米空軍も大変ですね。技術が進歩する中で機材は老朽化し、地上戦など従来の延長では考えにくい要求に答えねばなりません。お金を出す議会は支出にキャップをはめたままですが、戦力維持のための研究開発、調達など事業は待ったなしですから。技術経営、組織運営、議会対策といろいろ課題が多いようです。
Here's the latest updates on where JSTARS, T-X and OAX stand
E-8C Joint Surveillance Target Attack Radar System (JSTARS)の行方がはっきりしないがミッションが不要になるわけではないと空軍首脳部は述べている。 (USAF/Tech.Sgt. Carlos J. Trevino)
WASHINGTON – 米空軍の次期JSTARSと軽攻撃機はまだ方向性が見えないが次期練習機では契約交付は来年早々で生産開始も同年内になる。
空軍長官ヘザー・ウィルソンHeather Wilsonは参謀総長ディヴ・ゴールドフェイン大将と三事業の現況を11月9日記者に説明した。
【JSTARS-方向性が見えない】
- JSTARS新機種を選定し大型レーダーを搭載する従来通りの事業を想定し国防大手企業数社が各社案を売り込んでおり、基礎作業は完成している。
- 今秋が大きな山場となり、ウィルソン長官は「迅速評価」で既存機種でJSTARSが実現可能かを判断する。
- だが長官と参謀総長は従来のJSTARS機能から大幅にネットワーク機能を強化した構想に関心があるようだ。
- ウィルソン長官はJSTARS原案は本人が国家安全保障会議スタッフだった1991年のもので、「それ以降技術は大きく変わっている」と強調。「現行JSTARS機能では第一線指揮官の要求の5%しか満足させられない」と述べ新JSTARSが配備されても「1%がやっと」だろうと認めた。
- だがJSTARSを放棄するのは至難の業だろう。議会がJSTARSに400百万ドルを国防支出法案に盛り込みずみのためだ。
- デイヴィッド・パーデュー上院議員Sen. David Perdue(共-ジョージア)は空軍がJSTARS更新事業に及び腰になっていることは地上部隊が危険になるのを放置するものだと非難。「空軍が態度を変化させているがこれまでの空軍の説明と矛盾する」「空軍が考え直したのなら実情にどう対応するつもりなのか厳しく問い詰める」
- ゴールドフェイン大将は単一の高性能機材を運用すれば旧型機を運用する各方面との連絡通信が困難になると主張しているが、空軍が地上部隊には必須の機能の継続に及び腰になっているとの観測は強く否定。
【OA-X-実証結果を待つ】
- 軽攻撃機を巡り三社が実際の機体を空軍パイロットに操縦させ各機の能力を過酷な砂漠の環境で実証した。
- 軽攻撃機構想はOA-Xと呼ばれ、ウィルソン長官は今夏に実施された四型式の機種の実証結果を待っているところだ。年末までに結果が出る。
- JSTARS同様にOA-Xも400百万ドルが確保されており、議会有力議員は事業の推進を強く望んでいる。
【T-X選定決定は2018年上半期か】
- 次期練習機T-Xはもう少し具体的だ。
- T-Xは5年間で20億ドルと現時点で軍最大規模の提案競争で主契約を巡りロッキード・マーティン、ボーイング、レオナルドDRSの三社に絞り込まれた。
- 議会が新規事業を制約する条項を外した予算案を通過させても契約交付は来春以降になりそうだ。
- 空軍次官マット・ドノヴァンMatt DonovanはDefense Newsの10月の取材でT-X契約交付は来春、おそらく三月末と語っていた。
- ウィルソン長官も契約交付は来年とだけ述べているがT-X生産開始は2018会計年度末までに開始することに変わりないとする。■
About Aaron Mehta
Aaron Mehta is the Senior Pentagon Correspondent and Associate Editor for Defense News, covering policy, strategy and acquisition at the highest levels of the Department of Defense and its international partners.
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