2018年8月17日金曜日

C-5Mスーパーギャラクシーは2040年代まで供用される

After 17 years of upgrades, the Air Force's biggest plane is ready to stay in the air for decades 17年に及ぶ改修を受けた空軍最大の機材は今後数十年供用される


C-5M Super Galaxy airlifter tankerパリ航空ショーで C-5Mスーパーギャラクシーの機内見学に列を作る来場者。 June 25, 2011. (AP Photo/Francois Mori)
  • ロッキード・マーティンが米空軍最大の機材C-5Mスーパーギャラクシー52機の改修作業を完了した
  • 改修の目玉は強力な新型エンジン
  • 改修は2001年に始まり同機は2040年代まで供用される

ッキード・マーティンによればC-5Mスーパーギャラクシー改修作業の最終52号機が空軍に引き渡され、ほぼ20年近くの空軍最大機の近代化改修が完了した。
同社が空軍向けの信頼性・改修プログラムReliability and Re-engineering Program (RERP) を開始したのは2001年のことで改修でC-5Mスーパーギャラクシー一号機は2009年2月9日に納入された。
以後17年に渡りC-5B49機、C-5C2機、C-5A1機が改修を受けたとロッキードは発表。改修で各機の供用期間は2040年代まで伸びると同社は述べている。
C-5 C-5M Super Galaxy Air Force landingドーヴァー空軍基地に着陸するC-5Mスーパーギャラクシー。 April 4, 2016. (US Air Force photo/Roland Balik)
70点に及ぶ作業で信頼性、効率性、整備性、稼働率をあげることをめざし、機体、機内環境装置、油圧空気圧系統、降着装置、飛行制御装置が変更された。
なかでもエンジンが強力になり、ジェネラル・エレクトリックTF-39を同社のF-138に換装した。新型エンジンは騒音が下がり、C-5Mは貨物搭載量が増えながら離陸距離は短くなった。
ロッキードは広報資料で「C-5Mスーパーギャラクシーは真の意味でグローバル戦略空輸機になった」と述べている。RERP改修で「推力が22%増え、離陸距離が短縮化され、上昇率は58%伸びた」とあり、改修でC-5Mの燃料効率が上がり、空中給油機の支援の出番が減ったとある。
C-5M Super Galaxy October 6, 2014. (US Air Force photo/Staff Sgt. Jeremy Bowcock)
C-5は全高65フィート、全長247フィート、翼幅223フィートで120千ポンド貨物を5,500マイル先に運べる。これはデラウェア州ドーヴァー空軍基地からトルコのインチリク基地への距離に等しい。しかも空中給油なしで。無貨物状態なら8,000マイル超を飛べる。
同機は標準パレット36枚までと兵員81名を、あるいは各種装備(戦車、ヘリコプター、潜航艇、装置、食料、救難品)を運べる。
米空軍にC-5A一号機が納入されたのは1970年で、1989年までにC-5A76機に50機のC-5Bが加わった。C-5Cは二機ありスペースシャトルの大型貨物コンテナー運搬用に1989年に納入された。
C-5近代化改修は1998年に企画されRERPが2001年に始まり、52機を2018年までに納入する目論見だった。残るC-5各機は2017年9月までに退役の予定だった。
だがC-5の前に行政手続きと運用両面で問題が立ちふさがっている。
予算強制削減のため、C-5の一部が予備機材扱いになっており、空軍の機材であるものの乗員も運用予算もない状態になった。2017年早々に空軍としては予備機扱いのうち少なくとも8機を第一線利用機材に変更したいとの発言も出ていた。
「機材を取り戻したい。現実の世界で問題が発生しており運搬能力が必要だし、保証がほしい」と航空機動軍団司令官(当時)カールトン・エヴァーハート大将が述べていた。
US Air Force C-5M Super GalaxyA C-5M Super Galaxy taxis down the flight line before takeoff at Dover Air Force Base, Delaware, August 17, 2015, US. Air Force/Roland Balik
その後、C-5で整備問題が発生し飛行が停止された。
2017年7月には航空機動軍団がドーヴァー基地配備のC-5の18機(12機現役、6機予備)を飛行停止にした。これは機首降着装置で60日で二回も作動不良が発生したためだった。その後措置は拡大され空軍の56機全機の飛行運用を停止し、保守整備状況を評価した。
問題はボールスクリューの組付けにあり、降着装置の伸展、引き込みがうまくできなかったのだ。ただし該当部品の製造は終わっており、空軍はディヴィス-モンタン空軍基地の「墓場」で保存中の機材から部品を回収した。
今年はじめに機首の降着装置で問題が再発し、空軍予備部隊所属のC-5Mがサンアントニオ-ラックランド共用基地への着陸時に完全に降着装置が伸展できなくなった。同機は機首から胴体着陸し滑走路の四分の三を横滑りした。事故原因は不明だったが機内の乗員11名は全員無事だった。

コメント:飛行機の墓場から部品改修ですか。ボールスクリューは3Dプリンターで製造できないのでしょうか。ボーイングはロッキードに超大型輸送機競合で破れ、その後に747が生まれたのでしたね。民間向けジャンボはもはや姿を見るのが難しくなっていますが、C-5は2040年代まで活躍するのですね。エンジン換装の効果は大きいようです。今後も供用するとしても補完するC-17も生産が終わっており、早晩次世代戦略輸送機の開発が必要になりそうです。

2018年8月16日木曜日

トルコへF-35は引き渡さない、トランプの決定と米トルコ関係の今後

Trump Blocks Fighter Jet Transfer Amid Deepening U.S.-Turkey Rift 米トルコ関係が荒れる中、トランプがジェット戦闘機引き渡しをストップへ

The decision is a blow to Ankara but could also complicate matters for Washington. 今回の決定はトルコに打撃だが、米国にも事態の複雑化につながる可能性も

BY LARA SELIGMAN | AUGUST 13, 2018, 6:08 PM


U.S. President Donald Trump speaks with Alan B. Norman, director and chief test pilot, and Marillyn A. Hewson, the chairman, president, and chief executive officer of Lockheed Martin, next to an F-35 at the White House on July 23. (Photo by Brendan Smialowski / AFP)
7月23日、ホワイトハウスへ持ち込まれたF-35の横でロッキード・マーティン会長兼社長兼CEOマリリン・ヒューソン、同社主任テストパイロット・アラン・B・ノーマンと話すドナルド・トランプ大統領(Photo by Brendan Smialowski / AFP)

ナルド・トランプ大統領が署名した国防政策法案ではトルコ向けのF-35計100機引き渡しを凍結する内容が含まれ、トルコでの米人宣教師拘束をめぐり悪化した両国の関係を反映したものになっている。


今回の決定はトルコ政府にさらに手痛い結果になる。トルコはトルコ産アルミ・鉄鋼製品に対する関税二倍増というトランプ決定で打撃を受けていた。トルコは今後10年かけて同型機導入を計画し、世界三位のF-35運用国になるはずだった。


ただし今回の措置で米国にも問題が複雑になる。同機の主要部品でトルコ企業も参画しており、国防総省推定ではトルコ企業を締め出し新たに信頼に足る部品メーカーを探すのに二年かかるとする。一方でF-35のエンジン補修作業のヨーロッパでのハブはトルコ北部のエスキシェヒルEskisehirだ。


トルコは米宣教師アンドリュー・ブランソンを約二年前から投獄している。軍事クーデターが失敗した後の大規模検挙の一環だった。トルコ政府はブランソン(トルコ在住20年間)はクーデター実行犯とつながりがあると主張。


トランプ政権は交渉で緊張緩和とブランソン解放を働きかけると見られる。だが交渉は先月物別れに終わったという。


トランプ自身は米トルコ関係醸成に配慮してきたが、裏切られたと感じ報復を目指しているとアナリスト陣は見る。


「トランプはトルコとの関係改善を目指して自身も相当力を注いでいた」とアトランティックカウンシルでトルコ情勢に詳しいアーロン・スタインは解説する。「だが今はトルコ側が合意を破ったと感じ、米国は最後通牒を出さんばかりの姿勢だ」


在ワシントン・トルコ大使館は今回の決定への言及を避けているが、トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンはニューヨーク・タイムズへ寄稿しトランプによるトルコへの懲罰的行動は最終的に米国で逆作用を生むと警告。


「世界に悪がはびこる今、トルコへの一方的措置を米国が取れば両国間の長年に渡る同盟関係は逆に米国の利権と安全に悪影響を与えかねない」「一方的措置の流れを食い止め相互尊重を取り戻すことため我が国は別の友邦国同盟国を模索せざるを得ない」


これまでのところトルコ側に悪影響が出ている。トランプによる貿易課徴金値上げはトルコ製アルミ・鉄鋼製品を狙い、トランプはツイッターでこの措置を発表し、結果としてトルコ製品は米国内市場で姿を消し、トルコ・リラは先週金曜日に新たな底値をつけた。「この段階で事態がこうなったのは望ましくないが、大統領に別の選択肢がない」とリンゼー・グラム上院議員はツイッター投稿している。
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だがジェイムズ・マティス国防長官含め米政府高官にはトルコをF-35事業から締め出す措置に警句を示している。
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トルコは地政学上も重要なパートナーでありNATOの屋台骨でもある。さらに南部のインジルリク航空基地がイスラム国作戦含む中東方面への主要拠点だ。また米B61核爆弾の集積地としてヨーロッパでの核抑止力の重要要素だ。トルコはシリア再建でも西側の重要なパートナーであり、ロシアやイランが内戦で分断された同国を狙う中で無視できない存在だ。


F-35のトルコ向け販売が特に物議の的であるのは同国が高性能ロシア製S-400対空ミサイルの導入も目指しているためだ。関係者によればS-400をF-35やNATO防空網に組み入れると厳重に守ってきた米はじめ同盟側の軍事機密が漏れる可能性があるという。


「残念ながら今は両国指導者のエゴが前面に出ており、それだけ状況の修復が難しくなっています」とレキシントン研究所アナリストのローレン・トンプソンが説明する。同研究書はシンクタンクとしてロッキード・マーティンはじめ国防産業企業から資金提供を受けている。
トランプの署名で成立した法案には7,170億ドルで国防政策を実現する内容が盛り込まれトルコには抽象的だが、今後の議会審議で具体的内容が追加される可能性がある。


法案でトルコ向けF-35売却の凍結はペンタゴンが影響評価報告書を提出するまでとあり、とくにインジルリク航空基地での米軍作戦を意識しつつ米トルコ関係を全般的に俯瞰している。議会にはペンタゴンに対してトルコのS-400装備購入を再考させるよう求める動きもある。


国防歳出法原案の追加条項では戦闘機売却関連の予算措置を禁じており、原案は今後数週間以内に上程されるとみられる。


コメント:トルコがどこに向かうのか予断を許さない状況ですが、米国としてもみすみすロシアやイランに有利な状況を作りたくないはず。今回のF-35引き渡し拒否も永続的な措置ではなく、あくまでも条件つきですが、もともとトルコは最初からF-35共同開発国であり、ここにきて同国が排除されれば事業全体の進捗が狂いますから、水面下で両国は関係修復を図り、シンボルとしてF-35はトルコに引き渡されると見ています。ただしS-400は厄介な存在ですね。トルコが本当に同ミサイルを導入してもネットワーク接続を許されないのであれば意味がありませんし、サンプルを米国が入手して技術調査をするのでは。あくまでも推測ですが。

軍用機への転用は? ボーイングが極超音速旅客機構想を発表。

Hypersonic airliner "may not be as hard as people think": Boeing CTO 

超音速旅客機は「みなさんが考えるほど困難ではない」とボーイングCTOが語る


Boeing

10 AUGUST, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
WASHINGTON DC

超音速旅客輸送はサイエンスフィクションとされることが多く、実現可能と見る向きは少ない。だがボーイングはその実現に向け動いており、しかも真剣だ。
「実際には考えられているほど実現は困難ではないかも」とボーイング最高技術責任者グレッグ・ヒスロップGreg Hyslopは、すかさず「難しいのは事実」といい添えた。
同社は極超音速旅客機構想を6月26日発表し、7月のファーンボロ航空ショーでも再度お披露目している。
超音速飛行の選択肢さえ2003年以来消えた業界で極超音速飛行を20-30年以内に実現させる提案は野心的と愚行の中間といえよう。
だがボーイングはスピード、素材、推進機関の組み合わせを見つけ、マッハ5で飛行可能な航空機は技術的に実現可能であり、商業的に利益を上げる事態が2040年頃に生まれると主張する。
さらに超音速飛行につきものの問題の解決方法も見つかったと同社は言う。M5.0程度で巡航する機体は高度90から95千フィートを飛ぶ。乗客は宇宙服を着用せず完全密閉された予圧客室に座る。そこで何らかの予圧が破られる事態が発生すれば大変なことになる。
「その事態は承知しており、対応を考えてみました」とボーイング上席技術研究員で極超音速技術の主任研究をつとめるケヴィン・ボウカットKevin Bowcuttが述べる。「全く新しい方法で客室内予圧を維持します」ボウカットはこれ以上詳しく説明してくれなかったが、減圧問題に技術的解決策があるとのことだ。
ボーイング構想の最高速度はマッハ5で極超音速の定義にあうが、それが理由ではない。ボーイングの解析では現在入手可能な機体構造、推進手段、燃料技術の限界はM5.0だという。
「現在使える技術や設計ツールで実現可能です。新規投資は不要です」(ボウカット)
一例がエンジンだ。M6.0機では超音速燃焼用のラムジェット(別名「スクラムジェット」のエンジンが必要だが、長年の研究開発にもかかわらず技術は成熟化していない。M5.0機ならその他の推進方法が使えるとボウカットは言う。
空気取り入れ式エンジンを搭載した歴代の有人機で最速機体はロッキード・マーティンSR-71Aでマッハ3.2をプラットアンドホイットニーJ58に基で実現した。同エンジンはターボラムジェットと呼ぶ特殊構造でM2まではターボジェットとして、その後は圧縮機からの空気をダクト誘導アフターバーナーへ送った。ラムジェットと構造が似た構造だ。
ボーイングの極超音速旅客機もターボラムジェット方式でJ58に手を入れたものを使うとボウカットは述べる。M2超で燃焼器の周囲に空気の一部を誘導するが、ボーイングでは高速度でエンジンコア周辺の空気の流れ全部をバイパスするのだろう。
ボウカットは極超音速機に詳しい。「X-51の父」と呼ばれる本人は1995年に同機を設計し、その後空軍研究開発本部が資金提供した。X-51ではJP-7燃料を使い、SR-71Aで使ったケロシン系の組成は同じだが燃焼系と冷却系の双方で用いる。ごく超音速旅客機はM5.0超の飛行は想定しないため、JP-7は不要とボウカットは述べる。標準ジェット-A燃料、液体メタンやそれらの複合燃料が民間機に使えそうだという。
またボーイングがM5.0を選んだのは機体構造材料の単純化のためだ。熱吸収式の特殊素材としてセラミック複合材やチタン合金が今日でも機体やエンジンに使われており表面温度は600°C (1,100°F)まで耐える。
M5.0だとM0.8程度で飛行する今日の旅客機の625%の速度となるとボウカットは説明。高速になればそれだけ困難な点があり、得られる成果も減る。たとえばM6.0機はボーイング構想より速力が2割しか伸びないが、チタンではなくニッケルが必要となりターボジェットではなく実証がまだのスクラムジェットが必要となる。
スピードが6倍になれば超音速旅客機の商業的価値も増える。
ヒスロップは極超音速飛行を超音速機のブリティッシュエアロスペース/エアロスパシアルのコンコードと比較する。コンコードは大西洋横断飛行を一日で二回こなし、クルーはそのまま乗務した。ただしブリティッシュ・エアウェイズエール・フランスともにこの利点を活用しなかった。これに対して極超音速旅客機は大西洋横断を一日四五回クルー交代なしで行えるという。機体の活用度を理由にエアラインは超音速飛行に超音速飛行より魅力を感じるはずという。
「これで経済面で意味が出る」とヒスロップは言う。「同じ機体を何回使えるかが経済性の鍵で高速飛行に可能性があり、大きな魅力の源になるかもしれません」■

コメント ボーイング発表の構造図では客室窓が見えますが極超音速機に窓が必要なのでしょうか。JALも出資して超音速機開発が進んでいると言われますが一気に極超音速機へ向かうのでしょうか。当然軍用機への転用も考えられますね。

2018年8月15日水曜日

CNN報道への反論から見える中国のねじまがった解釈と考え方

環球時報の原文を英訳したとのことですが、中国の考え方がよく分かる記事です。「盗人猛々しい」とはまさにこのことではないですか。航行の自由という概念がなければ当の中国も経済活動を維持できなくなります。自国に都合の悪い事実報道はシャットアウトしてねじまがった信念と「愛国心」で権力基盤の危機を乗り越える動きがこれからの中国で顕著になりそうですね。面白いので記事をそのまま日本語にしてみました。 

Former defense spokesman: US military and CNN jointly make show in S. China Sea 元国防省報道官「米軍とCNNは結託して南シナ海でショーを演出した」

Source
Editor
Huang Panyue


CNNブレイキング・ニュースは8月10日に米軍機にCNN記者が同情し南シナ海上空を飛行中に中国軍から6回にわたり警告を受けたと報じた。
ただし中国国防省(NMD)報道官を務めたYang Yujun(現中国传媒大学学長)によればこれは臨時ニュースでなく米軍とCNNが演出したショーだという。
CNN報道では飛行中に乗員が6回にわたり中国軍から警告を受け、中国領土上空から退去を求めてきたという。「直ちに立ち去り誤解を避けよ」と中国軍が述べている。
「前回CNNが米海軍機に同乗し南シナ海上空を飛んだ2015年9月にも中国軍が警告を発してきた」とCNNは伝えている。「それ以来中国による人工島構築は一層早いペースで進んできた」
これに対しYang Yujunは米軍が南シナ海上空で米報道機関と挑発行動に出たのは中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が南シナ海における行動規範(COC)を巡る交渉で一定の進捗を見た中でのことと指摘する。「米国が南シナ海状況をめちゃくちゃにしようとしているのは明らかでCOCも台無しにして中国と南シナ海周辺国の関係を壊そうとしている」
報道で出た「米軍機への中国軍からの警告六回」についてYangは「米側には中国の出方はわかっていたはず。どの主権国家でも国境を守る沿岸防衛部隊は同じ行動を取り、もっと厳しい対応をすることがある」
「米軍機は招待されて中国領空内を飛行したのではないので、中国として警告を出して何が悪いのか。中国機がハワイ上空を飛行したら米軍はどんな対応をするのか」
Yangはトランプ大統領が「国民の敵」と呼んだCNNが「フェイクニュース」で知られていることを指摘しつつ、それでも米軍がCNNを指名し南シナ海の緊張を高めていると指摘。米軍は自国大統領の気持ちを考慮していないのだろうか。■

Disclaimer: The author is Guo Yuandan and Liu Yang, reporters with the Global Times. The article is translated from Chinese into English by the China Military online. The information, ideas or opinions appearing in this article are those of the author from the Global Times and do not reflect the views of eng.chinamil.com.cn. Chinamil.com.cn does not assume any responsibility or liability for the same. If the article carries photographs or images, we do not vouch for their authenticity.

中国の大型駆逐艦055型の狙いは? 米海軍は同大綱するのか


8月になると平和の合唱が日本で始まりますが平和とは祈って実現するものではなく、残念ながら暴力(を使わないこと)で実現しているのが現状で各国とも技術の進化に合わせ装備を更新しています。これが現状であり、兵力がなければ平和が実現するという空想は実現しないと覚えておくべきでしょう

Could China's New Destroyer 'Sink' the Navy?No need to worry? 中国新型駆逐艦は米海軍を「沈め」られるのか。心配する必要があるのか

August 13, 2018  by Robert Farley

国の新型055型駆逐艦への対抗策は米国にあるのか。その必要性はあるのだろうか。
7月3日に大連で大型新造艦二隻が浸水し、報道では同型艦24隻を建造するとある。アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦を上回る大型VLS発射管を備えている。
米海軍では巡洋艦が老朽化しており、大型巡洋艦建造を真剣に米国も検討すべきだろうか。
055型駆逐艦は大型艦で排水量は13千トンを上回りそうで垂直発射管(VLS)は112セルあり、さらに130ミリ砲、各種センサー類、防御装備を搭載する。ズムワルト級駆逐艦を除けば世界最大級の戦闘艦だ。建造隻数予想は最小6隻、最大24隻とあるがPLANでのはたらきぶりで変わるだろう。
米国の反応
米国でタイコンデロガ級の後継巡洋艦の開発が遅れている。同級は055型より小型だ。ズムワルト級DDG-1000は三隻で終わり、055型と同様の機能はない。オバマ政権でCG(X)建造計画が中止されたのは費用試算が過大になったためで海軍はアーレイ・バーク級の追加建造で対応し弾道ミサイル防衛機能を搭載する。しかしアーレイ・バーク級フライトIII以外に米海軍に大型艦の建造計画は長期的に存在しない。当面はFFG(X)建造が米海軍調達活動の中心で沿海域戦闘艦の短所が露呈したことでLCSとアーレイ・バーク級の中をつなぐ艦となることを期待されている。
だがタイコンデロガ級は耐用年数が切れる時期に近づきつつあり、DDG-51級の初期建造艦で同じ状況だ。一部にLPD-17の艦体を利用した巡洋艦構想があり、エネルギーの大規模生産、モジュラー化、各種装備の搭載を主張する向きがある。ただしLPD-17は大型だが低速で空母戦闘群と行動をとれない。既存のズムワルト級をもとに巡洋艦的艦船の建造を主張する向きもある。だが海軍は大型水上艦艇の将来で決定を下していない。
ニーズは?
だが中国艦に匹敵する新型艦のニーズは実はないに等しい。米海軍の現行巡洋艦、駆逐艦は055型と同じ任務をこなしている。ただし055型がVLSセルで上回る。また艦船が単独で戦う時代は終わっている。
米中で開戦となれば米海軍は空、水上、水中で各種装備を展開しPLAN最大級の艦船を追尾破壊するだろう。055型でVLSセルが増えセンサーも搭載されたためPLANの実戦能力が高まったのは疑いないが、中国は空母除けば米海軍の個別艦船をねらうことはない。同様に米海軍も055型撃破を潜水艦や空中発射巡航ミサイルでねらっても水上艦から狙うことはない。そうなると問題は「米国は055型に対抗できるか」であり「どの艦体を使えば055型と同じ性能を一番簡単に実現できるか」ではない。技術面で各種進展があり(VLS、発電容量、センサー能力、さらにレイルガンやレーザー)、ふたたび艦の大きさが議題になるはずだ。055型はこうした新技術の恩恵を実現すべく中国が考えたものであり、米ズムワルト級に匹敵する存在だ。ただし残念なのは中国艦のほうがこれから長期に渡り活躍する成功作になりそうなのに対して米側艦はそうではないことだ。
まとめ
そこで「055型に対応策は米国に必要なのか」との問いへの簡単な答えは「中期的には不要」だが、詳しく答えれば次世代大型艦艇の設計建造で方針を固める必要が米海軍にある、となる。タイコンデロガ級の老朽化はまったなしで新型大型艦のニーズでギャップが広がるが、大型艦は055型と直接交戦する必要はない。中国は大型艦ならではの効率を求めたのであり、中核技術の伸展が背景にある。米海軍も技術進歩の成果を活用すべきであり、055型と直接対抗しないとしても長期建造計画を真剣に検討すべきだ。■

Robert Farley, a frequent contributor to the National Interest, is author of The Battleship Book . He serves as a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky

2018年8月14日火曜日

★中国潜水艦隊を探知攻撃する高性能P-1は日本でしか運用できない機体なのか



なぜP-1はここまで一回も海外商戦に勝てないのでしょうか。性能があまりにも玄人むきなのでしょうか。


China Will Soon Have the World's Largest Submarine Force. And Japan Has a Plan to Stop Them in a War. 中国は世界最大の潜水艦部隊をまもなく完成するが日本は有事の対応策を確保しているAnd this plane is a big part of that plan. この機体がカギを握る

August 13, 2018  by Sebastien Roblin

本は潜水艦による経済破壊を経験した世界唯一の国だろう。世界大戦二回で潜水艦を動員し英国の補給線を大西洋で切断しようとしたドイツのほうが知名度が高いが、Uボートは最終的に連合軍の対潜戦の前に破れた。これに対して第二次大戦時では連合軍の潜水艦が日本商船隊の55%を沈めて日本帝国の伸び切った西太平洋内の補給線が寸断された。
この戦訓が自衛隊に残る中、中国人民解放軍海軍の潜水艦部隊が急速に拡充されており、作戦用艦船70隻を有する世界最大の潜水艦保有国になるのも時間の問題だ。大部分は短距離用ディーゼル艦やAIP動力艦だといっても日本に慰めにはならない。日本が各艦の有効半径に入り日本経済が海上交通路の確保に依存しているためだ。
対潜戦(ASW)では大型哨戒機材が鍵となり、日本はこれまで米製四発機のP-3Cオライオンを運用してきた。同機は長時間の海上哨戒飛行が可能で日本周囲で潜水艦含む各種艦船を追尾してきた。オライオンの稼働期間の終わりに近づく中、日米がジェット推進式の後継機をそれぞれ開発した。
この内米国のP-8ポセイドンはボーイング737-800旅客機を原型としつつ高高度哨戒飛行に特化させたが、川崎重工製P-1は2007年初飛行で完全な新型機で低空及び高高度哨戒を任務とする。P-1は双発C-2と並行開発され部品は重量比で25%を共通化している。
搭載するF7-10ターボファンエンジン四発で長時間哨戒飛行でも冗長性が生まれ、P-3Cのターボプロップより騒音が10デシベル低くく音響上のステルスにつながる。P-1は最大飛行距離が5千マイル・最高時速621マイルで対象地点までP-3より30%早く到達できる。その後は双発低速飛行に切り替え燃料を節約できる。
パイロット二名、ミッション専門員9名で任務を実施する。P-1は光ファイバーによるフライ・バイ・ワイヤ(フライバイライト)を初めて実用化した機体で信頼性に優れ搭載センサーからの電磁干渉に強い。
搭載する各種センサーのうちHPS-106アクティブ電子スキャンレーダー4基が特に重要で機体周囲360度が監視可能だ。海面をスキャンし艦船を探知し、潜水艦のスノーケルやセンサーマストも探知できる。一方で対空探知モードにすれば即席AWACS機にもなる。次に電磁センサーアンテナがコックピット上部にあり、情報収集や敵のセンサー・通信活動を監視できる。HAQ-2赤外線電子光学センサーのタレットが機体下部にあり艦船探知に使う。
仕上げがHQA-7音響処理装置で潜水艦のディーゼル音を聞きとり、さらにカナダ製ASQ-508(V)磁気異常探知機を尾部に装着し、潜水艦が生む磁気特性を低空飛行で探知する。
ただし潜水艦探知の基本手段は投下式ソナーブイでP-1は37本を投下装置に搭載し、これ以外に70本が機内にある。各種センサーのデータはHYQ-3戦闘指揮装置に統合され人工知能で潜水艦の動きを予測する。HYQ-3はSH-60K対潜ヘリなどその他対潜機材と情報を共有し、海軍データベースや衛星偵察データベースで敵の正体を判別する。P-1にはLink-16データリンクもありF-15JやE-767AWACS、イージス艦と情報を共有できる。
P-1が敵対空ミサイル発射の標的になった場合はHLQ-9ミサイル警報装置、電子対抗手段、チャフ・フレア発射機で敵攻撃を探知し無効にする。
同機は20千ポンドの兵装を合計16箇所のハードポイントに搭載し、コックピット後方の兵装庫が8箇所、主翼下が8箇所だ。マーク46または日本製軽量対潜魚雷、ハープーン、91式ASM-1C超低空亜音速対艦巡航ミサイル、AGM-65マーヴェリック精密誘導ミサイルを搭載する。
2018年現在はP-1は15機が海上自衛隊の第三対潜哨戒飛行隊で厚木基地、VX-51試験飛行隊で稼働中で、さらに20機超を発注している。運用実績はほとんど非公開だが、Aviation Weekに「P-3より長距離で中高度、低高度で潜水艦探知を普通に行っている」と関係者が述べている。
日本は最終的に60機ないし70機のP-1を導入しP-3C全機と交代させる。またP-1は10年ごとにセンサー類を性能向上させ、その他P-3をもとにしたEP-3C情報収集機(5機)、OP-3C光学偵察機(4機)、UP-3C・UP-3D試験・訓練機(4機)と交代する専用機材もP-1原型で調達するのではないか。
日本は2014年に防衛装備輸出ルールを緩和し、P-1の対外営業を始めた。ただしニュージーランド、英国でポセイドンに敗れている。P-1の機体価格は125-150百万ドルだが調達価格は250百万ドルだ。それでもタイ、ヴィエトナムが関心を示しており、日本はフランス、ドイツにもアトランティック哨戒機の後継機種としてP-1を提示している。ただし米軍事調達ネットワークの強みと737部品の入手が容易な中でP-1には分が悪い。
とはいえP-1にはP-8より優れる点があり、低高度飛行性能で優れ、移動中の最大速度が高いこと、ハードポイントが多い(P-8は11点)、四発エンジンならではの柔軟性、MADセンサー搭載(P-8ではインド海軍用P-8I除きすべて非搭載)がある。両機種の搭載するセンサー類の直接比較は実際の運用実績を見ないと困難だ。その稀な機会が2018年6月のマラバール対潜戦演習で日本のP-1が米、インド両国のP-8と参加した。
高性能対潜哨戒機が海外に販路を開けるかは別として日本はP-1とそうりゅう級大気非依存型推進式潜水艦で中国の増え続ける潜水艦部隊の脅威から防衛が可能と見ている。
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring .
Image: Creative Commons.
ここまで高性能のP-1が海外受注できないのは機体価格だけが原因ではないでしょう。日本の求める性能が高すぎるのであれば一部国には装備を省略した派生型を提示してもいいのでは。また装備売り込みを総合商社に任せてはいかがでしょうか。経済的動機がうまくはたらくといいのですが。MADをP-8が搭載しなくなったのは探知方法としてはもはや必要ないという米海軍の判断なのでしょうか。

2018年8月13日月曜日

★終わりの始まりか 2018年は中国の曲がり角の年として記憶される



米国を本気で怒らせてしまったのは習近平の稀に見る失敗で、このままだと政権基盤もあやうくなるでしょう。思い上がった中国が国際政治の力のバランスを崩すと公言したことが原因とも思いますが、見るに余る中国の言行をここで叩かねばとの思いが米政権にあるからでしょう。たしかに円-人民元レートで見てもずっと人民安になっており、輸出ビジネスなら通貨安で喜ぶはずなのに中国経済は不安に包まれています。そうした事実をなんとか伝えないようにしている日本のメディアとは一体どういう神経なのでしょうかね。中国の場合は一方に偏った意見ばかりではないところがまだ救いなのですが、機を見てから出ないとこうした声が出ず、気がついたら批判合戦になるということの繰り返しのような気がします。民主主義ともっとも縁がない国なのでしょうね。何でもいいですけど世界に迷惑を与えない国になってもらいたいものです。

 

Cracks may be starting to show in Xi Jinping's absolute rule over China due to Trump's trade warトランプの貿易戦争発動で習近平の鉄壁の統治にヒビが入り始めてきた





Xi JinpingReuters/Damir Sagolj
  • 米中貿易戦争の激化で中国共産党CPCに大きな亀裂が生まれている
  • 反対は弾圧を続けてきた習だが党内に中国のイメージ悪化、習の貿易問題対処に不満を持つ向きが出現
  • 中国政府に近い筋はロイターに中国の国家主義が米国を刺激し中国経済を痛めていると指摘
  • 産経新聞によれば胡錦濤含む党内長老がCPCの経済外交政策見直しを求めるという異例の書簡を送付


中間の貿易戦争激化で内部筋によれば中国共産党内部の指導層にも緊張が高まっているという。
この十年間の習近平は権力集中で中国国内統治を強化し軍と政府への支配を強め反対派は政治犯として弾圧してきた。
その過程で中国の宣伝工作は中国を強国で国民一丸となった国家としその中心が習近平だと声高に主張してきた。
中国政府に近い筋複数からこうした強気の動きが裏目に出て米国を挑発した結果、経済史上最大とも言われる経済戦争につながったとロイターに述べている。
政策顧問の一人は匿名で中国経済の見通しが「暗く」なり対米関係も通商をめぐり悪化していることで指導部へ懸念が生まれているとロイターに語っている。「貿易摩擦が貿易戦争に発展して考え直す人が増えている」「中国の国力が過大に語られてきたことで米国の考え方が影響を受け中国国内でも別の考え方が出てきたと指摘する専門機関がある」
更に別の筋から政府上層部内部に反感が生まれており、習近平を強力な指導者として売り込んできた張本人Wang Huning王沪宁に反動が及ぶとの声がある。
「宣伝工作に熱中して中国を持ち上げすぎたのはこの男ですよ」と中国統治の中枢で宣伝工作に携わる筋が述べている。
不満の声は中国共産党上層部にも響き渡っている。
産経新聞に寄せられた内部筋の話によれば党長老の胡錦濤前主席最高指導者、前首相温家宝含む数名が7月に党指導部へ書簡を送り、経済外交政策の見直しを求めさらに党が特定個人によるカルト的指導に向かっていると指摘したという。
CPCの長年の党員のひとり(胡錦濤に近い人物)は産経新聞に習近平の「独裁政権」への支持が消え始めたのは6月のことで国家による宣伝工作の中で本人の存在が消え始めたという。7月には習近平の名前が国家メディア人民日報の一面に現れない現象が一週間に二回発生した。
習は先月に政治局会議を唐突に求め、党内25名の最高実力者で構成する決定期間で米関税で打撃を受けた経済の安定化策を検討したといわれる。
習は恒例の北戴河Beidaihe避暑地での党指導部学習会合では習の指導力と米中貿易戦争が主な議題になると台湾報道機関Taiwan Newsは見ている。
今週になり米国、中国はともに貿易戦争を激化しており、米国は中国産品160億ドル相当に8月23日から25%関税を課すと発表している。

反対に中国も米国産品160億ドルに25%関税を同日から課すと発表したが、専門家からは中国の対応策が底をつきはじめており、米国が中国から輸入する規模がその逆より大きいため中国経済が受ける打撃のほうが深刻との指摘がある。■