2020年1月6日月曜日

北朝鮮のEMP攻撃は現実の脅威だ、防衛体制は整備できるか

北朝鮮の動きを見ているとEMP攻撃を想定しているように思えてなりません。全米が影響を受けるのには大規模な高高度核爆発数十発必要でしょうが、日本の場合はどうでしょう。例えば東京の中心部だけを狙ったEMP攻撃なら日本経済は機能不全となります。昨年の台風で停電が一番怖いことは国民も痛い体験をしています。太陽嵐もこわいのですが、ここは電力業界にもEMP対策としての強化策を真剣に実施してこそ国土強靭化が実現するのでは。米国全土で20億ドルなら日本はその数分の一程度でしょう。
本軍の真珠湾奇襲攻撃から78年目になったが、もっと恐ろしい奇襲攻撃の脅威が米本土で現実になりかねないことを忘れがちだ。米本土へのEMP攻撃の脅威の評価委員会は議会EMP委員会として知られ、2004年の時点で「米国を高高度核爆発による電磁パルス(EMP)で攻撃する能力を有する敵性国家があり、能力を整備中の国家もある。攻撃は西側諸国も狙うだろう」と指摘していた。
この十年でEMP攻撃の脅威に党派を超えた警戒意識が生まれた。2010年には民主党が多数を占める下院がGRID法案を賛成多数で通過させている。上院も批准し、20億ドルで全国電力網をEMPならびにスーパー太陽嵐から防御するものだ。2017年には重要インフラ防御法案が両党の圧倒的多数の賛成で成立している。
これだけ多数の議会人の賛同があるのに、フリーランス記者マシュー・ゴールトは2016年にEMPの脅威は非現実的と主張していた。EMP兵器が一度も試験されておらず、本当に専門家が述べるような壊滅的効果があるのか不明とも述べていた。これに対し米国の国防関係者、情報機関関係者のトップの面々さらにEMP委員会が反論した。これについてもNational Interestで「米国人死者数百万人:EMP攻撃への備えはできているか」との表題で以前記事が配信されており、巧妙に仕組まれたEMP攻撃を受ければ国家機能の喪失は十分有り得るとの見解が出ている。
別の記事「国防関連補佐官もEMPを正しく理解せず」で議会EMP委員会の首席補佐であり全国有数の核兵器EMP専門家であるピーター・プライ博士が寄稿しゴールト記者の誤りを論破した。プライは「高高度EMP攻撃は大気圏外で起こり、爆風・高熱・放射性降下物は地上に全く到達しない。EMPのみ到達する。そのためEMPより爆風やその他核兵器の影響のほうが恐ろしいとの記者の言い分はナンセンスだ」と述べていた。
プライ博士は同時に「EMP攻撃に高出力熱核兵器が必要というのは間違っている。EMP委員会ではいかなる核兵器もEMP脅威につながるとし、テロリストが用いる荒削りな装置でも同じだ。最大のEMP効果はスーパーEMP爆弾が生む。低出力ながらガンマ線を発生しこれがEMP効果となる。この場合の爆発規模は小さい。スーパーEMP兵器の出力は非常に低く10KT(キロトン)以下でよい。だがEMP磁界は100–200 KV/meterと25MT(メガトン兵器)の50KV/meterより高い」と説明。
ゴールト記者の最大の誤りは「北朝鮮には核兵器を米国まで飛ばすミサイルがない」と記したことだ。プライ博士は「国防総省の2015年版朝鮮民主人民共和国関連軍事安全保障面での進展報告書では北朝鮮が保有する核搭載の移動型ICBMのKN-08、KN-14での米国攻撃の可能性に触れている」と指摘しており、「EMP委員会、韓国軍事情報部、中国がそれぞれスーパーEMP兵器が北朝鮮に配備済みと警句を発している」とした。
また2017年10月に発表された「北朝鮮による核EMP攻撃の脅威は現実に存在する」の中でEMP委員会委員長ウィリアム・グラハム博士が議会にこんな警告を出していた。「EMP攻撃を北朝鮮衛星が今この瞬間にも行うかもしれない。超強力EMP兵器は比較的小さく軽量で北朝鮮の光明星-3、-4衛星の中に収まる。同衛星は米国上空を周回中だ。南極軌道にあるため米弾道ミサイル早期警戒レーダーや国家ミサイル防衛体制で探知できない」。またプライ博士は北朝鮮が超強力EMP衛星を遠隔起動できる。この形の攻撃だとあらかじめ探知できず、米指導部も誰の犯行か特定できない。ロシア、中国ともに同様の兵器を米国上空の軌道上に配備しているといわれる。
さらにプライ博士はEMP効果について、「高度30キロ以上での核爆発でEMPが発生する」としている。「EMP効果は発生が不安定でテストされたことがない」と言われることに対し、「EMP効果は半世紀にわたり確認されており、サイバー戦より理解度は高い」と述べている。シンガー博士は高性能ICBMでEMP攻撃の実施が想定されるが、EMP委員会は各種手段で実施可能で衛星、中長距離ミサイル、短距離ミサイルを貨物船から発射、巡航ミサイル・対艦ミサイルの利用、民間旅客機の利用、さらに気象観測用気球も考えられる。ICBMを利用する場合だが、精密誘導は必要なく、大気圏再突入の必要もない。
ゴールト記者はこれまでEMP攻撃の実施が皆無なのは核戦争につながる恐れがあるためと記しているが、プライ博士の指摘の通り、ロシア、中国、北朝鮮、さらにイランの軍事指導教義はすべて低出力EMP兵器は核攻撃とみなさずサイバー戦の一部だと明白に解説している。米国や同盟国に対する決定的な勝利を最小限の負担で実現できるとある。となると米国にこうした兵器を投入するしきい値は実はこちらの想定よりずっと低いのかもしれない。
安全保証に詳しいビル・ガーツはワシントンフリービーコン紙に昨年1月「中国、ロシアがスーパーEMP爆弾を開発中で『停電戦』を狙っている」との記事を発表した。「中国、ロシア等が強力な核兵器で超大型電磁パルスを発生させ電子製品全般を数百マイルに及ぶ範囲で使用不可能にしようとしているとの議会調査結果がある」とあり、この調査は「核EMP攻撃のシナリオおよび各種サイバー戦」でEMP委員会がまとめた。「核EMP攻撃はロシア、中国、北朝鮮、イランの軍事方針、演習で既定方針となっており、軍事部隊や民間重要インフラに対する画期的な新型戦としてサイバー、妨害工作と並びEMPが掲げられている」と報告書は述べている。更にガーツはロシアがEMP攻撃を宇宙空間から行う新戦略を採用し、大規模な破壊的効果を与え敵は抵抗できなくなると考えているのだという。
ガーツは「中国あるいはロシアとの大規模戦となれば第一発は宇宙空間でスーパーEMP兵器を起動し米国の核指揮命令系統や核兵器を使用不可能にするだろう」と述べ、「スーパーEMP兵器はすでにロシア、北朝鮮が保有しており、もっとも有効な防御を施した米装備でさえ影響は不可避で米核抑止力も機能維持が危うくなる」とも書いている。さらにガーツは機密解除になったEMP委員会研究内容からロシア原子力ミサイル潜水艦一隻ないし二隻でスーパーEMP兵器による奇襲攻撃に出れば米国の核・非核兵力が使用不能となり電力網への攻撃で大規模停電となる他、ミサイル防衛体制が不能となり、指揮命令センターがダウンし、NORADや核爆撃機基地、核潜水艦基地が被害を受ける。ここまで大規模なEMP攻撃でも事前警告はほぼなく、数分で効果が発生する。スーパーEMPを大気圏外で起動すれば爆発後の痕跡が残らず犯行元を探知されずに米重要インフラを破壊し、米国民数千万人の生命を奪える。同研究ではロシアがNATOを制圧しヨーロッパを占領する際、あるいは中国が台湾の防衛体制を破壊し、米空母戦闘群をノックアウトし、台湾侵攻を実行する際にも投入の可能性があると指摘している。
EMP委員会は別の資料も発表しており、大規模EMP攻撃が米本土を狙った場合、米国人口の9割が一年以内に死に直面するとしている。これは食品流通が崩壊し飢餓が広がり、飢餓から疾病が蔓延するなど悪効果が生まれるためだ。ゴールト記者はこの試算を疑い大げさと一蹴している。だが米国民数千万人を死に追いやる可能性のある危険をゴールト記者が読者に信じてもらいたい「想像の世界だけの存在」のままとしていいのだろうか。
米国に立ちふさがる脅威には全面核戦争からその存在が疑わしい人工気候変動まであるが、EMP攻撃が中でも財政的に対応が一番容易だ。全米の配電網の防御はわずか20億ドルで可能だ。米指導部は核兵器体系を再編し、国家ミサイル防衛を広げ、電力網をEMPの脅威に耐えるよう強化すべきだ。しかも迅速に。これで核ミサイル・EMP攻撃に対する備えができ、そうした攻撃を加えようとする敵への抑止効果も生まれる。米国も独自にスーパーEMP兵器の開発に踏み出すべきで、同様の兵器による米国攻撃を企てる勢力に対する抑止効果を柔軟に生み出すべきだ。■

この記事は以下を参考にしています。

The Threat of EMP Attack is Very Real

This can't be minimized--this is a threat to the American people that must be taken seriously.
December 15, 2019  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: EMPEMP AttackAmericaFaraday CageNuclear Attack


2020年1月5日日曜日

Tu-95近代化改修を続けるロシアの狙いは長距離スタンドオフミサイル攻撃にあり

 B-52とならび長寿のTu-95ですが、比較的最近にも新規製造があった点が異なります。B-52も当初はターボプロップ搭載案があったようですが、ジェットかターボプロップかで比較検討されていたのでしょうね。長距離スタンドオフ攻撃はやっかいな作戦になりそうですが、数千キロというのはロシア流の誇張では。航法衛星や支援装備がなければ無用の長物ですね。
Tu-95はロシア空軍で最古参の機体である。プロペラ反転式ターボプロップエンジンを搭載し、現役爆撃機として世界唯一のプロペラ推進機だ。退役の兆候もなく、ロシア空軍は逆にTu-95MSM近代化改修を実施し性能を向上させている。
ロシア戦略爆撃機部隊の中心がTu-95MSである。空対地ミサイル新型の搭載を狙った同型はこれまでの流れを継承している。ソ連時代から空対地ミサイル実験は1950年代に始まり、Tu-95Kが生まれた。冷戦時もこの流れは続き、Tu-95MSが1981年に登場した。同型はTu-95原型を近代化し、機関銃やレーダーに至るまで当初の装備を廃止した。ねらいは長距離から空対地ミサイルを発射することだった。旧型機材では近代化に耐えられないため、生産ラインが1980年に再開され新造のTu-95MSが生まれた。このため供用中の同機は一部NATO機材より機齢が若い。
Tu-95MSの主要兵装はKh-55空中発射式巡航ミサイル(ALCM)で、亜音速で2,500キロの飛翔距離がある。現在は核弾頭付きKh-55SMとして、射程が3,500キロに伸びた。その通常型はKh-555で2,000キロ先を攻撃できる。Kh-555はシリア戦線でTu-95MSから発射された。通常のTu-95MS6は機内に6発搭載する他、主翼下パイロンに最大10発を運用することで16発の発射が可能。2018年版の核兵器ノートブック(原子力科学者年報編)によればロシア空軍はTu-95MS6を25機、Tu-95MS16を30機運用中だ。ただしTu-95MSM近代化改修の対象機数の言及がなく、「おそらく44機」としている。
Tu-95MSM近代化改修の狙いはKh-101、Kh-102巡航ミサイル運用能力をTu-95MSに付与することにある。全長が伸びたKh-10(X)はTu-95MSの機内回転式弾倉に入らない。このためTu-95MSMではパイロン4つを追加し、同ミサイル4発を搭載する。パイロンは新型ミサイル、Kh-55ミサイル双方に対応する。Kh-101、Kh-102は有効射程が5,000キロまで伸び、レーダー探知されにくくなり性能が相当向上している。Kh-101もシリアで実戦投入済みで、2015年11月17日にTu-160が発射しており、その後も使用が続いている。
Tu-95MSMは機体構造の改良により主翼が強化されたことで新型ミサイル搭載が可能となった。その他筋によればエンジン、プロペラの改良も含まれ、飛行性能が向上しているという。Tu-95MSのエンジンは生産が終了しており、今後は予備部品と整備の確保が課題だ。新型レーダーとデータ表示システムも近代化された。
Tu-95MSMで興味深い点はロシア戦略爆撃部隊の規模縮小の一端がわかる点だ。前記年報やロシア筋によればMSM改修はTu-95MS全機が対象ではない。Tu-160生産が細々と進む中で、ロシア爆撃機部隊は新型PAK-DA爆撃機が登場するまで規模縮小となる。並行して陸上配備ICBMの重視が進んでおり、ICBMサイロにはアクティブ防御装備が導入されていることに注意が必要だ。MSM改修では通常兵器運用能力の向上もねらい、部隊は運用訓練を重ねている。Kh-101がスタンドオフ性能や精密攻撃能力で大きな兵力増強手段となる。■

Charlie Gao studied political and computer science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national-security issues.

Russia Is Upgrading Its Old, Propeller-Driven Tu-95 Bombers

Why?

 January 4, 2020  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: RussiaMoscowPutinMilitaryTechnologyBomberAir Force


2020年1月4日土曜日

ソレイマニ司令襲撃の背景と余波、無人機一機でこれだけの仕事をした、 イラク政府の動きも要注意

New Details About Strike On Top Iranian Commander Emerge As Americans Are Told To Flee Iraq (Updated)
Thousands of American troops are heading to the Middle East as Iraqi officials are mulling kicking the U.S. military out and amid Iranian threats.

BY JOSEPH TREVITHICKJANUARY 3, 2020


イク・ポンペイオ国務長官はイランのクッズ部隊司令官カセム・ソレイマニは米国に「差し迫った」脅威となっており、バグダッド国際空港近郊でSUV2台を狙った無人機攻撃は「米国人の生命を救った」と述べた。ただし前例のない米軍の行動へ反発も予想され、イラク政府が米軍を追い出す命令を出す可能性も増える中、国務省も米国市民になるべく早く同国を退去するよう求めている。米軍は域内に数千名規模の増派を正式に決めており、中東各国はイラン及びその代理勢力による対応に身構えている。

統合特殊作戦軍団の無人機一機、MQ-9リーパーとの報道がある、が今回のミッションを実行した。イラン政府はソレイマニとあわせイスラム革命防衛隊(IRGC)の有力者4名の死亡を確認した。クッズ部隊はIRGCの一部でテロ活動、軍事活動をイラン国外で実施する際の統制調整を担当する。「電子情報収集活動で得た極秘情報によれば偵察機他情報収集機材」が襲撃の立案に関わっていたとニューヨーク・タイムズが報じている。

ポンペイオ国務長官は1月3日のCNN出演で「どんな脅威だったのか詳細はお話できない」と述べたが脅威は「差し迫っていた」とし中東の米国権益が標的だったとのみ発言。「陰謀の防止のための行動だった。無作為のリスクはとても大きいと情報機関が評価した」とも述べ、「リスクのない形で情報は今後公開したい」とした。

ソレイマニ襲撃作戦の決定時期ははっきりしない。ニューヨーク・タイムズは実行の許可をホワイトハウスが与えたのは2019年12月27日のことでキルクークのK-1基地にロケット攻撃があり、民間請負業者関係者一名が死亡し、軍人数名が負傷した直後だったとする。ペンタゴンはソレイマニの死亡は本人の行いが原因であり、イラン政府がK-1基地襲撃を計画したと非難していた。襲撃後に米軍はイランの支援を受けK-1基地を攻撃したカタイブ・ヒズボラへ空爆を加えた。

サウスカロライナ選出(共)でトランプ大統領に近いリンゼー・グラム上院議員は1月3日にフォックスニューズで襲撃作戦の事前説明を「フロリダで」受けたと明かし、報道陣が同議員を2019年12月30日31日にトランプのマー・ア・ラゴ別荘で見かけており、作戦準備が事前に進んでいたことを示している。

このことからソレイマニ襲撃は12月31日の在バグダッド米大使館襲撃事件の前に実行が決まっていたことにある。米軍の説明ではソレイマニは大使館襲撃も指揮したとある。大使館襲撃は米軍空爆への抗議として実行され、カタイブ・ヒズボラはじめイランが支援する戦闘員集団がイラク政府の人民動員部隊(PMF)の傘下で動員され実行された。

襲撃を受け米軍は海兵隊危機対応部隊をクウェイトから派遣し、大使館の警備を強化した。また82空挺師団の人員も動員すると発表があり、緊急対応部隊(IRF)の呼称で体制を整備する。

航空機スポッターは飛行追跡ソフトを駆使し特殊作戦部隊がヨーロッパから中東に移動する様子を見つけた。大規模空輸作戦で人員装備を送り込み、米軍機他が各地の航空基地民間空港を経由して中東各地のほか、トルコへの飛来がまだ続いている。

米軍が数千名規模の増派をするので空輸活動は今後も続きそうだ。IRFの規模は4千から5千名だがさらに追加部隊の準備も進んでいる。

こうした動員でIRFが強化されるが米大使館襲撃で死傷者が発生しておらず、大使館の被害も外周部にとどまっていることを考えると過剰反応に見える。だが、イランおよびその代理勢力がソレイマニ襲撃を受けて示す反応を見れば当然に思える。カタイブ・ヒズボラの指導者でPMFを司る人民動員委員会の副委員長アブ・マディ・アル・ムハンディスも今回の無人機攻撃により死亡していることに注目だ。PMFではイラク国内のイラン支援勢力に報復を繰り返し呼びかけている。

「何らかの攻撃計画があるとわかれば先制攻撃で米軍部隊を守り、米国国民の生命を保護する」とマーク・エスパー国防長官は1月2日、ソレイマニ襲撃の前に報道陣に語っていた。

2019年12月初旬に米政府が中東の米国権益へイランおよび代理勢力による脅威が高まっているとの情報を掴んでいたことに注目すべきだ。同月中にイラク国内の米軍基地ロケット攻撃が11回あり、すべてイランとつながる戦闘員集団が実行した。

米政府はソレイマニを数十年に渡り監視しており、本人を狙う機会が検討されてきた。退役陸軍将軍スタンレー・マクリスタルによれば2007年のイラクでソレイマニを排除する選択に進まなかったと語る。当時マクリスタルは統合特殊作戦司令部の指揮官で政治的反動を恐れたという。クッズ部隊はイラク国内の戦闘集団を支援し米軍等に戦闘を仕掛けさせるほか、直接襲撃にも関与していた。
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翌年にシリアにいた本人の暗殺をCIAとモサドの提言をジョージ・W・ブッシュ大統領が拒否したといわれ、CIAとモサドはレバノンのヒズボラナンバー2のイマド・ムグニエをシリア首都ダマスカスで殺害した。

つまりソレイマニ殺害の場合の影響はすでにジョージ・W・ブッシュ政権時に考慮されていたことになる。事態を複雑にするのはイラク政府がイランと強いつながりがあり、今回の襲撃でイラク政府の代表者でもあるムハンディスが死亡していることだ。

イラク当局はカタイブ・ヒズボラへの米軍空爆を公然と批判しており、同国首相アディル・アブドゥルマーディは強い伍長の声明文を今回の襲撃事件語に発表した。「公職につくイラク軍事指導者を殺害したのはイラクへの攻撃であり、イラク国民が攻撃を受けたのと同じだ」「暗殺は米軍のイラク駐留条件に違反し、そもそもはグローバル規模の有志連合の一環としてイスラム国勢力に対する戦闘の訓練が役割のはずだ」「本日、議会に緊急会合を求め適切な立法措置によりイラクの威信、安全、主権の保持をめざす」

イラク国会内の親イラン勢力は米軍の退去を求めており、さらに声を上げそうだ。シーア派で影響力を有し物議を呼ぶムクタダ・アル・サドルはイラク政界にも影響力を持ち、今回の襲撃事件時にはイランにおり、2000年代にイラクで米主導の占領体制に挑戦したアル・マーディ部隊、アル・ヨム・アル-モウド戦闘集団の再編をめざすと宣言した。

.ポンペイオ国務長官はテロリストや先頭集団を中東全域で支援する首謀者ソレイマニの殺害により世界は安全になったと主張する。ただし、国務省はイラクから米国民の退去を検討中と言われ、バグダッドの米大使館には近づかないよう求める。米国人は可及的速やかにイラク国外に移動するよう求める緊急通告が出ている。

イランは三日間の服喪を決め、クッズ部隊の新司令にエスマイル・ガーニEsmail Ghaani准将を指名した。イラン政府は「激しい報復」を誓いこのままでは米国のみならず同盟国協力国へのなんらかの形の報復は避けられないようだ。なかでもイスラエルとサウジアラビアをイランは敵視している。

サウジアラビアから公式発表はまだないが、匿名筋が同国のアル・アラビヤ通信に「域内の安全に驚異となる作戦行動の事実を把握しており、テロリスト戦闘集団の脅威を集結冴えるためにも王国は事態を悪化させかねない行動を自制する」と述べている。

今回の襲撃事件には他の同盟国は関与しておらず米国による一方的行動であることは明白だ。英国は「すべての関係国によるエスカレーション回避」を求め、フランスも米作戦で世界は「より危険な」場所になったと述べた。

英仏にドイツ、ロシア、中国がイラン核開発合意に加わっている。襲撃事件でイランがさらに合意内容の違反に走り、イラン政府が制裁緩和他の譲歩を求める動きが加速すると各国は見ている。

一方でイランおよび代理勢力はイラクで死亡者の埋葬に気を取られているようだが事態のエスカレーション回避に向かうとは到底思えない。

トランプ大統領はイランとの戦争やテヘランの政権転覆は狙わないとする一方で必要ならイラン権益への攻撃続行を示唆しており、標的はすでに「把握済み」としている。■

2020年1月3日金曜日

緊急 イランの報復攻撃はどんな形態をとるのか 1月2日ソレイマニ司令官暗殺

お正月で頭がボケそうになっている日本ですが、世界はどんどん動いています。ゴーンが逃げ帰ったレバノンもこうやってみると随分危険な国ですね。イランの出方を固唾を呑んで見守るしか無いのですが、ひょっとすると長い混乱のはじまりかもしれません。攻撃の実際についてはそのうちに情報が出るのでお伝えできると思います。

 

Iran has vowed revenge on the US after Trump's airstrike killed its top military commander. Here's how it could do it.

Alexandra Ma 15 minutes ago

trump burning iran
トランプ大統領の写真を燃やす抗議者。テヘランの旧米国大使館の外で。2018年11月。 (Photo by Majid Saeedi/Getty Images)
  • イランの精鋭部隊クッズ部隊Quds Forceの司令官カセム・ソレイマニがドナルド・トランプ大統領の指令で実施された空爆で死亡したと国防総省は1月2日発表した。
  • イラン指導部は米国への報復を誓い、死亡した司令官を英雄扱いしている。
  • イランは軍事力で米国に劣るものの、ソレイマニの指導の下で通常兵器各種を開発し、米軍に打撃を与える装備もある。
  • 米国へのサイバー攻撃、テロ攻撃の他、域内の協力勢力を使い米軍基地を攻撃する可能性もある。以下、イランが実行する可能性のある攻撃内容をまとめた。
ラン指導部は米軍の空爆による損害と同等の報復を誓っている。ドナルド・トランプ大統領の命令によりイランはもっとも有能かつ広く慕われた軍指導者カセム・ソレイマニQassem Soleimaniを殺害された。
イラン外相モハマド・ジャヴェド・ザリフMohammad Javad Zarifは米国による行為を「国際テロ」と呼び、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイAyatollah Ali Khameneiは「残酷な報復が控えている」と警告している。
今回の空爆はトランプによるイランへの宣戦布告と複数の外交専門家がとらえている。
イランに米軍と同等の軍事力はないが、ソレイマニの指導力のもとで通常兵器各種を開発しており、米軍に損害を与える可能性がある。以下考えられるイランによる報復攻撃の内容だ。

Qassem Soleimani Iran Revolutionary Guard
革命防衛隊カセム・ソレイマニ将軍、2016年9月テヘランにて (Office of the Iranian Supreme Leader via AP)


中東地区の米国人への攻撃

国防総省によればソレイマニは「イラク国内にとどまらず地域全般の米外交団や軍関係者を襲撃する案を積極的に進めていた」。
イランに米国民を襲撃する動機が増えたことになる。
「喫緊の課題はラク、シリア、レバノン、湾岸地区で大使館、部隊、人員の生命の安全をイ確保すること」とイスラエル駐在米大使を務めたダン・シャピロがツイッターで述べている。

soleimani iraq debris
バグダッド国際空港付近の道路上で燃え続ける攻撃の跡。イラク民兵組織によればロケット弾三発によるものという。2020年1月3日。 Iraqi Security Media Cell via Reuters

イスラエル、サウジアラビア、UAEへのロケット攻撃

別の対米攻撃方法に中東・湾岸地域の米及び米同盟国の部隊、軍事基地を攻撃することがある。
イランによる報復には「数波に渡るロケット攻撃をイスラエル、サウジ、またUAEに向けることがあり....域内基地に駐留する地上部隊も標的になる」と対テロ専門家デイヴィッド・キルクレンがコメントしている。キルクレンはデイヴィッド・ペトレアスCIA前長官と2007年から2008年にかけてイラク戦に関与していた。

サイバー戦、テロ攻撃、誘拐

イランによる攻撃には「非対称的かつ非通常型の攻撃をヨーロッパ、アフリカ、南アメリカや米本国で仕掛ける可能性」があるとキルクレンは見る。
考えられる形態にサイバー攻撃があり、ソレイマニ自身がその可能性を以前ほのめかしていた他、テロ襲撃、暗殺、誘拐がある。

ソレイマニに共鳴し報復したくてたまらない連中が多数ある

クッズ部隊はイランのイスラム防衛隊でも最精鋭でソレイマニは中東全域の各種戦闘員部隊を訓練して強い関係を培ってきた。
その一部が米ソレイマニ暗殺の仇を取ると早速公言している。
中東に分布するクッズ部隊の協力勢力は以下の通りである。
  • イラクのシーア派戦闘員組織は2003年の米軍侵攻以来一貫して米軍と戦闘を繰り広げている。アサイブ・アール・アルハクAsaib Ahl al-Haq、カテブ・ヒズボラKataeb Hezbollah民兵組織の他、バドル組織Badr Organizationがある。
  • レバノンに本拠地をおくヒズボラ民兵組織はクッズ部隊の支援を受け1980年代に発足した。同集団は数々の事件を引き起こした他、ロケット弾数万発を保有しており、米同盟国のイスラエルを容易に攻撃できる。現在のレバノン政府の要職はヒズボラが占めている。
  • シーア派フーシHouthi反乱勢力がイエメンにあり、サウジ主導の有志連合が代理戦争を展開している。昨年9月にフーシはサウジアラムコの石油精製施設攻撃を実行したと主張したが、サウジアラビアと米国はイランの犯行と断定した。イランはこれを否定した。
  • スンニ派の民兵組織ハマスHamasがガザ回廊に陣取っている。イランはハマスへの財政支援を2011年中止したが、実は軍事支援をその後も続けている。
ヒズボラ指導者ハッサン・ナスララHassan Nasrallahは1月3日午前の訓話でソレイマニの「道を引き継ぎ」、全世界の戦闘員に今回の攻撃の首謀者を罰するよう求めた。
なおソレイマニ襲撃でカテブ・ヒズボラ指導者のアブ・マーディ・アルムハンディスAbu Mahdi al-Muhandisも死亡したとAPが伝えている。
ソレイマニへの米軍攻撃は同人が率いる集団がバグダッドの米大使館を襲撃した直後に実行された。大使館への攻撃自体が前週のイラク、シリアへの米軍空爆でカテブ・ヒズボラの25名が死亡した事件への報復だった。
言い換えれば、イランが単独で米軍に挑戦しなくても、域内の協力勢力多数を使えばよい。
「今回の戦略的な影響は数ヶ月、数カ年にわたり残る」とシャピロ元大使はツイートした。「気を確かにし、深刻な状況に備え、我が方の人員や同盟国に必要な支援を与えるべきだ」■

ドイツ軍の即応体制の欠陥は解決されていないようです

自虐ネタではないのですからヨーロッパの雄ドイツにはNATO防衛体制の主力として責任を果たしてもらいたいものです。このネタはここ数年続いていますが、2030年代にやっと公約を実現するという政治決断にはなにか不健全なものを感じます。経済や安全保障で政権の正しい決断が必要だと改めて感じさせてくれます。緑の党でさえ、なにかおかしいと感じる状況は異常でしょう。日本も他山の石とすべきで、もし明日選挙があれば安全保障の決定を責任をもって下せる(下せそうな)政党を選択すべきでしょう。

Is Germany's Military Dying? ドイツ軍は機能不全におちいりつつあるのか

by David Axe 
January 2, 2020  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: GermanyArmyMilitaryNATO

2019年11月、ドイツ軍の新鋭攻撃・輸送ヘリコプターで戦闘投入可能なのは数機しかないとの報道があり、ドイツ軍の即応体制をめぐる状況の深刻さを示している。
現地報道によればドイツ陸軍が53機保有するタイガー攻撃ヘリで8機、NH-90輸送ヘリ99機で12機のみが実戦投入可能な状態だった。
各軍は主要装備の80%をいつでも出動できる体制に保つのが通例だ。米軍の戦闘飛行隊でも80%の目標を維持しようとしている。
高度なまで複雑な装備だとこれより低くても受容される。米海軍は11隻ある空母で危機状況発生後30日以内に6隻の展開をめざし、7隻目は90日後に出動させる。米空軍はB-2ステルス爆撃機20機のうち半分を急な事態展開に対応して出動させれば良いと考えているようだ。
これに対してドイツ陸軍ヘリコプターの即応体制は15%近くで低迷している。つまり作戦投入可能な機材が少ない。人員面にも影響が出る。「タイガーでここまで投入可能な機材が少ないとパイロット訓練にも影響が出る。この状況の放置は無責任だ」と語るのは緑の党のトビアス・リンドナーだ。
ドイツの即応体制の危機的状況は今始まった問題ではない。2018年には128機あるユーロファイター・タイフーン戦闘機のうち稼働可能な機体が10機しかない時期があった。同時期にトーネード戦闘爆撃機では93機中26機しか作戦投入できなかった。
タイフーン、トーネードの機数が確保できないとドイツ空軍はNATO加盟国として突発の危機的状況に対応すべく82機を高度即応体制に維持する義務が果たせない。ドイツ空軍参謀総長インゴ・ヘルハルツ中将も「ルフトヴァッフェは低潮な状態」と認めるほどだ。
問題は空軍だけではない。2018年度の議会宛報告書によればCH-53輸送ヘリコプターでは72機中わずか16機、A400輸送機15機では3機、レオパルド2戦車224両で105両、フリゲート艦13隻の5隻が即応体制にあった、とある。
最大の影響が生まれたのは潜水艦で、6隻のうち一隻も実戦投入できない状態だった。212型ディーゼル電気推進式潜水艦の一隻が軽微な事故に遭遇した。3隻は造船所で長期保守整備中で、2隻は港湾で係留され修理中だった。
ドイツ海軍関係者は補修部品の不足を嘆く。「冷戦中は新規装備導入と同時に部品セットを確保していたが、予算節約で今や部品在庫が全くない状態だ」とDefense Newsが海軍関係者の発言を伝えている。
アンヘラ・メルケル首相は防衛予算の対GDP比率をゆっくりと引き上げると公約しており、2030年代初頭にNATO目標の2%水準に達すると述べている。
その中でドイツ空軍が新型機の導入に向かうというのは現有機材の維持管理もできないなかで信じられない話だ。
ドイツ空軍はユーロファイター・タイフーン143機発注の最終号機を受領している。ただし、旧型機の更新用にタイフーンの追加発注となるかもしれない。
2019年末時点でドイツはタイフーン141機、トーネード74機を保有し、更にトーネードECRを30機運用していた。後者は特殊兵装とセンサーを搭載し危険な敵防空体制制圧つまりSEADミッションの機材だ。1980年代製のトーネードは後継機種が必要だ。タイフーンをこれに充てる案がある。新規生産分のタイフーンは旧型タイフーンの後を引き継ぐかもしれない。ドイツ政府がタイフーンを追加発注すればドイツのタイフーンは250機を超えそうだ。
ただし現在のような即応対応率のままでは実戦に投入可能な戦闘機が数十機になってしまいかねない。■
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

2020年1月2日木曜日

次期CODとなるCMV-22オスプレイが完成

Behold The First Image Of A Navy CMV-22 Osprey That Will Replace The C-2 Greyhound C-2グレイハウンドの後継機CMV-22オスプレイが姿を現し始めた
The delivery of the first CMV-22B to the Navy for testing should occur soon, with the type slated to start its operational career in 2021.CMV-22B一号機はまもなく海軍に引き渡され、2021年に供用開始する

BY TYLER ROGOWAY AND JOSEPH TREVITHICKDECEMBER 10, 2019
THE WAR ZONE
CMV-22B Carried Onboard DeliveryBRADY KENDRICK



CMV-22Bオスプレイ空母艦上輸送機(COD)型開発が順調に進んでいる。長年活躍してきたグラマンC-2Aグレイハウンドがいよいよ退役に近づいてきた。代わってオスプレイがその役目を引き継ぐ。議論を呼んだ米海軍の決定だったが、そCMV-22Bの納入が近づいてきた。今回、海軍のCOD塗装を施したCMV-22B一号機の写真を入手した。写真はベルのアマリロ工場(テキサス)で航空写真家ブレイディ・ケンドリックが2019年12月10日に撮影したもの。

CMV-22Bで一番目立つ構造上の違いは燃料タンクが機体両側のスポンソン前方についたことだ。COD任務で必要な航続距離の実現のためで、空母打撃群が外洋に展開中でも対応する必要がある。


BRADY KENDRICK
機体改修の大まかな姿がわかる。


米海軍は2018年6月に39機を42億ドルでベルーボーイング共同事業体に発注し、CMV-22Bは順調に開発されてきた。さらにここに19機のMV-22Bが加わり、米海兵隊と日本向け、CV-22Bが米空軍向けに製造される。

2018年12月にCMV-22B初の運用部隊となる艦隊補給多用途飛行隊30(VRM-30)の編成式典をノースアイランド海軍航空基地(カリフォーニア)で行っており、搭乗員は海兵隊中型ティルトローター訓練飛行隊204(VMMT-204)で訓練を受けていた。

さらに2019年10月に艦隊補給多用途飛行団(COMVRMWING)がノースアイランドで編成され、海軍が予定するCMV-22B飛行隊三個を統括することになる。またVRM-40も編成に向かっており、VRM-50編成が承認されている。

ノースアイランドでは運用に当たり施設の改良が必要だ。滑走路、誘導路はオスプレイのエンジン排熱に耐える表面処理だ。すべてはC-2AグレイハウンドからCMV-22への機種転換検討で必要となり今後5年間かけて完成する。C-2A最終号機の用途廃止は2026年から2028年の予定。

CMV-22B一号機の納入が迫っているものの、同機の供用開始は2021年となり、海軍向けF-35CがUSSカール・ヴィンソンで供用開始するのと同じ時期となる。

「2021年の第一四半期を目標に安全運用ができるように飛行隊をまるまる使えるようにする」とVRM-30司令トレヴァー・ハーマン中佐が2019年6月にUSNI Newsに語っていた。

CMV-22BでF-35Cの空母運用を支援する必要があると海軍は一貫して主張してきた。C-2Aグレイハウンドでは共用打撃戦闘機のF135エンジンが搬送できないという。


USMC
F-135 を専用台車に載せて海兵隊のMV-22Bに搭載する実証が2015年に行われた。.


ここがCMV-22でC-2Aに交代させる構想で議論を呼んだ点だ。グレイハウンドではエンジンが運べないという海軍の言い分は正しい。ただし、CMV-22Bでの実施は複雑かつ手順で特殊器具も必要で誤差が許されない仕事になる。

また機内にスペースの余裕がないのも懸念材料だ。その他、艦上での機体取り回しや発艦・回収に時間がかかるため緊急時対応が心配だ。だがなんといってもCMV-22Bが自力で艦上を移動できないことが最大の懸念だ。

さらにグレイハウンドと異なりオスプレイは与圧がないため、上昇高度に限度があり、人員輸送時に制約が生まれる。悪天候を飛び越える飛行ができず、飛行経路が複雑となるし、天候のいかんにかかわらず発生する輸送任務にリスクが生まれる。

同時にCMV-22Bは空母以外の艦船からの運用も想定する点も、グレイハウンドと異なる。これまでのCODでは「ハブアンドスポーク」方式でCOD機で人員貨物を空母に運び、その後はヘリコプターで空母打撃群の他艦船に搬送していた。
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とはいえ、空母打撃群の補給活動ではC-2が姿を消し、CMV-22に交代することとなり、将来の空母艦上輸送機が姿を現し始めてきた。■

Contact the authors: Tyler@thedrive and Joe@thedrive.com

2020年1月1日水曜日

新年のごあいさつ:6百万PV突破、投稿数3.3千記事、そして2019年最も読まれた記事トップ5の発表です

恒例の年間最も読まれた記事のリストです。

2019年1月1日時点のPV合計は4,844,551でしたが、12月31日午後3時30分現在は6,077,821ですので概算1,233,270つまり延べ120万人の方にこのブログをご覧頂きました。ありがとうございました。ちなみに投稿件数は3,300件を超えています。

そこで2019年に最も読まれた記事トップ5の発表です。

第5位 $ロッキード株は買い? 小型核融合炉開発は遅れているものの着実に進んでいる#ロッキード・マーティン, スカンクワークス, 小型核融合炉CFR [4,128 PV]


第4位 次期戦闘機はNGFの呼称へ。日本独特の大型戦闘航空機になりそう#F-3, #NGF, #日本の安全保証 [8,172 PV]


第3位 ★F-15X構想は思ったより大規模になりそう ボーイングは二型式を固定価格で提案か#F-15. F-15X, #USAF, #ボーイング [8,854 PV]

第2位 あらためて日本のF-3開発状況をとりまとめてみましたが....#F-3, #日本の安全保障 [9,082 PV]

そして
第1位は.....

★★世界いかなる場所にも24時間以内に展開する「ラピッド・ラプター」構想の持つ意味とは#F-22, #USAF, ACC, F-22を対地攻撃に使う, ラピッド・ラプター [12,232 PV]

でした。


こうして見ると皆さんは戦闘機とくにF-3(NGF)、F-15EX、F-22へのご関心が強いですね。このブログでは翻訳の練習もありますが、日本では気づきにくい海外での動向とくに技術や地政学さらにISR機能について触れたいのですが、結果として皆さんのご関心にこびた投稿構造になっているのがわかります。

さあ、2020年はどうなりますかね。いままで2020年代が先に控える区切りだったのですが、これからは2030年代、2040年代という表現が中心になるでしょうね。次世代戦闘機は開発が遅れていけば、2040年代という言い方もでてくるでしょう。2040年代といえばB-52がこの頃にやっと退役するともいわれ、決してての届かない未来とは言えないかもしれません。

それはともかく2020年も一緒に動向を探っていきましょう。よろしくお願いします。