2017年11月12日日曜日

米空軍JSTARS,T-X,OA-X事業の現状と行方


米空軍も大変ですね。技術が進歩する中で機材は老朽化し、地上戦など従来の延長では考えにくい要求に答えねばなりません。お金を出す議会は支出にキャップをはめたままですが、戦力維持のための研究開発、調達など事業は待ったなしですから。技術経営、組織運営、議会対策といろいろ課題が多いようです。

Here's the latest updates on where JSTARS, T-X and OAX stand


E-8C Joint Surveillance Target Attack Radar System (JSTARS)の行方がはっきりしないがミッションが不要になるわけではないと空軍首脳部は述べている。 (USAF/Tech.Sgt. Carlos J. Trevino)

By: Aaron Mehta 1 day ago


WASHINGTON – 米空軍の次期JSTARSと軽攻撃機はまだ方向性が見えないが次期練習機では契約交付は来年早々で生産開始も同年内になる。
空軍長官ヘザー・ウィルソンHeather Wilsonは参謀総長ディヴ・ゴールドフェイン大将と三事業の現況を11月9日記者に説明した。

【JSTARS-方向性が見えない】
  • JSTARS新機種を選定し大型レーダーを搭載する従来通りの事業を想定し国防大手企業数社が各社案を売り込んでおり、基礎作業は完成している。
  • 今秋が大きな山場となり、ウィルソン長官は「迅速評価」で既存機種でJSTARSが実現可能かを判断する。
  • だが長官と参謀総長は従来のJSTARS機能から大幅にネットワーク機能を強化した構想に関心があるようだ。
  • ウィルソン長官はJSTARS原案は本人が国家安全保障会議スタッフだった1991年のもので、「それ以降技術は大きく変わっている」と強調。「現行JSTARS機能では第一線指揮官の要求の5%しか満足させられない」と述べ新JSTARSが配備されても「1%がやっと」だろうと認めた。
  • だがJSTARSを放棄するのは至難の業だろう。議会がJSTARSに400百万ドルを国防支出法案に盛り込みずみのためだ。
  • デイヴィッド・パーデュー上院議員Sen. David Perdue(共-ジョージア)は空軍がJSTARS更新事業に及び腰になっていることは地上部隊が危険になるのを放置するものだと非難。「空軍が態度を変化させているがこれまでの空軍の説明と矛盾する」「空軍が考え直したのなら実情にどう対応するつもりなのか厳しく問い詰める」
  • ゴールドフェイン大将は単一の高性能機材を運用すれば旧型機を運用する各方面との連絡通信が困難になると主張しているが、空軍が地上部隊には必須の機能の継続に及び腰になっているとの観測は強く否定。
【OA-X-実証結果を待つ】
  • 軽攻撃機を巡り三社が実際の機体を空軍パイロットに操縦させ各機の能力を過酷な砂漠の環境で実証した。
  • 軽攻撃機構想はOA-Xと呼ばれ、ウィルソン長官は今夏に実施された四型式の機種の実証結果を待っているところだ。年末までに結果が出る。
  • JSTARS同様にOA-Xも400百万ドルが確保されており、議会有力議員は事業の推進を強く望んでいる。
【T-X選定決定は2018年上半期か】
  • 次期練習機T-Xはもう少し具体的だ。
  • T-Xは5年間で20億ドルと現時点で軍最大規模の提案競争で主契約を巡りロッキード・マーティンボーイングレオナルドDRSの三社に絞り込まれた。
  • 議会が新規事業を制約する条項を外した予算案を通過させても契約交付は来春以降になりそうだ。
  • 空軍次官マット・ドノヴァンMatt DonovanはDefense Newsの10月の取材でT-X契約交付は来春、おそらく三月末と語っていた。
  • ウィルソン長官も契約交付は来年とだけ述べているがT-X生産開始は2018会計年度末までに開始することに変わりないとする。■
Aaron Mehta is the Senior Pentagon Correspondent and Associate Editor for Defense News, covering policy, strategy and acquisition at the highest levels of the Department of Defense and its international partners.

イエメン・フーシがサウジアラビアに発射したミサイルはイラン製だった


北朝鮮、中国と身近な脅威に目が行きがちですが、イラン問題も大きな課題で、シリアでの関与もきになりますが含め中東情勢に影を落としています。オバマ政権による核合意を反故にしたいトランプ政権も警戒を強めていますが、できれば一つずつ片づけたいのでしょう。ただし、サウジアラビアの動向にも不安がある中で事態が一気に流動的になってもおかしくありません。今回のミサイルで証拠を明示しイランの関与が白日にさらされれば大変なことになりかねません。

U.S. General: Missile Targeting Saudi Capital Was Iranian

サウジ首都を狙ったミサイルはイラン製と米軍が発表

Supporters of the Shiite Huthi movement raise their weapons during a gathering in the capital Sanaa, Yemen / Getty Images
     
November 10, 2017 12:18 pm
中東の米空軍トップによればサウジアラビア軍が迎撃成功したイエメン反乱勢力が発射の弾道ミサイルはイラン製でミサイル本体に「イラン軍標識」が残っていたという。
  1. ジェフリー・L・ハリジアン中将Lt. Gen. Jeffrey L. Harrigianはカタールの空軍司令部でサウジ首都を狙ったミサイルの残骸調査から「イラン政府による製造」の証拠が見つかったとCBSニュースで語った。CBSニュースはフランス大統領エマニュエル・マクロンがミサイルがイラン製なのは「明白」と述べたと今週先に伝えていた。
  2. サウジアラビア外務省も7月22日にイエメンから発射されたミサイル数発がイラン製だとする証拠を発見したと述べている。
  3. サウジアラビアは11月4日にリヤド国際空港近くでミサイル迎撃に成功したと発表したが、同国内でここまでの内部まで反乱勢力ミサイルが到達したのははじめてだ。
  4. サウジアラビアはシーア派反乱勢力にイランが兵器を供与していると非難してきた。これに対しテヘランはミサイル提供の事実はないと否定している。
  5. ワシントン中近東政策研究所のマイケル・ナイツMichael Knights研究員はイエメンでの勤務経験があり、11月9日のアナリシスでイランがフーシ反乱勢力を支援中と考えても決して誇張ではないと述べている。
  6. 「テヘランがフーシにミサイルを提供し技術支援の上特殊部品を提供していると考えても決して突飛なことではない」「つまるところ国際封鎖を受け戦闘状態にあるフーシが二年足らずで三種類のミサイル装備を展開できたのだから」■

★SM-6の万能ぶりに大きな期待



ミサイル防衛だけでなく、攻撃、防御と多様な使い方ができるのなら非常に有望な装備ですね。ソフトウェアだけでこれだけの違いが生まれるのはすごいと思います。今後の動向に注目しましょう。早晩日本でも導入の話が出てくるとと思います。


Navy SM-6 Intercept Proves It Could Counter North Korea Attack

米海軍SM-6迎撃ミサイルが北朝鮮攻撃に対応可能と証明

The Navy recently destroyed a ballistic missile target with an SM-6 missile during a test off the coast of Scotland, verifying that the high-tech weapon does have an ability

米海軍のスコットランド沖弾道ミサイル迎撃実証でハイテク兵器の能力を実証
Scout Warrior - 3 hours ago


米海軍のSM-6ミサイル迎撃実証がスコットランド沖で成功し中長距離弾道ミサイル迎撃への対応能力を実証した。
  • 海軍は北朝鮮を意識したと認めないが、同ミサイルが韓国や日本のミサイル防衛に有効だと示している。
  • 米主導の北朝鮮攻撃後に韓国、日本へ通常弾頭弾道ミサイルを北朝鮮が発射するのは必至だ。
  • 第六艦隊は「ミサイル防衛庁と米海軍はスタンダードミサイル-6をUSSマクファウルから発射し、同ミサイルの飛翔認証手続きの重要な一歩に成功した」と発表。
  • そのため米国はミサイル防衛技術の進展に努めており、海上発射手段でSM-6の実用化を進めている。
  • 課題は弾道ミサイルの同時発射での追尾、捕捉、迎撃だ。
  • 海軍はSM-6ミサイルのソフトウェアを改修し、対空、弾道ミサイル迎撃、対水上戦すべてに対応させる。
  • 対空ミサイルとしてSM-6ブロックIがハワイ沖で四回発射テスト済み。
  • 中距離弾道ミサイル迎撃では海軍はSM-6を二発短時間で連続発射し、弾道ミサイル目標一基の迎撃をさせ最終飛翔段階での対応能力を評価した。
  • SM-6性能のユニークな点としに「アクティブ」シーカーがあり、発信した電子信号の跳ね返りを受信することがある。信号は光速で進み、形状、速度等を分析する。光速は定義できるので移動時間からコンピューターアルゴリズムで標的までの正確な距離がわかる。
  • 「アクティブシーカー」技術を応用したSM-6ミサイル二発は同時に標的を追尾破壊するのに成功した。
  • アクティブシーカー技術でSM-6は高速飛翔中の目標にむけ自ら調整し、飛翔軌道を合わせるので標的が途中で飛翔経路を変更しても対応できる。


  • 「アクティブシーカー」で攻撃性能が上がり、海上の移動目標にも対応できるのは発射艦が発信する信号に依存しなくていいからだ。
  • この技術で複数ミサイルへの対処が必要となれば艦長はSM-6数発を続けて発射するか接近するまで待って一発発射する選択が可能となる。
  • 開発元のレイセオンは「発射艦から信号を送りミサイルと交信し標的を探知できる」という。
  • 「アクティブ・シーカー」技術でミサイルは飛翔経路を自律制御できる。
  • SM-3との比較ではSM-6は低高度の弾道ミサイルつまり「最終」段階にも対応できる。当初は上空から接近する弾道ミサイルの撃破を想定したが、さらに「攻撃」ミッションで対水上艦攻撃や対艦ミサイル迎撃にも転用できるようになった。
  • 対空防衛にも使え、ヘリコプター、無人機、他接近してくる脅威に対応する。防御、攻撃両方に使えるわけで水上戦、対空戦、弾道ミサイル防衛に有効だ。
  • 脅威環境が急速に変化する中で防御攻撃両面で技術進歩がないと米国の優位性は保てないと海軍はみている。ロシア、中国共に移動式弾道ミサイル発射の拡充を進めており、弾道ミサイル防衛も対応して高度化が必要だ。
  • この進展は昨年のテストでSM-6が水上艦に命中沈没させたことに続くもので従来は弾道ミサイル迎撃手段のみと見られていた装備で戦略的効果が生まれた。
  • テストはSM-6の新ソフトウェア実証も兼ね、水上目標の捕捉撃破能力を試した。
  • 命中させたのはペリー級フリゲートでこの程度の艦なら簡単に撃破可能と証明した
  • SM-6を対水上艦攻撃手段に投入すれば海軍の対水上艦攻撃の選択肢が広がる。
  • そのカギはソフトウェアだ。
  • 開発元レイセオンは、ミサイルが目標を識別し発射艦に信号を送ると説明。信号からソフトウェアパスでミッション実行にむかわせると説明。
  • SM-6は2013年に実戦化された。250発ほどが納入されている。海軍は昨年270百万ドルでSM-6の2016年分の生産をレイセオンに発注している。
  • 海軍が進めるNIFC-CA海軍対空統合火器管制ではSM-6で接近する巡航ミサイルを水平線外で追尾撃破させる。NIFC-CAは昨年から稼働しており航空機センサーを利用する。E-2DホークアイとF-35で標的情報を中継する構想だ。

  • SM-6は巡洋艦・駆逐艦の垂直発射装置で運用する。ただしSM-3より大型のため同ミサイル用の発射装置はまだ搭載されていない。今後既存艦の改装が進み、沿海域戦闘艦、フリゲート、両用強襲艦や空母も運用できるはずだ。
  • SM-6を防御攻撃両用に使えば、海軍の求める「分散戦力」戦略に合致する。次世代通信技術と最新の長距離攻撃防御兵器を各艦に搭載する構想で、海軍は他の大国に対する優位性の確保をねらう。敵にリスクを意識させる一方で米艦船に敵攻撃の威力を減じるため戦力を「合算」させたり「分散」させるのだ。■
Kris Osborn can be reached at krisosborn.ko@gmail.com
To Ask Military Expert KRIS OSBORN Questions, VISIT THE WARRIOR FORUMS.

2017年11月11日土曜日

イスラエルのブルーフラッグ演習は7カ国参加で展開中


ドイツとイスラエルが過去は過去、と割り切り現実を直視しているのがすごいですね。東アジアの某国たちには到底理解不能でしょう。インドはC-130だけ参加させて既成事実をつくったのでしょうか。イスラエルとの連携にすぐ迎えない不都合さがあるのかもしれません。演習は隔年実施のようですが、どこかの段階で日本も参加できればいいですね。

 

Israel Just Proved Why No Nation Wants to Fight Its Air Force in a War

イスラエルとだけは交戦したくないと各国がなぜ思うのか証明中
November 10, 2017

イスラエルが同国最大規模の空軍演習を実施中。
  1. 11月2日にイスラエル空軍はブログで「ブルーフラッグ2017はイスラエル史上最大の国際空中戦闘演習で本日開始され、7カ国空軍部隊がウヴダAFBに到着した。合同演習は三度目で各国飛行隊がイスラエル飛行隊とともに飛行する」と述べている。ブログではさらに「演習は二週間にわたり展開し第一週では各国部隊は基地で寝食をともにし、お互いをよりよく知る機会となる。第二週は複雑なシナリオによる合同作戦を展開する」と伝えている。
  2. 二週間の演習でほぼ100機が飛ぶのは世界最大規模の空軍演習とメディアが報道している。
  3. エルサレムポスト記事ではブルーフラッグ演習は「現実の交戦状況をシミュレートし、参加部隊はアラヴァ砂漠上空で数百回のソーティーをこなし、制空攻撃、敵防空網の制圧破壊含む戦闘シナリオを実施する」と報道。
  4. 参加するのは米国、ポーランド、イタリア、ギリシャ、インド、フランス、ドイツの各国だ。このうち米国、ポーランド、イタリア、ギリシャは以前も参加しており、フランス、インド、ドイツが初参加だ。
  5. 中でもドイツの参加が注目だ。同国にはナチの歴史がある。イスラエルの左寄りHaaretz新聞がこの点をとらえ「ユーロファイター機にドイツ空軍の十字マークがついてイスラエルのダビデの星を付けたF-15とならぶ光景には違和感がある」と伝えている。イスラエル空軍高官は「過去は過去。現在はドイツと良好な家関係にありドイツの参加に意義がある」とエルサレムポストに述べている。ドイツ空軍代表も同紙にイスラエル上空を飛行する初のドイツパイロットになり「光栄の至り」と述べている。
  6. 演習に参加する機体ではイスラエルはF-15、F-16I各1飛行隊、F-16C/D二個飛行隊の他、戦術輸送機、ブラックホークヘリコプター、UAV、電子戦機を投入する。米国、ギリシャ、ポーランドはF-16、フランスはミラージュ2000D、ドイツはユーロファイター・タイフーンだ。イタリアはパナヴィア・トーネード、インドはC-130J「スーパーハーキュリーズ」だ。
  7. イスラエル空軍の訓練部門トップは演習に目標が二つあるという。「まず空軍全体の準備態勢度を上げることで内容の濃い訓練経験が役立ちます。二番目は世界に対してIAFの先進性、戦力を示しイスラエルの国際的地位を引き上げることです。その意味で参加隊員は大使の役割を果たします」
  8. 米部隊はイタリア駐留の第510戦闘機飛行隊でウヴダ空軍基地と周囲の地形は比類ない訓練環境だとパイロットや支援クルーの経験上重要だと述べる。「演習場の環境はイタリアでは実現不可能で、イスラエル側は現実的な標的や地上脅威を訓練用に用意してくれました」と飛行隊司令ベンジャミン・フリーボーン中佐が語る。「不慣れな飛行基地から不慣れな空域にしかも各国部隊と飛ぶのは訓練体験として貴重です」
  9. フリーボーン中佐は演習は補給支援隊員にもよい機会だとも述べる。「本拠地の支援体制がない場所から発進させるのは整備補給要員の実力を試す機会になります。当地では全員が迅速に動いていますよ」
  10. ブルーフラッグ演習は米空軍の有名なレッドフラッグにも似ており、2013年に初実施されている。第二回は2015年10月で規模を拡大し米国、ギリシャ、ポーランドが参加した。演習は34か国が視察している。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of the National Interest.
Image: Wikimedia Commons.

中国中央軍事委員会の戦闘指揮所の全体像が明らかになった


Take A Rare Peek Inside China's Expansive Joint Battle Command Center

中国の巨大戦闘指揮命令所の姿が見えるまれな映像を入手

The facility represents the changing capabilities and strategic focus of the Chinese military.

施設は中国軍事力の拡充ぶりと戦略目標の変化の象徴だ


YOUTUBE SCREENCAP
 BY TYLER ROGOWAYNOVEMBER 7, 2017
一国の指揮命令所には特別の関心を感じる。アメリカの潜在敵国のものであればなおさらだ。以前にモスクワの国防省内の巨大な指揮命令所を見たが、今回はビデオ映像から中国軍事委員会(CMC)の統合戦闘指揮所を見ることができた。
施設は2014年から2015年にかけ中国軍の統合運用作戦を進めるため、かつ中国最高指導部による指揮統制機能を強化するために建設されたようだ。指揮命令系統のトップは習近平が中国共産党総書記としてかつ中国軍事員会の長として君臨する。最近になり「最高司令官」の称号も加わったようだが、これは米国大統領の真似であるとともに権力基盤が強まり軍への統制機能が強まったこと、党内の権力闘争が弱まったことも反映しているのだろう。
指揮命令所の一部を見ることができたが、以前にも(2016年)に疲労感を漂わせた習近平(上画像)がここを訪問していた。直近の映像では11月3日に施設の全体像がよりくわしく映っている。(下画像)
命令所内にはワークステーションの列があり、平面ディスプレイ多数、これも多数の赤電話が見られる。また玉座のような習近平用のデスクもある。巨大な地図が中央にあるが、この地図で何ができるのか不明だ。普通に考えれば地域内の状況で部隊や艦船の位置を示し、ズームも可能なはずだがこの巨大な地図を妙な位置に据え付けたものだ。ロシアがほぼ同じ時期に完成させた指揮命令所に通じるものがある。
習近平が最近この施設を訪問し、軍の即応態勢と戦闘能力向上を訴えながらCMCのために戦闘に勝利してほしいと激励している。その模様はジブチに完成した中国初の海外基地にも中継されている。同基地は中国の軍事的野望を象徴して地域内大国からグローバル大国への移行を模索する姿そのものだ。
YOUTUBE SCREENGRAB
この命令所が紛争時に有効活用されるのかは不明だがそれは問題の核心ではないだろう。これまでの道のりの延長に立てば中国が軍事大国になるのは確実と思える。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com
習近平の指揮所訪問画像 中国語英語字幕付き

2017年11月10日金曜日

米戦略軍核戦争演習の結果から----指揮統制機能は生き残れるのか


核兵器体系の近代化に今後莫大な予算が必要との指摘があり戦略軍からの発信は今後増えるでしょう。トランプ大統領に不安を感じる動きもあり、今回紹介する記事でも意見の違う専門家のやり取りが見えてきます。意見が違っても耳を傾けるのが健全な言論社会のありようと思いますが、実際にはあまりにも短絡的な反応や圧殺に向かうのは異様ですね。このブログをご愛読の皆さんは健全であってほしいと思います。

STRATCOM Wargames Its Own Death; Who Watches The President?

STRATCOM演習で米本土壊滅、だれも大統領を制御できない

"Ivy King" nuclear test,, 1952. Courtesy Los Alamos National Laboratory.
By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on November 09, 2017 at 3:56 PM
WASHINGTON: 今週初め米戦略軍団STRATCOMは核戦争演習の最後で時計をにらみながら(シミュレーションの)ミサイルが米本土基地に着弾し「地面に煙を出す大穴が開く」のを待つしかなかった。
  1. 陸軍准将グレゴリー・ボーウェンBrig. Gen. Gregory BowenはSTRATCOMでグローバル作戦副司令官で10日間のグローバルサンダー2018演習でSTRATCOM司令官ジョン・ハイテン大将の就寝中に指揮代行した。
Army photo
Gregory Bowen takes the oath of office on being promoted to brigadier general.
  1. 「ミサイルの応酬の最後には司令部(ネブラスカ州オマハのオファット空軍基地)が地面の穴になり煙につつまれた」とブラウン准将はDefense One主催カンファレンスで発言している。「時間がゼロになると司令部スクリーン全部が消え照明が落とされみんな座り込み何が起こったのか咀嚼しようとした」
  2. グローバルサンダー演習の第一の目的はSTRATCOMの地球規模での指揮統制通信ネットワークのストレステストだった。「不完全な状況でも運用の必要があります」(ブラウン)報告や命令がすべて届かないことがコンピュータハッキングや通信妨害でありうるし、核兵器によりネットワークが物理的に機能しなくなり通信状況は全般的に悪化する。
  3. シミュレーションの交戦が進行するにつれ、「指揮統制機能は低下し最後はジェット機に頼らざるをえなくなった」とブラウンが言うのはボーイング747を改装し通信電子装置を詰め込んだE-4B別名国家空中作戦センターまたは冷戦時のコードネーム、ルッキンググラスである。極限状況でも「大統領命令を実行できる残存性高い手段が残る」とブラウンは言う。
Air Force photo
E-4B command and control aircraft
  1. だが大統領から誤った命令が出たらどうなるのか。DefenseOneのパネルディスカッションでブラウン准将と並んだジョセフ・シリンシオンJoseph Cirincione(Ploughshares Fund代表)はトランプ大統領の言動に不安を感じ核の指揮統制機能を注視しているという。一発のミサイル発射には将校二名がキーを同時に回す必要があるが、大統領は一人でミサイル全部の発射命令を出せる。ボブ・コーカー上院議員Senator Bob Corkerはトランプに反対する立場から来週の公聴会で大統領の核兵器運用権限を論じるが40年ぶりのこととなる。
  2. 「大統領が命令すればだれも逆らえない。全員が反乱を起こさないかぎり止められない。大統領本人だと検証されればミサイル発射は4分か5分後にだ」「ここまでの権限を一人に与えていいのか」(シリンシオン)
  3. ブラウン准将は現行制度を擁護する。「理由あってこの形になっています。ミサイルが飛来する極限状況で迅速対応する目的で作られています」「実際は極めて厳格な手順になっています」 大統領は国防長官、国務長官、統合参謀本部議長他主要補佐官と連絡する必要があるとブラウンは説明。軍は大統領に選択肢を提示し、静観から通常兵器のみによる反撃さらに核による反抗まで幅がある。
  4. 紙の上ではきれいに聞こえるとシリンシオンは指摘し、大統領に上記の各人と協議することは求められておらず、せいぜい意見を聞くだけだとする。大統領が核先制攻撃の命令を突然出したら、部下は尻込みして法的な根拠を探すだろうとシリンシオンも認める。だが危機のさなかでは敬礼して発射してしまうだろうというのだ。
  5. 危機状況ではエスカレートの可能性が強いとブラウン准将も認める。STRATCOM演習でも通常戦が核保有国同士で発生すれば、ロシアがその例で、核兵器投入は即時あるいはその後になりそうだと判明している。グローバルサンダーのシナリオがまさしくこの例だった。ブラウンは「通常戦で始まったが、状況が悪化して核兵器の応酬になった」と述べた。
  6. ではエスカレーションを食い止められないのか。「あくまでも不確実」とブラウンは発言。「一方が負け始めていると感じれば核兵器投入の誘惑にかられる」
  7. とくに不確実になるのは一方が「事態鎮静化のためにエスカレートさせる」考えを採用している場合だ。ロシア関係者からは通常戦で不利な状況になれば限定的核攻撃で敵軍を後退させる可能性があるとの発言が出ている。ブラウンも「ロシアは勝利をつかむためにエスカレートさせるのであって鎮静化が目的ではない」と述べた。
  8. シリンシオンは一部米専門家にもロシア同様に限定先制攻撃を是認する動きがあり、限定効果でエスカレーションを制御できるというのは錯覚に過ぎないと指摘。この考え方だと「使用可能な」核兵器がもっと必要との主張につながる。物議を醸す空中発射巡航ミサイル(ALCM)の後継モデルがその例だという。
  9. ブラウンはこの考え方に賛同しない。ALCMはB-52やオハイオ級潜水艦、核兵器運用の指揮統制ネットワーク同様に近代化が待ったなしの装備の一例にすぎないという。
  10. 「決定の先送りで、システムが老朽化しています」とブラウンは指摘。「装備すべてが旧式になっており、更新が必要です。たしかに高額の予算が必要ですが、これは国が生き残るための保険なのです」■

ロシア、中国の長距離空対空ミサイルに狙われる米空軍支援機材


 長距離空対空ミサイルが進歩していますが、センサーやレーダー技術がマッチしているのでしょうか。敵に命中するまで照射し続けるのであればいい標的になりますね。したがって単純に装備が優れていても実戦での効果は別の話だと思うのですが。ともあれ、AAMの長距離化がすすみそうですね。J-20は長槍の名称があるようですが、記事の指摘する作戦構想とともに日本国内の基地攻撃にも投入されるのではないでしょうか。
 


Russia and China Could Crush the U.S. Air Force in a War Using This Trick

ロシア、中国は米空軍をこうして撃破する
November 8, 2017

新世代のロシアや中国製の長距離空対空ミサイルは米航空作戦の実施で不可欠な機材への脅威になる。対象はAWACSや各種情報集偵察監視(ISR)機材、給油機、電子戦機材だ。
  • 接近拒否領域拒否(A2/AD)を取るロシアや中国を見るときには対艦ミサイルや地対空ミサイルに関心が集まりがちだが超距離迎撃手段が正しい戦闘機に搭載されるとアジア太平洋、欧州の両方で米空軍力の航空作戦継続が困難となりかねない。ロシアのMiG-31、Su-57や中国の成都J-20が空対空ミサイルで米AWACS、JSTARSや給油機に使われるKC-135や今後登場するKC-46ペガサスを狙う。太平洋は広大だが航空基地はまばらなので給油機がアキレス腱になり、ここを北京は狙ってくる。注意が必要なミサイル開発が三件あり、ロシアのヴィンペルR-37M RVV-BD、ノヴァタKS-172 (別名 K-100)と中国のPL-15だ。
  • このうちR-37M RVV-BD は新型長距離空対空ミサイルですでに初期作戦能力(IOC)段階にありMiG-31BMフォックスハウンドに搭載されている。最終的にスホイSu-35SフランカーEやSu-57 PAK-FAステルス戦闘機に搭載されるはずだ。RVV-8DはNATOがAA-13と呼び160カイリ以上から標的に命中させたといわれる。
  • 「改良型R-37M(RVV-BD,イズデリ610M)ミサイルは2014年から量産中で、いまやIOC段階にありMiG-31BM迎撃機飛行隊に配備されている」とミハイル・バラバノフMikhail Barabanov,(Moscow Defense Brief主筆)が述べる。「RVV-BDミサイルはSu-57にも搭載の予定がある」
  • R-37原型はソ連時代にNATOの重要機材のE-3セントリーAWACS、E-8JSTARS、RC-135V/Wリベットジョイント攻撃を想定した。高速戦闘機MiG-31などから発射しNATO機材を掃討する構想だった。MiG-31はマッハ2.35飛行が可能でステルスのSu-57はミサイル発射に理想的な機体で、速度と高度を武器にすれば迎撃を回避できる。
  • 「R-37はこちらのISR機材排除を目的に1990年代からテストされてきた専用ミサイルです」とマイク・コフマンMike Kofman(ロシア装備研究を専門とするCNAコーポレーション研究員)は解説する。「さらにノヴァタのプロジェクトには続きがあり、KS-172とかK-100と呼ばれるものがあります」
  • 1991年のソ連崩壊を受けR-37開発を続けたものの進まず1990年代が特に大変な時期でロシア国防産業は資金不足に悩まされた。ソ連時代のR-37原型は開発中止となりRVV-BDとして復活した。バラバノフはR-37原型の開発取りやめは1997年と述べる。
  • R-37Mは慣性航法と戦闘機からの飛翔経路修正を併用しアクティブレーダー誘導を最終段階で使う。戦闘状況ではMiG-31が高速ダッシュ飛行で標的に向かいR-37Mを一斉発射するだろう。フォックスハウンドは自機の大型ザスロン-Mフェイズドアレイレーダーを照射しデータをミサイル自身のレーダーがアクティブになるまで持続する。米製AIM-120DAMRAAMのホーム-オン-ジャム機能と同様の機能がついておりボーイングEA-18Gグラウラーのような電子攻撃機に対抗するかもしれない。
  • ソ連はNATOや米空軍の優位性はAWACSを使った調整型航空作戦の実施能力によるものと見ていた。ソ連はAWACS対抗策としてパッシブホーミング方式長距離空対空ミサイルを開発していた。「知る限りでは空対空ミサイルにパッシブレーダーでホーミングさせるのがソ連の1980年代で主流だったが今では効果がないと見られている」(バラバノフ)
  • RVV-BDは恐ろしい兵器だがモスクワはもっと高性能のミサイルをノヴァタKS-172別名K-100として開発している可能性がある。RVV-BDは最大射程が200カイリと見られるが、新型は250カイリだとみられる。「200カイリを超える射程はR-37Mでは無理だろう」とコフマンは見る。「ここまで長距離対応の装備を作れるのはノヴァタしかない。KS-172は200マイル超で打ちっぱなしミサイルの想定だったが似たようなものだろう」
  • ただしKS-172/K-100ミサイルがいつ開発を終了し生産に入るのか不明だ。K-100は結局実用化されないとの見方もある。「K-100ではインド資金がないと開発完了できないようです。ノヴァタ製の優秀なミサイルなのですが、実用化されるか不明です。長さがかなりあり第五世代機に搭載できないのでは」(コフマン)
  • バラバノフもK-100は開発中止の可能性があると述べる。「K-100ミサイルでは今も生きている事業か疑わしいと見ています。かなり前に中止しているのでは」
  • 世界の反対側では中国がラムジェット動力のPL-15の開発中で、射程は120マイルといわれる。PL-15は米空軍でも警戒しており航空戦闘軍団司令官ハーバート・「ホーク」・カーライル大将が米国も採用後数十年が経過しているAIM-120AMRAAMの後継ミサイル開発に進むべきと提唱していた。
  • 「どうしたら対抗できるか」とカーライル大将は戦略国際研究センター主催の会場で問題提起していた。その後、Flightglobal,の取材でカーライルは新型中国ミサイルへの対抗は「きわめて上位の優先事項」だと米空軍内部の取り組み方を紹介していた。「PL-15の射程距離以上のミサイルがこちらに必要だ」
  • PL-15がAMRAAMより射程が長いことだけが問題ではない。J-20戦闘機に搭載すれば中国は給油機、ISR機材を掃討し太平洋の戦闘で不可欠な機材が使えなくなる。2008年のRAND研究所のまとめではF-22をグアムから発進させ台湾上空に投入する米空軍は毎時給油機を3ないし4ソーティー発進させ260万ガロンの空中給油が必要と指摘している。この事実に北京が気付かないはずがない。
  • J-20ではっきりしたデータがないが高速長距離ステルス機で相当の機内搭載量があるようだ。レーダー断面積が減って超音速飛行をし、内部にPL-15ミサイルを搭載すればJ-20は米空軍空中給油機やISR機に脅威となる。同じく2008年RAND研究では中国のSu-27フランカー派生型が米給油機、ISR、海上哨戒機さらに指揮統制機を長距離空対空ミサイルで全滅させるシミュレーション結果だった。
  • 米空軍の対応策は基地分散と補給体制強化で遠隔地の不完全な基地に補給を絶やさず中国A2/ADに対抗するというものだ。ただし空軍は給油機、ISR機、指揮統制機を敵攻撃から防御する手段は開発に着手していないようだ。この課題への解決策はこうした機材を安全圏内に退避させることだけだ。だがそうすれば戦術機の行動半径も短くなり、中国内部への攻撃ができなくなる。
  • そうなると、ロシアや中国の長距離空対空ミサイルを第五世代戦闘機に搭載させる構想はペンタゴンに頭の痛い問題になりそうだ。今後数年間にわたり注視すべき問題だ。■
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
This first appeared earlier in the year.
Image: Reuters.

★理解できない韓国のSSN取得希望



なぜ原子力潜水艦を韓国が希望するのか理解に苦しみます。北朝鮮相手なら戦術面、費用面で通常型で十分なはずで、もし真剣にSSNを整備するのなら全く別の動機があるからでしょう。まさかSSN保有が大国の条件だとは考えていないと思いますが。


Will South Korea Build Nuclear Attack Subs?

韓国は原子力潜水艦を建造するつもりなのか

The leaders have reportedly discussed the acquisition of nuclear-powered submarines during their recent summit.
米韓首脳会談で原子力潜水艦の取得をとりあげたといわれるが...

November 08, 2017
ドナルド・トランプ大統領と文在寅大統領は韓国むけ原子力攻撃潜水艦(SSN)の開発あるいは調達を首脳会談でとりあげたと韓国(ROK)政府関係者が明らかにした。
  • 文大統領が原子力潜水艦取得あるいは開発の関心ぶりををトップ会議で表明したことからROK政府がSSN取得をめざしていることがあきらかになった。
  • 文政権がSSN調達に熱意を示すのは北朝鮮の潜水艦部隊に通常動力型弾道ミサイル潜水艦複数が加わったことも理由のひとつといわれる。北朝鮮艦はKN-11北極星-1号潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する。原子力潜水艦は通常型とちがい、海中に長期間待機でき北朝鮮ミサイル原潜追尾を効果的に行える。
  • とはいえSSN部隊を小規模と言えROK海軍が運用して意味があるのだろうか。
  • 米国が保有するヴァージニア級や退役近づくロサンジェルス級を韓国へ売却・リースするるとは非常に考えにくい。理由として核拡散の恐れ以外に潜水艦技術の機密を同盟国と言えども共有したくないことがあるし、米国建造の各艦はROK海軍での運用はあまりにも高価になる。
  • 「米国が原子力潜水艦を外国販売した実績はない」とROK政府関係者も認める。そのため「(原潜を)取得する選択をしたら国産建造しかない」という。ROK海軍はSSNを三隻調達し常時一隻をパトロールさせたいとする。三隻調達の総費用は支援設備調達も含め90億ドルで、運航経費は別都の試算が出ている。
  • 韓国現地報道では2003年に極秘研究が軍で「362構想」として始まり国産原子力潜水艦建造をめざしていた。だが事業が2004年に中止されたのは構想が世に漏れて国際原子力エネルギー機関(IAEA)の注意を引いたためだ。ただそれ以前に韓国原子力エネルギー庁がSSN用小型原子炉の設計を完成させている。
  • 政治技術両面で数々の障害がありひとつひとつ克服しないと文政権の夢である原子力推進潜水艦部隊の実現は無理だ。なかでも核燃料の取得が一番の障害だ。米韓原子力合意の枠組みで韓国は軍事目的のウラニウム濃縮並びに使用済み核燃料の再処理は禁じられている。ただし民生用にはウラニウム濃縮は将来認められる。SSNでは低濃度ウラニウムがあれば十分だが、米国が核拡散の恐れからROK海軍が米国が制約を課すのは必至だ。
  • 「米韓両国は内容を手直しして韓国に原子力潜水艦用核燃料の確保をさせるか決めていない」とROK国防省関係者はは2016年にThe Korea Timesに語っていた。韓国は核不拡散条約に1975年批准しており以後枠内にとどまっている。
  • 韓国が原子力潜水艦開発に踏み切れば最低でも5年かかるはずでしかもこれは外部支援が前提だ。国産SSNを海外援助なしで開発するのは非現実的だ。考えられる海外提携先はインド、フランス、米国だろう。
  • だがSSNを使いこなせるかとなると議論が分かれる。
  • ROK海軍は基本的に沿海部戦闘が主任務で2019年までにディーゼル電気推進潜水艦18隻を就航させ各艦に高性能ソナーと大気非依存型推進を搭載する。各艦は二週間程度潜航したままでいられる。通常型潜水艦を追加すれば北朝鮮潜水艦基地の哨戒活動が充実する。
  • さらにディーゼル電気推進方式潜水艦は静粛性に優れ探知も原子力潜水艦より困難だ。建造価格も低いので隻数を増やせる。ROK海軍は潜水艦以外にも対潜航空機を充実させれば北朝鮮潜水艦の追尾は可能なはずだ。■

2017年11月9日木曜日

ドイツ空軍がF-35採用に向かう可能性濃厚へ


トーネード後継機ですから戦闘攻撃能力を重視するとしてもライトニングの機内搭載だけでは攻撃力が減りますが、やはりステルス性能を重視しているのでしょうか。F-35受注数が増えて単価が本当に下がれば各国にも朗報なのですが。生産はイタリアで行うのでしょうか。まだ正式採用ではないですが採用は決まった感じですね。ドイツ空軍のトーネードは90機ほどですからそのままなら大量発注にならないのですが。


Germany declares preference for F-35 to replace Tornado

ドイツがトーネード後継機にF-35を有力候補にあげている

トーネード後継機導入までリードタイムが短いためドイツ空軍はロッキード・マーティンF-35を有力候補にあげている。 Source: Lockheed Martin

 Gareth Jennings - IHS Jane's Defence Weekly
08 November 2017
  • ドイツ空軍は現行パナヴィア・トーネードの更新が2025年から20230年に近づく中でロッキード・マーティンF-35ライトニングII共用打撃戦闘機が「望ましい選択肢」と見ていると上層部が11月8日明らかにした。
  • チャタムハウスルールで発言した幹部はF-35はルフトヴァッフェの要求内容をほとんど満足しておりそれ以外の効果ももたらすと述べた。
  • 「トーネード後継機は第五世代機で探知されにくくする必要がある。遠距離で目標捕捉しながら迅速に照準を合わす能力も必要だ。
  • 「ドイツ国防省は数機種検討中だがF-35もそのひとつで現時点で購入可能な機体が条件で採用国が他にあること、実際に供用中であることも条件にしながら要求性能を実現するかを最重要視している」
  • ドイツはエアバスディフェンスアンドスペース(DS)とトーネード後継機を次世代戦闘航空機システム(FCAS)として検討してきたが、トーネード退役時期の2030年は動かせず、ルフトヴァッフェは既存機種採用に切り替えた。
  • 同上関係者は「時間の成約から後継機種は2025年ごろから導入しないとトーネード退役完了の2030年に間にあわない。移行期間は5年と想定している。これはあと7年先で、それまでに新型機の開発・導入が業界で可能とは思えない。ユーロファイター事例では一号機の実戦配備まで25年かかっている」と説明した。■