イスラエルはハマスとの戦いに勝つだろう。
しかし、銃撃が止んだあとは?
ガザ地区のイスラム主義派閥ハマスが、大規模な作戦でイスラエルを奇襲攻撃した。ガザ近郊のイスラエルの村落や入植地を襲撃し、ロケット弾を発射した。
ハマスがイスラエル国内で領土を保持することは望めないため、襲撃とテロリズムをミックスした攻撃となっている。
イスラエルの一般市民は戦闘員に処刑され、人質が取られ、財産が略奪されている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルは『戦争状態』と宣言し、イスラエルの報復はすでに始まっている。イスラエルの行動は迅速かつ懲罰的だ。
空爆が開始され、ハマスの地上侵攻の規模を考えれば、イスラエルは地上にも突入するだろう。
ハマスは勝てない
ハマスが手を出しすぎたのはほぼ間違いない。
民間人の処刑は世界世論を敵に回す。ハマス戦闘員が街頭で市民を狩る映像は、紛争を決定的なものにしており、ハマスが望む自由の戦士ではなく、ギャングやテロリストに見える。トルコとインドはイスラエル支持を表明した。伝統的にイスラエルの軍事行動から距離を置いてきたヨーロッパ諸国も、支持を表明している。
もちろん、ガザに対するイスラエルの軍事的優位は非常に大きい。イスラエルの軍事行動は、ほぼ間違いなくハマスの指導部、訓練施設、ロケット製造工場を標的にするだろう。
ハマスは3つの方法で抵抗する
第一に、ハマスは人質を人間の盾として使う。ハマスは冷酷で、イスラエルは数人のイスラエル人とパレスチナ人多数を交換することで知られている。少なくともハマスの人質の何人かは外国人であり、イスラエルが大規模な地上侵攻を開始すれば、外交的コストが発生する。
第二に、世界の世論がイスラエルを拘束するだろう。不釣り合いな対応は、この地域におけるイスラエルの軍事行動に対する批判となって久しい。イスラエルの軍事行動が今後数週間で、犠牲者数が偏って返ってくれば、イスラエルは再び批判を浴びるだろう。しかし現在、イスラエルは史上で最も右翼の政権に率いられている。過去の政府ほど自制を気にすることはないだろう。
第三に、イスラエルはヨルダン川西岸地区と同様に、ガザで泥沼化することを望んでいない。ガザへの本格的な地上侵攻は、占領と反乱につながりかねない。イスラエル国防軍はすでに、ヨルダン川西岸で半警察軍/反乱軍として活動している。しかし、現在のイスラエルの強権的な指導者たちは気にかけないかもしれない。ネタニヤフ連立政権は、2005年のガザ撤退に満足していない。以前の政権がガザを泥沼として切り捨てようとしたのに対し、現政権はこの紛争を利用してイスラエルを再び取り込むかもしれない。
イスラエルは勝ってからどうするのか?
イスラエルの勝利に疑いの余地はない。イスラエルとパレスチナの未解決紛争はすべて同じ結末だ。イスラエルは簡単に勝利することもあれば、獲得したものを維持するため奮闘することもある。ヨルダン川西岸では、入植者運動が徐々にイスラエル支配を定着させてきた。ネタニヤフ首相の強権的な政府がガザに武力復帰しようと思えば、それは可能だ。
しかし、このような紛争での和平の期間は、長続きする和解ではなく、一層暫定的になりつつある。定期的な一方的な軍事衝突でパレスチナ過激派が鎮圧され、イスラエル側に民間人の犠牲も発生する事態は、双方にとって奇妙な現状である。ネタニヤフ首相はこれを安定した均衡と考えているようだ。ネタニヤフ首相は、パレスチナ人の最終的な地位の問題を際限なく先延ばしにする一方で、併合を論議することなく、ヨルダン川西岸地区を非公式に保持することを可能にしている。
二国間解決が唯一の永続的な答えだ
永続的な解決策、つまり休戦ではなく実際の和平を築くには、パレスチナ人に恒久的な解決策が必要だ。米国と多数国は、パレスチナ人がイスラエルの隣に独自国家を持つという2国家和平案を長い間支持してきた。ネタニヤフ首相の連立政権はこれに反対しており、イスラエル世論はこの問題で徐々に右傾化している。
したがって、数年後の紛争再発は容易に想像できる。イスラエルはパレスチナのナショナリズムを永久に打ち負かすことはできない。ハマスについても今週は潰せても、残党が生き残り、再編成されるだろう。疎外された若者たちは常時戦う準備だ。今回の紛争がターニングポイントと呼ばれているが、インティファーダやオスロ和平合意、そして2014年のイスラエルのガザ侵攻でも同じことが言われていた。これで終わりのはずはない。■
Israel Will Win the War Against Hamas. But What Happens When the Shooting Stops? - 19FortyFive
By
Dr. Robert E. Kelly (@Robert_E_Kelly; RoberEdwinKelly.com) is a professor in the Department of Political Science at Pusan National University and 19FortyFive Contributing Editor.
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。