After 17 years of upgrades, the Air Force's biggest plane is ready to stay in the air for decades 17年に及ぶ改修を受けた空軍最大の機材は今後数十年供用される
- ロッキード・マーティンが米空軍最大の機材C-5Mスーパーギャラクシー52機の改修作業を完了した
- 改修の目玉は強力な新型エンジン
- 改修は2001年に始まり同機は2040年代まで供用される
ロッキード・マーティンによればC-5Mスーパーギャラクシー改修作業の最終52号機が空軍に引き渡され、ほぼ20年近くの空軍最大機の近代化改修が完了した。
同社が空軍向けの信頼性・改修プログラムReliability and Re-engineering Program (RERP) を開始したのは2001年のことで改修でC-5Mスーパーギャラクシー一号機は2009年2月9日に納入された。
以後17年に渡りC-5B49機、C-5C2機、C-5A1機が改修を受けたとロッキードは発表。改修で各機の供用期間は2040年代まで伸びると同社は述べている。
70点に及ぶ作業で信頼性、効率性、整備性、稼働率をあげることをめざし、機体、機内環境装置、油圧空気圧系統、降着装置、飛行制御装置が変更された。
なかでもエンジンが強力になり、ジェネラル・エレクトリックTF-39を同社のF-138に換装した。新型エンジンは騒音が下がり、C-5Mは貨物搭載量が増えながら離陸距離は短くなった。
ロッキードは広報資料で「C-5Mスーパーギャラクシーは真の意味でグローバル戦略空輸機になった」と述べている。RERP改修で「推力が22%増え、離陸距離が短縮化され、上昇率は58%伸びた」とあり、改修でC-5Mの燃料効率が上がり、空中給油機の支援の出番が減ったとある。
C-5は全高65フィート、全長247フィート、翼幅223フィートで120千ポンド貨物を5,500マイル先に運べる。これはデラウェア州ドーヴァー空軍基地からトルコのインチリク基地への距離に等しい。しかも空中給油なしで。無貨物状態なら8,000マイル超を飛べる。
同機は標準パレット36枚までと兵員81名を、あるいは各種装備(戦車、ヘリコプター、潜航艇、装置、食料、救難品)を運べる。
米空軍にC-5A一号機が納入されたのは1970年で、1989年までにC-5A76機に50機のC-5Bが加わった。C-5Cは二機ありスペースシャトルの大型貨物コンテナー運搬用に1989年に納入された。
C-5近代化改修は1998年に企画されRERPが2001年に始まり、52機を2018年までに納入する目論見だった。残るC-5各機は2017年9月までに退役の予定だった。
だがC-5の前に行政手続きと運用両面で問題が立ちふさがっている。
予算強制削減のため、C-5の一部が予備機材扱いになっており、空軍の機材であるものの乗員も運用予算もない状態になった。2017年早々に空軍としては予備機扱いのうち少なくとも8機を第一線利用機材に変更したいとの発言も出ていた。
「機材を取り戻したい。現実の世界で問題が発生しており運搬能力が必要だし、保証がほしい」と航空機動軍団司令官(当時)カールトン・エヴァーハート大将が述べていた。
その後、C-5で整備問題が発生し飛行が停止された。
2017年7月には航空機動軍団がドーヴァー基地配備のC-5の18機(12機現役、6機予備)を飛行停止にした。これは機首降着装置で60日で二回も作動不良が発生したためだった。その後措置は拡大され空軍の56機全機の飛行運用を停止し、保守整備状況を評価した。
問題はボールスクリューの組付けにあり、降着装置の伸展、引き込みがうまくできなかったのだ。ただし該当部品の製造は終わっており、空軍はディヴィス-モンタン空軍基地の「墓場」で保存中の機材から部品を回収した。
今年はじめに機首の降着装置で問題が再発し、空軍予備部隊所属のC-5Mがサンアントニオ-ラックランド共用基地への着陸時に完全に降着装置が伸展できなくなった。同機は機首から胴体着陸し滑走路の四分の三を横滑りした。事故原因は不明だったが機内の乗員11名は全員無事だった。■
コメント:飛行機の墓場から部品改修ですか。ボールスクリューは3Dプリンターで製造できないのでしょうか。ボーイングはロッキードに超大型輸送機競合で破れ、その後に747が生まれたのでしたね。民間向けジャンボはもはや姿を見るのが難しくなっていますが、C-5は2040年代まで活躍するのですね。エンジン換装の効果は大きいようです。今後も供用するとしても補完するC-17も生産が終わっており、早晩次世代戦略輸送機の開発が必要になりそうです。
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