2025年4月7日月曜日

ドナルド・トランプのロシア戦略がNATOを終焉させかねない(19fortyfive)

 

Craiyon


ランプ大統領とゼレンスキー大統領の不運な大統領執務室での会談以来、見出しではNATOの終焉、米国がSACEURポストを放棄、さらに「NATOにおける米国に代わる5〜10年計画」を策定中の欧州の取り組みが飾っている。

 大西洋の両岸関係における前例のない混乱の核心にあるのは、米国とロシアとの関係における根本的な変化で、ウクライナ停戦交渉の大きな背景だ。

 これまでのところ、交渉プロセスはモスクワに有利に働いている。というのも、政権はロシアを政治的孤立から事実上脱却させており、その一方で、ウクライナにかけた圧力に比べれば、交渉でロシアにかなりの自由度を与え続けているからだ。

 キーウが30日間停戦に同意した今回の交渉では、モスクワはウクライナの送電網への攻撃を控えるとだけ発表するとウクライナの民間人標的への攻撃をすぐ再開した。

 政策転換の第三の要素は、欧州との関係に関して政権が相対的に距離を置いていることである。 エマニュエル・マクロン大統領は欧州の「戦略的自立」の必要性を再び説き、フリードリヒ・メルツ次期ドイツ首相は欧州が米国から独立する時が来たと宣言している。

 要するに、トランプ政権がNATO生態系に与えた衝撃を受け、欧州の最大級同盟国が、自分たちの将来はもはやアメリカとともにあるのではないとすばやく決断したように見え、これは同盟の将来にとって芳しくない。

 もしワシントンが大西洋両岸関係に関し現在のまま軌道を歩み続け、ブリュッセル、ベルリン、パリが自国の安全保障を米国なしでもやっていけるかのように振る舞い続けば、論理的な結末は、NATO本部の灯が消え、SHAPEが存在意義を失うことになるかもしれない。

 トランプ政権が追求する策略は、ウクライナ戦争を含むストレスの種を排除するために、ロシアとの関係を改善するだけでなく、協力関係を構築することであることは今や明らかだろう。 ワシントンの「逆キッシンジャー」戦略が成功し、ロシアを中国から完全に引き離せなくても、少なくともこのアプローチによって、インド太平洋で米中が衝突した場合にプーチンが習近平を支持することを抑制できる。

 これがアメリカのロシアとの和解の背後にある主要なデザインならば、その成功の可能性は非常に低く、アメリカの劇的な譲歩によって代償を払わなければならないだろう。 ロシアがヨーロッパで新帝国主義を推進できるかどうかは、中国からの継続的な支援にかかっている。中国の支援がなければ、ウクライナでの戦闘を維持しながら、国内で一定の安定を保つことはできなかっただろう。

 ウクライナでの停戦交渉がどう決着しようとも、ロシアの経済的弱体化により、中国との連携を維持することが不可欠となる。

 トランプ政権の対ロシア政策再編で最も重要な側面は、ロシアの帝国的侵攻を抑止し、必要であればヨーロッパを防衛する原則に立脚した、過去80年にわたる大西洋地域におけるアメリカの国家安全保障戦略を根底から覆す危険性があることだ。

 最終的な分析では、ウラジーミル・プーチンにとって、ウクライナ戦争終結に関する交渉の結果は、ロシアがヨーロッパでどれだけの自由度を得られるか、つまり、当初の要求のどれがトランプ政権によって満たされるか、拒否されるかに関わっている。

 ここでの付随的な疑問は、アメリカの国家安全保障戦略が一連の取引に還元されるのか、それとも文化的・歴史的要因が最終的な主導権を握るのかということである。

 アメリカは帝国の時代を定義した19世紀型の国際関係に逆戻りしているのだろうか?

 米欧同盟は間違いなく、この80年間で最も困難な時期を迎えている。

 ロシア帝国主義を理解する上で、ワシントンが基本に立ち返ることは極めて重要である。

 また、NATOが空洞化し、19世紀型のヨーロッパ勢力圏に戻る可能性が、ヨーロッパ大陸だけでなく、おそらく太平洋を含む他の地域でも、アメリカの国益にどんな意味を持つかを理解しなければならない。■

Donald Trump’s Russia Strategy Could End NATO as We Know It


By

Andrew A. Michta


https://www.19fortyfive.com/2025/03/donald-trumps-russia-strategy-could-end-nato-as-we-know-it/?_gl=1*wgglv0*_ga*MTE2OTcwMTA1OS4xNzQzMDI0NDkx*_up*MQ..


誰も気づいていない。パキスタンこそ、懸念すべき核兵器の脅威だ(19fortyfive)

 Image of Pakistan's missiles. Image: Creative Commons.

パキスタンのミサイル。: Creative Commons.




パキスタンの核兵器はイランより大きな脅威なのか?

米国、イスラエル、西ヨーロッパの多くは、イランが核兵器を手にすることがないよう、長く協力してきた。 しかし、イランと同様に危険な国がもうひとつある。すでに175発の核弾頭を保有し、10年後までに250発もの核弾頭を保有する可能性がある国パキスタンである。

 パキスタンは西アジアで最も不安定な政権のひとつだ。政治家と軍事指導者の連合体が統治する政府は、決して国をしっかり掌握しているようには見えず、国内テロリズムに長い間対処してきた。

 米国が最も恐れているのは、隣国アフガニスタンでの成功に浮かれるジハードが、核兵器を保有するパキスタンを乗っ取ることだ。


2010年、オバマの言葉は的確だった

オサマ・ビンラディン殺害のために海軍特殊部隊と陸軍特殊作戦飛行士をパキスタンに送り込むちょうど1年前の2010年4月、バラク・オバマ米大統領(当時)はワシントンで開かれたサミットで演説し、慎重に言葉を選んだ。

 オバマ大統領は公式には南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領(当時)に向けてした発言しはその場にいた他の人々にも向けられたものだった。

 「米国の安全保障にとって、短期、中期、長期のいずれにおいても、唯一最大の脅威は、テロ組織が核兵器を手に入れる可能性だ」。


パキスタンはジャンプストリートから二重取引をしていた

米国がアフガニスタンの弱体な中央政府を支えている間、タリバンはパキスタンの国家情報部(ISI)を通じ、カブール政権を転覆させるために動いていた。

 ビンラディンがパキスタンのアボタバードで殺害されたのも注目に値する。

 当時、パキスタン人への不信感は非常に高まっており、オバマ大統領は、ビンラディンに密告され、再び逃亡されることを恐れ、急襲が起こることをパキスタン政府に伝えないことにした。

 米国はパキスタンの二枚舌を、両者の便宜同盟の早い段階で知っていた。しかし、ISIとタリバンの結びつきがどれほど強固なものであるかは、後になってから知った。

 アメリカ政府は、テロリスト集団がパキスタンの核兵器を掌握することを懸念し、統合特殊作戦司令部(JSOC)を使って迅速かつきれいに核兵器を掌握する計画を立てた。ワシントンの懸念は根拠のあるものだった。 パキスタン当局は、ジハード・テロリストよりも、アメリカにより核兵器を掌握されることを恐れていたのだ。

 2005年、当時の国家安全保障顧問であったコンドリーザ・ライスは、国務長官就任のための上院公聴会で、ジョン・ケリー上院議員から、イスラマバードでイスラム主義者がクーデターを起こした場合、パキスタンの核兵器はどうなるのかと質問された。「われわれはこの問題を指摘し、それに対処する用意がある」とライスは言った。


パキスタンの核兵器開発責任者はイランと北朝鮮に情報を売っていた

パキスタンの核兵器開発計画の基礎は、核兵器開発の中心人物となった科学者アブドゥル・カディール・カーンが、ヨーロッパのURENCO社から核技術やノウハウを盗み出したことにある。

 米情報機関によれば、カーンは中国から核兵器設計図も受け取っていたと見られている。

 カーンは、パキスタンの当時の極秘核兵器計画のための技術や情報を調達するため、闇市場の供給者ネットワークを構築し、さらにそのネットワークを他国への供給チェーンへ変化させた。

 イラン、リビア、北朝鮮が顧客だった。2003年10月にリビアへの輸送が妨害された後、カーンは2004年2月にパキスタンのテレビに出演し、遠心分離機から爆弾の設計図に至るまで、さまざまな品目を転送するネットワークを運営していたことを告白した。


パキスタンの核兵器

パキスタン政府は核兵器の規模を公表したことはなく、核ドクトリンについても通常コメントしない。しかし、パキスタンは170発の核弾頭を保有していると考えられている。 同国は核兵器は攻撃を受けた後にのみ使用し、決して先制攻撃はしないと主張してきた。

 他の核保有国とは異なり、パキスタンは自国の核態勢やドクトリンの輪郭を説明する公式文書を定期的に公表していない。

 そのような詳細が公の場で語られる場合、たいていは引退した高官が個人的な立場でコメントすることが多い。 パキスタンの核兵器に関する最も定期的な公式情報源は、パキスタン軍のメディア部門であるInter Services Public Relationsであり、ミサイル発射に関する定期的なプレスリリースを発表し、時折、発射のビデオを添付している。


米国に届く核ミサイル?

2024年12月19日、ジョナサン・ファイナー米国家安全保障副顧問は、パキスタンが 「米国を含む南アジア以遠の標的を攻撃可能な」長距離弾道ミサイル能力を開発中と発表した。

 米国はパキスタンの意図を心配している。 ワシントンは、パキスタンが核兵器を必要とすることを理解している。なぜなら、パキスタンはインドとの戦争にことごとく敗れ、通常兵器ではるかに弱いからだ。 しかし、中国との密接な関係が気になる。また、パキスタンの主敵であるインドがすぐ隣にあるのに、なぜ長距離兵器が必要なのか?

 パキスタンの核兵器は、非常に不安定な国の中にある。 核兵器が使用される可能性は、さまざまなシナリオが考えられるが、ほとんどが悪いシナリオだ。■



Pakistan Is the Real Nuclear Weapons Threat We Need to Worry About

By

Steve Balestrieri

https://www.19fortyfive.com/2025/03/pakistan-is-the-real-nuclear-weapons-threat-we-need-to-worry-about/?_gl=1*bz3zyd*_ga*MTc0NzIxNDk2Mi4xNzQzNDU4MTMw*_up*MQ..


著者について スティーブ・バレストリエリ

スティーブ・バレストリエリは19FortyFiveの国家安全保障コラムニストである。 米陸軍特殊部隊の下士官および准尉として勤務。 19FortyFiveへの執筆に加え、PatsFans.comでNFLをカバーし、Pro Football Writers of America(PFWA)のメンバーでもある。 彼の記事は多くの軍事専門誌で定期的に紹介されている。


MQ-28ゴースト・バット「忠実なウィングマン」のミサイル実戦テストを計画(The Aviationist)

 


4機のMQ-28ゴーストバット。中央の2機は機首に赤外線捜索・追跡(IRST)モジュールを装備しているのが見える。


ーイング・オーストラリアの無人戦闘機は、2025年後半か2026年前半に空対空ミサイルの実地試験発射を行う予定である。

 アバロン・オーストラリア国際航空ショーでメディアに発表された空対空ミサイルのテスト成功は、協働戦闘機(CCA)プラットフォームにとって重要な前進となる。 MQ-28に武器が搭載されるのはこれが初めてである。MQ-28はこれまで、主に有人航空機のための情報・監視・偵察(ISR)および電子戦(EW)戦力増強装置とされてきた。

 ボーイング・オーストラリアの無人戦闘機は、計画によれば、2025年後半か2026年前半に空対空ミサイルの実地試験発射を行う。

ボーイングは、ゴーストバットが8機で計102回の試験飛行を完了したことを確認した。運用中の機体はブロック1が6機で、ブロック2が2機生産されている。ブロック2では、主翼が若干変更され、新しい航法装置と電子戦攻撃への強化が施されている。改良点の多くは、ブロック1機の飛行試験から得られた。




 2025年末までにF-35AライトニングIIやE-7Aウェッジテール機とともにゴーストバットが飛行することも期待されている。これらの航空機は近い将来、オーストラリア空軍(RAAF)と、将来の顧客候補として注目されているアメリカ空軍(USAF)の両方で運用されることになる。

 ゴーストバットは、ボーイングのオーストラリア部門がRAAFと緊密に協力して開発した。公式プレスリリースでは、MQ-28が50年以上ぶりにオーストラリアで製造された航空機であることを紹介している。クイーンズランド州トゥーンバにある9,000平方メートルの生産工場は2024年に建設が開始され、ボーイング・オーストラリアは3年以内の完成を目指している。

 ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティ社の暫定社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるスティーブ・パーカーは、今回のテストに使用される空対空ミサイルの正確な種類は、後日発表されると述べた。彼はまた、将来の対地兵器のテストについても示唆した:"我々は間違いなく将来的に空対地を見るだろうが、我々の焦点は空対空である。"

 MQ-28に武器を追加することで、米軍が評価中のクレイトスXQ-58ヴァルキリーのようなCCAプラットフォームに近づくことになる。これらの無人航空機は、有人航空機とチームを組み、追加弾薬の搭載を可能にするだけでなく、人間の乗員を失う可能性なくペイロードを提供することで、リスクの高い状況に無人航空機を送り込むことができる。


内部のペイロードベイからAltius-600 UAV/浮遊弾薬を投下するXQ-58Aバルキリー。 (画像クレジット:Courtesy photo via U.S. Air Force)


 ボーイング・オーストラリアのエイミー・リスト代表取締役は、MQ-28プログラムに対する将来の資金は現在確保されていないが、同社は新たな資金確保に向けてオーストラリア政府と積極的に交渉していることを確認した。

RAAFの計画

RAAFは近々、オーストラリア政府に対し、無搭乗機の調達に関する提言を行う可能性がある。ニコラス・ホーガン、オーストラリア空軍副司令官は、「政府に選択肢を提示する」と語り、RAAFとボーイング・オーストラリアの緊密な協力関係を考えれば、ゴースト・バットが同軍の計画で重要な役割を果たすことは間違いない。RAAFはMQ-28を高く評価しているようで、ホーガンの熱狂的な言葉がそれを物語っている。

「MQ-28に対する私の見解:それはワールドクラスだ。 「間違いなく、世界をリードしている。 MQ-28は、我々が政府に提出するどのような選択肢においても、非常に強力な候補となるだろう」。

 前述したように、ゴースト・バットは大規模なテストを実施しており、これまで102回のテスト飛行が報告され、RAAFに大量のデータを提供している。

 「我々が学んだことは、自律的に、そして乗組員付きプラットフォームとチームを組み機能する方法は、並外れたものです」とホーガンは言う。「別のプラットフォームや他のプラットフォームに目を向けても、このプラットフォームから学んだことの根底にある基盤は、何十年もの間、私たちとともにあるだろうと思う」。

 オーストラリアとアメリカは、無人機の性能データを共有しており、これは無人機に関する日本との三国間協力の一環でもある、とホーガンは付け加えた。 しかし、豪州と米国のプログラムでが目的が異なる。そのひとつは、後者がNGADの制空権任務を支援するための武器統合であるのに対し、前者は当初、センサーとRAAFの運用コンセプトの中での統合テストに重点を置いていることだ。

 ホーガンはさらに、現在のところMQ-28への武器システムの統合は含まれていないことを確認したが、将来的にそれを除外することもないとも述べた。「可能性を否定はしないが、絶対とは言わない」(ホーガン)。

 オーストラリア国防総省は無人航空機の運用コンセプトや、有人戦闘機や支援機との最適な併用方法を検討中であり、ゴースト・バットの試験飛行で得られたデータが大きな意味を持つ。 「ゴースト・バットのテスト・キャンペーンで得られたデータは、その作業の大きな部分を占めている。

 オーストラリア政府が無人戦闘機を調達するかどうか、またMQ-28を採用するか他の設計を採用するかを最終決定するにはまだ時期尚早だが、ホーガンは10年以内に最前線で使用されると見ており、「その段階までには、自律型共同プラットフォームが装備の一部になっていると自信を持って言えます」。

アンドゥリル・フューリー

米防衛産業の新参者であるアンドゥリル・インダストリーズは、航空ショーを利用し、社内で「フューリー」と名付けたCCAを売り込んでいる。この機体のルーツは、2023年にアンドゥリルが買収したブルーフォース・テクノロジーズにある。この機体にはアメリカ空軍がYFQ-44の制式名称を与えている。

 ゴーストバットと異なり、アンドゥリル機はまだ飛行していないが、これは2025年中に行われる予定である。アンドゥリル・オーストラリア・アジア・パシフィックのデビッド・グッドリッチ最高経営責任者(CEO)は、同社はすでにRAAFとの話し合いやプロセスに参加しているが、それ以上の詳細は明らかにできないと述べた。

 ゴーストバットがフューリーより大きいことは分かっている。 後者は全長6.1メートル、翼幅5.2メートルとされている。 一方、ゴーストバットは全長11.7メートル、翼幅7.3メートルでゴーストバットのサイズが大きくなったことで、ゴーストバットの耐久性が向上し、ペイロードの柔軟性が増すことは間違いないだろう。 しかし、フューリーの方がスピードと機動性は上かもしれない。

 ゴースト・バットの血統を考えると、オーストラリアにとって重要なことは、アンドゥリルが現地生産も視野に入れていることだ。 同社はすでに、自律型水中ビークル「ゴースト・シャーク」のオーストラリア生産施設に投資している。

 グッドリッチは、アンドゥリルのユニークなセールスポイントとして、人工知能(AI)とロボット工学における同社の経験を高度に活用し、競合他社に比べ低予算で短い納期を実現できることをあげている。 「フューリーは、シンプルで大量生産できる設計です。 ハードウェアと素材の選択は、コスト、スピード、シンプルさ、サプライチェーンを中心に最適化されています」。

 インド太平洋地域の不特定多数の潜在顧客と交渉が行われており、同社はまた、欧州市場に接続するために6月のパリ航空ショーにフューリーを持ち込むことを計画している。

 米国では、アンドゥリル・デザインはジェネラル・アトミクスのガンビット(YFQ-42)と対決する。 この両機は、アメリカ空軍の連携戦闘機プログラムのインクリメント1での最終候補である。米空軍は最大150機を調達する意向だが、2つの設計のうちどちらかが選ばれるのか、あるいは混成飛行隊が就役するのかは不明だ。

 業界大手のボーイング、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンは、インクリメント1で落選したが、インクリメント2で入札できる。ロッキード・マーティンは、インクリメント1では過剰な納入を行い、コスト高になるはずの「金メッキ」オプションを提供したものと考えている。インクリメント2ではより手頃な価格での提供を目標としている。■


Live Missile Test Planned for MQ-28 Ghost Bat ‘Loyal Wingman’

Published on: March 27, 2025 at 7:27 PM Follow Us On Google News

 Kai Greet

 Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2025/03/27/live-missile-test-mq-28-ghost-bat/


ルールに基づく秩序は神話だった:ウクライナ危機を煽ったのNATOだった(19fortyfive)

 MLRS like those used in Ukraine. Image Credit: Creative Commons.

韓国陸軍の第5砲兵旅団によるMLRS戦闘射撃訓練。



西側諸国の指導者たちは、ルールに基づく国際秩序を支持すると主張しているが、実際の行動はこの理想と矛盾することが多い。NATOは、ロシアが安全保障上の「レッドライン」を明確に警告しているにもかかわらず、ウクライナには加盟する権利があると主張することで、現在の紛争に大きく寄与している。


NATOがウクライナ危機の火種だったのか? 国際システムがどのように機能するかという神話と、実際にどのように機能しているかという現実の間に激しいコントラストがある。 何十年にもわたり米政府高官は、ワシントンの目的は「ルールに基づく国際秩序」を守り推進することだと主張して、 各国が他国に対して武力を発動すべきではないと主張してきた。各国はまた、近隣諸国の干渉を受けることなく、地域の外交、経済、さらには軍事組織に参加するあらゆる権利を有するべきであると主張してきた。

NATOとウクライナ危機 後者の原則は、ウクライナの地位をめぐるロシアとNATOの対立の主な原因となっている。2014年にロシアがクリミアを掌握し、2022年2月にウクライナに全面侵攻するまでの数年間、西側の政策立案者たちは、モスクワの意向にかかわらず、キーウにはNATOに加盟する国際法上のあらゆる権利があると主張していた。    NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、2021年後半にその点を極めて強調している。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とその同僚たちの見方はまったく異なっていた。プーチンは2007年2月のミュンヘン安全保障会議での演説で、ウクライナをNATOに加えようとするいかなる努力も、ロシアの安全保障にとって耐え難い脅威である限り「レッドライン」を越えることになると強調していた。

 2022年の侵攻に至るまでの数年間、多くのロシア政府高官がこの警告を繰り返したが、米国とNATOの指導者たちは、問題の兆候が高まっていることに気づかないままだった。

 現在進行中の戦争で恐ろしい破壊と人命が失われているにもかかわらず、NATOの欧州加盟国は、ウクライナとロシアの戦闘を終結させる和平合意には2つの特徴が含まれなければならないと主張し続けている。  ひとつは、モスクワが征服したウクライナの領土をすべてキーウに返還すること。

 もうひとつは、ウクライナがNATOに加盟する権利を保持することである。ロシアの軍事的利益の大きさを考えれば、どちらの要求も現実離れしている。

 実際、ある国が、より大きく強力な隣国と敵対する軍事同盟に参加する「権利」を有するという主張は、国際的なパワーポリティクスの最も基本的な要素を無視している。  

 国際法によれば、1962年、キューバとソ連は理論上、島に弾道ミサイルを配備する「権利」を持っていた。 当然のことながら、米政府高官と米国民の大半は、そのような考え方に寛容ではなかった。

 事実、ワシントンは、国際法などお構いなしに、その結果を阻止するため核戦争を起こす用意があるように見えた。今日、西側諸国の指導者たちが、クレムリンの高官が自国の安全保障に迫る脅威をおとなしく受け入れると思い込んでいるように見えるのは、米北大西洋条約機構(NATO)の傲慢さの反映である。

ルールに基づく秩序への挑戦 米国とその同盟国がルールに基づく国際システムを支持しているとするワシントンの全体的な主張は、世界の他の国々ではますます利己的なペテンとして否定されるようになっている。アメリカの圧力に逆らい、ウクライナでのロシアへの制裁を拒否したワシントンの軌道外の国々の決定は、彼らの冷笑の度合いを裏付けている。

 NATOとは純粋な「防衛」同盟であるという西側当局者の公式姿勢も嘲笑に値する。冷戦終結後のNATOの行動をざっと調べただけでも、NATOが明らかに攻撃的な同盟になっていたことがわかる。

 1990年代のボスニアとコソボへの軍事介入は、同盟が防衛ではなく攻撃的な使命を持って活動している明らかな事例であった。NATOの飛行機とミサイルは、ボスニアのスルプスカ共和国のセルビア人と、コソボのイスラム教徒の反乱を鎮圧しようとするセルビア政府軍を攻撃した。

 ムアンマル・カダフィを失脚させるためのNATO作戦の一環として、飛行機とミサイルによるリビアへの大規模な攻撃も同様だった。アフガニスタン、イラク、シリアのように、大規模な軍事作戦がNATOの任務として公式に指定されていない場合でも、参加した部隊の大半はNATO加盟国のものだった。

 NATOの主要加盟国は、個々にも侵略行為を行ってきた。ベトナム、ドミニカ共和国、レバノン、グレナダなどにおけるワシントンの行動は、リストの中でも突出したものである。 フランスは、チャドやその他のアフリカ領土に軍事介入を繰り返しているが、「防衛」措置として正当化するのは難しい。

 トルコが1974年にキプロスに侵攻し、現在も同国の領土の40%近くを占拠しているのは、特に明白で継続的な侵略行為である。

 このような実績を考えれば、NATOはルールに基づく国際秩序を守ることを約束した純粋な防衛同盟なので恐れることはないという主張を、ロシアやその他の潜在的敵対国が尊重していないのは当然である。

 モスクワとの関係を構築する上で、米欧の指導者たちは、影響圏の概念が依然として大国間の相互作用に大きく関係していることを認識する必要がある。

 欧米の政策立案者は、ロシアに対する行動において、その基本原則に違反していることを認識するだけでなく、公に認めなければならない。  このような現実主義は、モスクワとの関係を修復し、ウクライナで実行可能な和平解決を実現し、とりわけ危険な危機を終わらせるために不可欠な前提条件だ。ルールに基づく国際秩序について、利己的で不誠実な神話にしがみついていても誰も得をしない。■


The Myth of a Rules-Based Order: How NATO Fueled the Ukraine Crisis

Western leaders claim they support a rules-based international order that respects national sovereignty, yet their actions often contradict these ideals. NATO insists Ukraine has the right to join despite Russia’s explicit warnings about its security “red lines,” contributing significantly to the current conflict.

By

Ted Galen Carpenter


https://www.19fortyfive.com/2025/04/the-myth-of-a-rules-based-order-how-nato-fueled-the-ukraine-crisis/


著者について テッド・ガレン・カーペンター博士

ランドルフ・ボーン研究所シニアフェロー、19FortyFive寄稿編集者。  国家安全保障、国際問題、市民的自由に関する13冊の著書と1,300本以上の論文がある。  最新刊は『Unreliable Watchdog』: The News Media and U.S. Foreign Policy』(2022年)



2025年4月6日日曜日

米陸軍の次期回転翼訓練機調達にヘリメーカー各社が食指を動かしている(Aviation Week)


Lakota helicopter

米陸軍は回転翼機訓練にUH-72ラコタをここ10年使用中だが、運用コストと訓練成果の質で懸念を抱いている。

クレジット:トニー・オズボーン/AW&ST


陸軍の回転翼機訓練システムの更新の可能性に備え、防衛関連企業はヘリコプターメーカーにアプローチしている。

 フォートワースに拠点を置くシュバイツァー(従業員わずか20名)から大手のベルまで、メーカー各社は、陸軍のフライトスクール・ネクスト構想にどう応えるかについて、パートナー企業と活発に協議している。


新型機に単独パイロット用IFR電子機器を搭載 

ラコタでの訓練に関する懸念が、フライトスクール・ネクスト・プログラムの発足につながった

 昨年10月に初めて発表されたこのイニシアティブは、現在アラバマ州フォートノボセルにある陸軍航空センター・オブ・エクセレンスで初期入隊回転翼(IERW)飛行訓練に使用されているエアバス製UH-72ラコタ軽多用途ヘリコプターを代替する主要プログラムへ発展する可能性がある。

 ベル、エンストロムレオナルド・ヘリコプターズ、MDヘリコプターズ、ロビンソン・ヘリコプター・カンパニー、シュバイツァーは、入札への参加を希望していると本誌に語った航空機メーカーの一部だ。

 潜在的な利益は莫大なものとなる。陸軍は今後4~5年以内に200~225機のヘリコプターを調達する必要があり、さらに20年間にわたる統合訓練システムとサポートも必要とされている。

 情報提供の要請に応えて、昨年末には約40社が最初の提案を盛り込んで提出した。次の大きなステップは、8月に予定されている陸軍主催の業界説明会で、その後、提案依頼書が発行される。

 これらのメーカーの一部、特にエンストロム、MDヘリコプターズ、シュバイツァーにとっては、フライトスクール・ネクストは転換点となる可能性がある。なぜなら、これらの企業はパンデミック後、倒産後の事業再建に苦しい数年を費やしており、シュバイツァーの場合は2019年にシコースキーに売却されてからゼロから再出発しているからだ。レオナルドにとって、このプログラムの獲得は、同社のヘリコプターが今後長年にわたって米軍の回転翼機訓練を独占することを意味する。同社が提案しているAW119Kx単発軽ヘリコプター(米海軍でTH-73スラッシャーとして運用中)は、ロリダ州ホワイティングフィールド海軍航空基地で、海軍、海兵隊、沿岸警備隊の乗員訓練に使用されている。

 陸軍は、双発のラコタの運用コスト、利用可能性、訓練の質に対する懸念から、フライトスクール・ネクストを開始した。同機はノボセル基地では約221機が使用されており、4つの異なる契約による後方支援、メンテナンス、訓練、シミュレーションによってサポートされているが、業界関係者によると、各契約はうまく連携していないという。 情報提供依頼では、コスト削減、効率性の向上、訓練の質の維持または向上が求められている。

 陸軍当局者は最近、このような複雑な航空機での操縦訓練は、新人パイロットの基本操縦技術の喪失につながる可能性があると指摘した。2月にロンドンで開催された国際軍用ヘリコプター会議では、テールローターの効力と制御性を失う一連の事故に関する調査で、パイロットがペダルでトルクに対処していなかったことが判明したとあり、陸軍の指導層は、パイロットがラコタのシステムに慣れてしまい、システムがパイロットの代わりに難しい作業をこなすことに慣れてしまったことが問題の一部だと述べている。

 2015年の航空再編構想により、単発ヘリコプターが全機削除された後、陸軍はUH-72を訓練用に押し出した。陸軍のボーイングAH-64アパッチ、シコースキーUH-60 ブラックホーク、CH-47 チヌークの複雑な機材を考慮し、コンサルタントの支援を受けた陸軍指導層は、学生パイロットはシステム管理者の訓練を受けた方が良いと結論づけ、より高度な航空機で訓練を開始することが理にかなっていると判断した(AW&ST 2017年4月17日~30日、69ページ)。当時、批判派は、ラコタを採用することは基本的な飛行技術を損なう可能性があると主張していた。

 業界向けイベントを前に、陸軍は代替訓練システムを模索し、その成果をフォートノボセルの装備と比較し始めている。2月には、Crew Training International(CTI)が、民間訓練パイプラインを通じて、フロリダ州マリアンナで陸軍パイロットの幹部候補生を訓練する契約を獲得したと発表した。CTIのプログラムでは、ロビンソンR66を使用して訓練を行い、戦闘の基本技能の学習に戻る前に、学生に自家用操縦士、回転翼ヘリコプター、計器ヘリコプターの資格を取得させる。


Leonardo AW119

レオナルドは、米海軍でTH-73スラッシャーとして使用されている実績あるAW119ヘリコプターでフライトスクールネクストへの入札を計画している。 出典:ミシェル・タッカー中尉/米海軍


軍用回転翼機業界の関係者によると、陸軍は訓練用航空機に対する希望リストを提示しており、その中には年間600時間飛行可能で、単独操縦士用計器飛行方式(IFR)コックピットを備えたFAA認証のタービンエンジン式回転翼機が含まれている。単発ローター機にIFR(計器飛行方式)エイビオニクスを搭載することが一般的になってきており、海軍の回転翼機訓練要件に応える形で、複数メーカーが追加型式証明を取得したIFRコックピットを開発している。この技術は小型回転翼機にも採用されている。これらのIFRエイビオニクスを使用することで、陸軍パイロットに複雑なシステムを導入しやすくなります。

 入札者は、機体について請負業者所有・請負業者運営(CO-CO)モデルと政府所有・請負業者運営(GO-CO)モデルのどちらを希望するかを尋ねられる見込みだ。

 提案中の機種には、海外の軍隊で回転翼機訓練用に採用されているベル505 JetRanger Xがある。同社提案は「破壊的」なものになるだろうと、ベルの軍事販売・戦略担当副社長カール・コフマンは先月ダラスで開催されたVerticon回転翼機業界の会合で述べた。同氏は、同社の提案は「先進的な学習技術、シミュレーション、そして専用設計の505を最大活用した効率的かつ効果的な飛行訓練モデル」を提供すると指摘した。505は生産中止となった206L LongRangerのランディングギアを使用しており、陸軍がラコタ以前に206 JetRangersやOH-58カイオワで使用していた独特の不安定な双ブレードメインローターシステムを維持している。

 コフマンによると、ベルは505用のIFRコックピットの開発に取り組んでおり、今年中にFAAの認証を取得できる見込みだという。

 エンストロムは、1980年代に陸軍の訓練用としてTH-28として開発した同社のタービンヘリコプター480Bを、TH-28として提供する。この機種は、1990年代初頭にニュー・トレーニング・ヘリコプターのコンテストでベル・ヘリコプターのジェットレンジャーをベースにしたTH-67クリークに敗れたが、エンストロムは、チェコ共和国、日本、タイなど、他の軍に同機を販売することに成功しました。

 「このようなものを最後にとりくんでから34年が経ちました」と、エンストロムのトッド・テツラフは、Verticonで本誌に語った。「当社は、専用設計で安全かつ効果的な訓練機を製造しています」。

 当時エンストロムのCEOであったテツラフは、現在は同社の規制関連およびグローバル・リレーションズ担当上級副社長に就任しているが、同社にはIFRエイビオニクスを搭載する「ゲームプラン」があり、480Bは油圧システムを搭載していないため、よりシンプルなインストールから恩恵を受ける可能性があると指摘した。

 油圧システムがないことは、MDヘリコプターズとシュバイツァーにとっても利点となる。後者は、1990年代後半に開発した1.1トンの回転翼機S-333の提供を計画しています。ただし、シュバイツァーは2019年にシコースキーから型式証明を買い戻して以来、S-333を製造していない。

 「当社ではトリプルスリーは素晴らしい製品だと感じています。また、米陸軍が本当に高く評価してくれる製品だと考えています」と、シュバイツァーのCEOデビッド・ホートンは、Verticonで述べた。

 ホートは、提案について複数企業と協議中であると述べまたが、シュバイツァーは「十分な規模」ではないため、主契約者にはなれないと付け加えた。その代わり、同社は主契約者となるインテグレーターに地上ベースの訓練システム要素と後方支援を提供するサプライヤーとして機能することになる。

 「これは飛行する教室です。それがS-333の設計目的です」とホートンは述べた。「3人の搭乗者は全員同じものを見ることができます。障害物はありません」。

一方、ロビンソン社は陸軍にR66タービンヘリを提供することを計画しており、CEデビッド・スミス氏は、R66は軽量双発機(AW&ST 3月10日~23日号、36ページ)の5,000ドルに比べ、1時間当たりの運用コストを約400ドルに抑えることができると指摘している。

 MDヘリコプターズは、IFRコックピットを搭載したMD530Fを提案する予定と、ライアン・ウィークス最高経営責任者(CEO)は述べた。同氏は、卵形の機体は回転翼機訓練に理想的であり、事故の際にも高い生存性を発揮すると指摘した。

 「新人パイロットはミスを犯すものです。ですから、非常に安全性の高いものに乗せる必要があるのです」と、同氏は付け加えた。

 陸軍はMD500シリーズに馴染みが深く、もともとはヒューズ社が陸軍の軽観測ヘリコプタープログラム用にOH-6 Loachとして開発した機体だ。約1,400機が製造され、新しいMH-6 Little Birdは陸軍の第160特殊作戦航空連隊に配備されている。

 エアバスは、陸軍にラコタの使用継続を説得したいと考えている。同社は情報提供依頼への回答として、現行保有機を維持し、既存のメンテナンス契約を合理化し、陸軍司令官が精査しているシラバスの分野に対応するために教育プログラムを調整することを提案していると本誌に述べた。

 国防総省の文書によると、ラコタは陸軍がノボセル基地で使用した中で最も安全な訓練用ヘリコプターであることが示唆されている。飛行時間ごとの請求コストを反映した償還率は、UH-72が2025年度には1時間あたり2,100ドル強となり、陸軍の現行機材で最も低いことを示しており、単発エンジンのAH/MH-6や海軍のTH-73よりさらに低い。

 エアバスは、保有機数の多さでコストを抑制できると述べています。「陸軍が保有するラコタの機数が多いので、サプライチェーンを効果的に管理できるのです」と、ラコタ機プログラムの関係者は指摘しています。さらに、サプライヤーは、全米22州に拠点を置いている。

 エアバスは、単発エンジンの航空機を採用することは、学生が複雑な双発エンジンの緊急事態に対処できるとは限らないことを意味し、軍はより複雑な前線での状況に学生を慣れさせるため「暫定的な」双発エンジン機を必要とする可能性があると主張している。さらに、同機を操縦する多数の現役部隊および州兵部隊には、ラコタの訓練が依然として必要だ。

 さらに、同社は、米国の主要同盟国が回転翼機訓練用に双発機を採用する傾向が強まっている中、陸軍が単発機に傾倒すれば逆行となると指摘している。オーストラリア、ドイツ、英国はすでにそうしている。カナダも間もなく、将来の航空乗組員訓練プログラムの回転翼機部分にエアバスH135を採用し、これら諸国に加わる。■


Helicopter-Makers Line Up For U.S. Army Rotorcraft Training Refresh

Tony Osborne March 31, 2025

https://aviationweek.com/defense/aircraft-propulsion/helicopter-makers-line-us-army-rotorcraft-training-refresh



トニー・オズボーン

ロンドンを拠点に、欧州の防衛プログラムを担当。2012年11月にアビエーション・ウィークに入社する前は、Shephard Media Groupで『Rotorhub』誌および『Defence Helicopter』誌の副編集長を務めていた。