2023年10月9日月曜日

ハマス奇襲攻撃を受け、米国の対応。フォード空母打撃群、空軍機材が現地付近へ移動中。イスラエル向け軍需品補給も。バイデン政権には戦略の前提が崩れ、対応力が試される場面となりそうだ。Breaking Defense記事より

 iron dome Palestine israel hamas

Rockets fired by Palestinian militants from Gaza City are intercepted by the Israeli Iron Dome defence missile system in the early hours of October 8, 2023. (EYAD BABA/AFP via Getty Images)

ハマスの奇襲攻撃を受け、米国はイスラエルへ装備品供給を急ぎ、艦船と航空機を移動中

 米国はイスラエル国防軍に対し、軍需品を含む追加装備と資源を迅速に提供する。ロイド・オースティン国防長官は日曜日、「最初の安全保障支援は今日から始動し、数日以内に到着する」と述べた。

 週末のイスラエルへの衝撃的な攻撃を受け、アメリカは中東でのプレゼンスを強化する一方、イスラエル国防軍への武器供与を加速させる。

 ロイド・オースティン米国防長官は日曜日に、USSジェラルド・R・フォード空母打撃群を地中海東部に向け派遣すると発表し、同時に「同地域における米空軍F-35、F-15、F-16、A-10戦闘機部隊を増強する」と述べた。

 さらに、「イスラエル国防軍に対し、軍需品を含む追加装備と資源を迅速に提供する。最初の安全保障支援は今日から開始され、数日中に到着する」とオースティン長官は述べた。「イスラエルに物資支援を迅速に提供するのに加え、統合部隊態勢を強化することは、イスラエル国防軍とイスラエル国民に対する米国の鉄壁の支援を強調するものである」。

 国防総省によると、フォード空母打撃群には、ミサイル巡洋艦USSノーマンディー(CG 60)、アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSトーマス・ハドナー(DDG 116)、USSラマージュ(DDG 61)、USSカーニー(DDG 64)、USSローズベルト(DDG 80)が含まれる。

 現地時間の土曜日、ハマスはイスラエルに対し、空、陸、海を移動する戦闘員による前例のない多方面からの攻撃を開始した。米国がテロリスト指定したパレスチナ人グループのハマスが、イスラエル人を数十人殺害し、民間人や軍人を数十人捕らえたと報じられている。メディアは、ハマスの初回攻撃と、イスラエルによるガザへの報復により双方の戦死者1,100人以上と報じており、イスラエル当局は、この事態は長期にわたる紛争の始まりに過ぎないと警告している。

 襲撃は、イスラエルの誇る諜報機関を油断させたようで、ガザ国境沿いの町や軍事基地が抵抗する間もなく攻撃され、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランが支援するハマスと「戦争状態」にあると宣言した。

 今回の紛争は、この地域の比較的平和な時期を覆す恐れがあり、ネタニヤフ首相の国内での政治的挑戦と、バイデン政権のサウジアラビアとイスラエル和平協定への希望に一石を投じることになる。また、国防総省がインド太平洋に焦点を当て中東方面から切り離そうしている中で、再び深刻な形で立ち戻らざるを得なくなる可能性も出てきた。■



US expedites munitions for Israel, moves ships and aircraft into region after Hamas attack - Breaking Defense

By   AARON MEHTA

on October 08, 2023 at 4:47 PM


ハマスの勝利はありえない。イスラエルは冷徹に行動するはず。しかし、イスラエルは右傾化し、今回決着をつけても恒久的な解決策にはならない。

イスラエルはハマスとの戦いに勝つだろう。

しかし、銃撃が止んだあとは?

ザ地区のイスラム主義派閥ハマスが、大規模な作戦でイスラエルを奇襲攻撃した。ガザ近郊のイスラエルの村落や入植地を襲撃し、ロケット弾を発射した。

ハマスがイスラエル国内で領土を保持することは望めないため、襲撃とテロリズムをミックスした攻撃となっている。

イスラエルの一般市民は戦闘員に処刑され、人質が取られ、財産が略奪されている。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルは『戦争状態』と宣言し、イスラエルの報復はすでに始まっている。イスラエルの行動は迅速かつ懲罰的だ。

空爆が開始され、ハマスの地上侵攻の規模を考えれば、イスラエルは地上にも突入するだろう。

ハマスは勝てない

ハマスが手を出しすぎたのはほぼ間違いない。

民間人の処刑は世界世論を敵に回す。ハマス戦闘員が街頭で市民を狩る映像は、紛争を決定的なものにしており、ハマスが望む自由の戦士ではなく、ギャングやテロリストに見える。トルコとインドはイスラエル支持を表明した。伝統的にイスラエルの軍事行動から距離を置いてきたヨーロッパ諸国も、支持を表明している。

もちろん、ガザに対するイスラエルの軍事的優位は非常に大きい。イスラエルの軍事行動は、ほぼ間違いなくハマスの指導部、訓練施設、ロケット製造工場を標的にするだろう。

ハマスは3つの方法で抵抗する

第一に、ハマスは人質を人間の盾として使う。ハマスは冷酷で、イスラエルは数人のイスラエル人とパレスチナ人多数を交換することで知られている。少なくともハマスの人質の何人かは外国人であり、イスラエルが大規模な地上侵攻を開始すれば、外交的コストが発生する。

第二に、世界の世論がイスラエルを拘束するだろう。不釣り合いな対応は、この地域におけるイスラエルの軍事行動に対する批判となって久しい。イスラエルの軍事行動が今後数週間で、犠牲者数が偏って返ってくれば、イスラエルは再び批判を浴びるだろう。しかし現在、イスラエルは史上で最も右翼の政権に率いられている。過去の政府ほど自制を気にすることはないだろう。

第三に、イスラエルはヨルダン川西岸地区と同様に、ガザで泥沼化することを望んでいない。ガザへの本格的な地上侵攻は、占領と反乱につながりかねない。イスラエル国防軍はすでに、ヨルダン川西岸で半警察軍/反乱軍として活動している。しかし、現在のイスラエルの強権的な指導者たちは気にかけないかもしれない。ネタニヤフ連立政権は、2005年のガザ撤退に満足していない。以前の政権がガザを泥沼として切り捨てようとしたのに対し、現政権はこの紛争を利用してイスラエルを再び取り込むかもしれない。

イスラエルは勝ってからどうするのか?

イスラエルの勝利に疑いの余地はない。イスラエルとパレスチナの未解決紛争はすべて同じ結末だ。イスラエルは簡単に勝利することもあれば、獲得したものを維持するため奮闘することもある。ヨルダン川西岸では、入植者運動が徐々にイスラエル支配を定着させてきた。ネタニヤフ首相の強権的な政府がガザに武力復帰しようと思えば、それは可能だ。

しかし、このような紛争での和平の期間は、長続きする和解ではなく、一層暫定的になりつつある。定期的な一方的な軍事衝突でパレスチナ過激派が鎮圧され、イスラエル側に民間人の犠牲も発生する事態は、双方にとって奇妙な現状である。ネタニヤフ首相はこれを安定した均衡と考えているようだ。ネタニヤフ首相は、パレスチナ人の最終的な地位の問題を際限なく先延ばしにする一方で、併合を論議することなく、ヨルダン川西岸地区を非公式に保持することを可能にしている。

二国間解決が唯一の永続的な答えだ

永続的な解決策、つまり休戦ではなく実際の和平を築くには、パレスチナ人に恒久的な解決策が必要だ。米国と多数国は、パレスチナ人がイスラエルの隣に独自国家を持つという2国家和平案を長い間支持してきた。ネタニヤフ首相の連立政権はこれに反対しており、イスラエル世論はこの問題で徐々に右傾化している。

したがって、数年後の紛争再発は容易に想像できる。イスラエルはパレスチナのナショナリズムを永久に打ち負かすことはできない。ハマスについても今週は潰せても、残党が生き残り、再編成されるだろう。疎外された若者たちは常時戦う準備だ。今回の紛争がターニングポイントと呼ばれているが、インティファーダやオスロ和平合意、そして2014年のイスラエルのガザ侵攻でも同じことが言われていた。これで終わりのはずはない。■

Israel Will Win the War Against Hamas. But What Happens When the Shooting Stops? - 19FortyFive

By

Robert Kelly

Dr. Robert E. Kelly (@Robert_E_Kelly; RoberEdwinKelly.com) is a professor in the Department of Political Science at Pusan National University and 19FortyFive Contributing Editor.

 

ハマス奇襲攻撃:イスラエルが50年ぶりに戦争状態を宣言、ヒズボラの動きに注視。IDFは報復攻撃を開始。ハマスの人質には他国民含み、各国による人質奪回作戦に実施に口実を与えている。

 Israel airstrike hamas gaza

Photo by MAHMUD HAMS / AFP) (Photo by MAHMUD HAMS/AFP via Getty Images

イスラエルが戦争状態を宣言、米海軍空母群は方向転換


ハマスの奇襲攻撃の翌日、米海軍は艦艇を再配置させ、イスラエルでは地上攻撃の準備を進めた

死者数百人と数十人の人質を出したハマスによる高度なまで調整され、複数領域にわたる奇襲攻撃を示すイスラエルからの画像と映像が世界を揺るがした翌日、同地域は緊張に包まれている。ハマスを消滅させるため、ガザへ大規模な地上作戦が準備されているのは確実だが、それがいつまで続くかは誰にもわからない。同時に、ヒズボラとイランから供給された大量の武器が大きな懸念材料となっており、紛争が拡大する懸念もある。とはいえ、主要な動きを追ってみよう。

イスラエルは、1973年以来初めて戦争状態を宣言した。

ハマス戦闘員がガザ国境を越えた後、彼らが奪った人質にはイスラエル人以外も含まれており、この紛争が多国籍の様相を呈している。外国人も殺害された可能性が高い。米国は現在、アメリカ国民も捕虜に含まれていることを明らかにしている。

また、ドイツ国籍のシャニ・ルークが捕らえられ、ガザに連れ戻され、パレードされ、裸にされ、意識不明のままピックアップトラックの荷台で殴られたこともわかっている。彼女は、ガザ国境からほど近い音楽祭に参加していた犠牲者で、ハマス戦闘員に襲われた。

ABCニュース報道によれば、フェスティバルで殺害された人数は260人を超えた。

ガザで国際的な人質が発生したということは、イスラエルに対して人質奪還のため外国からの援助が提供されるということだが、あらためて人質奪還がいかに厳しいものであるかを浮き彫りにしている。数百人とも言われる多数の人質が、本格的な紛争地域になろうとしている密集した非常に敵対的な都市部に拘束されていることは、ただでさえ複雑な人質救出作戦を劇的に複雑にしている。

国防総省は、USSジェラルド・R・フォード空母打撃群を東地中海に向かわせた。これは、アメリカ人を避難させる必要が生じた場合の不測の事態に備えるためであると同時に、この地域への抑止のシグナルとなる。国防長官はまた、明らかに持続的な作戦になるイスラエルに、米国から軍需物資を送ることを明らかにした。

現在の危機が拡大する可能性があるとすれば、ヒズボラが大きな脅威となっているレバノン南部ほど注視されている場所はない。イラン支援を受けた過激派組織は、数万発の大砲ロケット弾だけでなく、自爆ドローン、長距離ロケット弾、巡航ミサイルなど、高性能兵器で構成された、巨大な兵器庫を保有している。その能力は、もし完全に起動した場合、イスラエルの人口集中地区での被害が深刻な懸念となるまで拡大した。イスラエルは、最も先進的で層の厚い統合防空システム(IADS)を有しているが、ヒズボラが全力を発揮した場合、圧倒されるだろう。

ヒズボラへのイランの関与はまた、イスラエルとレバノン南部の枠をはるかに超えて紛争が拡大する可能性を指し示している。イランはすでに、ハマスによる大規模攻撃で支援者であるとみなされており、実際に同グループの構成員は直接そう述べている。

これまでのところ、ヒズボラは、イスラエルがガザに武力侵攻すれば戦闘に参加すると言っているが、昨日、イスラエルの前哨基地に攻撃が1件発生した。

学校から近距離砲が発射され、ラバノンとの国境沿いの山頂にあるイスラエルの施設を標的にした。これがヒズボラの指揮系統の外で活動していたならず者によるもので、ヒズボラが事後的に主張しただけなのか、それとももっと大規模な作戦の準備の一環だったのかは定かではない。イスラエルのレーダーと盗聴設備は、大規模攻撃、特に長距離ミサイルやドローンの発射を含む攻撃の前に、最重要ターゲットとなるだろう。

また、ハマスや他の同盟グループの対イスラエル戦争を強化しようとする外国人戦闘員がこの地域に大量に流入する恐れもある。

イスラエル諜報機関に知られることなく、なぜハマスがこのような大規模な攻撃を実行できたのか。ガザは地球上で最も監視の厳しい土地のひとつである。イスラエル領内への侵入にとどまらず、数時間以内に数千発のロケット弾を発射するには、物資の移動と広範な連携が必要だ。

イスラエル国防総省のダニエル・ハガリ報道官は、ハマスがISISと同じ手口を使うようになったという主張を強調した:

イスラエルへの攻撃で、市販ドローンが爆弾投下機として使われたことは、戦争の新しい現実であり、立ち向かう準備ができている軍組織がどこにもないものであることを、改めて思い起こさせる。

ガザでは空爆が続いている。今後数時間から数日のうちに、地上作戦の準備や支援として新たな標的が設定され、空爆が劇的に強化されることになるだろう。

イスラエルは、ガザ国境にいるハマス戦闘員がAH-64アパッチ・ヘリコプターの攻撃を受ける様子とするビデオを公開した:

イスラエルの作戦は "鉄の剣 "と呼ばれ、IAFは "シュジャイヤ "で数十機の戦闘機で150の目標を攻撃したと発表している。この作戦に関する公式声明にはこうある:

「シュジャイヤはハマスのテロ組織で "テロの巣 "として使われている。イスラエルに対する多くの攻撃は、最近の侵攻の際も含めて、この場所から発生している」。

並行して、ハマス・テロ組織に所属する上級工作員ファラ・ハメッドの住居も標的にされた。場所はモスクと3つの学校に隣接しており、ハマスのテロ組織がテロ活動を進めるため聖地や民間人を利用していることを示している。

ハマスの軍事指導部に対する標的作戦も進行中である。ハマスの海軍部隊の副司令官は、イスラエル海軍の特殊作戦部隊に拉致された。重要人物からの情報抽出と迅速な搾取は、現時点での最優先事項である。

アイアンドームは、ハマスの大砲ロケット弾の炸裂を阻止するため、活発に活動している:

エルサレムの情勢も非常に緊迫している:

イスラエル国内にバリケードを築いたイスラエル治安部隊とハマス武装勢力との戦闘の映像も追加で入手した。

世界各地では、イスラエルとハマス双方を支持するデモが行われている。 ニューヨークでは、タイムズスクエアで双方が睨み合いになった。

今後も情報が入り次第、この記事を更新していく。


Israel Declares State Of War, U.S. Navy Carrier Group Redirected

BYTYLER ROGOWAY|PUBLISHED OCT 8, 2023 6:14 PM EDT

THE WAR ZONE


2023年10月8日日曜日

10月7日のハマスによる奇襲攻撃はイスラエルにとって9/11並の衝撃。イスラエルはここ数年で最大限の安全保障上の危機へ。

ここ数十年で最大の安全保障上の失敗に耐えるイスラエル

Clashes between Palestinian factions and Israeli forces


ガザ - 10月07日:ハマスの武装組織、イズ・アッディン・アル・カッサム旅団がイスラエルに侵入した。[+]anadolu agency via getty images


 マスが土曜日、ガザ地区からイスラエルを奇襲攻撃し大規模な侵入を行った。

1973年のアラブ・イスラエル戦争(イスラエルでは「ヨム・キプール戦争」、アラブでは「ラマダン戦争」として知られる)開戦50周年の翌日、ハマスがイスラエル全土に向けて5000発以上のロケット弾を発射し、ガザから大規模な地上の奇襲攻撃が行われた。狭いガザ地区とイスラエルを隔てるフェンスの一部が破壊され、武装勢力はエレズ交差点を占拠し、イスラエルのコミュニティー数カ所や近隣地域に迅速に侵入した。

記事執筆時点で、イスラエルのチャンネル12によると、少なくともイスラエル人100人が死亡し、800人が負傷した。パレスチナ保健省によれば、イスラエルの攻撃により、少なくとも198人のパレスチナ人が死亡、1,610人が負傷した。どちらの数字も、今後数時間、場合によっては数日のうちに間違いなく上昇するだろう。

2008年からイスラエルとガザの間で繰り返されてきた戦争には、これほど大規模なイスラエルへの侵入や、イスラエル軍兵士や民間人の大量捕獲はなかった。

今日の映像は、50年前にアラブの捕虜となったイスラエル兵を彷彿とさせ、イスラエル国民の士気を低下させており、1967年6月の6日間戦争での電光石火の勝利後、国内に蔓延していた無敵感に近い感覚を打ち砕いた。

ハマスとイスラム聖戦の総力は、半世紀前のアラブ軍ほどではないが、侵入は他の多くの点で前例がない。1973年戦争とは異なり、敵軍は1948年の国境内でイスラエルと戦っており、イスラエル国民を拉致している。

予備報告によると、ベエリとオファキムのコミュニティ内では、パレスチナ人侵入者がイスラエル人を人質にとっていた。ハマスの副長官サレハ・アル・アロウリは、ハマスが軍の「上級将校」を含む「多数の」イスラエル人を捕獲していると主張した。

ここまで組織的な侵入の規模とスピードは前例がない。

もちろん、1990年代からイスラエルの1967年以前の境界線の奥深くで自爆テロが起きており、中には2002年にイスラエル沿岸部のネタニヤで起きた悪名高い過越祭りの大虐殺も含まれている。1977年には、パレスチナ人武装勢力がレバノンからイスラエルに侵入し、バスをハイジャックしてテルアビブ近郊で銃撃戦を繰り広げ、市民と警察官を殺害した。(後者の事件は、イスラエルとエジプトの和平協定を阻止したいパレスチナ武装勢力の試みだった)。今回の攻撃も同様に、イスラエルとサウジアラビア間に本格的な外交関係を樹立しようとする、進行中の米国支援による努力を頓挫させることがねらいかもしれない)。

注目すべきは、以前の攻撃を上回る数のイスラエル人が土曜日に殺戮されたことだ。

07 2023年10月、イスラエル、スデロット: 攻撃で死亡したイスラエル人の遺体。[+]dpa/picture alliance via getty images


イスラエルが1973年10月に油断したのは、軍の傲慢さが主な原因だった。例えば、陸軍参謀総長は、10月6日の奇襲攻撃を前に、イスラエルがゴラン高原で100台の戦車を保有し、800台のシリア軍と対峙していることに満足感を示していた。イスラエルの今回の情報と安全保障での失敗は、少なくとも部分的には、ベンヤミン・ネタニヤフ右派政権が、イスラエル軍予備役を自発的に兵役に就かせる社会契約を損なったことに起因している。

侵入者を排除し、ガザに連れ去られた人質を解放する共通目的でイスラエル国民が団結すれば、国内の意見の相違は脇に置かれるはずだ。おそらく2014年以来最大規模となる狭い回廊部への大規模な地上侵攻が予定されている。ハマスや他のグループがイスラエルの人質を戦略的要所に人間の盾として配置すれば、空爆作戦は決定的な効果をあげないだろう。

1980年、ジミー・カーター大統領がテヘランのアメリカ大使館でイスラム過激派に拘束されていた米国人人質を救出しようと試みた「鷹の爪作戦」は失敗に終わったが、その4年前にウガンダのエンテベ空港で人質となっていた国民をイスラエルが救出した作戦は決定的だった。今回の人質事件の性格の違いを考えれば、イスラエルによる救出作戦は、エンテベよりもイーグル・クローの方が可能性が高いと思われる。

ネタニヤフ首相は2011年、たった一人捕らえられたイスラエル兵ギラッド・シャリットと引き換えに1027人の囚人を釈放したことがあるが、驚くほど異なる状況下でのことだった。現政権は、そのような交換をすぐに受け入れないだろう。特に、今日の襲撃で多数の人質がとられており、イスラエル政府はハマスと交渉できなくなっている。

レバノンの強力な民兵組織ヒズボラは、攻撃に加わってはいないものの、再び戦争が起きれば、何年も脅し続けてきたように、イスラエルのガリラヤ地方へ地上侵攻を試みる勇気をさらに強めるだろう。

1973年10月6日が広範な地域に重大な影響を与える出来事の連鎖を引き起こしたように、2023年10月7日の影響もまだ続きそうだ。■

Israel Endures Greatest Security Failure In A Generation

https://www.forbes.com/sites/pauliddon/2023/10/07/israel-endures-greatest-security-failure-in-a-generation/?ss=aerospace-defense&sh=1a9981b323cd


Paul IddonSenior Contributor

Oct 7, 2023,11:47am EDT


米空軍、鹿屋基地のリーパー飛行隊を嘉手納基地に南下させる。 尖閣諸島など日中のホット・ゾーンの偵察観測に投入か。

 An MQ-9 Reaper of the 319th Expeditionary Reconnaissance Squadron taxis before a demonstration flight at Kanoya Air Base, Japan, on Nov. 5, 2022.


An MQ-9 Reaper of the 319th Expeditionary Reconnaissance Squadron taxis before a demonstration flight at Kanoya Air Base, Japan, on Nov. 5, 2022. (Christopher Broome/U.S. Air Force)



京西部にある横田基地の広報担当によると、米空軍のMQ-9リーパー無人偵察機の飛行中隊が九州から沖縄に移動中だ。

新たに編成された第319遠征偵察飛行隊のリーパー8機と150人以上の隊員は、九州の南端に近い海上自衛隊鹿屋航空基地への1年間の配備を終えた。

「米太平洋空軍は、海上自衛隊鹿屋航空基地から嘉手納基地へMQ-9と米軍要員を移動させる」と、第374空輸航空団のスポークスマン、ダニー・ランジェル中尉は金曜日夕方、電子メールで述べた。

沖縄の嘉手納基地へ向かう航空機は、日本の防衛省と連携して空中偵察を行う、と彼は言った。

安全上の理由から、空軍は人員と航空機の移動日を公表していない、とランジェル中尉は述べた。「この配備に関して日本政府と緊密に調整を続ける」。

防衛省のスポークスマンは金曜日に、来週、移転に関する質問に答えることができると述べた。中国の軍備増強と台湾侵攻の脅威を懸念する日本は、南の島嶼部における防衛力を強化している。

日中両国の沿岸警備隊は、沖縄の西280マイルにある5つの無人島と3つの岩からなる尖閣諸島で頻繁に衝突している。尖閣諸島は日本が管轄しているが、台湾と中国は釣魚島と呼んでいる。

元海兵隊大佐で、日本戦略研究フォーラムの上級研究員グラント・ニューシャムによれば、通常、軍事力は作戦地域に近い場所に拠点を置く方が良い。リーパーは日本のはるか南で活動できると、彼は金曜日にEメールで語った。

「沖縄で活動することには政治的なメリットがある」とニューシャム。この動きは、日本政府が沖縄の反米グループの批判を吸収することを望んでいることを示唆している、と彼は言った。

「反対派は東京が沖縄の "負担 "を増やし、沖縄をさらに標的にし、さらに軍事化すると非難するでしょう」とニューシャムは言う。

太平洋空軍は、リーパーを中高度・長時間滞空可能の遠隔操縦機と説明している。空軍によれば、同機は主に偵察用だが、ヘルファイアミサイルやペーブウェイ・レーザー誘導爆弾などの武器を搭載することができる。

鹿屋市のウェブサイトに掲載の防衛省文書によると、同無人機は「監視用に設定されており、武器を装備することはできない」とある。

リーパーはサンディエゴのジェネラル・アトミクス製で、兵装3,000ポンドを搭載できる。2007年に初めてアフガニスタンで戦闘を行い、翌年にはイラクで戦闘を行った。アメリカは中東とアフリカ全域でのミッション多数に同機を使用してきた。

空軍は2014年にRQ-4グローバルホーク偵察機を北日本の三沢基地に配備し始め、近年は横田基地から飛行させている。海軍は昨年、三沢にMQ-4Cトライトン海上偵察機を配備し、昨年は広島の南にある海兵隊岩国航空基地に配備している。■

Air Force moving Reaper squadron in Japan south to Okinawa | Stars and Stripes

By SETH ROBSON

STARS AND STRIPES • October 6, 2023


ハマスによる奇襲作戦だけ見ていては全体像を見失う。イスラエルがイランと交戦する事態まで想定すべきだ。週明けの外国為替、原油の市場は大荒れになるだろう。


ハマスの奇襲攻撃はベンヤミン・ネタニヤフの政治キャリアを終わらせようとするものだ。それ以上に背後に潜むイランに要注意だ

マスによるイスラエル南部への奇襲攻撃は、イスラエルにとって過去50年間で最悪の諜報活動の失敗となった。ハマスが武装し、計画し、実行した攻撃をイスラエルは2001年9月11日になぞらえている。1973年のヨム・キプールにおけるユダヤ国家への奇襲攻撃が当時のゴルダ・メイア政権の崩壊に直結したように、今回の攻撃はベンヤミン・ネタニヤフの政治キャリアを終わらせようとするものだ。

インテリジェンスの失敗には計り知れないものがある。動力パラグライダーを新戦術のように扱うジャーナリストもいるが、1987年11月25日には、2人のパレスチナ人テロリストがレバノン南部からイスラエルにパラグライダーで侵入し、イスラエル基地内で兵士6人を殺害している。また、ネタニヤフ首相は、イスラエルの電子的・人的手段による監視で、この作戦の大規模な計画を摘発できなかったことを説明していない。

ハマスのテロの背後にイランがいるのは確かだ。ある誘拐事件のビデオには、イスラム革命防衛隊を示唆するペルシャ語での命令が記録されている。しかし、ネタニヤフ首相がイランに一点集中したことで、トルコがハマスの能力を強化する道も開けた。ハマスは安全なトルコで活動している。ネタニヤフ首相がレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を受け入れているときでさえ、トルコはロケット弾の材料をガザに密輸しようとしていた。

中東は白黒はっきりしていない。過激主義にはさまざまな色があり、それぞれが同じように殺人を犯す。ネタニヤフ首相の失敗は、その複雑さを理解しなかったこと、そして本質的に「良い警官と悪い警官」というゲームに引っかかってしまったことだ。単純な真実は、イランもトルコもお互いを憎む以上にイスラエルを憎んでいるということだ。

ではどうすればよいのか。

イスラエルの戦略家たちは、ハマスのロケット弾製造やテロのインフラを弱体化させる作戦を「草刈り」と表現する。しかし、長期的な解決策ではない。ハマスも以前のヒズボラのように、民間人の犠牲を背景に国際世論が変わるまで身を潜めて待つだろう。ハマスもアパートや学校から武器を発射して、そのような事態を早めようとするかもしれない。イスラエルは自国の安全を優先すべきで、利害関係もない欧米の高官たちは指をくわえて見ているだけだろう。

バイデン大統領やジェイク・サリバン国家安全保障顧問が、人質身代金要求で60億ドルをイランに贈与し、さらに過去の制裁緩和や不執行でさらに多くの金をイランに贈与した首謀者であることを考えれば、イスラエル人がこれ以上バイデン大統領やジェイク・サリバン国家安全保障顧問の言うことに耳を傾けるとは思えない。

米国は広範な戦争に備えなければならない。ハマスが危機を引き延ばすためにイスラエル人を人質に取り、イラン工作員が直接関与しているとすれば、イスラエルがイランの奥深く、おそらく最高指導者やイスラム革命防衛隊指導部を攻撃する圧力は計り知れないだろう。イランはこれに応じ、イスラエルの政策立案者たちは「1ペニーで1ポンドを得る」と合理化するだろう。

イランがヒズボラを抑止力として考えていることを考えれば、イラン・イスラエル戦争が両国に限定されることもないだろう。イラクやシリアで活動するイラン支援を受けた民兵組織も、無人機やおそらくミサイルを持っており、戦いに貢献できるだろう。

イスラエルの失敗の最終的な責任はネタニヤフ首相にあるが、バイデンチームのイラン戦略は、ユダヤ国家の破壊を優先する攻撃的なイデオロギーから決して離れようとしない敵を生んでいる。

希望的観測では決して平和をもたらさないことを忘れないように。■

 Joe Biden Should Be Ready for Israel-Iran War - 19FortyFive


By

Michael Rubin

現在、19FortyFiveの寄稿編集者であるマイケル・ルービン博士は、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のシニアフェローである。外交、イラン史、アラブ文化、クルド研究、シーア派政治を探求する複数の著書の著者、共著者、共同編集者: What Really Causes Instability in the Middle East? (AEI Press, 2019)、"Kurdistan Rising" (AEI Press, 2016)、"Dancing with the Devil: Dancing with Devil: The Perils of Engaging Rogue Regimes」(Encounter Books、2014年)、「Eternal Iran: Continuity and Chaos」(Palgrave、2005年)。


ハマスのイスラエル奇襲攻撃続報。ハマスは動力パラグライダーも投入し、イスラエル国境を突破していた....

 


A snapshot of a video released by the Israel Air Force shows the result of an airstrike as part of Operation Swords of Iron on Oct. 7.

Credit: Israeli Air Force

 


 マス戦闘員は10月7日、広範囲な奇襲攻撃の地上侵攻と無誘導ロケット射撃の一環で、動力パラグライダーを初めて使用しガザ地区からイスラエル南国境を突破した。

イスラエル首相ベニヤミン・ネタニヤフはこの攻撃に対し、戦争状態を宣言し、予備兵力を動員し、「鉄の剣」作戦を開始した。イスラエル空軍は、戦闘機とおそらく無搭乗航空機システムによるパレスチナ標的への空爆の映像を公開した。その後に公開された2つ目のビデオでは、さらに9回の空爆が行われ、個人と車両が標的となった。

ネット投稿の動画では、ハマス戦闘員数名が動力式パラグライダーでイスラエルの国境フェンス上空を飛行していた。同時に、ハマス戦闘員は150平方キロメートルのガザ地区の北と東の国境を越えイスラエルに侵入した。

ハマス指導部が「アル・アクサの洪水」と名付けた空爆と地上攻撃は、ロケット弾乱射に先行して行われた。ハマス指導者たちは、夜明けに5000発のロケット弾をイスラエル領内に撃ち込んだと主張した。イスラエル国防軍は、2,200発に過ぎないと発表した。

イスラエルのアイアンドームやその他ミサイル防衛によって迎撃されたロケット弾の数は明らかになっていないが、イスラエルメディアは死傷者数十人が出たと報じた。

ハマス戦闘員による侵入の範囲や、少数の戦闘員をイスラエルに運ぶための動力付きパラグライダーの使用など、多くの点で前例のない、国境を越えた広範囲な攻撃が開始されたようだ。

2014年、『エルサレム・ポスト』紙は、イスラエルの諜報機関であるシン・ベトが、ハマス組織がマレーシアで国境越え攻撃に動力式パラグライダーを使う訓練を受けていたことを発見したと報じた。しかし、今回のアル・アクサの洪水作戦まで、そのような攻撃事例は報告がなかった。

ハマスが奇襲攻撃を開始したのは、エジプト、シリア、ヨルダンを含むアラブ連合による奇襲攻撃で始まった1973年のヨム・キプール戦争開戦50周年の翌日だった。

近年、イスラエルとハマス間で勃発する紛争は、国境での小競り合いや、ガザ地区からイスラエル領内に発射される無誘導ロケット弾に限られていた。しかし、アル・アクサ・フラッド作戦は、かなり野心的なもので、攻撃開始から数時間で、南国境のイスラエルの町数十箇所へハマス戦闘員が侵入した。パレスチナのロケット弾は、イスラエルとガザの南国境から約38キロ北に位置するテルアビブまで攻撃したと伝えられている。

ハマスの攻撃から8時間以内に、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツを含む数カ国政府首脳がパレスチナの作戦を非難し、イスラエルへ支援を再確認した。■

Hamas Paragliders Join Surprise Assault On Israel | Aviation Week Network

Steve Trimble October 07, 2023


Steve Trimble

Steve covers military aviation, missiles and space for the Aviation Week Network, based in Washington DC.