USAF
XQ-58ヴァルキリーが海兵隊で飛行中
海兵隊はXQ-58を偵察、電子戦、忠実なウイングマン用プラットフォームの想定でテストし、将来のドローン運用に向け情報を集めている
米海兵隊がステルス無人機クレイトス「XQ-58Aヴァルキリー」の飛行を開始した。海兵隊はドローンを高度に自律的な監視・偵察資産、電子戦プラットフォーム、乗組戦闘機のウィングマンとして評価する計画で、キネティックな役割も含まれる。
海兵隊のXQ-58の初飛行は10月3日に行われた。ドローンはフロリダのエグリン空軍基地から打ち上げられた。試験飛行は、エグリンの第96試験飛行隊に属する空軍の第40飛行試験飛行隊と、海軍航空システム司令部(NAVAIR)隷下の米海軍航空戦センター航空機部(NAWCAD)の協力で実施された。国防次官研究技術局(OUSD(R&E))もマリン・ヴァルキリー・プログラムに関与している。
XQ-58は完全に滑走路に依存しない設計で、地上発射装置からのロケットアシスト離陸方式を採用している。同機はパラシュート回収システムで地上に戻り、着陸時には膨張式エアバッグがクッションとなる。
クレイトスによれば、XQ-58は全長30フィート、翼幅27フィートで、最大航続距離は約3,000マイル、最大打ち上げ重量は6,500ポンド(内部ペイロードベイに最大600ポンド、翼下にさらに600ポンドを含む)である。巡航速度は亜音速のマッハ0.72で、最高速度はマッハ0.85。
第40飛行テスト飛行隊は、主に人工知能と機械学習主導の自律飛行システムの開発を支援するため、昨年最初の機体を受領して以来、エグリンでヴァルキリーを運用している。空軍は2019年に同型機の初飛行を監督した。
NAVAIRは1月、PAACK-P(Penetrating Affordable Autonomous Collaborative Killer-Portfolio)と呼ばれるプログラムを支援するため、海兵隊に代わってヴァルキリーのペアを購入する契約をKratosと締結した。海兵隊は現在、PAACK-Pがより大規模な海兵空地任務部隊の無人航空機システム遠征プログラム(MUX)の戦術航空機(TACAIR)コンポーネントに組み込まれることを期待している。
今日発表のプレスリリースによると、海兵隊は3月に2機のXQ-58のうち最初の1機を受領した。MODEXの番号からすると、海兵隊が2機目を受領したのはその後となる。
海兵隊が公開した10月3日の試験飛行のビデオと写真(この記事の上部と下にある)は、MODEX番号107のヴァルキリーだ。
2023年10月3日、米海兵隊の2機のXQ-58Aヴァルキリーのうちの1機が、米空軍のF-16Cバイパー戦闘機と一緒に飛行する。USAF
先月の2023年海兵隊ミラマー基地航空ショーからの追加写真には、もう1機の海兵隊XQ-58が写っている。
USMC
海兵隊は、PAACK-Pの一環として、XQ-58で少なくともあと6回の試験飛行を計画している。
海兵隊プレスリリースによると、飛行試験には「さまざまな情報・監視・偵察(ISR)任務を支援するプラットフォームの能力評価、乗員付きプラットフォームへの自律電子支援の有効性、戦闘空中哨戒を増強するAI(人工知能)対応プラットフォームの可能性、その他の有人-無人チーミング(MUM-T)能力目標の継続成熟を含む目的」がある。
海兵隊のプレスリリースでは、テストで武器やその他の装備品の放出を伴うかは不明である。しかし、2023年のミラマー・エアショーで海兵隊ヴァルキリーは、不活性AIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)と不活性500ポンド級統合直接攻撃弾(JDAM)精密誘導爆弾のペアと一緒に展示されていた。
今年初め、クレイトスのエリック・デマルコEric DeMarco社長兼最高経営責任者(CEO)は、ステルス性を持つF-35統合打撃戦闘機とともに電子戦任務を飛行するヴァルキリーの能力が、海兵隊にとって重要な関心分野であることを明らかにした。
海兵隊が最終的にXQ-58、あるいはその派生型を運用するかどうかは、まだわからない。現状では、PAACK-Pは、海兵隊が将来のドローン要件を絞り込む実験的な取り組みに過ぎない。
「今回の購入は、将来の自律型共同プラットフォームを検討する米海兵隊の取り組みの一環です」と、海兵隊航空広報担当のジェイ・ヘルナンデス少佐は1月の声明で本誌に語っていた。「基本契約はベースライン機のために締結され、機体は実験用で、将来の改造や運用に関する決定はなされていない」。
とはいえ、XQ-58の設計は海兵隊にとって大きく魅力となる特性を持っている。クレイトスは過去にヴァルキリーで使用するコンテナ化された発射システムも提示していた。ドローンの低観測特性と3000マイルの余裕ある航続距離は太平洋戦域に非常に適している。
海兵隊は近年、迅速展開と、遠隔地や僻地を含む前方で持続的なハイエンド作戦を実施する能力に重点を置いた新しい作戦構想を中心に、部隊構造全体を抜本的に再編成中だ。海兵隊航空部隊のF-35B統合打撃戦闘機が将来の無人偵察機とチームを組む可能性があり、この新しい遠征・分散作戦ビジョンの中心的存在となる。
「海兵隊は、急速に進化する安全保障環境の中で、常にその能力を近代化し、強化しようとしています」と、海兵隊本部海兵隊航空室のドナルド・ケリー中佐は、本日のプレスリリースで述べている。「XQ-58ヴァルキリーのテストは、過酷な環境での待機する部隊の作戦と統合軍の両方を支援する、機敏で遠征的で致命的な能力の必要性を補完し、高度に自律的で低コストの戦術的UAS(無人航空機システム)の要件を決定する」。
もちろん、特に空において、ますます無人装備を投入する将来を見据えているのは海兵隊に限らない。エグリンは空軍の自律型航空機試験の主要拠点となっており、XQ-58も含む。海軍もまた、空母航空団やその他艦船の作戦に、ドローンを統合することを期待している。
さらに、空軍と海軍は、関連技術について積極的に協力している。これには、将来の作戦中に無人機の制御を相互にやり取りできるようにするシステムも含まれる。これはすべて、海兵隊にとっても間違いなく関心のあることだ。
PAACK-PプログラムでXQ-58をテストし、海兵隊のドローン要件がどう進化していくかはまだわからない。いずれにせよ、海兵隊は初飛行で重要な一歩を踏み出した。■
XQ-58 Valkyrie Is Now Flying With The Marine Corps | The Drive
BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED OCT 5, 2023 8:55 PM EDT
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