2019年10月13日日曜日

フィリピンがUH-1飛行再開に日本が贈った部品を有効利用

Philippine air force reactivates seven old Huey helos thanks to spares from Japan

By: Mike Yeo    1 day ago

 

フィリピン国軍、米軍の隊員が強襲訓練でヘリコプターから展開中。2014年、フィリピン国内フォート・マグサイサイにて。フィリピン空軍はヘリコプター部隊の維持のため日本から寄贈された予備部品を使用している。 (U.S. Army Photo by Spc. Michael G. Herrero/Released)

ィリピンが日本提供の予備部品を利用して米国製ヘリコプター機材の現役復帰をめざす。同国は新規製造ヘリコプターの導入も進める。
フィリピン空軍(PAF)報道官アリスティデス・ガラン少佐はベルUH-1「ヒューイ」7機を飛行可能状態に復帰するに当たり日本政府が今年3月に寄贈した部品を使用すると述べている。
少佐によれば、PAFの第205戦術ヘリコプター飛行隊から査察官が部品保管所に赴き検査したところ、7機分の飛行再開に必要な部品が利用可能と判断したという。
対象はローターブレイド、テイルローターのブレイド、テイルローターの駆動軸で第205戦術ヘリコプター飛行隊に引き渡された。
PAFは1960年代製造の旧式UH-1を大量に保有し、一部は米軍事装備の余剰品として引き渡されていた。ただ機材維持に苦労し、一部はモスボール状態や飛行不能になっていた。
「UH-1の復元と維持が人命救難や災害対応、さらに輸送、情報収集監視偵察といったPAF活動の実施に不可欠」とガラン少佐は説明。
残る寄贈予備部品はPAFのその他UH-1機材の維持に活用し、PAFは稼働率を向上させる。(同少佐)
フィリピンはUH-1を多様な任務に投入しており使い勝手がよい機材ととらえている。また同国内には共産勢力、分離勢力も活動しており対応作戦でも需要がある。
フィリピンはヘリコプター部隊の増強策としてシコースキS-70iブラックホークヘリコプターの16機導入で契約調印しており、機体はボーランドのPZL Mielecが製造する。現地報道ではロシア製Mi-17輸送ヘリコプター16機の購入契約も調印寸前としている。■


コメント: 国有財産の有効活用事例としてもっと認知されてしかるべき内容と思います。陸上自衛隊がていねいに扱ってきた部品をフィリピン国軍がぞんざいに使うことのないよう願うばかりです。寄贈ということは無償譲渡と思いますが、装備品の輸出がちっとも進まない中でこうした協力が将来の販売の素地になればいいですね。

2019年10月12日土曜日

米空軍が第6世代機開発の専門部局を発足、めざすのは機材ではなく相互接続したシステムのかたまり

Air Force Launches Office to Plan Future Fighter Jets


米空軍は2016年発表の「侵攻制空」構想からさらに踏み込んで「ファミリーオブシステムズ」手法へ移行している。
4 Oct 2019
Military.com | By Oriana Pawlyk
空軍から戦闘機の将来像の発表が出て三年が経過したが、空軍は構想を現実に移する専門部局の発足を公表した。
調達・技術・兵站担当空軍次官ウィル・ローパー博士がオハイオ州ライト・パターソン基地基地で「高性能航空機事業執行室」Program Executive Office for Advanced Aircraftのリボンをカットした。
ローパーはデイル・ホワイト大佐を室長に指名した。公式記録によればホワイトはペンタゴン内の空軍迅速性能整備室でB-21レイダー開発の物資面統括官を務めてきた。同爆撃機はペンタゴン史上最大規模の機体調達事業となりF-35共用打撃戦闘機を追い抜く見込みだ。
「今回の事業ではホワイト大佐に期待しているのは最高の技術力を応用しながら業界の実情を理解すること。というのは我々が業界にとって有益な存在でなければ、イノベーションの継続が実現しないし、より小規模で迅速かつ機動性を発揮しないとことを実施できないし、契約相手の企業がわざわざ業務を複雑にする必要はないためだ」(ローパー)
特別な役割を与えられた部局が以前も存在したが、今回の「高性能航空機」センターは将来の戦闘機像の作成に専念する初の組織、と空軍広報官カーラ・バウジー大尉が説明。
6月のパリ航空ショーでローパーは空軍内部で第6世代戦闘機構想の要求性能で議論中と述べ、F-22ラプターやF-35の後継機に触れていた。
「デジタル技術」で従来の部品製造工程を省略すれば開発元は設計内容をもっと柔軟に変更できるとローパーは語っていた。
デジタル時代のセンチュリーシリーズにはデジタル技術以外に相互接続性のあるアジャイルソフトウェアやプロトタイピング技術で実戦投入できるジェット戦闘機を5年で実現できる。
「業界で実施できる内容とこちらのチームの考え方をもとに、どこまで迅速に構想を現実の航空機にゼロから作れるかが課題だ。現時点での試算は5年です」とローバーはDefense Newsに述べていた。ローバーによれば製造が採択されれば空軍は防衛産業に報奨金で従来の調達モデルを上回る速度で作業をさせる必要があり、今は数年間かかるのが普通の調達が早まるという。
だが空軍には調達を迅速化させた経験がある。最初の「センチュリーシリーズ」が1950年代に登場し、F-100スーパーセイバーでは2年半で開発を終えている。
そこで画期的なデジタルセンチュリーシリーズ構想があり、この期待は次世代制空戦闘機Next Generation Air Dominance(NGAD)として知られる。
2016年に空軍は航空優勢2030ロードマップを公表し、旧型機を新型機と並列運用するとし、同時にNGADの概略にも触れ、高性能戦闘機にセンサーや兵装を搭載し変化しつつ予測不可能な脅威環境への対応と想定していた。
未来的なルックスの有人戦闘機を現在の第5世代機の後継機種と捉える向きが多いが、関係者によれば空軍の次世代機はこれまでの分類が適用不可能なネットワーク化手法を取るという。
その一部には戦闘機を自律型無人機を組ませて戦闘を行わせる構想があるとローパーが説明している。今年春にローパーから空軍研究本部でスカイボーグ事業で進展があったと明らかにしていた。これは人工知能とパイロットをペアにするもので飛行操縦技術をマシンに学習させるものだ。
着想には制約がない一方で議会を納得させる必要がある。2020年度国防予算権限法案の下院版では空軍が要求したNGAD予算10億ドルが5億ドルに削減されており、「開発関連の経費リスク」が理由だったとAir Force Magazineが解説している。
「将来の展望はできており、これを議会にうまく説明するのは大変なジソ五」とデイヴィッド・クラム少将(空軍グローバルパワー事業主幹)が述べている。8月にクラム少将はNGADについてミッチェル航空宇宙研究所で講演した。
「モノでもなく機材でもない。それは複数の存在の集合体になる」と少将は語っていた。「全部を接続することこそ目指す方向だ」■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @oriana0214.
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謎の中国新型潜水艦はセイルなしの画期的な形状、艦名、任務等は一切不明

経済誌のフォーブスでもこういう記事が出ているんですね。また潜水艦に的を絞ってフォローするジャーナリストというのもすごいですね。それはいいのですが、小型潜水艦というのは中国の防衛思想に合致しており、今後どう発展していくのか注目されますが、完全自律運用の潜水艦になるのか不明です。

The Chinese Navy’s New Mystery Submarine


H I Sutton Contributor 
I cover the changing world of underwater warfare.
Oct 9, 2019, 07:50am
New Chinese mystery submarine
「セイルなし」潜水艦の進水式(2018年10月)で公式に発表された写真。艦名、任務等は一切不明。江南造船集団。

国により防衛分野の世界が驚かされることが続いている。同国は詳細を漏らすことなく潜水艦をまるまる建造できる世界唯一の存在ではないか。米海軍では艦名、艦の規模、一般特徴は進水式の相当前から判明している。一年前、中国は誰も想像できない形の潜水艦を進水させ、世界が驚いた。そして今回、オープンソース情報から同艦の詳細が浮かび上がってきた。
これまでは進水時写真から艦体を推定してきた。今回、同艦を建造所で捉えた商用衛星画像の解析から全長が150フィート、直径15フィートと判明した。これは当初の予想よりやや小さく小型潜水艦と見られるが、潜水艇とするには大きすぎる。衛星が上空通過したのは9月のことで同艦は建造所公試に投入されており、現時点では配備前段階だ。
同艦の計上で特徴的なのはセイルが見当たらない点だ。これ以外の潜水艦にはことごとくヒレ上の構造物が艦中央部から伸びており、潜望鏡の上下の動きに対応する。これが潜水艦共通の特徴だったが、同艦の艦体にはこれがなく、セイルがつくべき場所に小さなコブが見られるだけだ。この理由が各種の推測を呼んでいる。一つの仮説は同艦を無人潜水艦だとし、艦長が立ち観察するセイルが不要になったとする。そうだとすると世界最大級の自律水中運行機(AUV)を中国が建造したことになる。

ただし筆者はこの推論に賛同しない。同艦は試験艦で画期的な機軸を実証し今後の中国攻撃潜水艦に応用する可能性が最も高い。後日、この謎の艦の名称、任務が判明するだろうが、当面は西側は推察をすることしかできない。■

2019年10月9日水曜日

アフガニスタン情勢が悪化し、米軍の空爆規模がここ10年で最大規模になっている

US records highest airstrike rate in Afghanistan for nearly a decade

Gareth Jennings, London - Jane's Defence Weekly
08 October 2019

米空軍のF-15Eストライクイーグル編隊がアフガニスタンで爆弾を投下中。空爆がここ数年で最大規模になっている。9月に米軍は10年近くで最大規模の空爆を実施。これは同国の治安が悪化しているための措置だ。 Source: US Air Force

9月の米軍のアフガニスタン空爆規模が2010年以降で最大規模になったと空軍中央司令部(AFCENT)が発表している。
連合軍航空部隊司令部(CFACC)の統計記録が10月8日発表となり、9月には948回のミッションが展開されたことがわかる。これまで最大規模だったのが2010年で同年10月に1,043回だったのが最高記録だ。
AFCENTの発表統計はアフガニスタンで米軍、連合国が運用する有人機、無人機のうちCFACCの隷下機材が対象だ。アフガニスタン空軍(AAF)機材は対象外で、現時点でアフガニスタンで航空作戦を展開するのは米国だけなので今回の数字は米軍のみのものとなる。

米軍および連合軍のアフガニスタン航空作戦は公式には2014年に終わったことになっているが、CFACC指揮下の航空攻撃は同年の2,365回から2015年は947回にまで減っていた。だが2016年になると再び増加し、1,337回になり、2017年に4,361回、2018年は7,362回まで増えた。9月の新記録の前に8月も9年来で最高で、783回の空爆を実施している。2019年9月末までの合計は5,431回でアフガニスタンに最大量の弾薬が投下されたことになる。■

2019年10月8日火曜日

ベルが米陸軍向け新型偵察ヘリ ベル360 を発表


Bell Unveils Army Scout Helicopter — With Wings

ベルが新型陸軍用偵察ヘリコプターを発表、主翼を搭載

With its trademark tiltrotors too big for the Army’s FARA requirement, Bell is squeezing every ounce of performance out of a helicopter. Will it be fast enough?

お得意のティルトローターでは陸軍のFARA要求水準には大きすぎるため、ベルは小型化で性能を引き出す構想とした。だが十分に高速なのか。
on October 02, 2019 at 5:00 AM

Bell Flight graphic
Bell 360インヴィクタス Invictus の概念図

陸軍の将来型攻撃偵察機材構想Future Attack Reconnaissance Aircraft へのベル提案には驚くべきパラドックスが見られる。ベル360インヴィクダス(ラテン語で征服されざるもの)の名称がつき、各社提案の中でもっとも強力に見える一方、高速飛行性能と引き換えに低運行費用は劣る存在になっている。
前方に機関銃を配備し、薄い主翼をつけ、非対称型テイルローターのベル360の機体には数々の革新的技術が詰まっている。目には見えないが、性能の発揮に欠かせないのが完全デジタル制御システムで民生用ベル525リレントレスからの流用だ。525は現在FAA型式証明の取得中で初のフライ・バイ・ワイヤ操縦のヘリコプターとなる。電子制御の最高速度200ノットが実現する。ベルは360でも同程度の速度になるのか言明していないが、コンピュータモデリングと風洞テストで抗力の低減に相当努力しているのは事実だ。
だがベル360は通常型ヘリコプターの一種である。大型ローターで揚力と推進力を稼ぐものの、飛行距離と速力で制約から逃れられない。この壁の突破にベルはV-22やV-280の両ティルトローター機を準備した。
対照的なのがシコースキーS-97レイダーで、ヘリコプターと航空機のハイブリッドとして超硬度主ローターを主翼のように使い推進プロペラで推力を稼ぐ。ベルのティルトロータ同様にシコースキーの複合ヘリコプターは従来型ヘリの性能上の限界を突破する狙いがある。
その他競合相手には実機が未完成だが、ボーイングケイレムAVX/L3チームがある。だがシコースキーとベルの先行はあきらかだ
革新性ではS-97がベル360の相当先を往く。だがS-97も実証済みの設計となっており、すでに飛行テスト開始から数年がたち207ノットを達成した。これに対しベル360は縮小モデルが風洞内でテストしただけだ。では2022年末に実機が飛ぶとどこまでの速力となるのか。
「180ノット超となります」とベルの高性能回転翼機担当副社長キース・フレイルが一部記者を招いた特別説明会で述べた。180ノットはべ陸軍の巡航速度要求で機体は長時間に渡りこの性能を維持する内容だ。
では陸軍要求のダッシュ速度205ノットはどうか。「この機体は180ノット超」とフレイルは繰り返す。「陸軍要求は180ノットで当社は絶対に180を超えてみせます」
だが205ノットはどうか。「205要求はありません」とフレイルは述べた。
フレイルは記者会見後、筆者に認めた。陸軍がFARAに求める180ノット超は必要なとき短時間に限られるという。だが陸軍は「ダッシュ速度」での厳しい性能要求を設定していない。
「巡航速度180は譲歩の余地なしでの最低水準」と陸軍でFARA事業を統括するダン・ブラドレーは電子メールで筆者に伝えてきた。「ダッシュで205は望ましい性能」とし、陸軍はダッシュ速度は採択の条件ではなく、「最適条件」で実現可能かを評価するだけだという。
これは最近の陸軍の特徴たる柔軟かつ実際的なアプローチの一例であっり、これまでの硬直した要求内容と業界にリスクを無視してまで実現を共用してきた流れと好対照だ。とくにFARAでは速度、信頼性、価格などでのトレードオフを認めており、異例ともいえる許容度を業界に認めている。
Bell photo
ベルV-280ヴェイラー・ティルトローターが水平飛行中。V-280は将来型長距離強襲機(FLRAA)の最右翼候補とみなされるが、この基本設計はFARA向けの小型化は不可能だった
陸軍も現行機種より高速性能を求めており、FARA偵察ヘリには対空砲火をくぐり抜ける性能を想定している。だが機体の生存を決めるのは速力だけではない。陸軍は小型かつ機動性の高い機体を望んでおり、丘陵地や建物の影に隠れる性能を重視している。事実、回転翼の最大直径を40フィートにしたのは陸軍として譲ることができない要求となっている。このためベルお得意のティルトローターが使えなくなった。
FARAは過酷な条件で昼夜問わず飛行する必要があり、十分な整備基地がない条件も想定する。イラクではこのような基地が長距離ミサイルの標的になったこともある。「一日の終りに機体をほこりだらけの環境で整備する必要があるでしょう」(フレイル)
ベル360は速力ではシコースキーS-97にはかなわないが、ベルはセールスポイントは他にあるとする。「価格には細心の注意を払っています。ベル360は妥当な価格でリスクを最小にしながら、複雑な機構にしなくてもFARA要求性能を実現できます」”
「コーヴェットがほしくて買う予算もあるのにわざわざフェラーリを買いますか?」と在ワシントンDCのベル執行副社長ジェフ・シュレーザーが問う。「本機は高機動性の機体でお手頃な価格で米陸軍の要求内容をすべて満足させます。これ以上の機体では維持が大変でしょう」
だがフレイル、シュレーザーともに筆者が他にも低価格低技術内容の提案があると指摘するとみるみる興奮を示した。
「エキゾチックさを犠牲にしないエレガンスが手に入るのです。ここまで簡単には普通行きませんよ」(フレイル)
ベル360は高性能機軸が多数盛り込み、通常の回転翼機から一線を画すもので一部は民生用ベル525の流用だが、多くは独特の性能だ。
  • まず目につくのが主翼で揚力を稼いでいることだ。特に高速になればそれだけ多くの揚力を生む。つまり主ローターは高速度域では揚力の50パーセントしか産まず、残りの出力を加速に使えることになる。
  • ベル360はエンジンが複数装備される。GEが改良したタービンエンジンは低速域で推力を有無が、高速度になると補助出力ユニット(SPU)が起動する。これも可能な限りの出力を手に入れるためだ。
  • 主ローターのブレイドは4枚で、ベル525のものを縮小しているが、整流化ハブにつけ、抗力を最小化し、「完全関節接合」で最高の空力効率の確保のため屈曲したり原型に戻したりする。
  • 降着装置とミサイルラックはともに引き込み式で高速飛行で格納して抵抗力飛行が実現し、低速になり機体から伸長される。
  • 機体後部は意図的に非対称形になっており、右側に排気口とテイルローターがつく。フレイルからはこの設計にした理由の説明はなかったが、通常のヘリコプターではテイルローターから不均衡な力が生まれており、ベル360は非対称形にすることで戦闘機同様に「力学的に不安定」にすることで機動性を確保しているのかもしれない。
  • 機体は全電子フライ・バイ・ワイヤ制御で米戦闘ヘリコプターでは初となる。空力上で不安定な機体の制御には不可欠である。またコリンズエアロスペースがプラグアンドプレイ方式のアーキテクチャを提供しており、電子関連の交換、アプpグレードが容易に実施できる。ただし、ベル含め全社は陸軍が手動するFACE標準に準拠する必要がある。
微妙な操作が必要となるのはローター角度のみならず設計全体に及ぶ。ベルは信頼性を高めた低リスク提案をめざし、実証済み設計を基本に採用しており、シコースキーS-97のような革新性は追求していない。一方でベルは通常型設計から機能性能を引き出そうとし、機内に多くの新機軸も搭載している。ベル525の設計をさらに洗練させて新技術を採用している。ただしベル525は2016年に墜落事故を起こしFAA型式証明がまだ下りていない。
ベルは360を純粋に訴求力のある選択肢と位置づけし、シコースキーがフェラーリなら同社はコーヴェットをめざす。その真価は実機が完成して飛行性能を証明しないとわからない。■

2019年10月7日月曜日

中国の新型無人ISR機材 WZ-8 は台湾、日本をカバー

Images suggest WZ-8 UAV in service with China’s Eastern Theatre Command

Andreas Rupprecht, Mainz - Jane's Defence Weekly
04 October 2019


10月1日北京の軍事パレードでWZ-8UAV2機の機体番号は抹消あるいは隠されていた。Source: Greg Baker/AFP/Getty Images

10月1日の軍事パレードに登場したWZ-8高高度高速偵察無人機(UAV)が人民解放軍空軍(PLAAF)の第30航空連隊に編入され、江蘇省首都の南京近郊の六合航空基地に配備されていると示す写真がある。

画像は中国国営メディアが10月1日の北京パレードの予行演習で公開したもので三角形主翼のUAVに21311、21312の番号がついている。
番号が5桁で21x1xの配列はH-6M戦略爆撃機とともに東方戦域司令部の隷下にあることを示す。同司令部は台湾、日本を担当する。

ただし、10月1日のパレードでは機体番号は消去あるいは覆いをつけ判読できないようになっていた。

WZ-8はエンジン双発構造だが空気取り入れ口が見当たらず空気吸い込み式ではないようだ。機体上部の構造からは母機が運び、その場合はH-6の可能性が高く、通常型の降着装置がついている。


H-6Nの機体下部は改修されており空中発射式弾道ミサイルの運搬用との観測があった。ただし、そうではなくWZ-8搭載用途見るべきだろう。ただし、確認のための情報はまだない。■

2019年10月6日日曜日

新装備、新戦術で米海兵隊は今後どう変化していくのか、新任司令官が解説

The Future of the Marines Is Smaller, More Robotic, More Naval 

海兵隊の将来は規模縮小ながらロボット化、海軍化を進める

ENDLETON, Calif. (Apr. 25, 2017) A unmanned vehicle, part of the Multi-Utility Tactical Transport (MUTT) family of systems, operates on Red Beach during the Ship-to-Shore Maneuver Exploration and Experimentation (S2ME2) Advanced Naval Technology Exercise
  • BY PATRICK TUCKER
  • TECHNOLOGY EDITOR
OCTOBER 3, 2019
U.S. NAVY PHOTO BY JOHN F. WILLIAMS/RELEASED 

新しく就任した海兵隊総監がハイテク部隊への道筋を示している。それによれば今後は特殊部隊同様の働きとなるという。

海兵隊は今後縮小することはあっても拡大はない。海、空、陸で無人機への依存度も高まり、強襲作戦や艦艇防御にあたる。小規模分散型の集団として探知されずに行動し、現在の特殊作戦部隊に似てくるだろうと就任後わずか10日の海兵隊総監デイヴィッド・ヒルベリー・バーガー大将が述べている。
バーガー大将はヘリテージ財団で7月に発表した総監計画ガイドラインを紹介していた。バーガーが求めるその他変革には海軍とより密接に協同して艦船の防御活動がある。
「この分野には注目してこなかったのですが、今後は海兵隊が陸上、あるいは艦上で長距離対艦ミサイルの運用にあたり空や海上で火力を提供するところを想像してください」
これは同時に海兵隊が陸上や艦上で火砲を扱うことを意味するが、すでに実現している。7月にUSSボクサー艦上で小型海兵隊防空統合システムLMADISの名称でジャマー試作型を運用しイランの無人機を艦から1000フィート地点で撃墜している。「今後はこのような仕事が増えるだろう」(バーガー)
海兵隊では無人機運用の経験値も高めているとバーガーは述べている。その例が2017年にカリフォーニア州レッド・ビーチでの揚陸演習だという。
だが演習と新構想には大きな違いがあり、新型無人機の大幅導入すなればなおさらだ。「無人装備を作戦に組み込む当初の推進役は人員ではなく機械を送る構想で人へのリスクを下げることだった。今や無人装備の追加で部隊の威力を大きく見せ、さらに無人有人の組み合わせをいかに有効活用するか。ウィングマンが無人機にできるのか、あるいはともに無人機にできるか。これでミッション効果を引き上げられるか、が現在の問題意識だ」
バーガー大将からはさらにトップダウンでの大きな変化について言及があった。「あえて目標を設定しないと前進は実現しない。気にいるいらないの問題ではなく、今はすべてが有人を前提になっている」
無人装備が配備されると戦闘の様相も変わってくる。海兵隊は「遠征前線基地で分散型機動性の小部隊に補給、給油し、前進させ敵を撃破して移動させる作戦をすべて低探知性を重視して行われる」とバーガー大将は述べた。
さらに一層多様な艦船を使用する。民間商船の利用も含まれる。「民間商船でもすべてが無人装備運用に適していない。L型商船はだめだ。標的になる。必要な商船だが不十分だ。E型では利用の仕方でもっと工夫が必要だ。今後の部隊展開でLPD-17級やLHA-LHD型強襲揚陸艦がいつも利用できるとは限らない。利用方法の検討は必要だ」
だがそれより大きな変革が進んでいる。海兵隊の他軍の例にもれず交戦規則の見直しにかかっていると大将は紹介し、開戦寸前の状態の場合に実際の状況にかなっているかを点検しているとする。特に敵と友軍が区別しにくい状況を念頭に置くという。
「こちらの交戦規則ではグレイゾーン状況には対応できていない....だがそれこそ現在の世界の現実だ。現行の交戦規則が試されており、今道筋を正そうとしている」とバーガー大将は述べた。■
Patrick Tucker is technology editor for Defense One. He’s also the author of The Naked Future: What Happens in a World That Anticipates Your Every Move? (Current, 2014). Previously, Tucker was deputy editor for The Futurist for nine years. Tucker has written about emerging technology in Slate, ..

コメント 従来の海兵隊像を打ち破る構想が必要なほど、現実が変化しているということですか。対艦ミサイル運用などは陸上自衛隊がずっと模索して装備を開発してきた分野で、ここは日本が先進性を示していたということでしょうか。

2019年10月2日水曜日

中国の新型極超音速兵器DF-17は完成した装備ではない可能性



Check Out China's New DF-17 Hypersonic Glide Vehicle: A Real Killer? 中国の極超音速滑空ミサイルDF-17が要注目、威力はどこまであるのか。

Can the U.S. military match it? How capable is it? 米軍に匹敵する装備はあるのか。どこまでの性能があるのか
by David Axe 
October 1, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaMillitaryTechnologyWorldDF-17HGV
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国人民解放軍が2019年10月1日公開した新型極超音速ミサイルは太平洋に展開する米軍に新しい脅威となりそうだ。
DF-17極超音速滑空飛行体(HGV)は15千名を動員した人民共和国体制発足70周年を祝うPLA軍事パレードで初公開された。
極超音速兵器の開発に取り組む各国が、音速の5倍超の速度で移動する動力付きあるいは滑空方式の精密誘導攻撃手段の実現をめざす中で、DF-17は初の、または二番目の極超音速滑空体として配備される装備となる。ロシアはHGV配備を2019年に発表している。
パレードにはDF-17が16本登場し、DF-16中距離弾道ミサイルと思われるものの上に搭載されていた。DF-16がDF-17をマッハ5超まで加速し、DF-17が分離されて標的に向かい飛翔経路を変更しながら敵の防空網を回避する。
DF-17が弾頭を搭載しているか不明だ。「DF-17は通常弾薬を装備しHGVの運動エナジーから破壊力を発生する構想だろう」とJane’sのアンドリュー・テイトがコメントしている。
推定射程が1000マイル程度なのでDF-17は西太平洋に展開する米軍に脅威となる。
元陸将の日大の吉富 望教授はDF-17の登場で既存の防衛体制は陳腐化するとロイターに述べている。「もっと高性能の弾道ミサイル防衛体制がないと日米両国は対抗できなくなる」
「こんな兵器が配備されれあば対応できる装備がない」とジョン・ホイテン米戦略軍司令官(当時)は上院軍事委員会で2018年3月に発言していた。
極超音速兵器は拡散しつつある。2018年12月にロシア大統領ウラジミール・プーチンがロシア軍が高性能極超音速滑空体をテスト中と認め「技術面ではすべて実証に成功した」と国営TASS通信が報じていた。
他方で米国は初のHGV部隊を発足させようとしている。ペンタゴンは2018年末にダイネティクスおよびロッキード・マーティンにあわせて7億ドル相当の契約を交付しており、「共通型の」極超音速飛翔体20基、誘導装置8式、発射台4基の製造をさせる。米陸軍がHGV発射部隊をはやければ2023年に発足させる。
米海軍、米空軍も同じHGVの導入を予定している。このうち海軍はトマホーク巡航ミサイル同様に潜水艦から垂直発射させるとする。
空軍は爆撃機に搭載する。B-1爆撃機を発射母機とする意向だが、B-1では信頼性が引き続き問題となっている。
一番乗りを競うロシアと中国は信頼性が低いままで配備することになるかもしれない。米国防次官(研究開発)マイケル・グリフィンが2018年にライバル国が進展をみせているものの、極超音速兵器研究では米国が世界のリーダーであることに変わりないと2018年7月に述べている。
ペンタゴンとしては未完成の装備品を第一線配備する必要はなく、焦る必要もないと達観している。「その必要もない」
米国の極超音速兵器の成熟化には「2020年代をかけて」かかるとグリフィンは述べる。「今後はテストのペースが加速し、2020年代初めに装備品が実現し、2020年代通じて成熟化する様子が今後見てもらえますよ」とグリフィンは語っている。■

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.