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韓国の第三次F-X最終選定が迫る


Seoul Considers Industrial Benefits for F-X 3

By Amy Butler, Bradley Perrett
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com April 15, 2013
Credit: Boeing
Amy Butler Washington and Bradley Perrett Seoul

韓国のF-Xフェイズ3決定が6月予定で迫ってきた。三社が競っている。
  1. ペンタゴンから米議会にボーイングF-15サイレントイーグルあるいはロッキード・マーティンF-35を60機の韓国向け販売が公式に通告されたが、ちょうど北朝鮮が好戦的姿勢を米韓両国に示す中だった。
  2. ボー イングはハイブリッド販売案で、F-15サイレントイーグルを海外向けサブシステムの軍事販売対象からはずし、販売価格を非開示とする。サブシステムとし てAESAレーダー、赤外線捜索追跡補足装置、保安対策無線装置、高性能ディスプレイとミッション立案システムおよび空中GPS受信機で24.08億ドル かかるという。同機コンセプトが発表された2009年時点でサイレントイーグル新造機単価は1億ドルとしていた。
  3. こ れに対しロッキード・マーティン提示額は108億ドルで、機体、プラットアンドホイットニーF135エンジン(予備9基含む)、3Fソフトウェアパッケー ジを提供する。3Fは米空軍仕様で以前の3Iより兵器運用、攻撃能力が増大する。3Iは海外向けにパッケージで最初の世代。
  4. 三 番手ユーロファイター・タイフーンで韓国の決断に影響を与える要素として韓国航空宇宙産業Korean Aerospace Industries (KAI) が48機の生産、あるいは最低限組み立てを希望している、と消息筋が伝えている。同社はサイレントイーグルでも一定の関与を保証されている。現在同社は F-15Kの主要組立てを実施している。
  5. F-35でも韓国はウィングボックスおよび尾翼表面の生産を担当する可能性があるとロッキード・マーティンは言う。同社は日本とも国内生産の範囲どこまでを認めるか協議中。日本は生産ラインを設置するが、韓国を求めていない。
  6. 設計が新しいF-35とタイフーンは高度な生産内容でF-15より有利で、特にF-35は厳格な公差を実現できる技術が入手できる。
  7. ユー ロファイターは米側の規制にしばられず技術移転で有利だとする。タイフーンは韓国の国産戦闘機KF-X構想の土台になる可能性があり、ロッキード・マー ティンとボーイングも同構想へ支援を申出ているが、両社とも米政府の制約対象となるが、ユーロファイター構成の各国政府も完全に自由放任とはいかないだろ う。
  8. サ イレントイーグルはF-15Eを原型としステルス性を機体内搭載兵装を犠牲にし、尾翼を15度傾けて実現しているが、敵空軍力の制圧に成功しステルス性が 不要になれば、より多くの兵装を搭載できる。ボーイングは2010年にKAIを契約相手とし同機の機体一体型兵装ベイの設計と生産を任せている。
  9. これに対しF-35選定は韓国に特別の意味を生む。機体単価は高くなるが、各国との共同作戦実施能力は向上し、同機の高度ステルス性能がF-15Kを補完する期待が生まれる。
  10. た だしF-35導入の欠点はサイレントイーグルよりペイロードが小さくなること、運用の維持管理コストが不透明なこと。ペンタゴンの希望は同機開発段階を 2017年10月までに完了することだが、今後のフライトテストで露呈する問題があれば日程も影響を受ける。同機を選択するリスクも発生するのだ。
  11. ただし、サイレントイーグルもテストを完了した機体でなく、リスクがないわけではない。■



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