戦略軍に強力なEMP対策をしてあっても前線部隊は事情が違います。たしかにEMP脅威は誇張され気味ですが、一時的でもネットワーク機能が失われれば混乱は必至です。皆さんもネット接続が10分でも切れればパニックになるのでは。となると重要装備から対策すべきなのですが、敵がもっと大きなパルスを発する爆弾を投入すればいたちごっこですね。e爆弾の話題がずっと前にありましたがごく狭い範囲でEMPを発生させる手段の整備がどこまで進んでいるかでしょうね。
How North Korea Could Win a War Against America: EMP Weapons?
北朝鮮はEMP攻撃で米軍に勝てるか
November 26, 2017
- 朝鮮半島で開戦となれば、通常兵器のみを使う場合でも結果は壊滅的となる。核兵器が投入されればもっと悪い結果になり、エスカレートすれば最終戦争になるかもしれない。
- 核兵器が大都市に投下された場合の想定は明らかだが、戦術核兵器を見落としている。北朝鮮が米軍の侵攻を戦術核兵器で止めれば、米軍同盟国軍には電磁パルス(EMP)による被害の方が大きくなる可能性がある。EMPは強化対策がない電子装備に甚大な損害を与える。ネットワーク機能や高度センサー類に依存する米軍は脆弱だ。ほとんどが冷戦終結後の装備だ。
- 国防アナリストや軍関係者にこの問題の深刻度を口にしたがらない傾向があるのは機密情報のせいもあるがEMP効果の防護ずみ装備が少ないことを知っているからだろう。
- 「一部は大丈夫だがそうではないものもある。装備により事情が違う」とデイヴィッド・デプチュラ David Deptula 空軍中将(退役)(現ミッチェル研究所長)がThe National Interestに語っている。
- 「この課題は大変だが...EMP対策は非常に高価で、この25年間でコスト削減が最優先の中で対策は重視されていない」
- 戦略予算評価センター主任研究員のブライアン・クラーク Bryan Clark はもっと端的だ。
- 「装備の多数にEMP強化策はありません。旧式アナログ装備や冷戦期の装備にはあります」「高高度核爆発で低空でEMP効果が起こるかは不確かで、北朝鮮が自軍に被害を起こさずにEMP攻撃を実施するかも不明です」
- 同センターのマーク・ガンジンガ―Mark Gunzingerは元B-52パイロットでペンタゴンはEMP攻撃を想定し対策予算を確保すべきだと主張する。
- 「過去10年間でDoDは敵の『ハイブリッド』脅威を警戒するようになった。WMD(大量破壊兵器)もここに入る」「このためDoDはWMD環境でも作戦実施できる能力整備に努めている」
- 北朝鮮問題に限ればガンジンガーはEMPで北朝鮮軍も影響を免れないが米軍装備の方が一層脆弱だという。
- 「可能性が高いかと聞かれれば、そうと言わざるを得ない。軍の装備やネットワークは機能しなくなります。同盟国の側も同様です」
- ただし、北朝鮮が大都市など人口稠密部分に核兵器を使用しなくてもEMP効果で連合軍を狙えば、米国は核反撃に向かわざるを得なくなる。
- 「もし北米の給配電網に超強力EMP攻撃をだれかが使えばどうなるか。大統領が肩をすくめて『打つ手がない』とこぼす状況はあり得ないでしょう」とジョシュア・H・ポラックThe Nonproliferation Review編集長が語っている。
- 「ただし、この話は誇張気味だと思いますよ1.4メガトン爆発でホノルルの街路灯で数個が消えただけでしたし、EMP委員会の暗い予測が本当でも抑止力の投入までいくかどうか。核兵器攻撃を受けて甚大な損害を受ければやはり甚大な損害を狙う反撃が妥当でしょう」
- どちらにせよ米国が政権転覆を目指し介入してくれば北朝鮮が躊躇などしなくなるのは確実に思える。
- 「仮説にすぎないEMPに核兵器をわざわざ投入するとは思えない。狙うなら都市破壊だろう」とジョセフ・シリンシオンJoseph Cirincioneが以下語っている。
- 「EMPは突拍子もない構想です。いったん敵が核兵器を投入すれば、一線を越えたことになり核の応酬を招くことは必至です。米軍司令官が『空中炸裂に過ぎないからこちらも同様に対応しよう』と言うはずがありません。圧倒的な威力で核反撃をしてきます。こちらの側の核兵器と指揮統制機能は核戦争でも作動するようになっており、EMP炸裂ごときで機能不能になるはずがありません」■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Reuters.
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