スキップしてメイン コンテンツに移動

★エドワーズAFBで目撃された謎の機体はB-21、それともRQ-180?

What’s this mysterious aircraft spotted at Edwards AFB? The secretive B-21 Raider, the RQ-180 drone or “just” a B-2? エドワーズAFBで目撃された謎の機体の正体は極秘B-21レイダー、RQ-180無人機、または「普通の」B-2なのか



Aug 24 2018 - 0 Comments


空軍は「標準型」B-2だというが、分析すると細部で違う機材の可能性がある。

上の写真は読者三名(Sammamishman, Zaphod58 and Fred )がパームデール=エドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)を最近訪問した際に撮影したものだ。


三名は単なる航空マニアではない。航空業界や空軍基地周りで仕事をした経歴があり信用の高い人物である。それぞれ機材を詳しく観察しており高性能機材での撮影で知られる。そのひとりSammamishmanはトノバ試射場上空を飛ぶF-117の映像画像を送ってくれた人物だ。
.写真には未知の大型全翼機形状の機体が写り、地上電源と接続しエドワーズサウス基地のエプロンに2018年7月24日午後10時から翌25日午前1時の間駐機していた。
三名は空軍に撮影画像を送り極秘機材なのか尋ねDoDの検閲を受けた。数日たち空軍はB-2スピリットだと回答してきた。
「そういわれたがいくつかの点で納得できない」とSammamishmanはメールで伝えてきた。「当日夜の写真を見るとB-2のように見えるが精査すると機体の大きさと胴体構造はスピリットと異なるようだ」
三名は撮影した画像の解析を行い、それが正しければ、写っている機体はB-2ではない。




解析は画像合計40枚を元に、画像処理を行っているが10マイル超の場所から撮影したものだ。
ではなぜB-2ではないと考えるのか。
– 機体左右につくエンジンナセルの間隔、大きさ
– 機体上のコブがあるがB-2と一致しない
– 爆弾倉の左右扉が大きい。B-2では扉は小さくエンジンへのアクセスを考慮している
–.降着装置の形状が違う
– 主翼部が滑らかでカーブ形状が違う。B-2の主翼は厚みがあり角度によっては直線に見える
「地上電源車が隣にあり、それを尺度とすると(空軍はEssex B809B-1を使い、全長103’’である)、機体の全高を12.4′で主翼全幅は130’ぐらいとなる。B-2ではそれぞれ17’’、172’だ」とSammamishmanは説明。「B-2と翼端フラップが異なる。機体は夜間しか外に出ていない。翌朝にB-2と同じなのか検証しようとしたら機体はそこになかった。このことからB-2ではないと推定される。B-2の地上テストを夜間早朝限定で行うのは妙だ」


Essex BD電源車を測定基準に使うと機体の寸法がわかる


では推測してみよう。初見ではB-2に見えるが、遠距離撮影でぶれがあるものの解析すると別の機体だろう。機体寸法以外にも細かい点で標準型スピリットステルス爆撃機との相違点がわかる。たしかにエンジンナセル(ナセルだとして)の配置と寸法は違う。

なぞの機体はB-2に似ているが読者から相違点が指摘されている。

翼幅が130フィート(あくまでも推定)であればB-2ではない。では正体はなにか。
可能性はいくつかあるが機体寸法推定、活動場所、時間帯から確度が高いのがB-21レイダー爆撃機だ。次世代長距離ステルス爆撃機となる同機は試験用にエドワーズAFBに移動すると見られている。(そういえばB-21合同試験飛行隊のパッチが数ヶ月前からeBayに出品されていた)またB-21の概念図を見るとB-2と共通点が多々あり、エンジンナセルの位置もそのひとつだ。図ではB-2そっくりだが大きく違うのはレイダーの後縁部がW形状になっており、スピリットのノコギリ状形状から進歩している。


B-21レイダーの想像図 (Wiki/NG)

B-2の翼幅は172フィートでB-21の要求ペイロードはB-2の三分の二から半分程度とされる。このためレイダーは翼幅も小さくスピリットより軽量だろう。
こうした情報をあわせ寸法推定が正しければ、ノースロップ・グラマンB-21の実機を目にしていたことになる。

The location of the aircraft was: 34.903609, -117.873366
Our reader’s view spot was here: 34.761176, -117.800955


可能性が低いのはノースロップ・グラマンRQ-180だ。
Aviation Week & Space Technology誌2013年12月9日号でペンタゴン担当編集者エイミー・バトラーと上席国際防衛担当編集者ビル・スイートマンが連名でRQ-180の存在を明かした。極秘ステルス無人航空システム(UAS)として情報収集監視偵察(ISR)任務につく同機は米空軍で2015年から供用開始と見られていた。
ノースロップ・グラマンが2008年から開発したRQ-180は「敵優勢」あるいは「航空優勢が確立されていない」空域での運用を想定し、非ステルスのRQ-4グローバルホークが「優勢な」空域運用の想定であるのと対照的だ。
AWST誌でスイートマンとバトラーは「グローバルホークとほぼ同じ機体外寸と飛行時間の機体で、グローバルホークは32,250 lb.で基地から1,200 nm離れた地点で24時間滞空可能だが、小型のRQ-170では滞空時間が5-6時間しかない。ノースロップ・グラマンが得意とする「角型凧」の形状でX-47Bに似て強い後退角のついた主翼の間の機体本体は長く、主翼は細い。ノースロップ・グラマン技術陣は「角型凧」形状は拡大可能であると認めている。B-2では後縁部が異なる。RQ-180の機体部分の長さや容積は車両を上回る」と述べていた。




.Aviation WeekはRQ-180のコンセプト図(上)を掲載したが今回の読者による報告と異なる。
とはいえ、画像の質を見ると同機が新型ステルス無人機であった可能性を完全に排除できない。機体上のコブ数点はB-2と似ている。


2012年の特許申請で有名になったノースロップ・グラマンによる構造図は爆撃機にも輸送機にも発展できる形状となっており、B-2、X-47Bの両方に似ている。これがRQ-180ならエドワーズ基地で見つかった機体は別の新型のステルス無人機なのか。

ノースロップ・グラマンは2012年に爆撃機、輸送機に転用可能な機体の特許を交付されている。 (Credit: U.S. Patent Office via AW&ST)

.筆者としては画像を最初に見た際にはB-2だと思ったが、よくよく見るとさらにSammamishamの解説を読むと疑わしく思えてきた。皆さんはどう思うだろうか。B-2なのか別の機体なのか。ぜひコメントをお寄せいただきたい。■


Image credit: Sammamishman, Zaphod58 and Fred for The Aviationist

うーんこういう謎の機体トピックはたまりません。10マイル先からこんな写真が撮れるんですね。ビックリです。機材が進歩してきて機密保持が大変になってきましたね。では正体は? B-21がすでに完成しているのでしょうか。B-21自体が無人有人両用の設定なのでRQ-180がB-21である可能性もあるのでは。すぐにも正体が明らかになるとは思えませんが当面想像力がたくましくなりそうです。しかし米国の航空マニアの層は厚いですね

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ