すっかり忘れられた感があるアフガニスタンですが、ここにきて空爆作戦が強化されているようです。その中でF-22が実戦に投入されたとのニュースあり、その背景を見てみましょう。
The F-22 Mission in Afghanistan: Overkill or Realistic Training? F-22のアフガニスタン投入は過剰装備なのか現実的な訓練だったのか
F-22が初めて実戦投入されたのはシリアで3年前のことだった。
- 第五世代戦闘機はステルス性能で地対空ミサイルの攻撃から逃れる想定だ。だがシリアには米軍機攻撃の意図はなかった。そのため航空優勢を確保する目的で生まれた同機は高高度偵察機あるいは統制機として投入されていた。
- ラプターはアフガニスタンで先週日曜日に戦闘デビューし、麻薬工場と思われる施設を小口径爆弾で攻撃したと空軍が発表している。
- 外部には過剰兵力で装備の無駄使いとの批判もあるが空軍関係者は付随被害を最小限にする目的のため妥当な投入であり、現実的な状況で同兵器の使用効果を見る演習の意味もあったと弁護している。
- 「今回あえてF-22を選択したのは同機に小口径爆弾搭載の能力があり付随被害はあくまでも最小限にする必要があったためで、SDBが同機で使える状態になっていたためだ」と空軍中央軍報道官ダミアン・ピカート中佐がMilitary.comのメール照会に返答してきた。
- ラプター投入は当初は奇異に聞こえた。タリバン戦闘員に同機の対応が必要な高度装備は持ないためだ。
- F-22にはB-52ストラトフォートレスとアフガン空軍のA-29スーパーツカーノが随行しタリバン収入源を壊滅させる作戦になったとジョン・ニコルソン米陸軍大将Gen. John Nicholson(NATO軍の普及の支援作戦司令官兼米在アフガニスタン軍司令官)が説明している。
- ラプターについて大将は「精密攻撃弾運用能力があるため」投入されたと説明。
- だが搭載兵装だけの問題ではない。パイロットにも良い訓練になったはずとワシントンDCである国防アナリストが語った。「こちらがアフガニスタンでF-22を使うのはロシアが最新鋭装備をシリアに投入するのと同じ理由です。つまり現実に即した訓練です」と説明してくれた。「双方ともまだ実戦投入していない装備があります。実戦投入すればテスト環境と違う形で実際の作動状況が分かりますし、次の実戦投入に役立ちます」
- 米軍が戦闘状況に装備を投入する場合は「一番安上がりな装備を選ぶのではなく、次回必要となる装備を投入するはずです」とアナリストは述べた。
- 「ただし(米中央軍の)言う通りなら、そうした機材は出払っていたのでしょう。指揮官にとって使える機材があるのに過剰性能だからと言って投入しないのはおかしい」
- KC-135ストラトタンカーがカタールのアルウデイド航空基地から、KC-10エクステンダーがアラブ首長国連邦のアルダフラ航空基地から飛びラプターを支援した。アフガニスタンで給油機はF-16も支援した。
- 「KC-135はカンダハールからも飛ばしF-16が近接航空支援と攻撃任務をアフガニスタンで展開するのを助けた」(ピカート)
- さらに11月20日から21日の夜に空軍は「バグラム基地配備のF-16で麻薬施設を攻撃し、これをカンダハールのKC-135が支援した」
- F-22編隊はアルダフラを離陸したが指揮官がアフガニスタン国内の作戦にラプターを再び投入するか注目される。なお、各機はフロリダ州のティンダル空軍基地の所属だ
- 一方でF-16やMQ-9リーパーがアフガニスタンで投入される回数が増えている。空軍は8月から9月にかけ計900発を投下したが、昨年同時期は270発だったと空軍実績で判る。
- 「今年は2012年以来最多の投下をしている」とニコルソン大将は述べている。「その理由としてアフガニスタン政府軍が攻勢に出ていることがあり、こちらも機材を投入することが多くなっているためだ」「今年の攻勢では空軍力による支援を活発に行っている」とも述べた。■
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