なるほどという感じですね。米-ノルウェー間の空戦演習と言っても映画の世界をそのまま想像してはいけないということですね。実に冷静な話です。
Top Gun Denied: Why the F-22 vs. F-35 'Dogfight' in Norway Is Not What You Think トップガンの世界と違う。F-22対F-35のノルウェー「ドッグファイト」は読者の考える内容ではない
August 17, 2018
ステルス第5世代戦闘機の米空軍ロッキード・マーティンF-22Aラプター二機が王立ノルウェー空軍のロッキード・マーティンF-35A共用打撃戦闘機二機とノルウェー上空で空戦演習を8月15日に行った。
演習の詳細情報は皆無と言っていいが今回の演習内容の推測は可能だ。
ノルウェーはラプターの恐るべき空対空戦闘能力に強く印象付けられている。「F-22は手強い相手だ」とノルウェー空軍でF-35に乗るモルテン・ハンシェ少佐がロイターに語っている。
ロイターはノルウェー側から米F-22との訓練で普段はありえないステルス新型機を相手に腕試しができたと聞き出している。つまりF-35は非ステルス機を相手に奇襲し「圧倒する」事が多いということだ。
プロの空軍部隊としてノルウェーはどちらが勝ったか明らかにしていないが驚くに値しない。通常は実施後に参加者に結果の説明がある。
米及びNATO同盟国の空軍部隊の作戦行動からわかることはごく限られるのが一般的だ。プロの空軍部隊というのはトップガンの映画から一般大衆が想像する直接対決はしないものであり、むしろプロの能力涵養に務めることが通常だ。そのため乗員のスキル、戦術向上、手順の習熟などを心がけるものだ。
他国の空軍部隊が参加すれば両国間のプロとしての関係を築くのが先だ。お互いの戦術や手順に親しめれば有事の際に役立つ。NATO加盟国の飛行要員としてノルウェーと米国が共に飛んだのは2011年のオデッセードーン作戦と同様だ。同盟国間の操縦士にとって国際演習で得られるものはとても大きい。
各国はそれぞれを交戦相手として訓練するのではなく、機体を味方の青軍と敵の赤軍に分けて飛行する。青軍は有事に使う戦術・手順を使い、空域や飛行距離で一定の制約を課せられる。一方で赤軍は敵戦術を再現する。このため今回のノルウェー演習はF-22がロシアのSu-35の役で、F-35が青軍だったのか、あるいはその逆だったはずだ。お互いの戦術・手順に習熟し学ぶことが目的だったはずだ。ただし保安上の制約が当然あっただろう。
保安上の制約がF-22部隊で厄介な問題になっている。ラプターパイロットは性能をフルに使うことが許されない事が多い。「F-22は各国部隊との関係構築のため空軍が派遣することが多い」と米会計検査院が指摘している。「ただし、保安手続きのためF-22固有の性能を明らかにすることへの配慮からパイロットは戦闘時と同じ操縦は許されておらず」、訓練効果が制約されてしまい、訓練でF-22パイロットに悪い癖がついてしまい、その後の訓練で矯正が必要となることがあると空軍関係者も認める。
真剣勝負の果たし合いの様相を示す唯一の機会が基本戦闘行動(BFM)訓練で通常は視界内交戦でこれが映画他で取り上げられる事が多い。機体や兵装の性能が重要だが、BFM交戦での勝利は個々のパイロットの技量と運に左右される。操縦性が高く、推力も豊富で兵装も多く搭載した機体が勝つことが多いが、最高の性能の機体が高度技量を持つパイロットの手にかかっても負けることがある。大事なのは結果から学び次回はへまをしないことだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
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