2017年1月21日土曜日

ヘッドラインニュース1月21日(土)


1月21日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

米印が中国潜水艦追跡データの共有で合意
ハリス太平洋軍司令官はニューデリーでCOMCASA(2国間通信相互性安全保障協約)の締結に近づいていることを発表。両国が運用するP-8を軸に中国潜水艦のデータを共有する。インドが運用するP-8Iと米海軍P-8Aの通信方式が異なっているのを補う。太平洋軍の運用範囲にはパキスタンが入っていないがインドとしては同国と中国のつながりを重視して米国に働きかけそうだ。


B-2をISIS爆撃に投入した理由はなんだったのか
1月18日にB-2がリビアのISIS訓練キャンプを二機で爆撃した。リビア空爆は2011年から始まっているがステルス爆撃機の投入は今回が初。両機はホワイトマン空軍基地(ミズーリ)から空中給油5回で連続飛行で現地に飛び精密誘導爆弾108発を投下した。飛行時間あたり128千ドルかかる同機をなぜテロリスト爆撃に投入したのかいろいろな観測が飛んでいる。飛行時間の確保以外に高性能センサーの効用が理由に挙げられそうだ。

シリアに原油を販売し戦費を確保するISIS
ISISがシリアのアサド政権にガス・石油の販売を増やし資金調達していると欧米筋が見ている。ウォールストリート・ジャーナルは原油販売がISISの最大の収入源だと報じた。最盛期にISISはシリアの油田全部を掌握し一日百万ドルの歳入を確保していたが、米主導の連合軍の空爆で相当の減収となっていた。

 ジョージ・H・W・ブッシュ空母打撃群が欧州中東へ出港
21日土曜日にノーフォークから出向する同CSGは総員6千名でミサイル巡洋艦フィリピン・シー、フエシティー、ミサイル駆逐艦ラブーン、トラクストンを含む。第八空母航空隊を搭載する。アイゼンハワーCSGが昨年12月に帰港していたがブッシュの整備に時間がかかっていた。これで中東地区での空母不在状態は解消する。



2017年1月20日金曜日

ヘッドラインニュース1月20日(金)


1月20日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

インドネシアがA400Mを導入:5機で20億ドル
インドネシア政府はエアバスA400Mの導入を決めた。インドネシア空軍の近代化に大きな一歩となる。インドネシア国会の決議でうち3機はインドネシア国内で組み立てられ機材の構造、主要部品の製造方法などを吸収する機会にする狙いがある。


ロシア=トルコ共同作戦でシリア空爆を実施
計13機が両国による初の共同空爆作戦に動員されISISを攻撃した。空爆地点はアレッポ近郊の36箇所。ロシア航空宇宙軍はSu-24M、Su-25、Su-35を、トルコ空軍はF-16とF-4を参加させた。両国は昨年末に発効したシリア休戦で保証役になっている。


米空軍トップが小型攻撃機導入に前向き発言
ゴールドフェイン空軍参謀総長が軽量小型攻撃機を対テロ作戦用に導入する案を提唱している。マケイン上院議員もA-10とは別に小型攻撃機を300機程度導入すべきとの私案を発表している。空軍内部にもOA-Xとして軽量攻撃機導入の研究があり、シエラネヴァダA-29スーパートゥカーノ、ビーチクラフトAT-6ウルヴァリンが候補とされていた。ゴールドファインは既存機種の導入を検討する考えだ。
本命はテキストロンのスコーピオンでしょう。


トランプがボーイングCEOと再び会談しエアフォースワン仕様見直しへ
ミュレンバーグCEOは17日トランプ次期大統領と会談し、次期大統領選容器について要求性能を下げ、民生用部品も採用することで事業経費を引き下げることになると発表した。二回目の会談となった今回も戦闘機の話題も出たようでミュレンバーグは詳しく述べていないがF/A-18スーパーホーネットが俎上に上がったのは明らか。

2017年1月17日火曜日

★★F-22はなぜ途中で生産中止になったのか、判断は正しかったのか



F-22については今でも一種の郷愁があるようですが、今更の感もありますね。ただし、F-22を犠牲にしてF-35を重視する決定が結果として予期した効果を上げていないということではないでしょうか。かつてのような大量の機材を惜しげもなく投入する戦争はありえないのでしょう。(少なくとも有人機について)今後数十年間に渡り虎の子のF-22はかつてないほどの保守点検、性能向上を受けながら使い続けられるのでしょうね。

The National Interest

Why Did America Stop Building the Best Fighter Jet Ever?


January 8, 2017


1990年代末の米国空軍力は冷戦後で最頂状態だった。世界最大規模の作戦機材数に加え第五世代機の生産に入っていたのは米国だけだった。その機体がF-22ラプターだ。だが2009年に米政府は同機を途中で不要と言い出し、生産はわずか187機で終了した。いったいF-22に何が起こったのか。生産中止の理由は何だったのか。
  1. F-22が登場当時では世界最優秀の航空優勢戦闘機であったことは疑う余地がない。問題は開発があまりにも長引くうちに主要相手に想定したソ連空軍が崩壊したことだった。
  2. 時局も悪い材料だった。イラク、アフガニスタンの戦役で経済事情が変わり、同程度の実力を有する相手が不在となったことで一機3億ドルの同機は高すぎて維持出来ないと当時の政府は判断した。そして2008年には経済不況というより恐慌そのものがはじまり、2010年には終結したものの、これがとどめを刺したと言える。
ラプターの興亡
  1. F-22ラプターの物語は1980年台初頭に始まった。航空優勢戦闘機の主導権を維持すべく、米空軍はF-15Cイーグルの後継機を模索し始めた。1990年には飛行実証でノースロップYF-23とロッキード・マーティンYF-22が比較され、後者を空軍は選択した。その後F-22ラプターと名称がつき、米空軍の主力機として期待された。
  2. その時点では空軍は750機で262億ドル(機体単価35百万ドル)と試算していた。1990年に冷戦が実質的に終焉を迎えるとジョージ・H・W・ブッシュ政権は648機購入に変更。1997年には339機に削減され、2003年に277機になった。さらに2009年に187機に減り、生産ラインは閉鎖された。
  3. 実戦配備の道も長いものになった。高性能戦術戦闘機事業として1981年に開始され、ラプター初飛行は1990年、初期作戦能力獲得が2005年だった。比較するとF-15イーグルの場合は設計案採用から初飛行まで7年、その後4年で初期作戦能力を獲得している。
  4. F-22の開発完了にはF-15の時間が二倍かかっていることになる。その間にソ連は超大国から没落し1991年に崩壊してしまった。かつて強力だったソ連空軍は各共和国に分散し、戦闘機開発は既存機の改修にとどまり、MiG-29やSu-30となった。F-22開発を急ぐ理由がなくなってしまった。同時にF-22に対地攻撃能力を追加して機材の有益性をふやそうとした。
  5. F-22はイラク・アフガニスタン戦争の犠牲とも言える。低密度武力衝突とはいえ両戦役の経費は膨大となり、当時は存在しなかった大国との戦闘想定への備えは理由付が困難となった。F-22はイラク、アフガニスタンのどちらにも展開されないものの、予算を巡る戦いの中で当時米国が展開中の作戦に必要な装備だとされていた。F-22は即席爆発装置の脅威から地上兵員を守る特別設計車両を犠牲にして予算がついた機体と言われてきた。
  6. 開発期間が長引いたためF-22はF-35とも間接的な競合関係を迎えた。もともと違う役割を想定した別の機材とはいうもののF-35は安価ながらF-22と同じような性能があり、場合によってはF-22を上回る。このことがロバート・ゲイツ国防長官がF-22の生産取りやめを提起した根拠になったのは明らかだ。ゲイツは代わりにF-35開発の加速化を提言した。ゲイツの予見では米国は2025年までにF-35を1,700機配備するはずだったが、費用超過と開発の遅れでこの目標の達成はほぼ無理になっている。
  7. 2008年になり米国は大恐慌以来最悪の経済危機に入り、GDPが2009年には8%も減少してしまう。この年にF-22生産中止が決定された。不況は2010年まで続き、現在も回復途上だ。これにより現実の戦況への対応が一層強調され、超大国相手の装備整備は二の次とされた。今からみれば2009年の判断は見当違いだったとわかる。
アメリカはとんでもない間違いをしたのだろうか
  1. F-22中止から8年が経過した今、歴史の審判は別れている。同機取りやめで特別装甲車の製造に道が開き地上部隊隊員の生命が救われたのは疑う余地が無い。
  2. 一方で世界は再び変貌している。中国、ロシアはそれぞれ大幅な空軍力近代化に入っており、両国とも強硬な姿勢を隠そうとしていない。第五世代機も現時点で三機種増え、中国のJ-20、FC-31とロシアがインドと共同開発を進めるT-50はそれぞれ米空軍力に真っ向から挑戦する機体だ。F-22生産中止を非難する向きは国防総省の戦術判断ミスだとして超大国間の戦いに抑止効果のある装備を犠牲にて結果的に戦争の可能性が高まったと主張している。
  3. なんといっても開発が長引く間に時局変化でリスクが増えてしまったのが痛い。開発10年で57ミリ砲一門を搭載するに過ぎない沿海戦闘艦事業も同じコースに向かっていないか。F-22は夢の兵器といわれつつ意外に早く終焉を迎えたが、同じ事例は他にも出てくるだろう。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.



2017年1月16日月曜日

1月16日(月)のヘッドラインニュース


1月16日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。


岩国駐留のF-35Bが米韓演習に参加か
3月に実施する恒例のフォールイーグル、キー・リゾルブ両演習にVMFA-121所属のF-35Bの派遣が検討されていると韓国紙が伝えている。

F-35の値下げは実現するのか
ロッキード・マーティンはトランプ次期大統領が求めたF-35の値下げの実施まであと一歩まできたと金曜日発表した。


 PLAN新司令官
Shen Jinlong旧字体沈金龍(1956年生)は現在南洋艦隊の司令官。リムパック演習を通じて米海軍にも親しい。2014年に現職に就く前に北海艦隊駆逐戦隊指揮官、補給基地司令官、大連海軍学校、海軍指揮官学校を率いた経歴を有する。沈の抜擢は現在中国海軍を率いる呉常勝の退官に伴う人事。呉は新造艦船の建造など中国海軍で最も大きな変革を取り仕切ってきた。


 ワーク国防副長官は短期間留任へ
トランプ政権誕生で去就が注目されていたワーク副長官は2014年以来現職にあり、マティス次期国防長官から政権移行期につき留任を求められたとの報道もあったが、本人から短期間に限り現職にとどまるとの発言が先週金曜日に出た。ワークは元海兵隊員で、国防長官、統合参謀本部議長と並び要職3ポストを海兵隊員が占めることになるという本人のジョークが現実になる。

2017年1月15日日曜日

1月15日(日)のヘッドラインニュース


1月15日のヘッドライン


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PAK-FAは今年中に引き渡しか
ロシア航空宇宙軍(VKS)がスホイT-50 PAK-FAを5機今年中に受領すると発表した。VKSは具体的予定を述べていないが、第一段階として空軍パイロットがスホイ社パイロットにより操縦を習得し、第二段階で空軍がテストを開始する。その後量産に入るため、VKSへの引き渡しは大きな意味を有すると見られる。

X-37は600日を超え今も軌道飛行中
米空軍の無人シャトルX-37Bの第四回目ミッションOTV-4が軌道飛行600日目に突入し、連続飛行日数の記録を更新するのは確実だ。ただしX-37がいつ地球に帰還するのか、軌道上に何をしているのかは依然として不明。前回のOTV-3ミッションは674日だった。

新型空母フォードの引き渡しは4月
ジェラルド・R・フォード(CVN-78)の海上公試を米海軍は4月に開始する。それに先立ち建造所による
公試が3月に行われることになった。艦内配電系統で抜本的な技術改良が昨年から続いていたが、解決の目処がつき、93パーセントの項目が解決したため。フォードでは電磁カタパルト(EMALS)と高性能拘束装置(AAS)が採用されている。航空機運用は今夏以降になる。

緊急飛行場の整備を進める北朝鮮
北朝鮮が2015年から緊急用の飛行場施設拡充を進めており、高速道路の滑走路転用、機材用シェルターの建設がつづいいていることが衛星画像から明らかになった。既存空軍基地に近い地点の緊急滑走路を重点的に整備している。一部空軍基地が老朽化シていることの対策でもあるが、緊急施設はジェット機の運用は不可能との評価もある。


タイ空軍のJAS-39グリペンが飛行ショーで墜落
1月14日にタイ国内ハートヤイ空港でこどもの日にちなむ航空ショー会場の展示飛行中に機体制御を失い墜落した。操縦していたパイロットは死亡。タイはグリペンを12機調達している。

2017年1月11日水曜日

★米海軍の次期戦略ミサイル潜水艦コロンビア級はこんな姿になる



米ミサイル原潜は核抑止力の重要な要素で一度も居場所を探知されたことがないと言われています。その任務は重要ですが攻撃型潜水艦の乗員とは決定的にメンタリティが違うはずです。40年間も供用できるのであればいい買い物でしょうが、その裏にはこれまでの稼働実績からの原子炉関係の技術が相当進歩していることが伺えます。こればかりは日本にはほぼ永遠に手に入らない分野ですね。
Visit Warrior

Navy Builds New Nuclear Missile Submarine Tubes
KRIS OSBORN
Wednesday at 1:45 AM


オハイオ級核ミサイル潜水艦の後継艦は2080年代まで供用される。その役目は米本土への大量第一撃核攻撃を未然に防止することにある。

  1. 海軍は新型核弾道ミサイル搭載潜水艦SSBNの初期建造と試作を開始しており、海中に大量の抑止力を展開し世界平和を維持する姿勢を堅持する。
  2. オハイオ級後継艦(ORP)建造事業は2021年に建造開始の予定。要求性能・技術仕様の準備、初期試作作業はすでにジェネラル・ダイナミクスのエレクトリック・ボート事業部が着手している。
  3. 全長560フィートで16発のトライデントIID5ミサイルを搭載する44フィート長の発射管を備えたORPはステルスとハイテクの核抑止力として世界の海中で哨戒する設定だ。
  4. 「供用期間を42年に設定し、2080年代まで運用することで生存性が高く信頼性の高い抑止力が実現します」とデイヴィッド・ゴギンス大佐オハイオ級後継艦建造事業主管は2016年のScout Warrior取材に発言していた。
  5. この新型潜水艦はコロンビア級と命名され一号艦は2028年に完成し、実戦哨戒航海は2031年に開始すると大佐は述べている。最終的に12隻を建造運用し、供用は2040年代から2080年代に及ぶ。

戦略核抑止体制の維持
  1. 海軍の説明ではオハイオ級後継艦の任務はあくまでも核抑止力だという。詳細設計は2017年に完了する予定だ。新型潜水艦は核戦争の場合に第二次攻撃(報復核攻撃)を確実に行う手段となる。
  2. 12隻建造で現在のオハイオ級ミサイル潜水艦14隻と交替させるのは新型潜水艦の原子炉が改良され性能が向上するためと海軍は説明している。
  3. このためコロンビア級は現在よりも展開回数が増え、途中での燃料交換は不要になり、42年間連続供用が可能となる。
  4. 「原子炉中核部の耐用年数が伸びて、途中での燃料交換は不要になりました。これで12隻のSSBNで現在14隻で行っているのと同じプレゼンスを維持できます。これだけでライフサイクル換算で400億ドルの費用節約になります。二隻少なくて済むことも大きく効果を上げています」(ゴギンス大佐)
  5. エレクトリック・ボートは海軍と初期試作作業を進めており、ミサイル発射管と艦体を接続している。一体型発射管艦体構造により艦体と溶接し、最終建造の前に主要構造部品を製造する能力を評価することが目標だ。
  6. 2012年にジェネラル・ダイナミクスのエレクトリック・ボート事業部へ5カ年18.5億ドル相当の研究開発契約が発効した。契約ではコスト低減とともに建造効率の向上の実現に奨励策が講じられている。
  7. 英米両国はミサイル格納部分の共通化で協力し部品を共同購入する7.7億ドル相当の契約をエレクトリック・ボートと交わしている。米案ではORPは12隻で各16発搭載し、英国は12発のミサイルを搭載する4隻を建造する。

次世代技術の採用
  1. コロンビア級には新技術も盛り込まれるが多くはヴァージニア級からの流用だ。攻撃型潜水艦で実証済みの装備を使いコロンビア級は最新技術を導入しつつ開発費用を節約できるとゴギンス大佐は説明。
  2. 特筆すべきはヴァージニア級で採用済みのフライバイワイヤ操艦システムと大開口アレイソナーだろう。
  3. 従来のソナーは維持費用が高い欠点があったが、大開口艦首アレイは性能が高いがライフサイクル費用は低くなると大佐は説明。「送受波器、聴音機ともに艦の供用期間を通じて交換せずに使えますので運用コストも保守コストも低く押さえられます」
  4. ヴァージニア級攻撃型潜水艦の戦闘システムもコロンビア級に採用される。「電子監視手段」、潜望鏡、無線交信装置とコンピューターでシステムを構成する。(ゴギンス大佐)
  5. コロンビア級では自動操艦のためフライバイワイヤ航行システムがこれもヴァージニア級から採用される。「操舵員はコンピュータに針路と深度を入力するだけでコンピュータのアルゴリズムで両方を維持できます」
  6. またコロンビア級のシャフトは10年から12年の供用に耐える設計で艦の計画保全と同期させるとゴギンス大佐は説明。現在のシャフトは長くても8年というところだという。
  7. コロンビア級にはヴァージニア級の次世代通信装置、アンテナ、マストが導入される。かつての潜望鏡はカメラマストになっており光ファイバーで艦内へつなぎ、潜望鏡の下に立たなくても艦外が見られる。
  8. また新型電気モーターが推進用に導入され推進効率が上がり、戦術面で優位性が上がるとゴギンス大佐は期待する。
  9. 議会では特別予算を編成し、国家海中配備抑止力基金の詳細について議会では審議が進んでいる。コロンビア級に特別に設けた予算で海軍は12隻を建造し2085年以降も供用したい考えだ。
  10. 初号艦は124億ドルとの試算がある。うち48億ドルは初回の技術開発コストで艦の単独での建造費用は76億ドルと海軍は説明している。.二号艦からは2010年ドル価格換算で単価49億ドルでの建造を海軍は期待している。■

Kris Osborn can be reached at Kris.Osborn@Scout.com.



ヘッドラインニュース 1月11日(水)


1月11日のヘッドライン

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米海軍が接近するイラン警備艇に威嚇射撃
米海軍駆逐艦がホルムズ海峡付近で接近するイラン高速艇に警告弾を発射した。1月8日のこと。USSマハンはイラン革命防衛隊と交信を試みたが返答はなかった。艦載ヘリコプターも飛行し発煙弾を投下した。イラン警備艇は800メートルまで近づいたという。イランと米海軍のにらみ合いはこれまでも発生している。

超小型無人機の大量一括運用実証実験に成功
チャイナレイク上空を飛ぶ三機のスーパーホーネットが合計103機のPredix超小型UAVを放出する実証を昨年10月に行っていたことが国防総省から発表された。戦略性能整備室が海軍と協力して実施した。超小型UAVは群れを形成し、状況に応じ運用できる能力を実証した。Predixはマサチューセッツ工科大学が開発し、軍用投入を目指して改良が進んでいるが全て民生技術で構成している。

パキスタンが潜水艦発射巡航ミサイルのテストに成功
1月9日インド洋でバブール-3SLCMの発射テストにパキスタンが成功した。「水中移動体」から発射したと発表があり同国が運用するアゴスタ級潜水艦を言及している。同ミサイルの射程は450キロ。軍の発表からは巡航ミサイルを核運用し抑止戦力として運用する方針が見えてくる。インドを標的にしパキスタンは中国と共同開発でAIP大気非依存動力を装備した新型Hangor級潜水艦を開発中だ。


北朝鮮ICBMを迎撃するのはどんな場合か
米国は北朝鮮が発射するミサイルを米国同盟国への脅威と感じればこれを撃墜するとカーター国防長官が断言した。米領土あるいは同盟国に着弾する予測があれば破壊するという発言からはミサイルが発射されても太平洋に着水する予測なら米国は手を出さないという意味に取られる。NBCのMeet the Press番組での発言から。


イスラム国内部へ強襲作戦を実施、狙いはISIS指導部
国防総省はシリア内陸部Deir al-Zourに特殊部隊を投入し作戦を実施した。成果は非公表だがモスル攻略並びにゆくゆくのラッカ攻略に役立てる情報の収集が目的とし、IS指導層も標的とした。米軍に被害はなく、イスラム国に死傷者が発生したという。英NGOによればIS戦闘員25名が死亡したという。シリアへはイラク駐留の米特殊部隊200名が人質解放、情報収集、IS指導層の拉致に従事している。


2017年1月10日火曜日

★★2017年は米空軍につらい年になりそう



本来ならトランプ政権で海軍と空軍は別格扱いとなり、実際に海軍は追い風を感じているようですが、空軍はビジネスマンのトランプから見ればあまりにもコストパフォーマンスが悪い実績しか目につかないのか当初から厳しい向かい風に直面しているようです。

2017 Forecast: Air Force Faces Intense Trump Scrutiny

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on January 06, 2017 at 11:18 AM

Air Force photo
空軍長官デボラ・リー・ジェイムズがマイノット空軍基地へICBM要員を訪ねた
ARLINGTON: 米空軍が大統領に就任前のドナルド・トランプから激しく非難されている。2017年は空軍創立70周年だが、大統領に振り回される年になりそうだ。
退任が近づく空軍長官デボラ・リー・ジェイムズはロッキードF-35共用打撃戦闘機やボーイングのエアフォースワン案件へのトランプの介入に平静を装っているが、明らかに懸念している。
「気になるのは次期大統領が納税者のお金に焦点を合わせていることです」とジェイムズは任期中最後となる空軍協会講演で話している。「それ自体は大事なことだと思う。私自身も三年間同じ思いでやってきました」と長官就任後の姿勢を表現。空軍は「入隊隊員のA1C一等空兵」にさえコスト意識を植え付けようとしているという。
さらにジェイムズ長官は続けた。「普通と違う対応で事業を仕切ることができるのか確信がもてません。でもきっかけは費用面の管理であり、効率性であり、政府決定層の注意をひきつけることになるのでしょう」
長官が論じているのは空軍が費用削減と事業管理の両面で進展を示していることだ。司令部経費を一年で20%も削った事例もあり、通常なら5年もかかって当然の成果だ。また事業運営でも安定効果が現れている例としてトランプが目の敵にするF-35がある。
「費用管理で効率をあげていただくのはとても素晴らしいことですが、誰もが同じ思いなのです」とジェイムズ長官は続けた。「でもF-35の性能に関する限り、私自身が発言しているように素晴らしい性能の機体であり、パイロットなら夢中になる機体であり、必要な機材であり、どうしても欲しい機材です」
ではトランプがボーイングに「価格総合検討」を依頼してF-35の代替機材に期待するF/A-18E/Fスーパーホーネットはどうなのか。「優秀な機体ですが種類が違います。要求内容は全部満足できない機体です。優秀な第四世代機です。これに対しF-35は見事な第五世代戦闘機に仕上がっています」と発言。違いにはステルス性能がないことがあり、これは設計で実現する性能なので後付することができないのだ。
スーパーホーネットとF-35を比較して長官は「りんごとオレンジのようなものです。決定には大きな変革に配慮すべきです。性能検討の最高責任者に相談するとなると空軍参謀総長こそその人でしょうね」
ジェイムズもF-35の事業執行が優れているわけではないと認めた。ボーイングはKC-46A空中給油機の納入を今年後半に控えている。空軍は2016年にB-21レイダーステルス爆撃機調達の契約をノースロップ・グラマンと締結しており、シコルスキー(現ロッキード・マーティン)とはHH-60W戦闘救難ヘリコプター契約を結んでいる。業界には提案要求がJSTARS指揮統制機の後継機種、T-X練習機の二案件で新年直前に出ている。核兵器近代化では地上配備戦略抑止力(GBSD)となるICBMと長距離スタンドオフ(LRSO)の巡航ミサイルがある。新GPS地上局網を構築するOCXもトラブルが続いているが10月にやっとペンタゴンが事業推進を承認した。
OCX復活にこぎつけた裏には国防デジタルサービスDDSによるソフトウェア改善も一因で、アシュトン・カーター国防長官の肝いりで民間ハッカー集団やIT専門家を政府に短期雇用で迎え困難な問題点を潰していったのが大きい。ジェイムズも空軍独自のDDSを立ち上げたところで本人言うところの「おたくサイバーswatチーム」は正式名称を空軍デジタルサービシズチームという。ソフトウェアが連邦調達事業の多くで悩みのタネになっており、OCXしかりF-35でも同様である。F-35は各軍との共同事業なので空軍は自らのおたく軍団を事業管理に投入しないだろう。
ジェイムズ長官が口にしなかったが国防デジタルサービスの関連部門の国防イノベーション組織(実験)と戦略能力整備室があり、ともにカーター長官が注力して生まれた組織だ。巨額予算を投じてきた大型事業と違いこうしたパイロットプロジェクト実施部門には組織内基盤がなく、次期政権が一旦関心を失えばすぐに消滅してしまう。
他には人事面の改良も効果を上げそうだ。トランプは四軍すべての規模拡大を希望しており、最近採択された2017年度国防予算認可法でもジェイムズ長官の人員面での優先順位は、以下順番に
  • まず、無人機パイロットを増員し、新設の「遠隔操縦航空機」部門で過労気味の無人機部隊の負担軽減を図る
  • 老朽化が進む機材の整備部門を増員する。B-52ではエンジンが飛行中に脱落する事件が発生したばかりだ(原因調査は現在進行中とジェイムズ長官は述べた)
  • サイバー専門職として3,000名を州空軍に追加する
  • そして最後に核兵器要員がある。ジェイムズは講演直前に雪に覆われたマイノット空軍基地(ノースダコタ州)を訪問しており、トランプも核兵器更新へ支持をツィッターで表明している
空軍の先端技術も人員があってこそ正しく作動することにかわりはなく、ジェイムズ長官はこれまでもこれからも人材が「最重要要素」だと語っている。■



1月10日(火)のヘッドラインニュース


1月10日のヘッドライン

筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

英空軍がA400M保守管理をエアバスに504百万ドルで一括委託
A400Mアトラス輸送機部隊の維持は410百万ポンドでエアバス・スペースアンドディフェンスに委託する契約が1月5日にまとまった。英空軍が運用予定の22機が対象で契約期間は2026年までとなっている。今回は同社への随意契約だったが今後は競争入札方式に変更するという。同型機を導入する各国も同様の保守整備体制になるかは微妙だ。

オバマ政権最終年度で空爆合計26千回に
オバマ政権が執務最終週に入るが、これまで頑なに地上部隊派遣を減らし、無人機等空爆を重視する政策で本当に米国に対する脅威が減ったのか疑問だ。その中で空爆回数は昨年だけで26,711回に及ぶとの試算が出てきた。対象7カ国でうち24千回以上がイラクとシリア向けで突出している。

フィリピン:ロシアに同盟関係、保護役を期待
マニラに寄港したロシア艦船を視察したデュテルテ大統領が発言した。前日に駐比ロシア大使が両国関係の強化を期待する旨発言していた。大統領は4月にはモスクワを訪問する。今回のロシア艦寄港は海軍間交流の第一歩。米国都の歴史的関係を清算したいデュテルテは人権問題を理由に米国が武器販売を拒むとロシア、中国へ寄り添う発言を公然としてる。

中国の新しいプロパガンダ放送はネットでも視聴可能
かつてのCCTV NewsがChina Global Television Network(CGTN)に模様を変えて、今年から世界に配信されている。英語に加え、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語で放送している。ソフトパワーの手段として世界各地で視聴者を獲得するのが中国の狙いのようだ。YouTubeでもストリーミング中。ただし内容はあくまでも中国政府の推奨するテーマに絞り、西側報道のような視点は見られない。官製メディアの域を脱することは全く期待できないが中国の狙いは明確に反映するのだろう。

2017年1月9日月曜日

★北朝鮮がICBMを完成する前に先制攻撃を実施すべきか



北朝鮮の思考は大戦中のわが国の国体護持と同一で、案外もろいものかもしれませんが、核兵器整備まで進むのはあらゆる国とって容認できるものではなく、イランと並んで頭の痛い問題でしょう。先制攻撃構想は単純な思考でしょうが、魅力があることも事実です。トランプ大統領がどう判断をするのかが見ものです。



The National InterestShould Washington Strike North Korea's Dangerous ICBMs Before It's Too Late?

January 7, 2017


  1. こんな仮定はどうだろう。北朝鮮の独裁者金正恩が朝鮮中央通信を通じいつもの調子で米国がいかに邪悪で嘘まみれかを罵詈雑言とりまぜて演説。20分後、初のICBM発射実験が最終段階に入ったと宣言し予定は一週間後と述べる。演説を受け米情報機関は北朝鮮がICBMを太平洋に向け発射するのは確実と評価。米政府は発射を食い止める唯一の手段は米軍による攻撃と判断し、二日後に米空軍、海軍に実行命令が下る。
  2. まるでハリウッドのサスペンス映画だが、ワシントンの外交専門家の間では北朝鮮が近隣諸国はおろか西海岸なまでと脅威を及ぼすのを防ぐには米国・国際社会には武力行使しか選択肢がないとの見方が強まっている。リンゼイ・グラハム上院議員もその一人で、上院軍事委員会の昨年12月の公聴会で軍事力行使の権限を大統領に与え北朝鮮のICBM完成を阻止するため先制攻撃も必要だ陳述している。
  3. 共和党院内総務ミッチ・マッコネルは黙殺するだろうが、共和党が正式に審議に持ち込めば、民主党上院議員は成立阻止に動くだろう。北朝鮮への先制攻撃は止めどもない被害を生じさせ、百万の兵を有する北朝鮮との全面軍事対決になる予想もあり、金の権力基盤を揺るがすだけに終わらない。
  4. 米軍が先制攻撃した際に金がどう対応するかが予測できないが北朝鮮による報復攻撃の与える損害の大きさは容易に想像できる。グラハム上院議員は失念しているかもしれないが、北東アジアには米軍8万名(日本に55千名、韓国に28,500名)が駐留しており、北朝鮮には標的が8万通りあることになる。在韓米軍は非武装地帯に沿って配備されており容易に標的になる。金が直情的に行動していることは知られており、中距離ムスダンミサイル多数を日本や韓国へ発射するのを自制できるか不明だ。三代目の最高指導者が報復が最善の選択ではないと計算できればよいが、希望的観測は戦略の根拠になりえない。
  5. 次に、北朝鮮ミサイル基地が攻撃を受ければ北朝鮮は核開発交渉に戻れなくなる。北朝鮮指導部との外交交渉の再開はきわめて薄くなっている現状からすれば一旦攻撃を実施すれば北朝鮮が主張してきたように米国が好戦的かつ侵略国家だとの観点が強まるだけだ。北朝鮮ウォッチャーは金正恩は信じられないほど偏執狂だと見ている。張成沢Jang Song-thaekの処刑が示すように政府転覆を図る分子、国家の敵、反逆者を絶えず摘発するのに懸命だ。その中で米国が究極の敵であり、北朝鮮に一度攻撃を加えれば外交は全く役立たずとなるのは間違いない。
  6. 最後になるが、北朝鮮への軍事力行使を支持する向きには孔子の聖句を思い出してもらうのが賢明だろう。力の行使は最後の手段だ。ワシントンのタカ派には反対の論調があるが、北朝鮮との外交交渉はまだ途絶してない。ビル・クリントン政権時代の交渉は包括的かつ究極のアメとなる平和条約を持ち出す代わりにその場しのぎで各論中心だった感が強い。平和条約の話もあったが協議は一回もされていない。オバマ政権の第一期目では覚書の協議があったがごく短期間に終わった、8年間に及ぶ「戦略的忍耐力」の時期とは問題に目をつぶり自然に消えることを願うのみだったのではないか。外交手段が完全に道を閉ざされた場合にのみ米政府に軍事力の行使を選択してもらいたい。実際にはそんなに簡単ではないが。
  7. ジェイコブ・ヘリブランはドナルド・トランプ次期大統領に金と話し合い、「我々の時代に平和」を精緻に構築してもらいたいと助言している。先制攻撃により米軍数万名の生命と韓国全土を危機に追いやるよりはずっとましな選択だろうが、米国と中国の関係には悪影響が生まれるはずだ。■

原著者ダニエル・R・デペトリスはWikistrat Inc.地政学コンサルタント企業のアナリストの他、フリーランスで研究員もつとめる。CNN.com、Small Wars Journal、The Diplomatに寄稿している。
Image: An F-15 Eagle and an F/A-22 Raptor fly in formation. Wikimedia Commons/U.S. Air Force



2017年1月8日日曜日

1月8日(日) ヘッドラインニュース


1月8日のヘッドライン

筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

空母クズネツォフ帰国の途に付く
モスクワ報道によるとプーチン大統領の命令にしたがい、地中海に展開していた空母クズネツォフ含む海軍部隊が撤退を開始した。

サイバーおたく採用の専門部局を立ち上げた米空軍
民生部門から選抜した専門家によりトラブルが続く兵器開発のソフトウェア問題の解決をめざしている。空軍デジタルサービシズ部門は民間から短期契約で人材を集め、具体的な解決を目指す。ジェイムズ空軍長官は冗談交じりで「おたくサイバーSwatチーム」と呼んでいる。

エリア51でドッグファイトを繰り広げるSu-27が目撃された
11月の好天に助けられ演習空域を外部から収めた写真には、Su-27PフランカーBがF-16とドッグファイトする光景がしっかり写っている。グルームレイクにSu-27が配備されていることは知られていたが飛行中の姿が目撃されるのは稀だ。写真は不鮮明だが機体はロシア空軍塗装。なお、Su-27は民間所有の機体を借り上げ模擬空戦相手に使っているようだ。昼間飛行にはポッドの性能をチェックする意味もあるのだろう。米軍はイスラエル経由でMiG-21も入手しYF-110の偽装呼称で飛行させたこともある。


韓国がレーザー迎撃手段の開発に乗り出す
北朝鮮が飛ばす小型無人機への対策として韓国国防部はレーザーによる迎撃手段の開発を来年から始めると声明。38度線付近で北朝鮮が小型無人機を多数運用していることへの対策だ。北朝鮮は無人機を350機程度保有し、うち武装型も10機程度運用しているとみられる。