8月になると平和の合唱が日本で始まりますが平和とは祈って実現するものではなく、残念ながら暴力(を使わないこと)で実現しているのが現状で各国とも技術の進化に合わせ装備を更新しています。これが現状であり、兵力がなければ平和が実現するという空想は実現しないと覚えておくべきでしょう。
Could China's New Destroyer 'Sink' the Navy?No need to worry? 中国新型駆逐艦は米海軍を「沈め」られるのか。心配する必要があるのか
August 13, 2018 by Robert Farley
中国の新型055型駆逐艦への対抗策は米国にあるのか。その必要性はあるのだろうか。
7月3日に大連で大型新造艦二隻が浸水し、報道では同型艦24隻を建造するとある。アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦を上回る大型VLS発射管を備えている。
米海軍では巡洋艦が老朽化しており、大型巡洋艦建造を真剣に米国も検討すべきだろうか。
055型駆逐艦は大型艦で排水量は13千トンを上回りそうで垂直発射管(VLS)は112セルあり、さらに130ミリ砲、各種センサー類、防御装備を搭載する。ズムワルト級駆逐艦を除けば世界最大級の戦闘艦だ。建造隻数予想は最小6隻、最大24隻とあるがPLANでのはたらきぶりで変わるだろう。
米国の反応
米国でタイコンデロガ級の後継巡洋艦の開発が遅れている。同級は055型より小型だ。ズムワルト級DDG-1000は三隻で終わり、055型と同様の機能はない。オバマ政権でCG(X)建造計画が中止されたのは費用試算が過大になったためで海軍はアーレイ・バーク級の追加建造で対応し弾道ミサイル防衛機能を搭載する。しかしアーレイ・バーク級フライトIII以外に米海軍に大型艦の建造計画は長期的に存在しない。当面はFFG(X)建造が米海軍調達活動の中心で沿海域戦闘艦の短所が露呈したことでLCSとアーレイ・バーク級の中をつなぐ艦となることを期待されている。
だがタイコンデロガ級は耐用年数が切れる時期に近づきつつあり、DDG-51級の初期建造艦で同じ状況だ。一部にLPD-17の艦体を利用した巡洋艦構想があり、エネルギーの大規模生産、モジュラー化、各種装備の搭載を主張する向きがある。ただしLPD-17は大型だが低速で空母戦闘群と行動をとれない。既存のズムワルト級をもとに巡洋艦的艦船の建造を主張する向きもある。だが海軍は大型水上艦艇の将来で決定を下していない。
ニーズは?
だが中国艦に匹敵する新型艦のニーズは実はないに等しい。米海軍の現行巡洋艦、駆逐艦は055型と同じ任務をこなしている。ただし055型がVLSセルで上回る。また艦船が単独で戦う時代は終わっている。
米中で開戦となれば米海軍は空、水上、水中で各種装備を展開しPLAN最大級の艦船を追尾破壊するだろう。055型でVLSセルが増えセンサーも搭載されたためPLANの実戦能力が高まったのは疑いないが、中国は空母除けば米海軍の個別艦船をねらうことはない。同様に米海軍も055型撃破を潜水艦や空中発射巡航ミサイルでねらっても水上艦から狙うことはない。そうなると問題は「米国は055型に対抗できるか」であり「どの艦体を使えば055型と同じ性能を一番簡単に実現できるか」ではない。技術面で各種進展があり(VLS、発電容量、センサー能力、さらにレイルガンやレーザー)、ふたたび艦の大きさが議題になるはずだ。055型はこうした新技術の恩恵を実現すべく中国が考えたものであり、米ズムワルト級に匹敵する存在だ。ただし残念なのは中国艦のほうがこれから長期に渡り活躍する成功作になりそうなのに対して米側艦はそうではないことだ。
まとめ
そこで「055型に対応策は米国に必要なのか」との問いへの簡単な答えは「中期的には不要」だが、詳しく答えれば次世代大型艦艇の設計建造で方針を固める必要が米海軍にある、となる。タイコンデロガ級の老朽化はまったなしで新型大型艦のニーズでギャップが広がるが、大型艦は055型と直接交戦する必要はない。中国は大型艦ならではの効率を求めたのであり、中核技術の伸展が背景にある。米海軍も技術進歩の成果を活用すべきであり、055型と直接対抗しないとしても長期建造計画を真剣に検討すべきだ。■
Robert Farley, a frequent contributor to the National Interest, is author of The Battleship Book . He serves as a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky
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