掘削施設を二ヶ月にわたり設置して以来増えているという。
  3. 「中国による挑発行為はベトナムが米国と高位レベルの接触を拡充する中で発生している」と The Diplomatが7月に報じている。
  4. ジョン・ケリー国務長官は8月6日に中国の南シナ海での進出ならびに同地域内のアクセスを制限しようとする動きを非難している。
  5. 「航海の自由、上空飛行の自由は国際海洋法上の基本部分だ」とケリー長官はクアラルンプールで開催中の東アジアサミットで発言しているとロイターが伝えている。「それぞれの自由を尊重するというが、ここにきて制約を加えようとする動きに警告をだしているところだ」
  6. 一方で中国はスプラトリー諸島内で埋め立て工事を続行しており、3千メートル級滑走路をフィリピンに近いフィアリークロス礁に建設中だ。■
 
 

関連

南シナ海で軍事衝突は発生するのか

ジェフ・ペンソン海軍中佐によれば近代中国の父鄧小平は南シナ海を「太古の時代からの」中国の領土と位置づけている。この20年ほど中国は南シナ海での軍事衝突を回避してきたが、情勢が緊張してきたのは間違いがない。


レイセオンSM-6>弾道ミサイル迎撃にも有効と実証に成功





Successful SM-6 Ballistic Missile Defense Test Set To Expand Capability of U.S. Guided Missile Fleet

By: Sam LaGrone
August 4, 2015 1:09 PM

A Raytheon SM-6 launched from an Aegis guided missile destroyer. US Navy Photo
レイセオン製SM-6が米海軍イージス駆逐艦から発射された  US Navy Photo

米海軍とミサイル防衛庁は改良型レイセオン・スタンダードミサイル-6(SM-6)が巡航ミサイル、航空機に加え弾道ミサイルにも有効に対処できると実証した。
  1. 先週行われた海上発射テストは太平洋ミサイル試射施設(PMRF)(ハワイ州カウアイ)で行われ、誘導ミサイル駆逐艦USSジョン・ポール・ジョーンズ(DDG-53)から発射されたSM-6 Dual Iが弾道ミサイル標的の迎撃に成功している。
  2. 「標的ミサイルの最終段階での防衛が実効性を証明しただけでなく多用途SM-6を海軍駆逐艦に搭載することの有効性も示した」とミサイル防衛庁長官ジェイムズ・シリング海軍中将が総括した。
  3. その後三日間でSM-6 Dual Iは航空機および巡航ミサイルの芸ゲkにも成功している。
  4. これまで海軍はSM-2ブロックIVを最終段階の弾道ミサイルに対応させてきたが、SM-6 Dual I 仕様では巡航ミサイルおよび航空機対応が可能なうえ最終段階の弾道ミサイル迎撃にも転用できる。
  5. 最終飛翔段階は「最後の迎撃チャンスだ。この段階での弾頭迎撃は困難であり、本来望ましくない。なぜなら失敗の余地が少なく、かつ迎撃が目標近くで発生するからだ」とMDAの説明文が言っている。
  6. 改良型SM-6は来年中に艦隊に配備される。
  7. 「米海軍司令官レベルは多様なミッションに柔軟に対応できる性能を求めている。これこそSM-6で実現できることだ」とレイセオンミサイルシステム社長テイラー・W・ローレンスが述べている。「来年中に配備されれば、世界で唯一の防空および弾道ミサイル防衛を海上で同時に実施する手段になる」
  8. 現時点でSM-6で最終段階のBMDが可能なのはベイスライン9仕様のイージス戦闘システム改修を受けた艦船だけで、航空機・巡航ミサイルの追尾と弾道ミサイル対応が同時に可能だ。
  9. SM-6で両方のミッションに対応可能となれば、貴重な艦内の垂直発射システムの空間を有効利用できる。.
  10. レイセオンは5月時点でSM-6を180発以上海軍に納入済みで、1,800発の発注を見越してすでに量産体制に入っている。■

2015年8月7日金曜日

核兵器の廃絶は逆に危険を招く。核抑止力の整備は今後も必要だ


平和は祈りさえすれば実現するものではありません。一方で戦争は天然災害とは違い、その気になれば防止できます。現実世界では核兵器があまりにも恐ろしい結果を生むために大規模戦闘の抑止力になってきたのが大国間の歴史です。これに対し核兵器全廃を主張する向きは独自の世界観を持っているようですが、逆に核兵器を全廃した場合の世界をどう考えるのでしょうか。また超大国による核兵器の応酬というこれまでの世界大戦観より非国家勢力による衝動的な核の使用があれば大変なことになります。広島の原爆記念日に日本では受けいられることのない主張ですが、あえて掲載することにします。

The Lessons of Hiroshima: We Still Need Nuclear Weapons

By BLAKE MCMAHON and ADAM LOWTHER on August 05, 2015 at 4:29 AM
米国が広島に原子爆弾を投下した70年前から戦争の形態は新時代に入った。8月6日の地上に出現した地獄は人類未経験の惨禍だった。
  1. 推定で広島の当時の人口38万人のうち最低9万人が爆発とともに死亡している。その後さらに数万人が放射線被曝で死亡している。東京大空襲ではもっと多くの死亡者が発生しているが、広島のように一度に死亡しているわけではない。
  2. 「リトルボーイ」爆弾が広島で、「ファットマン」が長崎で投下され、原子兵器の威力を見せつけた。ただし各爆弾の威力は15キロトン程度と今日の核兵器より相当小さい。
  3. 人道の見地から可能な手段を全て講じ今後の戦闘で核兵器が絶対に使われないようせねばならない。使用された場合の結果はあまりにも悲惨だ。
  4. 広島70回目の記念日を迎える中、核兵器全廃を主張する向きがある。「グローバルゼロ」運動などで、広島の惨状を伝え、核兵器削減・廃絶を訴えている。核兵器がなくなれば、使う可能性もなくなるというのがその主張だ。
  5. ただしその主張は過去の経験を正しく理解していない。
  6. 歴史、経験則そして論理から核兵器備蓄量を減らせば逆効果が生まれるといえる。核攻撃に踏み切ろうとする敵は想像を絶する反撃を覚悟せねばならないからだ。もしわが方の二次攻撃が敵に多大な損害を与えられないと、広島や長崎の例が示すように抑止力にならない。
  7. 冷戦が熱い戦闘にならなかったのは単に運の問題ではない。冷戦期に米国とソ連は危機状態のエスカレーションを多大な努力で回避してきた。自制できたのは核兵器の破壊効果が理解していた両陣営が慎重になっていたからだ。
  8. ソ連の崩壊で核兵器が不要になったわけではない。核廃絶論者の主張と反対に米国・同盟国の核兵器はより大きな役割を今後も果たすだろう。通常兵力の力不足を核兵器で補うべく、使用をためらわない敵が相手だからだ。もし米国が核抑止力の整備を怠れば通常戦は一気に核戦争に推移する。対照的に米国がグローバルゼロの先頭に立ち自国の兵器庫を空っぽにすれば悲惨な結果を招く。
  9. 世界各国に核兵力の放棄を説得すれば製造がなくなると考える空想の世界でさえも、歴史の教訓から平和な世界が到来するとは言えない。大国間の大規模戦闘を20世紀後半において核兵器が防止してきたのは事実だ。敵対する二大勢力が共に核兵器を保有すれば、核兵器応酬にエスカレートするのは必至なのでお互いに侵略行為はとれなくなる。
  10. 核兵器が破壊力の点ですざましい威力を持っているのは疑う余地がない。文明を完全に破壊する力がある。また放射線の効果はその後も続く。恐ろしい兵器であるからこそ今後も保有を続けなければならない。自制してきたからこそ人類は生き残ってきたことに疑いはない。
  11. 核兵器がすべての侵略行為を抑止するわけではない。だがもともとそのための存在ではない。核兵器の存在意義は敵の侵略行為を食い止め、米国・同盟国を守ることにある。脅威を発生させないことに価値がある。核兵器があるからこそ世界は安全で平和に保たれるのだ。
ブレイク・マクマホンは空軍研究所の研究員兼教授。アダム・ロウサーは空軍が新設した高等核抑止力研究スクールの所長。同スクールは戦略思考のエリートを養成することが目的。なお、本記事で表明した意見は原著者のものであり、米国空軍、国防総省、あるいは米国政府の公式見解を反映するものではない。■

2015年8月6日木曜日

オーストラリア>水上艦艇国内建造方針、次期潜水艦調達決定は数ヶ月以内


ここのところオーストラリア向け潜水艦案件はおおきな動きがありませんでしたが、まず水上艦は国内建造になりました。ということは国内での潜水艦建造は断念するのではないでしょうか。背景には複雑な国内事情があることがわかりますね。


Australia To Build New Naval Fleet in $65B Package

Agence France-Presse4:14 p.m. EDT August 4, 2015
SYDNEY — オーストラリアは890億オーストラリアドル(650億ドル)で新型フリゲート艦、巡視船を国内建造することを発表した。なお、次期潜水艦の海外調達先は「数ヶ月以内に」決定するとしている。
  1. 「建造継続」案ではフリゲート艦、巡視船、潜水艦の後継艦を今後20年で整備するとしており、国内で2,500名の雇用を実現する内容でトニー・アボット首相の言では「歴史的な発表」だという。
  2. 「歴代のオーストラリア政権は国内建造を続けると表明してきた」とアボット首相は報道陣に語った。「基本的に艦隊建造は国内で行い、中心は南オーストラリアとする」
  3. ただし首相は進行中の次世代潜水艦の海外調達先については多くを語らなかった。現行のコリンズ級潜水艦の退役は2026年から始まる。
  4. オーストラリア向け潜水艦はフランス、ドイツ、日本が受注を狙い、総額500億ドルとオーストラリアで史上最大の防衛調達事業になる。
  5. ただし、海外建造とした場合は国内産業の保護をめぐり国内で議論を巻き起こしていることもあり、契約交付は一筋縄ではいかない。
  6. 「これまで各国に国内建造にした場合の費用総額、国内国外建造を組み合わせた場合の価格、完全海外建造の価格開示を請求している」(アボット首相)「回答が今後数ヶ月で到着すれば、最終決定に入る」
  7. 今回の建艦事業は「次世代フリゲート」により現行のアンザック級を2020年に交代させるもの。また巡視船はアーミデイル級の後継艦となる。またケビン・アンドリュース国防相によれば「連続建造」を国内で維持することはオーストラリアの将来の海軍力が「わが国の戦略の中心であり、次回国防白書でも中心に取り上げる」ことの反映だという。
  8. 建艦案の発表は南オーストラリアの有権者向メッセージと受け止められている。同地は失業率が8.2%と最も高く同時に国内主要造船産業が集中している。■